もしもハリーポッターがどアホで馬鹿だったら。 作:うめよろし
七海はふかふかのベットの上で目を覚ました。
口を開けて爆睡していたらしく、喉がカラカラだ。
七海は眠むそうにしばらくもぞもぞしていたが、喉の乾きには勝てなかった。
ゴロっと転がりながら、起き上がりやすい姿勢を探し、よいしょと姿勢を起こした。
周りはまだ薄暗く、いつもの様に鳥がうるさかった。
七海はいつも起きるたび、良くこれで寝れたなと感じていた。
枕もとにあるやかんからコップに水を注いで、息をつかずにすべて飲み干した。
水で喉が潤うとやっと一息ついて、体に水分が染み渡る感触を楽しんだ。
そして、ドサッ!っと豪快にベットへ、身を戻した。
更に、布団をわざわざ顔の高さまで上げて、毛布にくるまりながらまだ寝てられる嬉しさを噛みしめた。
あぁ!この枕のもふもふさ加減!全身を包み込むマットレスとおふとぅん!!いつまでも寝てられるー!
暫く寝ないでこの幸せな時間を、噛み締めていたいという思いと、寝てしまいたいという思いが選べるなんて、贅沢だと七海は考えながらゆっくり眠りに落ちていった。
その後、ロンに起こされたが今日は珍しいことにすっきり起きることができた。
「お、おはふぉー!ロン!」
七海はベットの上で、あくび混じりに挨拶をすると、思いっきり背伸びをしてみた。
酸素が全身に行き渡ってなんだかよく目が覚めた。
スッキリ!よし!いい朝だ!!
「ハリー、今日は珍しく起きてるね」
今度はロンが眠そうに呟いた。
目が半分しか空いてない。しかもなぜがパジャマの一番上のボタンが外れてる。
「ロンは今日、とっても眠そうだね!」
七海がそう言うと、まぁねーと曖昧な返事が帰ってきた。
多分、まだ喋る力がないんだろう。
よくわかる。考える力もしばらく出ない。
七海はベットから降りてさっさとパジャマを着替えた。
一方、ロンはもたもたとパジャマを脱いでいる。
ロンがようやく制服に着替えると、二人は寝室を後にした。
階段を降りて談話室に行くと、フレッドとジョージが丸めた新聞を魔法で剣に変えて遊んでいた。
七海は、流石にあそこまで元気は出ないなと思いながら寮から出た。
「君のお兄さん達、凄いね。元気」
七海はフレッドとジョージを褒めた。
「馬鹿なだけならいいさ!でもあいつら、僕に酷いことばっかりするんだ!あ、あのクモの話って聞いたかい?」
ロンが苦々しく言葉を吐いた。
七海は知らないと首をふった。
ロンの最悪な過去について語りなかがら、二人は騒がしい大広間に入っていった。
ロンも七海も、いつもと同じ場所に座って、テディベアがクモに変身したという悲劇を話していた。
「な?ひどいだろ?僕、まだ小さい子供だったんだぜ!?」
ロンは怒りを込めて言った。
「まぁ、普通に考えてそんなんあったら発狂するわな」
七海は冷静に一般論を告げた。
テディベアがクモになるとかガチでホラー。
「二人とも、おはよう…」
ネビルが隣に座った。寝癖がひどい。
みんな、やはり定位置というものがあって、
なんとなく毎日同じ様な場所に座っている。
「おはようネビル。今日はカエル逃げてない?」
昨日は朝食が終わるまで、ずっとカエルのトレバーを探していたのだ。
「うん、今日はまだ逃げてない。でも後でまた逃げるかも…。僕、トレバーに嫌われてるのかな…」
ネビルは、木箱のトレーに入ったトレバーを見ながらしゅんとした。
いやー、それはないでしょう。ただ逃げたいっていう爬虫類の本能じゃない?
「いや、それはないんじゃないかな?」
そうじゃない?と言いかけたロンの足を、ネビルに見えない左手でパタパタ叩いた。
忠告をするだけなのに、足を踏むのは流石にひどい気がして躊躇したのだ。
ロンはやんわりと誤魔化しながら、言葉を止めた。
ネビルは気づいていないようだ。
しかし、ロンと言葉がかぶって、なんて言ったのかも聞こえなかったようだ。
「えーっと、それはないんじゃないかな?だってどんなに好きでも動物は脱走したがるものじゃん。多分、ネビルが捕まえてくれるの待ってるんだよ」
ネビルを慰めるために、トレバーが愛に溢れたカエルだという事にした。
「…そっか、そうだよね。トレバーは僕が捕まえてくれるって信頼してるから逃げてるんだよね!ありがとう、ハリー!」
ネビルは非常に納得した顔でトレバーを愛しげに見つめていた。
ロンより単純な奴って居たんだ。
いや、単純なのはいいんだけど、素直すぎない?
