もしもハリーポッターがどアホで馬鹿だったら。 作:うめよろし
いや!ジ・エンドじゃねーぞ!
ヤバイヤバイ!
私は各教科の先生に泣きつくも、もう手遅れらしい。
「だってあなた、何回補修にさそっても、何回警戒しても無視したじゃない。」
澄ました顔で数学の先生が言った。
「そ、それは無視じゃなくて行けなかったんです!!」
私は藁にもすがる思いで椅子に座る先生を揺らす。
「そんなの私は知りません!」
椅子をキュッキュ言わせながら揺らしてる私を引き剥がしながらきっぱり告げられる。
「そこをなんとか…」
「いままで留年した人なんていっぱいいるから!大丈夫!」
いや、そういゆ問題じゃねーし。
「だから今日はもう帰れ」
担任が口を挟みやがった。
こ、こいつ!私の成績が下がった途端態度変えやがって!!
ズカズカと出口に向かいドアを開け叫ぶ。
「失礼しましたーあぁぁぁ!」
バタン!ドーーン
さっさと帰れってなんだし。あっさり過ぎだろ!
トボトボと歩いてるとクラスの女子が来た。
「お前、うちらが補習の時、体育倉庫に閉じ込めた事、言ってないよな?」
「え?あ、その…。はい。」
私は戸惑った。一番声かけられたくないやつに合った…。
「あっそ!だったらさっさと帰れよー!一年生!」
「あ、ごめんなさい」
笑いながら教室に消えていった。
私は悲しいやら悔しいやらでむしゃくしゃしながら歩いていたがふいにルンルンになった。
そーいや、今日秘密の放課後の発売日じゃんかぁ!
いかん!!売り切れちゃう!
私は走ってゲーム屋さんに向かった。
学校前の見慣れた道を過ぎて、商店街も過ぎて人の少ない寂れた路地に本屋さんは建っていた。
自動ではないドアを押して開ける。
ギギーっと音がした。相当、強く押さないと開かないので、よく苦戦している人をみる。
しかし、この店の常連な私はかんたんに開けられる。
赤い、古びたタータンチェックの絨毯マットを踏んで入店した。
カランカランという鈴を音がすると同時にもう七海は目的の物を見つけていた。
「いらっしゃいまー…」
七海は狼のような速さで物を掠め取った。
「これ、ください!」
店頭に並んだ残り3個となったゲームを握りしめ定員に詰め寄る。
「か、かしこまりました…」
目が全く笑ってない定員に会計をしてもらい七海はゲームを手に入れることができた。
「危なかったー」
一人小さく呟いて帰ろうとするが、ふと2階によってみたくなった。
2階は同人誌コーナだが、秘密の放課後が題材になった物語がよくある。
もしかして新しく増えてるかもと七海は引き返して階段に向かった。
何の様だという表情でニッコリしながら定員が睨んできた。
軽い笑顔で軽く会釈すると2階に上がっていった。
ズラーッっとならぶ背の高い本棚に並んだ本を眺めながら歩いてるとふいに黒王子にそっくりなイラストが見えた。
「え!?黒王子!」
そこには人気ナンバーワンという文字と共に飾られた本が置かれていた。
新しく出てたっけなー?と不思議に思ったが、そのタイトルに見覚えがない。
しかも相手役が誰だかわからない。
上を見上げてみるとファンタジー欄だった。
「あれ?ゲーム欄じゃないの?」
私は更に疑問に思いながら裏を見てみるとそもそも秘密の放課後じゃない。
その題名は…ハリーポッター?
あのハリーポッターでこんなイケメンいたの?
えっとキャラは……セブルススネイプか。
きいたことある。たしか教師だよね?
この頃秘密の放課後の方、いいの出てなかったしちょっと読んでみよー。
ぱらぱらっと…。
うむ。ふむふむ!うわぁー!きゃー!
ヤバイヤバイ!
えっめっちゃいい。
七海はそれをパタンと閉じ周りのセブルススネイプの本を買い占めると心に決める。
まさか、あの黒王子まんまが他の作品にもいるなんて!
奇跡!?しかもこっちの方がドS!!!
さいこーだよー!
ルンルンと階段をさがり、先程から作り笑いの定員にお会計してもらうと軽蔑の視線を背中に感じながら店を出た。
ブンブン袋を振り回しながらスキップして一刻もはやく帰って見たいと、青になった信号を一瞥すると、横断歩道をかけて行った。
……だから横断歩道で猛スピードで右折してくるトラックになんて気が付かなかった。