とある魔術の絶対重力‐ブラックホール-   作:プロジェクトE

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第11話 自己限界からの遁走曲 ~fuga~

 

7月21日、小萌が目を覚ますと目の前に神無月の顔があった。

「!?!?」

何が起こったのかわからない。

小萌は取り敢えず現状を理解する為に昨日を思い返す。

(確か昨日は、白いシスターちゃんの傷を良く分からない力で治して、そのあと神無月ちゃんとお話して、・・・えっと、その後どうしたのか記憶がないのです)

眠る前の記憶がはっきりしないのは酒飲みには良くあることだが、昨日のそれはちょっと別の原因で思い返せない気がする小萌だったが、いつまでも自分の受け持つ生徒と同じ布団に入っているのは教師としてよろしくない。

なんというか不純異性交遊的な匂いがぷんぷんとするのだ。

取りあえず、布団から出ようとする小萌だったが、気が付いた事があった。

なんというか一言で言うと、

 

出られない。

 

より詳しく言うなら、動けないので布団から出られない。

月詠小萌は小柄な先生だ。

小学生と言っても通ってしまうほど、小さく、幼く見える。

そんな小萌は、見た目通りで筋力なんてそんなに強くない。

例えば重い物が乗っていたり、例えば男子高校生に捕まったりすれば、当然どかすことなんてできない。

そして、小萌は自由になる手で布団をまくりあげてみると、もう先生としては言い訳できない状態だった。

何と言うか、自分が普段着ているウサギ耳付きのパジャマは脱がされて下着しかつけていなかった。

そして、目の前に顔のあった神無月の腕が小萌の腰辺りをがっちりホールドして、小萌の力ではどうにもならない感じだった。

一言で言って、他の人から見れば完全無欠に事後だった。

(な、なんでこんな事に!?)

こんな姿、他の生徒はもちろん、同僚の教師には絶対に見せられない。

こんなことがばれたらやましい事がなくても、停職にされてしまう可能性もある。

しかし、ここで小萌は嫌な予感に襲われた。

 

本当にやましい事はなかったのだろうかと。

 

記憶が定かではないので、何も断言することは出来ないが、嫌な予感だけは加速していく。

もしかして、昨日の晩に酒の勢いで行くとこまで行ってしまったのではないか。

そして、自分で布団の中に連れ込んで、あんなことやこんなことをしてしまったのでは。

教師としてはやってはいけない事をしたのではないかと。

だが、小萌は大人で教師であっても、このように相手が眠っている場合は何も出来ない。

そんな時、神無月が、

「ん~~~~んん」

と眠りを妨げられた子供のような声を上げた。

これは起きるかそのまま眠り続けるかの分岐点、ここでこの状況から脱出できるかが決まる。

「か、神無月ちゃん、起きてください。 どういう状況なのかは分からないのですけれど、取りあえず起きてください?」

取りあえず、教師心で何も考えないように小萌は神無月の肩を揺する。

すると、神無月は眠りを妨げられるのを嫌がるように寝返りを打った。

ここで、エジプトのファラオの呪いの話をしっているだろうか。

簡単に言うと王の眠りを妨げたものには呪いがあると言う事だ。

そして、神無月()の眠りを妨げた小萌は呪いを受けた。

仰々しく言ったが、今までの文章を読み返せば分かる。

 

小萌は神無月にがっちりホールドされている。

神無月が寝返りを打つ。

つまり、小萌は神無月の寝返りに巻き込まれる。

 

ゴロンと転がった神無月は小萌を抱きしめたまま回転した。

ちなみに、一部分だけ重いボールを床に転がすと思い部分が下に来る。

小萌という重みの分は神無月の体ではない。

つまり、回転した神無月の体で重くなっている部分が下に来る。

そう、小萌は今度こそ完全に神無月の体に覆いかぶさられる形になってしまったのだった。

もうホールドどころの話ではない。

今度は完全に密着。

小萌の体の正面と神無月の体の正面がぴったりついている。

神無月の方が小萌の体よりも大きい為、小萌は全身で神無月と密着してしまったのだ。

しかも、今小萌はなぜか下着姿。

神無月とは顔もすぐ近く、というか頬同士がくっついているもう少し動けばキスすらしてしまいそうな距離。

そしてそうなったときを想像して嫌ではない事だと思ってしまった小萌にはもう少しも余裕がない。

神無月の寝息が小萌の頬をくすぐり、産毛が逆立つ感覚に体がビクリと震える。

もう、こうなると教師心とか言っていられない。

小萌の心臓が早鐘を打つ。

そして小萌は体に当たる固い何かを感じ取ったところで、臨界を突破し意識を失った。

 

 

「先生、先生? えっと、二人は何をやっているんでせう?」

気を失った小萌が再び目覚めたのは、気を失ってから一時間は時間が進んだときだった。

上から上条が見下ろしてきている。

そして、自分の状態を見る。

未だに、神無月に覆いかぶさられている自分。

未だに、下着姿の自分。

未だに、キスしそうなほど近くに神無月の顔がある自分。

未だに、神無月の腕で抱きしめられている自分。

これを何も知らない人間が見たらどう思うのか。

「キャーーー、ち、違うんです! 今、上条ちゃんは絶対に大きな誤解をしているのですー!」

小萌は精いっぱい手をばたつかせて否定しようとするが、神無月に上にのられている状態ではほとんど身動きもとれず、陸に揚げられた魚程度の動きしか取れない。

ぶっちゃけ、小萌自身も昨晩の記憶が曖昧な為、上条が想像したであろうことを完全に否定できるほどの自信はこれっぽちもなかったが、これが明るみに出れば小萌の教師人生は今日で終わる。

それだけは何としても避けたい小萌は必死に弁明をする。

「先生は、何もしていないのですー! 確かに昨日何をしてたかあんまり覚えていませんが、それでもしてないんですー!」

「先生―――」

「だから、先生は何もしてないんですー。信じてください、上条ちゃん」

「小萌先生も有真の毒牙にかかったんですね」

「だから、お願いですから信じてくだ・・・はい?」

またかという呆れ顔をして、今の現状を見ても特に疑問を持っていなそうな上条を見て、小萌は首をかしげる。

「いえ、ですから先生も有真の寝相というか寝癖に巻き込まれたんでしょう?」

「えっと、どういうことですー?」

「先生は知らなかったでしょうけど、有真は寝るといつの間にか近くの人に抱きつく癖があるんですよ。一人で寝る分には寝相は良いんですけどね」

上条は続ける。

「しかも、厄介なことに抱きついた相手を脱がすっていう特殊な癖も併せ持っているんで、前に有真と土御門と青髪とで俺の部屋でゲームして泊ってくことがあったんですけど、朝起きたら・・・ははは、つまりはそういうことです」

遠い眼をする上条。

一体何があったのだと小萌は少し気になったがトラウマっぽい何かに触れないでおこうと気にしない事にした。

取りあえず、何があったのかは上条の説明で理解した小萌。

つまるところ、眠ってしまった小萌の近くで神無月が眠って、そのまま抱き枕にされてしまい、挙句脱がされたということがことの真実だった。

「でも、先生は良い方ですよ」

「え、これのどこがいいほうなんですー?」

「全裸にされていないところ」

「・・・・・・」

上条がそうでしょう?違いますか?といった目で小萌を見る。

「取りあえず、上条ちゃんは先生の方を見ずに先生を神無月ちゃんの下から引っ張り出して下さい」

「いきなりの無茶振りッ!」

「それとも上条ちゃんは先生の下着をじろじろ見て視姦して興奮する変態さんなんですー?」

「いえ、見ずに助ける努力をするであります!」

上条の努力によって小萌は助け出され、小萌が着替えをするという理由で上条は部屋の外に出た。

小萌は未だに眠り続ける神無月を見る。

寝息を立てる神無月の口が動き、その様子に小萌の顔が赤くなる。

そして小萌は、これが一週間あるのかと考え、本当に大丈夫なのか心配になってくるのだった。

主に貞操的な意味と教師的ない意味で。

 

