少し修正しました
ーーーその戦いは、終局を迎えようとしていた。
此処は地獄。死した霊達の集う場所。本来であれば静寂に包まれ、聞こえてくるのは罪人の呻き声位のもの。
しかし、今の地獄にそんなものは無かった。彼方此方で爆音が鳴り止まず、衝撃が常に響き渡っている。
地形を破壊し続けるそれが、たった二人によって起こされているなど、誰も思うまい。
「ハァ……ハァ……!」
「ーーー何故だ、⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️。何故貴様は倒れない」
金髪の青年と対峙している黒のドレスを着た女性が問う。
その問いに青年はさも当然の様に、
「何故?そんなもん、決まってんだろうが!ーーーお前に、勝つ為だ!」
勝つ為ーーー。そう、唯それだけの為に彼は拳を握り、足を前に出すのだ。
「……そのような体で、未だ戦うと?」
彼女の言う通り、彼の体は酷い有り様だった。
彼には右腕が無く、体中に決して浅くは無い傷を負っている。衣服はボロボロで、上半身は何も着ていなかった。
それでも尚、彼の瞳は輝きを失ってはいなかった。
「…………そうか。ならば、せめてもの手向けだ。次で終わりにするとしよう」
彼女の指先から、体が凍り付く程の圧力が発せられる。
それら全てが、一つのカタチを創っていく。ーーー小さな宇宙が、そこには有った。
「さらばだ⬛️雨⬛️⬛️⬛️。せめて、痛みを感じずに塵へと還そう。ーーー『魔星転輪』」
ーーーーー
宇宙という名の死を目の当たりにしたというのに、俺の中には不思議と恐怖は無かった。
それどころか、脳が沸騰する程の怒りが、自身の中で暴れていた。
「これで、終わりだぁ?ーーー舐めんじゃ、ねえーー!!」
そうだ。こんな所で終われない。否、終わらせられないーーー!
とは言っても、マントは元より、
しかし、だからと言って諦める訳にはいかない。
(……仕方ねえ、命を捨てることになるが、ここで無惨に死ぬよりかはマシだ)
瞬間、雀の涙程しか残っていなかった自身の魔力が、爆発的に増大する。
同時に、全身の神経が千切れ飛ぶ様な感覚に襲われる。体がグチャグチャになる程の魔力が全身を駆け巡り、激痛が奔る。
“この禁術を使えば、あんたは確かに強大な魔力を手に入れる事が出来る。しかし、その代わりに、あんたの命を代償とする事になる。絶対に使うな、とは言わないけどさ、使いどきは見極めなよ?”
今は亡き
ああ、そうだ。今こそ叫ぼう。
強大な魔力を得る代わりに、自身の命を捨てるこの禁術の名はーーー
「『ラスト・マジック』ーー!!」
そして、もう一つ。
左手を銃の形で構え、人差し指に魔力が灯る。禁術で得た魔力を全て、指先へと集中させる。
これぞ我が魔法。
これぞ我が最期の軌跡。
これぞ⬛️⬛️魔⬛️沙の代名詞ーーー!!
「『マスター・スパーク』ッッッーーー!!!」
ーーーーー
『魔星転輪』と『マスター・スパーク』が同時に放たれる。
「お、おおォォォオオーーーッッッッッ!!!」
砲撃が触れた瞬間、霧■魔理■は瞬時に理解した。
ーーーこれでは足りない、と。
ならば、如何するか?
出力を上げる?ーーー否。
これよりも高威力の魔法を使う?ーーー否。
では如何するか?
答えは単純。ーーー数を増やす。
しかし、ただ数を増やすのでは無く、砲撃が砲撃を放つ形で数を増やす。そうする事で発動までのタイムラグを無くすのだ。
この技、否、この魔法の名はーー!
「『インフィニティ・スパーク』ッッッーーー!!」
そこからの事を、俺はよく憶えてはいない。
唯一記憶に残っているのは、段々と朽ち果てていく自分の体と、全身を焼け焦がす程の真っ白な光だった。