もしもハリーポッターがどアホで馬鹿だったら。 作:うめよろし
「そーいやー、一限目なんだっけ?」
七海はトーストにバターを乗せながら言った。
「箒にのるのさ!楽しそうだろ?…君初めてかい?」
ロンはトーストをパクッと噛じった。
「まぁね」
七海はトーストに更にバターを上乗せしなが、バターから目を離してロンをしっかり見すえた。
「でも、怖くないよ!何事も信じることが大切だからね!」
ロンは目を見開いた。
「…ハリー!」
いやー、そんな感激されてもー!
「トーストに塗ってるの、ヨーグルトだよ」
ロンは恐る恐るトーストを指差しながら言った。
ハッとして机をみると、バターとヨーグルトが並んでいた。
「え?うわ!いつの間に!くそーっ!トーストから目を離したのがいけなかったか?」
ちょっと食べてみよう。もしかしたら美味しいかも…。
パリッ!トーストのカリッとした食感がした。
…が次の瞬間ヨーグルトの酸味が鼻をついた。
おぉーこんがり焼け……まっず!
「まっず!まっず!うぇー!おぇー!」
獣の雄叫びのようなななみの声に、少なくものグリフィンドールの半分がこっちを見た。
「何やってるんだい?トーストとヨーグルトだぜ?まずいに決まってるだろ!?」
ロンはかぼちゃジュースを差し出してきた!
「な、何そのオレンジの液体!!」
ロンは呆れたように言った。
「どっからどうみてもかぼちゃジュースだって」
七海はもう一度その液体を見つめたがどうしても美味しそうに見えない。
なんか、かぼちゃジュースってまっずそう。
「だってさ、かぼちゃジュース冷たかったら絶対おまずいじゃんか。」
だってコンスープの冷えてるバージョンでしょ?終わってるじゃん!ジ・エンド!
「かぼちゃジュースは冷たいのがふつうだろ!?」
ロンは強い口調で食ってかかった。
はぁ?どうしてそうなるのさぁ?
「なんで冷えてるのが美味しいのさ?ロン、味覚、変なんじゃないすか?」
ロンはムッとしながらトーストを指差して言った。
「トーストにバターとヨーグルト乗っけて食べてる奴には言われたくないさ!」
ぶはっ、確かに、ヤバイじわじわくる。
「何も言えねー!ほら、食べてみなよー!」
ロンは一歩分椅子を引いて言った。
「ちょっと勇気がないと無理だな」
「まぁ、多少アホじゃないと食べないと思うしね。」
七海は勇気をアホに訂正した。
「あなた達…悪いけど朝からそんなに騒がないでもらえるかしら?」
うぉ!ハーマイオニーじゃんか!てか…機嫌わるー!!
「あーごめんね!黙る」
前にやってしまったマグル事件の罪悪感が半端ないよ…。
「なんだよ!何様のつもりだよ!監督生にでもなったつもりかい?」
まぁ、まぁ、ロン!
「まぁ、悪いのは僕達だし、静かにしようよ」
「なんで僕達がわるいんだよ!」
開き直りーの。
ハーマイオニーとロンの戦いが始まった。
この二人、合わないはずだったんだけどねーまさかね!その未来をしってるから微笑ましいわ。
七海はほっこりしてトーストをかじった。
…地獄の幕開けだ。(ヨーグルトがフィーヴァァーした。)
「全員、集まったか!箒の前に並べ!」
飛行訓練の講師、チーフ講師が人混みに向かって叫んだ。
生徒の皆はワクワクしながら人数分、並べられた箒の横に並んだ。
ハリーとロンは一番端っこの箒を選んだ。
ロンが隣で箒にケチをつけた。
「どんな箒かと思ったら、ただの流れ星じゃないか!ハリー、この箒すごく乗りにくいって話だぞ。」
箒の種類なんてどうでもいいので、七海は適当に流した。
ふと向かい側をみると、ハーマイオニーがいた。
髪を後ろに結いていて少しいつもと印象が変わって見える。
七海と目が合うとすこし嬉しそうに微笑んだが、ロンにはプイッと顔を背けた。
隣でロンが、何だよ!あいつ!と小さく呟いた。
まぁまぁ、と七海が言ったところでチーフ先生がさらに命令をした。
「箒に向かって上がれっと言いなさい!それ以外は言ってはいけません!」
原作で聞いたことがあるフレーズだ。確かハリーは一発で成功した。
と言うことは私も余裕ということに違いない。
七海は自信満々で箒に上がれ!とさけんだ。
…シーン。箒はピクリとも動かない。
ん?いや、え?どうして上がらないんだ?