 

「・・・・・・」

「えっと、さっきから漂うこの異様な雰囲気はなんなんだ」

朝食それは一日を始める為の活力を得る為に家族が一堂に会して食事を行う大切なもの。

しかし、先ほどから小萌が神無月の方を見ては顔を赤くして、視線をそらし、また神無月の方を見ては神無月と視線が合って目をそらすと言う事を繰り返していた。

神無月としてはこんな風に変な空気を作られるとやりづらい。

神無月はこの状態に悩む。

なんだこの昨晩の先生を脅しているときのデジャブ。

あのときは目が合うたびにビビられていたのに対して、今のはなにかが違う。

「なあ、当麻。 俺なんかしたか?」

「・・・さあ、どうだろうな」

遠い眼をする当麻。

だめだ、レイプされた後のような顔になっている。

「先生、俺何か―――」

「なんでもないのですー!」

部屋からビューっと飛び出していく小萌先生。

しかも、出て言った部屋のドアの端からゆっくり顔を出してこっちを覗いている。

これは隠れているつもりというやつなんだろうか・・・

インデックスは、風邪のような症状でダウンしている。

頭が痛いらしく、熱も出ている。

しかし、これは風邪ではない。

ウイルス性の物ではなく、あくまで体力を回復しきれていない為に起こる症状なんだそうだ。

「はあ、・・・」

この部屋のまともな状態(健康・精神、双方の面で)の人間がいない。

インデックスの看病はどうするんだと思いながら、彼女の額に乗せられていた濡れタオルを水の張ってある洗面器に突っ込み、しぼりもう一度インデックスの額に乗せる。

「大丈夫か? 食欲があるならなんか食っといた方がいいんだが?」

聞く神無月にインデックスは首を横に振る。

「いまはあんまり食べたくないかも。食べても戻しちゃうと思う」

「そっか、ヨーグルトかリンゴ、もしくは栄養ドリンク的な何か買ってくるか?」

「そうだね、ならお願いしても・・・いい?」

神無月はインデックスの額をタオル越しにぺしっと叩く。

「病人は気を使うな、きちんと自分の体調が早く戻るように考えて、甘えてろ、それが病人の仕事だ」

インデックスはフフっと笑うと、

「じゃあ、お願いするんだよ」

「任せて寝てろ」

そういうと神無月は卓袱台(魔法陣付き)の上に並べられた朝食、白米・味噌汁・焼き鮭・納豆・きゅうりの漬物・生卵を一気に掻き込むと立ち上がり、パンっと変な空気を吹き飛ばすように手を叩いた。

「おい、当麻。 いつまでも鮮魚店に並べられた鮮度の落ちたサバみたいな目をしてんな。先生もいつまでも扉の枠にしがみついてこちらを覗いてないでください。俺はこれからインデックスが食べられそうなものを買ってくるんでそれまでインデックスの看病をお願いします。分かったらさっさと飯を食い終えろ」

「わ、わかったのですよー!」

「ハッ、上条さんは今まで何を・・・?」

二人がババッと飯を食い続けたのを確認すると、神無月は玄関に向かう際に上条の隣を通り小さな声で囁く(ささやく)

「(インデックスの事情を聞いとけよ)」

上条が神無月を振り返るが、神無月は言う事は言ったとばかりに既に玄関の方へ歩いて行ってしまっていた。

「それじゃあ、いってきまーす」

 

 

風紀委員(ジャッジメント)第177支部。

朝から、白井黒子と初春飾利はこのジャッジメントの支部で幻想御手(レベルアッパー)についての調査を行っていた。

昨日、幻想御手(レベルアッパー)を使用したであろう不良学生に白井は話を聞きに行ったところ、難癖をつけられ襲いかかられたため、逆に返り討ちにして、自発的な(・・・・)捜査協力を仰いだ。

その結果、ネット上の音楽ダウンロードサイトに幻想御手(レベルアッパー)が存在しているという情報を手に入れたのだった。

初春の操作するパソコンの画面にダウンロード完了画面が表示された。

「これでダウンロード出来たみたいですわね」

「これを聞くだけでレベルアップってそんなこと本当にあるんですかね?」

幻想御手(レベルアッパー)を取り込んだミュージックプレイヤーを見て初春は首を傾げる。

「情報提供者の話ではそういうことらしいですわよ」

「正直眉唾というか」

「使ってみれば、分かるんじゃないんですの?」

「でも、副作用とかあるって言われてるんですよね? そんな危ないもの・・・」

言って初春は気が付く、

『はっ、これを使って白井さん以上の能力者になれちゃったら・・・』

「今までの仕返しにあんなことやこんなことを、えへへ~」

「初春、思考がダダ漏れになっていますわよ~ そんなにわたくしに恨みを晴らしたいのでしたら是非♡」

「わーー嘘です、嘘ですってばーーー!」

ミュージックプレイヤーに接続されたイヤホンを耳にねじ込もうとする白井の手を初春はつかみながら涙目になる初春だった。

 

 

束の間のふざけあいから抜け出した初春は幻想御手(レベルアッパー)をダウンロードしたサイトを見ながら白井に報告する。

「ちなみに幻想御手(これ)のダウンロード数は五〇〇〇〇件を超えていますね。 既に業者に連絡してこのページ自体は閉鎖して新たなダウンロードは出来なくはなっていますが、ダウンロードできなくなった分、金銭での取引が増加しているようです」

「拡散を完全に阻止するのは現実的に見て厳しいということですのね」

「ダウンロードした人の全員が全員使っているわけではないと思いますが、電子データだけに簡単に他人への譲渡ができてしまいますからね。 ダウンロード数と同等程度の人たちが使っている可能性は十分考えられます。 そのうえ、金銭取引は現在も続いているわけですから、早いうちに回収したほうがよさそうです」

少し考え込むように顎をつまむ白井。

「それではその取引場所はわかりますの?」

「ちょっと待ってください。今プリントアウトするんで・・・・・・はい、これが取引の時間と場所です」

そういって、初春は薄い文庫本(同人誌的な意味合いはない)に迫る厚みの紙束を白井に渡した。

「って、こんなにあるんですの!?」

白井が驚くのも無理はない。

片面印刷ではあるが、A4の紙一枚に20件近くの取引時刻と場所が書かれており、そのうえその紙が100~200枚あるのだ。

たとえ同じ場所の異なる時間に取引があるとしても、その2つの取引の間の時間に別の場所で取引があれば、そちらを見に行くこともしなければならない。

つまり、同じ場所で取引が複数回おこるとしても、同じ所に居続けるわけにはいかないのだ。

かといって、どれも等しく幻想御手(レベルアッパー)の取引だ。

危険が付きまとう以上おろそかにすることはできない。

「仕方ありませんわね、一つ一つ回ってきますわ」

「え、白井さん一人で大丈夫ですか?」

「仕方ありませんわ、あなたを抱えての空間移動(テレポート)では負担が倍ですし、幻想御手(レベルアッパー)の危険性が証明されていない現状で応援は望めないと思いますもの。 まずはこれ以上の拡散をできる限りとめ、それと並行して幻想御手(レベルアッパー)の危険性の調査ですの。 というわけで初春は木山先生の見解を聞いておいてくださいですの。 これで幻想御手(レベルアッパー)の危険性が証明できれば上だって重い腰を上げざる負えなくなりますわ。 それに茶地(ちゃち)な不良が複数人つるんでいたとしても、わたくしの敵ではありませんわよ」

