もしもハリーポッターがどアホで馬鹿だったら。 作:うめよろし
何気ない無い七海の言葉が実は……!なんてこともあるかも!
ロンと七海は談話室で薬草学のレポートを書いていた。
ロンはある程度進めているが、七海は、もはやパチパチと心地の良い暖炉と、ふかふかの肘掛け椅子のせいで眠りかけていた。
「おい、ハリー!君、まだ半分も終わってないだろ?寝てる場合じゃないだろ!」
ロンがハリーの肩をブンブン振って言った。
「だってー羊皮紙3巻ってなんだしー。だるいわ。もう後で教科書、うつそ。てか自動ペン書きみたいなのほしい…」
ロンはやれやれという風に首を振って言った。
「そんなものあるわけ無いだろ!流石にそこまで宿題やらないと、僕だって焦るさ!」
ロンも、宿題をやらない方だが七海よりはすっといい。と言うことは、七海はとってもひどい。
「君にとって、宿題わすれるなんて、当たり前なのかい?特にスネイプには毎回怒こられてるのに、まだやるのかい?」
七海は動く気が全く出なかったが、誰かが横から口を出してきた。
「あるわよ。自動速記羽根ペン。でもそれより、グリフィンドールの親睦会を今度実施したいんだけど、リーダが私なのよ。だからみんなが集まるような張り紙を作りたいの。でもいいアイデアが思いつかなくて…。デザインはいいんだけど」
七海はハーマイオニーが差し出した張り紙を見た。
確かにデザイン性はいいが、なにか活気がない。
「ところで、昨日のミス・エミリーは?」
ハーマイオニーは周りをキョロキョロとみて、警戒しながら言った。
えみは図書館に行っていて今はいなかった。
七海はそれを心の奥底から良かったと思った。
「いないよ、図書館」
ハーマイオニーは憤慨した様子で言った。
「私にはあそこまで言っといて、自分は図書館に行くのね!」
うん。それ私も思った。
多分、私は中身があるからいいの!とか言いそうだな。
「なんか、この張り紙女の子はいいけど、僕達はあんまり惹かれないな…」
ロンが張り紙の文やスタイルを見ながら言った。
「なんかもっと美味しいチキンがあります!とか、巨大な空飛ぶ絨毯、アジアン風とかないのかい?」
いや、私はそのロンの想像力にびっくりだけど。
しかし、ハーマイオニーはすぐさま反論した。
「男子ってご飯と騒ぐ事しかかんがえてないの?大体、こんなオシャレな張り紙なのにそんな事、書かないわよ!」
ここで七海はピンッときた。可愛さをプラスできて、さらにパーティー感も出せるもの、それは…
「ゆるキャラを作ろう!!」
ロンとハーマイオニーは二人して、は?と言う反応をした。
「ただい…あら、こんにちわ」
その時、タイミング悪くえみが帰ってきた。
ロンはえみに慣れてきたので普通だが、ハーマイオニーはやはりツンとしていた。
「図書館どうだったかしら?」
ハーマイオニーは嫌味っぽく言った。
「そうね、自分の才能を伸ばすための調べ物にぴったりだったわ」
「そうでしょう?私もそうなのよ」
ハーマイオニーが冷たく言い放った。
「あなたはレポートのためでしょ?誰かに言われたことをはいはい、やってるだけじゃない」
七海は我慢できなくなって、二人の喧嘩を止めに入った。
「ほいほいほーい、静まり給え、ゆるキャラを作ろう」
えみにまで、はぁ?という顔をされたが、まぁ無理はない。なにせ、いきなりゆるキャラとか言われてたら私もそうなる。
「ゆるキャラって…。何処かで聞いたことあるような…」
ハーマイオニーが考え出した。そしてはっと思い出したように言った。
「そうだわ、確か、日本って言う小さな国の伝統だわ」
「小さな国で悪かったわね」
えみが地味に毒づいた。
「なんだよ!なんだよ!仲直りしろよ!」
ロンが止めに入った。二人はフン!と顔を背けた。
ロンがもうゴリゴリだよ…。と私に呟いてきた。そして、私は心なかで思った。
……小さな国で悪かったなぁ!おいこら!文句あんのかぁ?こら!