七海はもう一度、はっきり唱えた。
「上がれ!」
やはり箒は上がらない。ビクともしない。
ど、どうして!?上がれや!!
ハリーはうまくやってたじゃん!なんで上がんないの!?
「上がれ!上がれ!あーがーれーっての!」
ガン無視。そう、これが本当の無視。
隣で、上がっれっての!と叫んだロンの顔に箒が激突した。
しかしその後、論が自分の手で掴んだので、持ったことになった。
それを横で見てた七海はなるほど、と考えた。
よし、もう言える限りの悪口いってやる!
「おい!足がいっぱいある芋虫!そのまま地面に這いつくばってやがんのか?この弱虫め!ほーらかかってこいや!お?やるのか?お?お?」
七海は箒を挑発するという新しいやり方を生み出した。
すると、それを見たチーフ先生が注意をしてきた。
「何やってるんですか?上がれと言いなさい!」
周りの生徒がやたら、笑っていやがる。
七海はムキになって必死になった。
「あーがーれっ!」
「もう手で持ちなさい!」
チーフの怒鳴り声が飛んできた。
七海は結局、一番ダサい方法で箒をつかむ事にした。
「はーい…」
七海がしゃがんで取ろうとした。
しかしその時、ヒョイっと浮かんで箒が逃げた。
……箒が逃げたぁ!?
「あれ?なんだこれ…」
信じられない気持ちでもう一回掴もうとするもまた逃げられた。
「ちょ!?何で逃げてんの!?」
すると、箒の穂体が2つに分かれて足のように変化した。
あり得ない展開にクラクラしながら呆然と見つめているうちに一人で歩きだした。
まじか?そんな事、聞いたことないけど?
今どき、美女と野獣の箒じゃないんだから!
横でロンがゲラゲラ笑っていた。
「その箒どうしたんだよ!こんな箒見たことないよ!」
笑いすぎてヒーヒーいっているロンの頭を思いっきり叩きたい気分になりながら箒の行方を見つめていた。
いやいやいや、原作では、絶対こんなことありませんでした!
あり得ないとおもうけど!?絶対にあり得ないんですけどー!!
「おい!ねぇ待って!ごめんごめん!謝るから!足がいっぱいの芋虫とか言ってごめん!」
なんで私、箒に謝ってんだ?馬鹿みたい。(みたいではなく馬鹿)
しかし、箒が止まってくれる気配は全くない。
周りの生徒は爆笑してるし、先生は杖振って叫んでるし。
本当、なにこれ。なんの事件だよ。
七海はやっと走る気になって箒を追いかけた。
「ねー!まってってば!」
ホントに!まってよ!どうするの私!
と、その時、急に箒が止まった。
そして、そのままぽとっと地面に横たわった。
どうして止まったのだろう?七海は首を傾げた。
しかし、その答えはすぐにわかった。
「なにをしている?ポッター。」
目の前に相変わらず冷たい表情で、杖を箒に向けたままのスネイプが立っていた。
七海は箒を捕まえようとかっこ悪くかがみ込んだままだった。
は…恥ずかしい!!
それはそうと、スネイプ先生!今日もコウモリってますね!!(褒め言葉)
スネイプはもう一度、問いかけた。
「何をしている。」
「あ、これはですね、この箒が逃げちゃって…」
スネイプは地面に横たわったままの箒を見て、そのあと七海を見て言った。
「ほう、何をした。」
す、鋭いなぁ…。さすがコウモ…スネイプ先生!