「わかりました。でも白井さん気を付けてください。取引を行う人も幻想御手(レベルアッパー)を使っている可能性があるんですから」

「わかっていますわ」

 

 

『音楽ソフトで能力のレベルの底上げなんて可能なんでしょうか?』

白井の出かけた風紀委員(ジャッジメント)支部で初春は脳医学の専門家である木山春生へと電話を掛けていた。

『ん―――難しいだろうね』

初春から送られてきた音楽データの波形解析結果をコンピューターのモニターに写しながら木山は答える。

『基本的に能力開発とは長い時間をかけてじっくり行われるものだ。それは自ら能力を使う経験であったり、発動のきっかけやタイミングなどを五感全てで感じ取り、その感覚を脳が覚えることで成される』

それは分かるね?と木山は告げ、電話の向こうで初春がうなずく気配があると木山は話を続ける。

『それらの経験を脳に直接書き込む学習装置(テスタメント)と呼ばれる装置はあるにはある。しかし、学習装置(テスタメント)にしても五感すべてに働きかける装置であり、今回の音楽ソフトのように聞くだけで、五感のうちの聴覚だけで能力を向上させるわけではない。つまるところ、これだけで能力が向上するというのは考えられないことなんだ』

『そう・・ですか』

初春の声が若干落ち込んだ雰囲気を感じると木山は付け足す。

『いや、今のはあくまで一般論だ。このデータも波形解析だけで全容把握はまだ途中、これから他にも何か出てくるかもしれない。何かわかったら連絡するよ』

『お願いします』

そして二人の通話は終わる。

「やはり、見当違いな方向に進んでいたのでしょうか・・・」

初春は通話終了しても通話画面から抜け出していない自分の携帯を眺める。

そのうち携帯が待機画面に戻るとアドレス帳をたどり、佐天涙子の名前でカーソルを止める。

数秒の呼び出し音の後に通話が開始される。

『もしもし、佐天さ・・・』

『おかけになった電話は電波の届かないところにあるか電源が―――』

「やっぱりつながらないか・・・」

木山のところに電話を掛ける前にも一度初春は佐天に電話を掛けているのだが、その時も今と同様に留守番電話サービスへの接続メッセージが流れてくるだけだった。

初春は昨日佐天がミュージックプレイヤーを得意げに見せつけてきた場面が脳裏をかすめて不安感が増す。

あのミュージックプレイヤーには幻想御手(レベルアッパー)がダウンロードされていて、それを彼女は自慢したかったのではないかと。

初春は願う。

(大丈夫ですよね、佐天さん)

 

 

(幻想御手(レベルアッパー)か・・・)

佐天涙子は何処へ行くでもなくただ歩いていた。

幻想御手(レベルアッパー)を手に入れたは良いものの、怖さと躊躇いで使うことに踏み切れない、しかし手放すには能力を手に入れることができるかもしれないという誘惑は大きすぎて捨てきれない。

そんなモヤモヤした気分を晴らすきっかけくらいになるのではないかと、散歩に出かけてみたはいいものの、やはり佐天の頭には幻想御手(レベルアッパー)のことが渦巻く。

(最初はあたしでも能力者になれる夢のようなアイテムかと思ったけど、やっぱり得体のしれないものだし、苦労して身に着ける能力を楽に手に入れるっていうのは褒められたことじゃないのもわかる。でも、才能のない人は諦めなきゃいけないってことなの?)

そんな考えが延々と頭を渦巻く。

そんな彼女の思考に横から偶々(たまたま)聞こえた声が割り込んだ。

「そんな、話が違うじゃないか! 十万で幻想御手(レベルアッパー)を譲渡すると言ったじゃないか、冗談はよしてくれ」

「悪いがついさっき値上がりしてね。 コイツが欲しけりゃもう十万持ってきな」

四人の男たちだった。

ガラの悪い三人の男から小太りの男が幻想御手(レベルアッパー)を買うという取引の現場に出くわしてしまったようだった。

佐天は考え事をしてトボトボ歩くうちに人気(ひとけ)の少ない場所に入り込みすぎていた。

幸い佐天の歩いてきた道から脇道に入った場所でその取引は行われていたので、四人の男たちに佐天が見つかることはなかった。

ちょうどビル工事用の柵の陰になっていたからだ。

そこから佐天はそろーっと取引を覗く。

「ふざけるなっ、だったらその金を返してくれ」

小太りの男が返金を求めるも、男に返されるのは金ではなく、蹴りだった。

「ガタガタうるせーな、十万ぼっちで誰がやるかっつーの」

「金がねーならさっさと帰れデブ」

ガラの悪い男たちのうちの二人が小太りの男をボコボコにし始めたところで佐天は見ていられなくなり、柵の陰で携帯で通報しようとした。

しかし、携帯を開いても画面は真っ暗、まさかと思い電源ボタンを押すも出てきたのはバッテリー切れの警告表示、使いたいときに使えないのでは携帯の意味がないじゃないかと思いながらも最近充電をおろそかにしていたのは自分だったと思い出す佐天。

その時、

「オイ、そこに誰かいんぞ」

佐天の背中に冷汗が一気に噴き出した。

焦っていると目の前のこと以外がおろそかになることがあるが、佐天は携帯の電源をつけることに集中していてあろうことか柵の陰から少し体がはみ出していた。

これはもう誤魔化しようがない。

完全に見つかっている。

「何見てんだコラ、文句でもあんのかアア?」

「いっ、いえ、別に」

佐天は裏返った声を気にする余裕もない。

「ただの通りすがりでして、これにて失礼・・・・」

足早にその場を離れる。

相手は三人のガラの悪い男、どう低く見積もっても佐天より三つ以上年が離れている。

高く見積もれば佐天の倍くらいの年齢かもしれない。

そんな相手に向かって何ができるというのだろう。

しかもからまれているのは自分と全く無関係の、いわば赤の他人。

助ける義理などない。

そんな佐天の脳裏に美琴や神無月・白井・初春の姿がフラッシュバックした。

そして佐天は思う。

こんな時みんなだったらどうしたんだろう、と

「もっ、もうやめなさいよ」

気が付くと佐天は不良たちに向かってそんなことを口に出していた。

(って何戻ってきてんのあたし)

心が分裂したかのようだった。

助けなきゃいけないと思う気持ちと逃げなきゃいけないという気持ちが頭の中でグチャグチャになって、それでも体は動いてしまっていた。

こんなところに首を突っ込んだら、碌なことにならない。

そうわかっているのに、それでも佐天の口は止まってくれない。

「その人ケガしてるし、すぐに警備員(アンチスキル)が来るんだから」

怖さで佐天は目をつむる。

そんな勇気を振り絞った佐天の前にいつの間にか不良三人のうちのリーダー格の男が立っていて唐突にガンッと佐天の後ろの柵が音を立てた。

ヒッと反射的に佐天は頭を庇って縮こまっていた。

何が起こったのかもわからなかった。

音がしてから初めて後ろの柵が蹴られたのだと分かった。

「今なんつった」

そんな男の問いかけに、佐天の喉からは言葉が吐き出せなかった。

返答も罵倒も来ないでと言う一言すらでない。

考えがまとまらず、佐天はただただ恐怖を感じるしかなかった。

不意に佐天の髪が男に掴まれて、上を向かされる。

リーダー格の男の顔が自分の真正面にあり、目を合わせさせられる。

「ガキが生意気言うじゃねえか。 なんの力もない非力な奴にゴチャゴチャ指図する権利はねえんだよ」

佐天は思う。

その通りだ、なんの力も持たない自分なんかがこんなところに割り込んでも結局何も・・・

 