「で、そのゆるキャラって?」
ロンがハーマイオニーと七海に問いかけた。
「まぁ、マスコットみたいなものだよ!」
七海はレポートの羊皮紙をちゃっかりカバンにしまいながら言った。
ロンの鋭い目線が心に刺さった。
それも無視して話を続ける。
「ほら!グリフィンドールなら、ライオンと…グリフィンドール生の…つまり人間を……合わせるとか…」
七海は酷くしどろもどろになった。
自分の提案したゆるキャラが、ひどい姿しか思えなかったからだった。
「怪物じゃないか!」
ロンがその姿を想像していった。
「じゃあ、何がいいんだよ!」
七海はロンに食って掛かった。
「ライオンってのをやめればいいだろ?そんな野獣、どう考えても親しみやすくならないだろ!」
まぁ、ロンの意見も一理、ほーんの一理ある。
「じゃあ、なに?」
七海はみんなに問いかけてみた。
「マクゴナガルは?」
えみは教科書をしまいながら答えた。
ん?マクゴナガル?
ロンもハーマイオニーも疑問そうに首を傾げた。
「アニメーガスで猫になれるなら、猫をマクゴナガルってことにして、メガネ掛けて、杖をもってる猫のイラストでいいじゃない?」
確かに!なんて名案!!素晴らしい!!
「まぁ、そこそこいい考えね」
ハーマイオニーが嫌そうに言った。
二人の間に亀裂が入った。
七海は慌てて空気を和やかにしようというとした。
「じゃあ、マクゴナガルとライオンのコラボレーションは?マクゴナガルが上半身で下半身ライオン!」
そう言って、ロンのバケモンじゃないか!を待とうとしたが、ハーマイオニーは予想外の答えを出した。
「それはもう、ネビルが提案した意見だわ。」
「バケモンじゃねーか!!」
ロンと七海はほぼ同時に言った。
えみが地味にツボっているのを見ながら、ロンが七海に問う。
「そう言えばさ、スネイプをゆるキャラにしたらどうなるのかな?」
ロンは地味に興味深そうに考え込んだ。
そして、いそいそと、カバンから羊皮紙の切れ端を出した。
「この羊皮紙に記録しようぜ!」
「その意見、のったぁー!!」
七海は声の限りに叫んだ。
同じく談話室でレポートを完成させようとしていたディーン・トーマスがびっくりして羽ペンを取り落とした。
七海がディーンに謝る羽目になっているのを横目に、ハーマイオニーは意見を述べる。
「そうね、魔法薬の教師だから大鍋は入れたいわよね。」
ハーマイオニーは真面目に考えながら言った。
「それもそうだな!」
ロンは早速、羊皮紙の左側に大鍋の絵を記入した。
上手くかけてるらしく、得意げだ。
「なにそれ、牛の頭?顔ないけど?」
えみがズバッとショックな言葉をはっした。
ロンはショックを受けて七海を見た。
悪いけど、そう言われたら、もうそれにしか見えないよ。…ロン。
それでも七海はがんばって慰めた。
「大丈夫!大丈夫!牛のあた…大鍋にしか見えないから!ぷっ!ぶふぉー!ううん!ゴホゴホ!」
ロンは微妙な顔で羊皮紙を見ていた。
「ハーマイオニーが書いてよ!絵、僕下手から、さ」
そういうと、ロンは肘掛け椅子にもたれていった。
ローン!!まだ生きろぉ!!生きねばー!
ハーマイオニーは、しっかり大鍋を上手に書き直してから言った。
「じゃあスネイプは何かしら?」
うーん、と、三人が考え出した。
「わかめ…じゃない?」
えみがとんでもないことを言い出した。
わかめ!?なんでわかめ!?
「わかめって何かしら?」
ハーマイオニーは書こうとしたがよくわからないと言うようにえみに渡した。
「どういう物か書いてくれないかしら?」
えみは割りと素直に受け取った。
そしてサラサラ書くとハーマイオニーに見せた。
「この、ゆらゆらしてる海藻がわかめよ。エラ昆布に似てるわ」
「まぁ…とっても分かりやすいわ」
ハーマイオニーは感心していた。この二人もしかしたら気が合うかもしれない。
でも…でも!なんで!なんでなのよ!
「いや、なんで!?なんで、『スネイプわかめ』は、大鍋に煮詰められてるの!?」
七海は我慢できずに指摘した。
「わかめスープかよ!」
えみは表情一つ変えずにいった。
「油が出て、いい味でそうじゃない?」
おい!それ侮辱やばいから!悪意あるよね?あるよね?