七海はしぶしぶ説明した。
「芋虫って言いました。あの、なかなか上がんないから…。足がいっぱいの芋虫って…。
でもしょうがないっていうか……」
七海は、箒が全て悪いかのような言い方をしたが、スネイプは恐らくすべてお見通しだろう。
それでも言い訳を重ねる七海の姿にスネイプは薄ら笑いを浮かべた。
「なるほど、つまり箒相手に本気でお怒りになったわけだ。」
スネイプは鼻で笑った。
「理解に苦しむな」
七海はごもりながらも、やめればいいのにまだ言い訳をつづけた。
「だって、上がってくれないから…」
スネイプは目を細めて囁いた。
「自分の言う通りにならないと侮辱するのか。箒でこれなら周りの人にはさぞかし、傲慢になるだろうな。」
七海は何も言えなくなった。
結局言い訳した結果どうしようもなくなったな、と自分の愚かさを恨んだ。
ハリーは絶対にそんなことないけど、七海は少し傲慢な所があった。
「ご、ごめんなさい…」
大好きなスネイプに怒られてシュンとした。
チラッとスネイプを見ると、戻れと言うようにみんなの所を指差した。
「はい…」
七海はまだ荒ぶっている箒を掴んで、持ち場に戻った。
戻ってきた時にロンが小さいこえで言った。
「あの先生って怖いんだろ?大丈夫だったかい?」
駄目だったと言おうとしたが、七海は開き直ってニヤニヤして頷いた。
「大丈夫!大丈夫、ちょっとツンデ…いや、冷たくしちゃってるだけだから!」
ツンデレはないな。私がそうあってほしいだけだわ。…いや、でもスネイプがヤンデレもイケる!!
「ハリー・ポッター!貴方の箒は取り替えます!」
みんなが笑っていた。ちょっと嬉しくなってネビルを見るとネビルも随分と緊張がほぐれたようだ。
これならフライディングしないかも!頑張れネビル!
チーフ先生がとても大きな声で指示をした。
「三、二、一の合図で飛んで下さい!一回目はそこまで高く飛ばないで!」
しかし、七海は全く聞いていなかった。
よっし!行くぞぉ!!
「三、二、一!」
地面を強く蹴った。その時、信じられないぐらい速く飛べた。
めっちゃスイスイいける!た、楽しい!!
七海は即座に調子に乗った。
ランランラーン!ルルルルーン!!
「口笛はなぜー!遠くまできこえるの!!この雲はなっ!!!」
夢中になった七海は木にぶち当たった当たった。
「つっ!!痛い…なに?」
周りがまた、めっちゃ笑ってる。
「あいつ!何歌いながらぶつかってんだし!」
「大丈夫?ハリー!?」
「おい!勘弁してくれよー!死ぬ!死ぬ!」
勘弁してほしいのはこっちだ。
どんだけ運が悪いんだよ。どけよ!木!
「そこまで高く飛ばないようにといったでしょう!」
チーフ先生が怒鳴った。真剣な表情だ。
七海は先生に謝って箒を下に向けて下がろうとした。
しかしその時、いきなり箒が七海を乗せて落下した。
「うわっ!え?なに?」
七海は突然の出来事に、びっくりして箒を見た。
七海が木に衝突した事に箒が驚いて暴れているため制御ができない。
このままじゃあ振り落とされちゃう…!
焦った七海は、これまでにないぐらい高速で頭を働かせた。
必死に周りを見渡すと、木がとても近くにあることが分かった。
「木!木がある…!」
その時とても信じられない考えが浮かんだ。
手を伸ばして木の枝に捕まろうと思ったのだ。
…大丈夫!木の枝は割りとキチンとしてるし、捕まっても折れない!七海は反射的に手を伸ばした。
その手が木の枝に触れ、そして掴んだ。
地面にいた生徒達に動揺が走ったのがここからでもわかった。皆が叫んだり、喚いたりしてるのが聞こえたからだ。
恐らく、今までの出来事は一分も掛かっていない。
それでも七海には、スローモーションのように感じられた。
怖い、怖い怖い!まだ助かったわけじゃない!