「貰い物力を自分の実力だと勘違いしているあなた方に彼女を笑う資格はありませんわ」

 

佐天のよく知る声が聞こえた。

不良三人が一斉に声のしたほうを振り向く。

 

風紀委員(ジャッジメント)ですの」

 

 

「ぐえ」

つぶれたカエルのような声をあげて不良が吹き飛んだ。

空間移動(テレポート)からのカバンによる強打で二人目の不良が地面に沈んだのだ。

唐突に表れた白井の活躍は鮮やかだった。

近づいて来た一人目の不良を空間移動(テレポート)で上下逆さに落とし、すかさず肺に踵を決め二撃でノックアウト、続けて警戒しながらも念動力(サイコキネシス)で周囲の物を飛ばしてくる能力者には飛ばしてくるものを空間移動(テレポート)でよけて、顔面強打で沈黙させた。

軽々と二人の不良を倒して見せた力、これが能力を使えるようになっていい気になっていた不良と自分の能力を把握したうえで経験を積んできたものとの違いだった。

(まさか、幻想御手(レベルアッパー)の取引を追って、佐天さんを不良から守れたのはラッキーでしたの。 まったく、今後はこのような人通りの少ないところを歩かないように言っておかなければ)

白井は初春から預かった幻想御手(レベルアッパー)の取引現場を抑えるためにいくつものポイントを回っていたのだが、それが功を奏し、本当に偶然ではあるが佐天のピンチに駆けつけることと相成ったのだった。

(まあ、佐天さんへの御小言はまた後にして、今は)

最後に残ったリーダー格の不良に白井は向き直る。

「カカカカカッ、おもしれえ能力だな空間移動(テレポート)ってやつか、初めて見たぜ」

「他人事のようにおっしゃいますが、次はあなたの番ですのよ。 投降するのであれば―――」

「俺たちはよ―――」

白井の言葉を遮るように不良は話し始めた。

「盗みや暴行、恐喝に薬といろいろとあくどい事を楽しんできたがよ―――」

不良は一歩白井に向かって踏み出す。

「最後はいつも風紀委員(ジャッジメント)警備員(アンチスキル)に追われてな、ウザッテー目にあってたんだ」

さらにもう一歩踏み出す。

「だから、でけえ力があればよ一遍ギタギタにしてやりてーと思ってたんだぜッ」

そう言って、不良のリーダー格の男は走り出して白井につかみかかる。

「嫌ですわね、最近は逆恨みが流行りですの?」

相手の悪意を正面から受けながらも白井は冷静に対処する。

(相手の後ろに回り込んで、頭部を強打)

「まあ、結局返り討ちにして―――」

空間移動(テレポート)した白井の前には不良の後頭部があるはずだった。

だが、現実は何もない。

不良そのものが目の前にいないという事実。

(消えた!?)

確かに空間移動(テレポート)は発動した。

予定通りの場所に移動している。

にもかかわらず、不良が目の前にいないのだ。

そんな白井の一瞬驚きは、

「白井さんっ!後ろーーー!」

という佐天の声で途切れ、風紀委員(ジャッジメント)の経験から体がすかさず防御した。

はたしてその行動は正解だった。

唐突に後ろから蹴りだされた足がカバンの防御ごと白井を吹き飛ばす。

転びこそしなかったが、衝撃を逃がしきれず地面を滑った際の靴とアスファルトの擦れる匂いがかすかに漂う。

(なぜ後方からッ? わたくしの方が回り込むように飛んだはずですのに)

再び接近してくる不良と距離を取るように後ろに下がりながら、白井は(もも)に止めた金属矢(ダーツ)を手にする。

(いえ、考える時間はありませんの。 敵は目の前にいるのですから。 ならば、まずは敵に傷を負わせて戦意を削ぎ、動きを止める)

その瞬間白井の金属(ダーツ)は手から消え、相手の右肩に突き刺さる。

そのはずだった。

キンという音が響き、白井の金属矢は何もない虚空から出現し地面に落ちた。

(まさか!? この距離で座標計算を誤るはずが・・・!)

その間にも敵は白井に近づいていて、その手にはナイフが握られていた。

ブンという空気を裂く音が聞こえナイフ擦過するほど白井に近づいた。

しかし、白井も空間移動能力者(テレポーター)、瞬時に離脱し、ナイフの届かない位置まで移動していた。

だが、白井の髪が一部はらりと落ちた。

空間移動(テレポート)する直前にナイフにかすられた分の髪だった。

完全には避けきれなかったのだ。

「どうした? 表情から余裕が消えたぜ? 返り討ちにしてくれるんじゃなかったのか?」

(これがやつの能力?)

 

 

白井は数回不良に接近され、先ほどのように攻撃を仕掛けてを繰り返していた。

分かったことは不良に対して直接物体を空間移動(テレポート)させても当らないということだった。

自分に対する空間移動(テレポート)は予定通りの場所に動けるが、相手に直接空間移動(テレポート)は出来ない。

だが、自分に対する空間移動(テレポート)を行っても、相手との位置関係がくるっている。

空間移動(テレポート)自体の計算式を乱されているわけではない。

しかし、当らないのだ。

さすがに場数を踏んでいる白井でも、体格差のある相手に対して能力で有効打を与えられないのであれば、じり貧である。

もう、体の数か所に蹴りや拳をもらっていた。

ナイフがクリーンヒットしていないことがせめてもの救いか。

対する不良は余裕の表情だ。

「でかい口叩いたわりに対したことねえなあ、もうボロボロじゃねえか」

そんな白井の後ろでは佐天とぼこぼこににされていた男が成り行きを見守っていた。

佐天としては友人がやられているのだから割って入りたい気持ちではあるのだが、相手がナイフを持っているのだ。

うかつに飛び込む勇気はなく、白井の足手まといになるであろうことは想像に難くなかった。

そんなとき、小太りの男が佐天に話しかけた。

「きみ、今のうちに逃げよう」

「そんな、だって白井さんはまだ・・・」

「きみも無能力者(レベル0)なんだろ。見ただろ、あんなのに巻き込まれたらただじゃすまない。それに手助けしようにも僕らじゃ足手まといだ。こんなとき無能力者(レベル0)にできることなんてないんだ」

佐天は唇を引き結ぶ。

分かっている。

自分が白井の役に立たないことぐらい。

ここにいるより、逃げてしまった方が、いざというときに白井も自分たちを気にせずに逃げることができる。

分かっている。

無能力者(レベル0)の自分がこんなところにいても役に立てないことも。

でも、ここで友達を見捨てて逃げてしまったら、今後白井に顔向けできない。

きっと白井はそんなこと気にせずに、自分に向かって怪我がなくてよかったですわなんて言ってくれることも分かっている。

でも、ずっと自分の心には白井を置いて逃げた事実がズキズキと疼くことになる。

きっと、永遠に白井を置いて逃げた自分を許せない。

「でも、だったらどうしたらいいの」

地面に向かって苦しげにつぶやく佐天の目からは涙が一粒零れ落ちた。

「そん時は俺を頼ってくれればいい」

佐天のつぶやきに返答があった。

白井でも、ぼこぼこにされていた男でもない。

涙にぬれてぼやけた佐天の視界でもそのオレンジみがかった茶髪ははっきり見えた。

 

 