お母さん、あなたが心配で、心配で!いつか騙されそうで怖いですわ!
と、いきなりスネイプが後ろから呟いた。
「おはよう、ポッター。今日も人気がいいようでなりよりだ。」
ハリーとロンはびっくりしたし、ネビルはスネイプだと分かってからも、ガタガタ震えていた。
「うわ!あ、おはようございます!先生!」
スネイプはロンと七海の間に、亡霊のように立っていた。
そしてゆっくりと3人を一人ずつ、眺めた。
七海は至福の時間を噛み締めた。
今日もお綺麗で!美しいですよ!その髪とか!
「ほう、ミスターロングボトム、今日はあのカエルに逃げられてないのかね?珍しいことに」
七海はその攻撃は聞かないよ!とニコニコした。
当然ネビルも悲しんだり、赤面したりせずに、はい、と答えられた。
なにせ、トレバーが逃げるのは信頼の証だとおもってるから…。
スネイプは不思議そうにネビルを見つめたが、標的をかえて、ロンに嫌味を解き放った。
「ウィーズリー、元気そうでなりよりだ。その調子で魔法薬学のレポートも努力していただけるとありがたいんだか。今回のように、またDを乗り続けるようなら我輩を知ることになるぞ」
スネイプはいやーな笑みを浮かべて、ロンを脅し始めた。
そして、そのあと七海に目を移した。
七海はもうすでに何を言われてもいいように覚悟していた。
「ポッター、相変わらず問題ばかり起こすが、また何かするようなら吾輩が黙ってないぞ。あぁ…そういえば、この前の取材は泣かせてもらったよ。一番好きな教科は魔法薬学と?」
七海はニヤニヤした。多分信じてないのだろうと思うとなんだか面白くなってきたのだ。
「もっちろんですよー!あの黒おう……スネイプ先生に教えてもらってるんですから!」
やべー、黒王子って言うところだった。
でも、これで伝わるかな?
スネイプは暫くまた見据えるような、疑うような目で見つめていたが、目をそらすとどこかに行こうとした。
「え?それだけ??」
七海は心底ガックリして言った。
スネイプは振り返り鼻で笑った。
「何を期待しているのかね?」
ささやき声でそう言うと、マントを翻して颯爽と消えていった。
七海はなんとか、自分を落ちつかせた。
七海!スネイプはそう言うつもりで行ったわけじゃないよ。
多分ただ私が教師に気に入られたいがために言った言葉だと思って、嘲っただけでしょう。
でも、でも!何あのかっこよさ!!
何を期待しているのかね?って反則!!
「あー!もうむり!」
「あぁ、全くだ。スネイプにはゴリゴリだよ!」
ロンは七海の言葉を全く別の意味に取ったがまぁいい。
スネイプが職員テーブルにつくと同時に、ダンブルドアが立ち上がった。
ぺちゃくちゃ話していた生徒は、ダンブルドアの姿をみると、静かになった。
「おはよう、諸君!新入生はホグワーツに慣れたかね?
今日はいいニュースと悪いニュースがある。悪いニュースからかのぉ。
6年生の諸君にじゃ。禁じられた森に入ってはいかんよ。
昨日数人、立ち入ってしまったとの連絡を受けての。危ない目に合わない事に越したことはないと言うことを覚えておくのじゃ」
ダンブルドアは戒めるような口調で注意をした。
「いいニュースじゃ。今日、転入生が編入してくる。寮はグリフィンドールじゃ!」
グリフィンドール生が歓声をあげた。
編入が入ってくるというのはかなり気になるものだ。
「こっちじゃ、挨拶をしてくれるかの」
ダンブルドアが柱の裏に周り、優しく転入生を招いた。
大人しそうな長い髪、切れ目だが美しい瞳、小さい鼻、細い顎。
…その顔は七海がしっているものだった。
「えみ!?」
つい、七海は立ってしまった。
「お久しぶり」
えみは一言だけ呟いた。そして前に向き直った。
七海は訳がわからなかった。
だって、現実世界からこの世界に来るには…。
「私の名前は、エミリーソン」
えみは私を見て言った。
「よろしく」