ブラッドベリーの団長室。
団長の深見と、参謀の白河、一番隊隊長のガレインが、
話をしている。
そこに、ノックがされ団員が入って来た。
「団長…変な客がきたんですが…」
「変な客?
どんな奴だ?」
「それが…どうもステイゴールドの…」
ステイゴールドと聞いて、深見はギクッとし、
すぐに許可を出した。
「ああ、わかった。
構わんから通せ」
団長の深見が、参謀の白河に怒鳴る。
「おい…どうして直に会いに来るんだ…!
団員に知られたらどうする?
目立つ事は避けろと言っておいただろ!」
白河は、首を傾げながら答えた。
「はい…それはもちろん伝えています…
ここに来るはずは…ないと思いますが…」
「ビエイラの事を謝りにでも来たのかもしれんな。
発破をかけるためにも、一喝しておくか!」
「!?」
入って来たのは、深見の知らない女だった。
「貴様!誰だ!?」
「ロデオソウルズの八雲だ」
「何!?
どうして…」
隊長のガレインが腰の剣に手をかける。
「ブラッドベリーに入れてもらいたいんだ」
「なにぃ?
お前は、団長のメイジと知り合いのはずだ。
そいつが、敵の団にはいりたいだと?」
「ああ…実は、ステイゴールドのメイジと揉めてしまったんだ」
「それで、ウチに乗り換えをしたいってのか?
ふざけるなぁ!
貴様の団のカイトは、うちの二番手を殺ってるんだ!
その団を俺の仲間にするわけないだろうが!
お前ら、片付けろ!」
ガレインが剣を抜いた。
「まぁ待て、手ぶらで来たわけじゃない。
ちゃんと土産を持ってきた」
「みやげ?……ずいぶんと気持ちが入っているようだな?
本気でブラッドベリーに入りたいってのか?」
「ああ」
「……ふ〜む」
団長の深見は、しばらく八雲を見据えた後、
口の端をニヤリと上げた。
部屋にいた、参謀の白河と、隊長のガレインに命じる。
「お前ら、こいつはどうも本気らしい。
せっかくだから、ここまで来たこいつの勇気に免じて、
二人で話をしてやろう。
お前らはしばらく外に出ていろ」
白河が口を開く。
「しかし、団長…
二人になるのは、危険過ぎます。
女とはいえ、ロデオソウルズの団長ですよ?」
八雲が深見を見つめたまま答える。
「心配するな。
お前らの優秀な団員に武器は取られている。
私は丸腰だ」
深見は微笑む。
「俺は大丈夫だ。
お前らは出ていろ」
二人は、しぶしぶ部屋を出て行く。
「さぁ…これで俺達は二人きりだ。
腹を割って話そう。
何が望みだ?」
「今、話した」
「本気でブラッドベリーに入りたいのか?」
「ああ」
「だが、俺はお前の事を知らんからなぁ」
「当たり前だ。
初めて会ったんだからな」
「なかなか生意気な女だ。
嫌いじゃないぞ?
へへへ…」
「…」
「土産を持ってくる心がけは褒めてやる。
だが、それだけじゃお前の事はわからんからなぁ。
もっと近づけ」
八雲は深見に近づく。
「ほぉ……これは極上じゃないか…はっはははっ。
仲間にするより、俺の女にならんか?
もっと贅沢をさせてやるぞ?
どうだ?」
「先に土産を渡したい。
重たいんでな」
「おお…その細腕には重たかろう。
なんだ?見せてみろ?」
八雲は持って来た袋に手をつっこみ、中身を放り投げた。
それはゴロゴロと深見の足元に転がった。
「!?」
それは、赤黒いステイゴールドの団長メイジの頭だった。
「切りたてだ」
八雲はつぶやいた。