「なんだてめえは? このガキの彼氏ですってか?」

白井の隣まで歩いてきた神無月を見た不良がにらみを利かせる。

「別に、友人だよ。 で、あんたは俺の友人に何をしてるんだよ」

「何をしてるかって? 憂さ晴らしだよ、今まで風紀委員(そいつら)にはだいぶ世話になったからな。 そのお礼だよ」

「へえ、そうかよ」

さほど興味もなさそうに神無月は不良から視線を外すと、白井に向き直る。

「怪我は大丈夫か」

「え、ええ、大丈夫ですわ。 一応、ナイフは紙一重ですが避けてますし、他も打ち身程度ですわ」

神無月のいきなりの登場に面喰っていた白井だが、今が戦闘中であることを思い出す。

「とりあえず、神無月さんは下がっていただけません?これは風紀委員(ジャッジメント)の問題ですの。お姉さまにも言っていることですが、あまり権限のない人間が暴れますと後々問題になりますわよ」

そんな言葉を聞きつつ、神無月はにこやかに白井の頭の上に手を乗せた。

「大丈夫だよ、ただ俺は買い物帰りに通りかかっただけだから」

「それは、よかっ・・・」

白井は最後まで言えなかった。

神無月のにこやかな顔に照れたわけではない。

笑っているのは表層だけだった。

目が凍てついている。

白井が感じたのは恐怖だった。

この人はこんなに冷たい目をしていたのかと。

 

「大丈夫、帰り際にごみ掃除をしていくだけだから」

 

白井は恐怖のあまり、足が固まった。

しかし、この秘められた殺気に気が付いたのは白井だけだった。

向けられている当人である不良もまだ気が付いていない。

「なんだ、兄ちゃん、あんたがその風紀委員(ジャッジメント)の代わりに俺のサンドバックになってくれるのか?」

不良に向き直った神無月は、

「ああ、まあそう思っとけばいいんじゃないか?」

あくまで適当に返事をする。

そんな神無月の態度にいらだった不良は、こめかみをひくつかせながらにらみを利かせる。

「てめえ、その舐めた態度ができなくなるくらい刻んでほしいみたいだな」

そんな不良にたいして神無月はふうとため息をついた。

「なあ、俺が嫌いなことを一つ教えてやるよ」

神無月の目が苛立ちと怒りを混ぜた色になった。

「それはなあ」

ふっと、周囲の温度が下がったかと思うほど殺気が神無月から漏れる。

 

「俺の物を俺の友人を傷つけられることだ」

 

言うと同時に神無月が右手の人差し指を不良に向けた。

その瞬間だった。

何か黒い閃光が走ったように見え、次の瞬間に空気が荒れ狂った。

唐突に走る大きな風のうねりに不良の体は地面の上を転がる。

白井も佐天も強い風に目を開けていられないほどだ。

突風が吹き荒れ、工事中の看板が風に殴られ狂ったようにガンガン音を立て、窓ガラスが砕け風にさらわれていく。

そして風は収まる。

あっという間の出来事に何が起こったのか、白井と佐天が恐る恐る目を開けると、道路に隣接していた取り壊し予定の5階建てのビルの壁面に大穴があいていた。

まるで、その部分だけ切り取ったかのようにきれいになくなっていた。

しかも、その大穴完全にビルを貫通している。

たったの一発でビルの一階の3分の1が消し飛んでいた。

地面を風圧で転がった不良もその威力に恐怖の色を隠せなくなっていた。

神無月だけがその結果をさも当たり前のような顔で立っている。

しかし、不良にも不良の意地があるらしく立ちあがると笑って見せた。

「とんでもねえ威力だが、俺の敵じゃねえな。 どんなに威力がデカかろうと当らなければ意味がないからな」

「・・・・・・」

対する神無月は黙っている。

「どうしたよ、当らなかったことがそんなにショックか?俺の能力はな―――」

偏光能力(トリックアート)だろ?」

「なッ! 知ってやがるのか!?」

「相手の目に映る像の位置を実際の位置とは異なるところに作り、自分の位置を実際とずらして攻撃を避けたり、自分の攻撃が外れていると見せかけたうえで攻撃を仕掛けたりすることができる能力」

神無月の説明に不良が舌打ちした。

「そうか知ってるのかよ、だったら対策くらい立ててから来るんだったな。ああ、通りすがっただけなんだったか?」

「なあ、ちょっといいこと教えてやるよ。俺の能力は重力制御でな。 重力を発する物体ならばすべて感知できるんだよ。 この世に質量のない物体は存在しない。 人だろうとものだろうとな。 つまり、この世に俺の感知できないものはないんだよ。 でな、感知っつーのは、どこに何があるかっていうこともわかるんだよ。ここまでいって俺が何を言いたいか分かるか?」

不良の額に一滴の汗が流れた。

暑さからではない。

冷汗だ。

 

「お前の偏光能力(トリックアート)では俺の能力での感知は避けられないって言っているんだが理解できてるか?」

 

目の前の男が言っていることが本当ならば、さっきの攻撃は外れたのではなく。

わざと外したことになる。

ならば、その意図は?

「は、はは、なるほど、わざと外してやったからここから失せろそう言いたいわけか? 人を殺すことが怖くてビビっちまったわけなんだな、なんだよ。そんな脅して俺がビビると思ってんのか? そんなもんはなあ、当んないことがわかってりゃあなあ怖くねえんだよ」

「――――はッ」

そんな不良を神無月はあざ笑うかのように口から息を吐き出した。

「もう一個、いいこと教えてやるよ」

神無月の目が(わら)った。

 

「もう当たっている」

 

「はっ?」

そういった不良は自分の上に影が差したことに気が付いた。

上を向いた不良の頭上には一階の3分の1を削り取られて、不良めがけて倒れてきているビルの壁面が迫っていた。

当然である。

ビルの下層階の3分の1を削り取ったのだ。

ビルは削り取られた方向に倒れるに決まっている。

ではなぜ、いままでビルが倒れてこなかったのか。

ひとえにそれは神無月がビルの倒れるか倒れないかというギリギリを狙って下層階をぶち抜いたからだった。

そして、なぜ崩れかかっているビルの音が聞こえてこなかったのか?

それは神無月が重力制御によりビルと道路にいる人間との間に真空に近い領域を無理やり作り出して、音の伝達を妨げたからだった。

「あ、あ、うああああああああああああああああああああああああ」

そして、崩れてくるビルはすでに避けられる位置にない。

だが、それでも不良は逃げようと走り出そうとした。

そのとき不意に何かに足を取られるような感覚がはしり、不良は転ぶ。

転びながら、顔を上げた不良の目には、倒れてきているビルの当たらない位置に立つ神無月の顔にある殺意が飛び込んできた。

(俺の友人に手を出した報いは命で支払え)と。

そして、彼は見た。

神無月の右手が黒い空間に飲まれているのを。

じゃあ、飲まれた右手はどこにあるのか?

何もないところで転ぶことなどなかなかあることではない。

不良の足は地面にいつの間にかあらわれていた黒い水たまりのようなものから生えている右手にがっちりつかまれていた。

もう、逃げることはできない。

あとは降り注ぐビルの下敷きになって、落としたトマトのように体が潰れてはじける未来が不良の脳を掠めた。

そう感じた時には、ビルの倒壊は無情にも不良一人を軽々と飲み込んだ。

 

 