ロンは隣でヒーヒー言いながら、羊皮紙を見て、またヒーヒー言った。
「この描写、ピッタリ過ぎでしょ!」
ロンはこれまでにないぐらい大笑いしている。
「もう!ふざけてちゃ駄目よ!!」
ハーマイオニーが、こら!と言う様子で言った。
「もっと真剣に…。あ!コウモリはどうかしら?書き方によっては格好良くなるんじゃないかしら?」
コウモリ?いいかも!吸血鬼みたいな!
またもや、えみがサラサラと絵を書いた。
そして三人に見せた。
えみが書いた物は、大鍋が八割でその左上に小さくたかっているコウモリが、スネイプだった。
「いや、主役が大鍋!!」
そして見た瞬間、七海はまたもや突っ込んでしまった。
「なんで大鍋が中心なの?左上のスネイプ先生は何なの!?何のために存在してるの!?」
「魔法薬からしたら、大鍋が中心でしょ?スネイプなんて小さなものじゃない」
いや、なんで魔法薬目線!?
「あ、もうスネイプとマクゴナガルを一緒にさせちゃえば?ライバルだし!」
ロンは手をポンっと叩いて言った。
ハーマイオニーと七海は、あぁー!と二人で言った。
なるほど、その発想は無かった。
「それはいいんだけど、そろそろスネイプの雰囲気とかじゃなくて、容姿に目を向けたら?」
七海はどうしてもスネイプを黒王子にしたくて言った。
「なるほど!いいわねそれ!じゃあスネイプの特徴を上げていきましょう!」
ハーマイオニーがまとめる用の羊皮紙をもう一枚出した。
「まず、肌が土気色」
ロンだ。ひどいことを言うもんだ。
「目力がかっこいいー」
七海がつづく。
「唇に色がない」
えみは妙に細かい所をついた。
「うーん、スネイプ先生って
特徴を記録しながら言った。
ロンが隣でぼそっと呟いた。
「あのさ、マクゴナガルが、スネイプの鼻にアラホモラ…」
「いわせねーよ!!」
七海はロンにタックルして地面に転がってから二人の転がり合いが始まる。
「二人はほっといてこっちで決めちゃいましょう!」
「そうね」
ハーマイオニーとえみは昨日の出来事がウソのよに仲良しだった。
七海が勝利し、ロンははぁーはぁー言いながら肘掛け椅子に戻ってきた。
「結局さ、スネイプの事は考え出したけど、グリフィンドールのマスコットかんがえてなくない?」
ロンはハーマイオニーに告げた。
ハーマイオニーは、あっ!という顔をした。
「しまったわ、すっかり忘れてた!!」
そして数日後、結局、えみのマクゴナガル猫が採用された。
結構人気が出たのでロンはスリザリンのマスコットとしてわかめスネイプを密かに広め始めた。
「おもしろいだろ?」
ロンが大広間で羊皮紙を見せてパッフルパフの生徒に自慢をしていると、低く不機嫌な声が後ろから聞こえた。
「誠に上出来だ。ロン・ウィーズリー。今夜吾輩の部屋に来い」
死んだなと、七海は普通に笑った。
「お疲れ様ー!僕は談話室でゆっくーり…」
「貴様もだ。ポッター!宿題のお返しをじっくりやろうではないか。」
スネイプは危険な笑みを浮かべてた。
「うわぁー!!さよならー!談話室ー!」
七海がダメージを受けていると今度はロンが笑った。
「ざまぁみろだ!僕を置き去りにしようとするからだ!」
「うるさい!ロンのゆるキャラ、極細ポッキーにするぞ!」
七海はダン!とテーブルを叩いていった。
ポッキーダンス踊るたんびに折れやがれ!!
「君こそ、そんなヒョロっとしててポッキーじゃないか!ハリーポッキーめ!」
ぐぅ!なんだよ!その折れそうな名前!
「このやろう!」
七海はパイを片手にポーズを取った。
「なんだやんのか!?」
同じくロンもポーズを取った。
「やかましい!黙りたまえ!」
二人はスネイプに頭をがっしり掴まて、あまりの痛さに色んなことを後悔する七海とロンだった。