そらのおとしもの 人と天使達の非日常   作:龍姫の琴音

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第六十五話東京へ

東京への旅行が決まりシュウ達は支度を整えて現在は新幹線の中だ

 

「わぁ~おにいちゃん。景色がとんでいく~!」

 

新幹線に初めて乗ったカオスはテンションが上がりまくりになっている

 

「はぁ~まさかここまで大変な事になるとは・・・」

 

カオスのテンションとは対照的にシュウと日和は疲れ切っていた

 

ここに来るまでに珍しいものが沢山ありそれに全部イカロス達がふらふら~とどこかに行ってしまうというちょっとした事件が起きた

 

イカロスの場合

 

「こけし・・・」

 

お土産売り場に売られていた珍しいこけしを見つけてその場から動こうとしなかった

 

「イカロス、買ってあげるから早く行かないと新幹線に遅れちゃうから」

 

「ありがとうございますマスター」

 

ニンフの場合

 

「見た事のないお菓子がいっぱい・・・すいませ~んこれ全部ください!」

 

「ニンフさん、もう時間だから一つ二つにしよう」

 

「えぇ~全部食べたい!」

 

「でも時間が・・・」

 

「日和様、ここは私にお任せください」

 

日和が困っているとオレガノが現れた

 

「えっと・・・任せてもいいのかな?」

 

オレガノはニンフを嫌っているので任せるのには一抹の不安がある

 

「大丈夫です。迅速かつ穏便に事態を収束させていただきます」

 

「じゃあ・・・お願いします」

 

「かしこまりました。おいコンブ」

 

「誰がコンブよ!」

 

振り返るとオレガノは右手の拳を握りしめニンフの懐に入り込んでいた

 

「ちょっ!・・・ゲフゥ!」

 

オレガノの右ストレートがニンフの腹部に炸裂しニンフは一撃で悶絶した

 

「オレガノさん!どこが穏便なの!?」

 

「私なりの穏便です。さぁ、行きましょう」

 

ニンフを縄でぐるぐる巻きに縛り上げて引きずりながら新幹線へと向かっていた

 

アストレアの場合

 

ジィ~~~!

 

「あの~お客様・・・」

 

「お腹空いた・・・」

 

ショーケースの前にへばりついて離れようとしない

 

「アストレアおねぇさま、置いてかれちゃうよ」

 

「・・・食べたい」

 

「む~・・・」

 

アストレアに無視をされてカオスは頬を膨らませると背中から刃の羽を展開しようとする

 

「ちょっ!ストップだカオス!」

 

寸でのところでシュウがカオスを制止してカオスを脇に抱えアストレアを引きずり発車ギリギリで新幹線へと乗車した

 

こんな事がありシュウと日和はまだ出発したばかりなのに疲れ切っておりイカロスはこけしに夢中でニンフは未だにダウンしている

 

「はぁ~まさかここまで予想通りになるとわな・・・貸し切りにしておいて良かった」

 

シュウはおそらく色々と問題が発生すると思いシュウは新幹線の一両分を丸々と貸し切った

 

「ねぇ、シュウ君。私達の羽ってどうするつもりなの?」

 

「それは考えてある。今、空見町全体にはイカロス達に羽が生えているのは普通だという思い込みを植え付けているのは知っているよな」

 

「うん。そのおかげで私達の羽について疑問視する人はいないんだよね」

 

「あぁ、シナプスの技術力が高いのは知っている。でも、最悪の事態を想定しないといけない

この場合の最悪の事態はイカロス達が人ではないという事がばれる事だ。コミケ内ではイカロス達はコスプレと言って誤魔化せるけどコミケ以外では空見町の数十倍の人間達にイカロス達の羽についての暗示を使わないといけない

 

もしその機能が許容量を超えて壊れたら騒ぎになる。だからなるべく騒ぎにならないように移動手段はこういった新幹線を貸し切ったりして人目につかないようにしないといけない」

 

「う~ん・・・理由は分かったんけどそれならニンフさんのP=ステルスシステムで見えないようにして東京まで行って人目の付かない所でステルスを解除ってやり方じゃダメなの?」

 

「・・・」

 

「シュウ君?」

 

「・・・」

 

「もしかして思いつかなかった?」

 

「人生に失敗はつきものだよ日和君」

 

「ふふ、シュウ君でもそういう事あるんだ」

 

「俺は完璧人間ではありません。まぁ、もう人間じゃないけど」

 

『次は東京。お忘れ物にお気を付けください』

 

「ようやく到着か」

 

「はっ!ここは何処!?」

 

丁度いいタイミングでニンフも起きた

 

「みんな下車の準備をしろ」

 

下車の準備を終えて新幹線を降りるとそこは空見町とは違う沢山の人々が住む大都会の東京だった


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