「どうだ、反省できたか、豚野郎」

神無月は倒壊したビルの瓦礫の隣にて右手で足をつかんで、不良のリーダーを逆さ吊りにしていた。

先ほどの黒い水たまりのようなものは絶対重力(ブラックホール)で生成したワームホールだ。

体の一部をワームホールを通すことで、体の一部だけを別の場所に出現させていたのだ。

そして、その際ワームホールは繋がったままになっている。

そうでなければ、神無月の手首がちょん切れることになるからだ。

そして、ワームホールである以上、大きささえあれば人が通ることも可能。

つまり、神無月は足をつかんだ不良が瓦礫に潰される直前にワームホールへ引きずり込み、瓦礫の落下しない地点で引きづり出したのだった。

そして件の不良はビルに潰されそうになった恐怖からか、顔に張り付いた恐怖が取れずに呆然としている。

「・・・か、神無月さん、えっと話しかけても大丈夫ですの・・・?」

本当に恐る恐るといった感じで白井は神無月に話しかける。

白井とて風紀委員(ジャッジメント)に所属し、全線で活躍している一人だ。

相手の悪意に曝されることなど日常茶飯事である。

しかし、それでも先ほど神無月の見せた殺意は白井の心を恐怖させるだけの迫力がった。

たとえその殺意が白井自身に向いていなかったとしてもだ。

「ん? 大丈夫って何がだ?」

「いえ、何でもありませんの」

振り返った神無月の顔には先ほどの殺意は微塵もなく、そこにいるのは、いつもの神無月がきょとんとした顔で立っているだけだった。

しかし、その変化が逆に白井には恐ろしかった。

確かに出会って数日、彼の表層すらすべて知っているとは言い難いのだ、彼が心の中がどのようになっているかなど、まだ白井には分らない。

白井は彼の心の一部分に触れたのかもしれないと思った。

だが、それでも彼が心の一部、怒りという感情を見せたのは、紛れもなく白井が怪我をさせられていたからに他ならないと分かっているだけに、恐ろしいやら、嬉しいやら、どういう反応を示せばいいのか複雑な心境であった。

だが、今はまだいつも通りに―――

「それにしても派手にやりましたわね・・・」

呆れたような顔で壊れたビルを見ることにした。

「まあ、自分でもやりすぎた感はあったけど、でも取り壊し予定のビルだったし結果オーライ?」

「・・・まあ、今回は助けてもらいましたしあまり多くは言いませんが、今後はあまり派手にやりすぎないで下さいですの。 本当に目を付けられますわよ?」

「わかってるって、気を付けるよ」

「むう、その態度はお姉さまと通じるものがありますの、お姉さまもそう言ってはあちこちで派手なことを繰り返していますけど、神無月さんも同じではありませんでしょうね?」

じと目で神無月を見ると、神無月が人差し指で白井の額をツンと突いた。

「それだ」

「はい? な、なんなんですのいきなり!?」

白井が驚いて後ろにざっと下がると、

「だからこの前も言ったろ? 有真でいいって。 神無月なんて長くて言い(にく)いだろ?」

「しかし、あまり殿方のことを名前呼ぶのはなんというか・・・」

「まあ、そっちの方がいいていうなら、まあ別にいいけど」

「あっ、いえ、そういうわけではないんですが・・・・・・ただ、少し・・・」

「ところでさ」

ちょっとモジモジしつつ、返答に困っていた白井に神無月が困ったような顔を向ける。

「これどうしよう?」

その手にはまだ不良が逆さづりでぶら下がっていたままで、吊り下げられた不良の頬を足の甲でぺしぺしとと叩きながらそう言った。

 

 

「はあ、なんだかここ最近、いろいろなことがあるものですから、かんな・・・ゆ、有真さんが人間一人をぶら下げたまま日常会話に突入しても違和感を覚えなくなっている自分がいるのが嫌ですわ」

「まあ、ちょうどよく警備員(アンチスキル)がきてくれたよかったよ。まあ涙子が呼んでくれたんだとは思うんだけど、その涙子自身は先に帰っちゃったのかな? アイツも怪我とかしてないか確認してなかんだけどな? まあ、一人で帰れたってことは大丈夫だったってことなのかな」

「まあ、そうですわね。 あとで電話でもかけてみますわ」

「そっか、じゃあ頼むよ」

「ええ。 それにしても先ほどの不良。 最後はなんだか様子がおかしかったのが気のせいでしょうか」

警備員(アンチスキル)に縛った状態で引き渡した際に不良がブツブツとおかしな独り言を繰り返していたのだ。

(そう、あれは―――)

「洗脳」

白井が神無月の顔を見上げる。

神無月も自分と同じ結論に達していたからだ。

「もしくは薬物かなんかで精神に異常をきたしたかのような感じだったな」

「ええ」

「そういえば、さっきは唐突に乱入しちまったけど、いったいどういう経緯であんなことになってたんだ?」

「そういえば、まだお話していませんでしたわね。 幻想御手(レベルアッパー)についての続報になりますので、ちょっと長くなりますが聞いていただけます?」

 

 

「なるほどな、音声データでねえ。 で、さっきのが取引中の相手を抑えに行ったところだったと」

「そうですの」

神無月と白井は事件現場からの帰路につきながら幻想御手(レベルアッパー)事件の現状の情報交換を行っていた。

「じゃあ、その音声データとやらが幻想御手(レベルアッパー)ならさっきの不良の見せた雑な洗脳のような言動もうなずけるな。 あとは、能力が強くなる仕組みが分かればいいわけか。 美琴から連絡メール待ちかと思ってたけど、思わぬところで情報が手に入ったな。 なあ、この情報を美琴は知ってる?」

「いえ、まだだと思いますの。 それにお姉さまに教えるにしてももう少し情報がまとまってからの方が良いかと思いましたので。 今初春が木山先生という脳医学を専門にしている方に連絡して調査してもらっているところですから」

「じゃあ、結果待ちか」

「はい、そういうことになりますわね」

神無月はだいぶ事件の核心に迫りつつあることを感じた。

「なあ黒子、その音声データのアップロードもとは割り出せなかったのか?」

黒子と呼ばれた瞬間に少しドキリとしながらもそれがばれないように平静に努め、白井は頭を横に振った。

「初春もそう思って調べたようでしたが、アップロード者が海外のサーバーをいくつも経由したうえでアップロードをしていたようで途中で追いきれなくなったそうです。 なんでもハックした企業のサーバーを一部通過していたようで、そこを追おうとするとこちらが不正アクセスとみなされてしまうとか」

「なるほど、そりゃ無理だ。 じゃあ、完全に情報待ちかもしくは新しい証拠か何かが見つかるまでは何もできないな」

「ええそうですわね、ところで神な・・・有真さんは、なぜこのようなところへ?」

「俺? ただの買物帰りだよ」

「でも、有真さんの寮からはだいぶ遠いと思いますが?」

ああ、そのことかと神無月は納得の顔でうなづいた。

「昨日うちの寮が不審者に襲撃されてな、友達と一緒に担任の先生の家に逃げ込んだんだよ。 で、一緒に逃げてきたやつの一人が体調を崩したから消化によさそうなものを買ってきたその帰りってこと」

「不審者・・・そういえば、確かに昨日有真さんの寮付近で何か事件が起きたという報告がありましたわね・・・最初はただの火災警報でしたが、そのうち何人かの戦闘の痕跡が見つかったとかで、被害が結構大きかったと聞いていますが大丈夫だったんですの?」

神無月は目を泳がせながら誤魔化す。

「ま、まあな。 幸い、俺の部屋はなんともなかったけど、エレベーターとか廊下とかはやられてたみたいだから、さすがに七階でエレベーターなしはめんどくさいからな。ちょうど、家電も先日の落雷で壊れていたし、丁度いい機会だったと思ってる」

「にしても、犯人はまだ捕まっていないのでしたよね」

「そうなのか?」

「ええ、ご存じなかったんですの?」

「ああ」

神無月は確かに昨日魔術師を倒した。

だが、捕まっていなかったということは、気絶した魔術師を拾った仲間がいたか、もしくは警備員(アンチスキル)の到着前に気絶から回復し逃げたか。

どちらにしろ、再度襲撃がある可能性は残ったということだ。

(捕まって拘束されてくれていれば、少なくともその間は安心できたんだがな・・・そう都合よくはいかないか)