地上でチーフが何か叫んでいるが、相当な高さのため、何も聞こえない。
下を見てみると信じられないぐらい高い。
真下なんて、とても見れない。
ちょっと斜め下を見ただけでこんなに高いのに、真下なんて見てしまったら気絶する。
もし気絶したら、そしたら…死ぬ!?
七海は早くもパニックになった。息が苦しく、呼吸もままならない。過呼吸だ。
全身に変な汗をかいていて、ヒヤッとした嫌な感触が全身に残っている。
この手はいつまで木を掴み続けられるだろうか?
考えたくもない事が浮かんでは、消える。
「待って…誰か助けて!だれかー!!」
七海は下にいる誰かに向かって叫んだ。
しかしいつまでたっても、だれも動こうとしない。
生徒は眺めるだけだし、チーフ先生も私を見てるだけだ。
スネイプだけが杖を構えて私を狙っていた。
…魔法で何ができるっていうの?魔法でどうにかなるなら、もう助かってるよね?
じゃあ私、誰にも助けられずに…死ぬの!?
そんなのやだ!絶対生き残ってやる!!
七海は必死に枝によじ登ろうとした。
無我夢中で足をバタバタさせて腕を上にあげようとした。
下でチーフ先生が何かを叫んだ。聞こえない。
しかも全然、腕が上がらない。余計な体力を消費しただけだ。
下は目がくらむほど高い。落ちたら終わる。
神様、ごめんなさい、もう人の話を聞かなかったりしないから!誰か!たすけて!
そうだ!箒…箒は!?
箒はそのままどこかに飛んでいってしまった。
流れ星って名前の通りどっかにきえましたけど!!?
確かにあんなふらふらしてたら流れ星って名前になるよね!
冷静になったら今までの学校での走馬灯が浮かんだ。
ロン、ハーマイオニー、スネイプ先生、私死ぬのかなー。
とその時、真下に箒が通過していった。
…これしか無い。やるしかない。
箒の上に着地するしかない!
結構近くだし!下に落ちるよりいい!
落ちても手を離したことになるし、取り敢えず箒に乗る勢いで離すんだ!
要するに手を放す勇気があればいいだよ!
箒に乗れる、箒に乗れる!箒に乗れる!
「うわー!!」
箒めがけて跳んだ。そして、時速100キロ超えの箒に飛び乗った。
そのまま箒を地面に向けて飛ばし、急降下した。
あと、もうすぐ!もうすぐで地面につく!
地面に箒の柄につくかつかないかで、箒を水平にした。
少し地面にスライドしたが、大きな怪我はなかった。
先生、生徒含め誰一人喋らなかった。が、次の瞬間…。
「すげー!」
「い、今のどうやったんだよ!」
「さすが、ハリー・ポッター!最初は馬鹿だと思ったけどやっぱすごいなー!」
みんなハリーに集まった。
ありがとうと言おうとした時、ロンが遠くて寂しそうに眺めていた。
ロン!もう会えないかと思った!!
不意にホッとして、足がガクッと折れた。
地面にヘタリこんだ私をロンが走ってきて支えた。
「ご、ごめん、大丈夫?」
ロンが目の前にいることがなんだかとても嬉しくて、まじで死ぬかと思ったから久しぶりの再会かのように思った。
「ローン!!もう会えないなと思ったー!もう僕の人生終わったとおもった!走馬灯がぁ!あぁー、地面!愛おしい!もう離れないよ!」
ロンが吹き出した。おいおい!と言いながら私を立たせた。
「でも大丈夫だったろ?永遠のお別れみたいだぜ!まったく!」
ロンは七海を支えて、立ち上がらせた。
授業終わりに七海の行動について、こっぴどく忠告されたあと授業は終わった。
七海はホッとしながらロンと廊下を歩いて、ふと考えた。
そういえば…原作と結構違うような…。
たしかネビルの思い出し玉が取られたような。
少しずつ未来が変わっていってるみたい…?
未来を変えると思いもよらない事件が起こるっていうけど…。
まぁ大丈夫かな…?多分…大丈夫だよね?
ななみのお陰?で未来が変わってきてしまいました。
大丈夫でしょうかねー!?