あの後、満腹のめぐみんを連れて街の郊外に来た俺たちは、魔理沙がいつ間にやら作成していた小型のレーダーを使ってジャイアントトードを探していた。試作品のデータ収集目的で今回使用するらしいが、売り出したりするのだろうか。
「さて、奴さんはどうしたもんかな……と、いたいた。カズマ!こっちだこっち!」
「早っ!?……あー、状況は?」
「数は二つ、片方はこっちに気付いてない!」
「あいよっ!めぐみん!魔法の準備!遠い方を狙ってくれ!」
「え、ええ。了解しました。遠い方ですね?では……!」
俺達の会話に多少驚きながらも、めぐみんは詠唱を始める。詠唱が一つ進む度に、発せられる重圧が増して行く。思わず固唾を飲んで見守っていると、詠唱が完了した。
「 ーーー『エクスプロージョン』ッ!」
めぐみんの眼がカッと開かれ、それと同時に爆裂魔法が放たれる。その真紅の奔流は真っ直ぐにジャイアントトードへと向かい、その肉体を灰すら残らず消し飛ばした。しかし、それだけでは終わらず、ジャイアントトードを中心とした半径五メートル程のクレーターを開けた。
「……マジかよ」
「おー、凄えなぁ。流石は紅魔族」
圧倒的だった。レベルを見るに、殆ど変わらない筈なのだが、そんな事は知らないとばかりのこのバカ火力。アクアやマリサが凄い凄いと褒めていたのも頷ける。
……そういえば、アクアが妙に静かなのが気になる。辺りを見渡して見ると、先程まで近くにいたアクアの姿はそこには無く、あるとすれば、近くの方のジャイアントトードの口から見たことのある両脚が……。
「って、アクアー!?ちょ、おまっ……だあああああ!!」
ーーーーー
「うぅ……ぐず、えっぐ……」
「おい、大丈夫かアクア。……ったく、いつの間になに喰われてんだお前は」
無事にアクアを助け出したのだが、案の定アクアは粘液まみれになっていた。しかも、その状態で抱きついてくるのだからさあ大変。俺まで粘液まみれになっちまった。くそったれ。
「……なあ、カズマ」
「なんだよマリサ。今俺はアクアにどんな仕返しをするかを考えてる最中なんだ。後にしてくれないか」
「お前なぁ……」
マリサがめぐみんをおんぶしながら此方に近寄ってくる。……ん?
「なあマリサ。お前なんでめぐみんを背負ってるんだ?」
「ああ、これはめぐみんが爆裂魔法を放った後にぶっ倒れてな。……じゃなくてカズマ。周りをよく見てみろ」
「周り…?……あっ」
周りには、ジッとこちらを眺める三体のジャイアントトードの姿が。
……どうしよう、これ。
ーーーーー
「はぁ……。とりあえず、なんとかなって良かったなぁカズマ」
「この状況でそんな言葉が出てくるお前の神経を疑うよ、俺は」
そう言うと俺はチラリと、顔の死んでいるアクアと、アクアに背負われているめぐみんを見る。
あの後、真っ先に食べられた二人が足止めした事と、またまたいつの間にか作っていたマリサの魔道具のお陰で何とか切り抜ける事が出来た。
「……なあアクア。いい加減元気出せよ。ほら、クエスト完了の報告と換金は俺達でやっておくから、めぐみんと一緒に風呂に入って来るといい。な?」
「……うん。ありがとね、カズマ」
「…………カエルのお腹の中って、地味に暖かいんですね。全然知りたくなかったです」
アクアに浴場の代金を渡し、アクアが去ろうとすると、めぐみんがそんなことを呟いた。……うん。気持ちは分かる。俺だってそんな事知りたくなかった。
その後、無事にクエスト報告と換金を済ませた俺達は、風呂から上がって元気を取り戻した二人が戻ってきた後の話し合いで、めぐみんが爆裂魔法しか使えない事が分かり、一悶着あったものの、無事めぐみんが正式にパーティーに加わる事になった。
……今更こんなことを言うのも何だが、もう少し考えた方が良かった気がする。
次回はダクネス登場……?