とそんなことを考えながら神無月が歩いていると、

「あれ、有真さんはそちらですの?」

交差点で有真が左に曲がろうとしたら白井が右手に曲がろうとしていた。

「そっか、黒子は一度風紀委員(ジャッジメント)の支部に戻らなきゃいけないんだな?」

「ええ、そうですの」

「そっか、じゃあ、ここまでだな。それじゃ、また何か事件に進展があったら教えてくれ」

「ええ、わかりましたの」

「じゃあな」

「はい、また」

そういって、神無月は小萌先生の家へ、白井は風紀委員(ジャッジメント)の支部へと戻るのだった。

 

 

神無月と白井が帰路についているころ、佐天も一人帰路についていた。

神無月が不良を倒したところで、警備員(アンチスキル)に連絡はしたが、逃げるように帰ってきてしまっていた。

どうしても、あの場にとどまることができなかった。

佐天は自分の不甲斐なさに嫌気がさしていたのだ。

白井は佐天と同じ年、自分と同じ性別、背格好だってそんなに変わらない、むしろ佐天の方が身長は高いくらいだ。それにもかかわらず、不良と躊躇なく戦い、二人も倒してしまっている。

それに神無月。

相手の不良の方が神無月より年上だったと思う。

それにもかかわらず、あんなにあっさりと相手をやり込めてしまったのだ。

そして、あのときボコボコにされていた男の言葉が脳裏浮かぶ。

 

無能力者(レベル0)にできることなんてないんだ

 

まさしくその通りだった事実が苦しい。

なんで、こんなにも違うのか。

無能力者(レベル0)はこの街では、お荷物でしかないのか。

役に立っていない自分と、強い能力を持っている人たちへ行き場のない嫉妬をしている自分がいることに気が付き、さらに自分が嫌になる。

下を向いて歩いていた佐天に、

「ルイコ――――?」

声がかけられた。

佐天が声のした方を向くとクラスの友人が向かいから歩いてきていた。

「おひさー、終業式以来じゃん」

「アケミ・・・ムーちゃんとまこちんも」

「一人で何してんの?買い物?」

「うん・・・そんなとこ。 アケミたちはプール?」

友人三人はプール用のバックのようなものを抱えていた。

「そ、ホントは海でも行きたかったんだけど、あたしたちは補習があるからねー。泊りだとどこにも行けないんだよ。 まあ、それでも勉強の補習は許せるけど、能力の補習は許せん。 だって、あんなの才能じゃん?」

才能、その言葉が佐天に重くのしかかる。

「あ、でもさ、聞いた?幻想御手(レベルアッパー)っての」

佐天は自分の肩が震えたのを感じた。

「なあにそれ?」

「あ、知ってる能力が上がるとかって噂の」

「そうそう、どっかのサイトでダウンロードできたらしいんだけど、もう風紀委員(ジャッジメント)が閉鎖しちゃったって話」

佐天は友人たちの会話に心臓がバクバク言っていた。

「なんでもそんなことするんだろうね」

「それで、今高額で取引されているとか」

「金なんてないよ―――」

恐怖心が佐天の中で渦巻く、だが、それでも能力が手に入るなら―――

そう思ったときには佐天は、

「あ、あのさ、それ、わたし持ってるんだけど・・・」

そう口に出している自分がいることに気付いた。

 

 




後書きコーナー

神無月:なあ作者、前回も触れた事だが、結局俺たちはどの時間の俺たちなんだ?

作者:はい?

神無月:だから、俺たちは本編の何話の俺たちがこのあとがきコーナーに招き寄せられてるんだ?

作者:ああ、そのことね。 それなら、前にも言ったじゃん。 ここは不連続時空間だって。

神無月:はい?

作者:要するに、どこの時間軸の人でもないの。 OK?

神無月:いや、おかしいだろ。 だって、俺には今までの記憶があるし、前回のあとがきで当麻はスーパーの安売りから、飾利は風紀委員(ジャッジメント)支部にいたところを連れてこられたんだろ?

作者:そんなことはしらん!

神無月:えーーー・・・

作者:あとがきコーナーでのことを気にしちゃいかん。 気にしたら負けだ。 ちなみに不連続時空間の意味も実は知らない(ドヤッ)。

神無月:・・・(頭を抱えている)

作者:なにより本編とあとがきの完成した時間も多分一致していないことの方が多いからな!

神無月:もういい、あとがき(ここ)の無法地帯ぶりは気にしたら負けだって分かった。

作者:無法痴態?

神無月:うるせえよ、いきなり如何わしい空間に変化させるな。ここにいる俺まで変態みたいに思われかなないだろうが!

作者:無法痴態と言うとヌーディストビーチみたいな感じで良いじゃん!

神無月:日本にそんなものはない。お前は海外に飛ばされて砂漠の海で朽ち果てろ。

作者:無法痴態(あとがき)、ドヤッ!

神無月:やめろよホントに、それより他の奴らはどうしたんだよ、今日は俺しか居ないみたいだけど?

作者:うん? いるよ、みこっちゃんがそこにいるし、カミやんもそこにいるし。

神無月:うわッ、ホントにいた。 美琴、お前どうしたんだよ、そんなキノコでも生えそうなどんよりオーラを出して。

美琴:・・・・・だって、ホントに出番なかったし・・・

神無月:(おい作者、美琴がマジ凹みしてるから、次回は本編で出してやれよ)

作者:(もちろん、出すつもりだけど、というか出さないと話が繋がんなくなるから風邪引かれても出すけどさ)

神無月:(鬼かよ、お前は)

作者:(いいんだよ、僕と契約して社畜になってよ、って言っといたから‐三年前(マイナスさんねんまえ)くらいに)

神無月:(明らかに時間が未来じゃねえか)

作者:(不連続時空間だから何でもアリなんだよ、それに美琴先生はそのままにしとくのもアリかなって思うんだよね)

神無月:(なんでだよ?)

作者:(マジ凹みしてる、みこっちゃんって結構グッとくるものがあらへん?)

神無月:(・・・ノーコメントだ、というか何で似非関西弁?)

作者:(いいだろ、そんな日もある)

神無月:(そんな日って、どんな日だよ)

作者:(月に一度くらいある女の子の日みたいな?)

神無月:(やめろ、ホントにやめろ、冗談で済まなくなる)

作者:しょうがないなあ、じゃあカミやんのところに行きますか

神無月:そうだな、そうしますか

作者:というわけでおっすカミやん。元気ー? 俺は元気。

上条:テンション高いっすね

作者:しょうがないだろ、テンションの下がる話をあとがきでしても読者は読み飛ばしちゃうよ。カミやんもそのくらいわかるだろというか分かれ。

神無月:作者のテンションは置いといても当麻テンション低くないか?やけに物静かな気がするんだが?

上条:だって仕方ないだろ!お前と違って俺が今回登場したのって◆と◆の間二つ分だけなんですよ!

神無月:ここにも出番にこだわりをみせる人間がいたのか・・・

作者:まあぶっちゃけ、今回も例にもれずこのあとがきの方が本文より先にできてるっていう現状を先に教えておこう。つまり、何が言いたいかというともともとカミやんの出番はそこしか想定していなかったということなのさ!

上条:つ、つまり上条さんの出番の少なさはあらかじめ意図されていたということでせう

作者:その通りだ!

上条:そ、そ、そ

作者:そ?

上条:その幻想をぶち殺すッ!(同時に手も出る)

作者:そげぶッ!?

上条:ふうすっきりした

神無月:もう悪役もびっくりの手の速さだな、原作で主人公やっている奴の行動とは思えん。

上条:作者(コイツ)も言ってただろ、あとがき(ここ)はどの時間でもないって、つまりここだったら何をしても許されるってことではないんですかね!

神無月:いや、ここだって読者見てるぞ?というか、作者をぶちのめして(それをやって)今回美琴の出番が消滅した事実を忘れたのか?

