もしもハリーポッターがどアホで馬鹿だったら。 作:うめよろし
ある日、同人誌を手に浮かれていたら事故にあってしまい、ハリーポッターの世界に転生をした。
これで私も憧れのハリーポッター生活ーー!!
……しかし神様は意地悪だった!なぜか七海はハリーポッター自身になってしまった!
ネビルを超えるドジ!KY発言で凍る現場!コミュ症炸裂!!
「あ、あぁ、わたわたわた、たわしはハリーポッターでどぅ!」
さあ!どう乗り切るのか!田村七海!
あなたも必ず……失笑する。
※なお、この話は七海ポッターがアホな行動を光のごとくやっていくだけなので、そういうのはつまらないという方はご注意を。
アホな事しかやってませーん。
はい。いきまーす!
ちなみに豆腐のメンタルだから誹謗中傷やめてね!
雲が広がりよどんだ空の下。
緑を失った木々達の寂しい静けさ、動物さえも存在していないかのような灰色のよどんだ空気の中に、その古びた校舎は建っていた。
渇いた風が吹き抜ける中、ある教室の教壇に立っている教師だけは、けだるいほどの暑苦しさで論説している。
その教室の一番後ろに座っている黒い髪の、あどけなさがまだ残っている少女はその話を聞く気など全くなさそうに、古ぼけた机のしたで本を広げていた。
しかしその姿はしっかり背を伸ばして前をみる生徒のなかではあまりに目立ち、気づかれるのも時間の問題かと思われた。
案の定、すぐに彼女を呼ぶ声がした。
「おい。田村、何してる?」
田村七海は余程、夢中なのか呼ばれたことにも気がつかずに、長い髪を下に垂らして本を食い入るように見つめているようだ。
「おい、田村!聞いてるのか!?」
教師の二回目の怒涛で、彼女はようやく前をみてその大きな瞳をパチリと瞬いた。
しかし、その表情はクラスメイトのほぼ全員の注目が自分に注がれている事に驚き、固まっているようだ。
「……え?」
暫く沈黙が流れた後に七海はそう呟いた。
「まったく!お前はいつも、先生の話を聞いていないな!」
鳥につつかれたんじゃないかと疑われるほど、髪がくしゃくしゃのその教師は七海に向かって厳しい目を向ける。
「それでもホームルームと、授業ぐらいは先生の話を聞きなさい!」
うざった。どうせしっかり話を聞いても見向きもしない癖に。
七海はこの教師が私に目をつけている理由が違う理由だと分かってる。
だからわざと分かっていて嫌がらせをしているのだ。
「頭も顔も悪いんだからせめて先生の話ぐらいはきけよ…なんてね」
後ろで誰かがワザと聞こえる音量で呟いた。
七海の胸の中に嫌に冷たい何かが流れた。
周りの冷たい目線は最も七海が嫌っているものだった。
「大体お前は赤点を何個とってるとおもってる!それぐらいお前も理解していると……前は頭良かったのになぁ。」
七海はお手上げという表情で所々、剥がれている天井を見上げた。
あまりいい景色ではないが、つまらない教師の顔を見ているよりずっといい。
「聞いているのか!?」
七海は心のなかで呟いた。必殺!シャットアウトセッキョウ!!
疲れきった表情でギャンキャン嘆いている教師の話など聞く来になれなかった。
なにせ、今日は七海の大好きなゲーム、『秘密の放課後2』の発売日だから!
そのストーリーとは、ある日、転校してきたイケメン四人組と、イケメン先生とのドッキドキの学校生活。しかしある日の放課後、その中の一人の男子と二人っきりになって、楽しいプライベートターイム……という内容だ。
私はその中のイケメン教師が大好きだった。黒王子と呼ばれながらも実は密に優しさをもっていて、主人公を暖かくみつめている……!
あぁ!なんて素晴らしい!なんてピュアな物語!
不意に黒王子の服装が秘密の放課後1と2で変わっているのかみたくなって再び、視線を下に下ろすと、先生から雷が落ちた。
周りの生徒は肩をひそめた。
「おまえ、教師をなめてるのか!?今、たった今やめろと言ったところだろ!」
先生が唾を飛ばしながら般若のような表情で怒鳴る。
くしゃくしゃな髪も手伝ってまるで野獣のようになった先生を目の前に座っていた生徒が微妙な顔をして、椅子を後ろに引いた。
席が後ろの方で良かったと安堵しながら七海は無表情で先生を見た。
本当、もう先生も周りの奴らもウザいわ。
まぁ、今日はどーでもいいけど。
先生は凄みを効かせ私を睨んだが、ご機嫌な私にその攻撃は聞かない。
「そうか、分かった。じゃあお前留年しても文句ないな。」
先生は生徒名簿と日直日誌をトントンと揃えながら言った。
七海は耳を疑った。今なんて?
「え?留年?なんで?」
他にも言いたい事はあったが言葉はそれしか出てこなかった。
クスッと言う声が聴こえ、前を見ると一番前の席に座っている気の強そうな生徒がクスクス笑った。
ボソッと小さい声で『ご愁傷様!』と呟いていた。
その言葉に周りがくすっと笑った。
七海は不快に思った。そもそもこうなったのはお前たちのせいだろうが!
先生が般若と化したときに怯えてたくせに(完全に八つ当たりだが)
それにつられて笑いの渦に飲み込まれていく教室。
それをみて勝ち誇ったようにせせら笑う先生。
「当たり前だろ。お前あの点数で本気で進学出来ると思ったのか?」
七海は体の真から真っ白になっていくような気がした。このまま砂になってしまいそうだ。
点数…。一学期の内に十分取ったはずだが。
「確実に留年だぞ。」
パニックを起こしている頭にはマジかの一言しか浮かばなかった。
頭が混乱してきた七海は最後の手段に出る。
「ほ、補修が……」
補習なんていままで気にしてもなかったけど!と誰かが心のなかで言った。
「いや、補習もう終わったぞ?」
今度こそなにもかも終わった。
1月の寒い空、雀たちは飛び交い、校庭には動物達のさざめきが流れていた。
……ジ・エンド。
初めての投稿だからお手柔らかにね!!
でもコメントはドシドシどうぞ!