上条:あっ・・・

神無月:愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶって言うが、当麻は本当に愚者だな

上条:えっとどういう意味でせう?

神無月:つまり愚か者は何も考えずに行動し、失敗して初めて間違いを知るが、賢者は先人の知恵やら知識を生かして、実際に行動するときには失敗しないっていう意味だ。というか、当麻は美琴がやらかしてるのを見て知ってるんだから、愚者以k・・・なんでもない。

上条:もう、それ9割型言っちゃってますよ!

神無月:じゃあ、分かった。バカだな当麻!(肩をバンバン叩きながらいい笑顔で)

上条:出番が少なくって悲しんでいる友人に対する仕打ちですか!?

美琴:うるさーーーい、アンタ出れただけましじゃない! 出れた癖に出番が少ないとか抜かしてるわけ! じゃあ、本当に一秒も出番なかった私の立場は!? ねえ!? いい、私スタッフロールでも名前載ってないくらいには今回の話出番がなかったの!分かる!ねえ!ねえ!ねえ!

上条:ちょっと、落ち着きましょう美琴先生。ビリビリ音発しながらグイグイ近づいてこられるとガチで怖い上条さんなのですが

神無月:美琴先生マジで来てるな・・・

作者:そうだな

神無月:うおっ、いきなり復活するなよビックリするだろ!

作者:まあ、それを狙ったから成功だな。

美琴:あ、ちょっとあんた復活したんなら話があるんだけど! 次話こそ私の出番ちゃんとあるんでしょうね!

上条:そうだ、次話こそ、俺ももっと活躍したい。

作者:んーーー、そうだな、ここは、よし二人の気持ちはわかった。

上条・美琴:じゃあ!

作者:二人のうちバトルで勝った方に出番を進呈しよう!

上条:え゛っ!?

美琴:ふふふ、いいわね。今までは逃げられてきちゃったけど、アンタともガチで戦ってみたかったのよ。

上条:あれ、なんでいつの間にかこんなことに!?

美琴:さあ、準備はいい? いいわね、それじゃあ、喰らいなさい!(バリバリドカーン)

上条:ンギャーー、死ぬ、というか、まだ準備なんてこれっぽちもできていませんがって言っても聞く気がないよあの中学生ッ!

作者:安心してくれ、三回戦だし、死んでも復活させるから!

上条:どうやって!?というか、ほら美琴先生がさらにヤル気出しちゃってるじゃないですか!

作者:まあ、どうやってと聞かれれば、この空間は俺の能力のひとつ隔離空間時的流変速(ウラシマエフェクト)が働いているから。

上条:意味が分からに上に字ずらに対してルビがダサい!というか能力!?

作者:もちろん、俺も能力者だ、時間操作のな!

上条:強えええ!?死んだ人間も生き返るの?

作者:あとがきの中だけだがな、ちなみに別の能力には触れた相手の時間を一〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇倍くらいにして即死させるという―――

上条:怖ええええよ!!、なんでそんな恐ろしい能力なんだよ。

美琴:喋ってる余裕があるのかしら!(バリバリ)

上条:ンギャー

美琴:待ちなさい、いや、逃げられると思うなら逃げてみなさい!!

上条:いや、今の話は聞いておくべきでは!?

美琴:問答無用!(バリバリ) (超笑顔)

上条:ギャー、明らかにストレス発散に来てる!しかも、問答無用の使いどころがおかしくはないでせう!?

美琴:問答無用!(バリバリ) (超笑顔)

上条:ンギャー

遠ざかっていく、美琴と上条。

神無月:なあ、今の話本当か?

作者:どの話?能力?

神無月:まあ、それもそうだが、二人のうち勝った方に出番を上げるっていう話。

作者:ああ、そっちね。まあ、結論から言うと嘘だよ?

神無月:・・・・・・

作者:あっ、嘘って言っても勝っても負けても出番は上げるよ?むしろ出ないって言っても出させるから。ていうかこの話さっきもしたような気がするんだけど。

神無月:・・・じゃあ、何故バトルをさせたんだ?いや、させてるんだ?

作者:さっきのそげぶの仕返し。

神無月:まじぱねえ。

作者:いやー(照)

神無月:じゃあ、能力の方は?

作者:さあ、どうだろうねえ?嘘かもしれないしホントかもしれないし?

神無月:はあ、だからあんたは怖いんだ?

作者:どうも、褒め言葉として受け取っとくよ。ところでさ、

神無月:なんだ?

作者:ブラック・〇レット面白いよな!

神無月:話題の転換が縦横無尽過ぎる!

作者:えっ、見てないのブラック・〇レット?

神無月:見てるのが当然だって具合で言わないでくれよ、見たけどさ。

作者:延珠ちゃんとかティナちゃんとか夏世ちゃんとか小比奈ちゃんとか可愛いよな!

神無月:ロリしか例に上がってねえじゃねえか!

作者:別に可愛いって言っただけだろ!付き合いたいとかエロイことしたいとか言ってるんじゃないんだから別にいいだろ?

神無月:むッ、た、たしかに、そういう意味から言ったら確かにそうかもしれないが・・・

作者:というわけで、ここに呼ぶか。

神無月:呼ぶな!クロスオーバーな作品お前嫌いだろ!

作者:俺が嫌いなのは、本文中にクロスオーバー技使ったりするのが世界観壊れるから嫌いなだけで、あとがきのようなカオス空間に呼び寄せるのはアリかなって。

神無月:いや、やめとけよ。一応、これはとあるの作品なんだから。

作者:わかったよ、やめるよ。だが、しかーし! ただでは辞めない! 決めたオリジナルの章でロリを出す。というか、高校生と小学生くらいの小さい子がペア組んで戦うっていうのはバランス的に丁度いい感じがしてるからな!

神無月:どのあたりがバランスがいいんだか全く分からないんだが・・・とりあえず、出てくるのは、小学生限定なのか?

作者:うんにゃ、限定じゃないけど、とりあえず、お前と全く血縁関係のない女の子をお前の部屋に住まわせる!

神無月:うおーい! 犯罪じゃねえか!

作者:大丈夫!前から構想は練ってたから! しかも戸籍のない子の予定だから!

神無月:余計に犯罪性が高まったじゃねか!

作者:まあ、まだまだ先だから!章数でいえば、第13章!

神無月:だいぶ先のネタばれをするなよ!現在公開されているのは第2章なのに第13章の登場人物の話をするなよ!

作者:いいんだよ、ここは不連続時空間だから。

神無月:ここぞとばかりに使いやがって。

作者:それにしてもあれだな、なんていうかあの二人はどこまでいったんだ?

神無月:さあ・・・?

作者:とりあえず、閉めようか?

神無月:ああ。そうするか。

作者:じゃあはいこれフリップ持って・・・準備準備っと・・・
はい、というわけ、今回も読んでくださりありがとうございました。

神無月:次回は第12話 戦夜を駆ける独唱曲 ~aria~の予定です。

作者:次回もまた見てくださいね。それではみなさん、

神無月・作者:さようならーーーー!またねーーーー!

作者:感想書いてくれるとやる気が出るよー!というか今回の話も感想書かれてなかったら、あと数か月は書いてなかった可能性があるという事実。





作者:本日の絶対重力(ブラックホール)占い
A型の人はいいことあるかも、うふふふふ

神無月:これの効果期間は?

作者:次話まで?

神無月:長えッ!というか大雑把すぎだろ!

作者:小学生は最高だぜッ!

神無月:全く関係ないことで締めくくるな―――ッ!!

終幕











上条:チーーン(黒焦げ)

美琴:よっしゃ勝ったーーーーーー!!!



本当に終幕
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