主人公たちが仕掛けで降りるのを確認しました。
殺気を振りまきながら仕掛けに近づきます。
誰かに行かれる等折角待ったというのにおしおきしたくなってしまいます。
どうやら離れてくれたようです。
殺気を収め、仕掛けに入ります。
中にはキルアを含め、ゴン君に性別不詳、クラピカさんと年齢不詳、レオリオさんがいました。
レオリオさんからは歓迎を受けます。
2人足りずに前に進めなかったと説明を受けます。
2人?
台を見ると確かに2つタイマーがあります。
それを手に嵌めます。
しかし、なにも起きません。
そりゃもう一つ余ってたらそうですよね。
とりあえず待とうと思い腰掛けようとすると上で動く音がします。
すると、仕掛けを通して1人の男が落ちてきました。
面妖なメイクにピエロの格好。
落ちてきたのはヒソカでした。
「これはこれは♥君たちと一緒なんて運命は面白いね♣」
全員が警戒をしました。
まあ、そうですよね。
それだけの事を彼はやってきたのですから。
私はヒソカにタイマーを投げます。
彼は私の意図を察したのか手に取り、手に嵌めます。
するとドアが現れました。
念ではなく、普通の電子機器のようですね。
その後は扉を開けるかの質問が出たり、どちらに進むかの質問が出ました。
なるほど、多数決の心理トリックですか。
運動や観察眼など、ハンター試験っぽいのが多いですね。
当然でしょうけど。
「それじゃあ♠︎行こうか♦️」
ここでレオリオがお前がいうな、と文句を言いたそうですが流石に警戒して喋りませんね。
「お前がいうな!」
と思ったらゴン君が文句をいいます。
彼には主人公という理由を置いといて好印象があります。
キルアと話をして友達になってくれたのが彼で良かったですね。
「とりあえず進みましょうか。時間は有限ですし」
その後も右に行くか左に行くかと質問がありました。
左に進むと床が抜け、奈落になっている部屋に当たりました。
部屋の中心には真四角の闘技場のような。
その後説明を受けました。
4勝すれば勝ちのゲームをやるそうです。
こちらは1度も負けそうに無いです。
ああ、でも1度出たらそこまでなんですね。
レオリオさんは戦闘メインでは無さそうなので心配ですが相手方もそれは同じそうですし、なんとかなるでしょう。
「1番手はキルアですね」
私の言葉に全員が驚いたような顔をします。
何故でしょうね?
妥当な人選だと思いますよ。
軍人崩れなのでしょうし。
ああ、殺害の危険性ですか。
「そうですね、それではキルアは殺生を無しという縛りを課しますか。もちろんデスマッチでもそれは同じです」
また、驚いた顔をされます。
しかし私は決めましたので相手の方にも説明致します。
「ゲームはデスマッチ。しかし、こちらが貴方を殺した場合貴方方の1勝とします。貴方の敗北条件は敗北宣言をするのみとなりました」
これでよしと。
キルアにはもう少し無傷のままに獲物を捕獲する術を学んでもらいたいものですね。
「まさか、こんな事になろうとは。お兄ちゃんは少し悲しいです」
私はキルアに期待しすぎていたのでしょうか。
キルアなら速攻で敵の動きを止めて制圧出来ると思っていたのですが、キルアは少しの挑発に乗ってしまい相手の心臓を抜き取り殺してしまいました。
当のキルアは心臓を潰してしまった事にやってしまったという顔をしています。
我慢が聞かないとはまだまだ子どもですね。
殺してしまったのはしょうがないですが、電子版を見ると相手側に点数が入ってます。
まあ、私たちが勝てば問題は無いでしょう。
その後はゴン君、クラピカ君、レオリオ君、ヒソカの順番で進みました。
ちなみにレオリオ君が負けた以外は普通に進みました。
ヒソカにも不殺を条件づけようとしましたが相手側が却下しましたので普通にやってもらいました。
こちらの条件を飲んでいれば長生き出来たかも知れませんのに。
最後は私ですね。
舞台に上がります。
向こう側から相手が渡ってきます。
「それでは私も不殺でやりましょうか。貴方も早くやりたいでしょうし、先手は譲ります。さぁ、どうぞ」
「私の負けです。次へお進み下さい」
「はい?」
電子版を見ると点数がこちらに入り、先へ進めるようになりました。
相手は仲間から非難されていますがもう関係ないので先に行きましょうか。
ゴン君達を誘い、先に向かいます。
負けたぶんの時間を過ごす為の部屋を割り振られます。
私たちは50時間ここで過ごさなければならないですね。
まあ、些細な問題です。
彼らはヒソカと同じ部屋で緊張しているでしょう。
私は一眠りさせていただきます。
「なんでジョネスは戦わなかったんだ?」
「ジョネスって誰のこと?」
レオリオはミルキが寝ると話し出す。
ゴンはそんなレオリオに質問した。
「ミルキの相手は
「それはそうだよ。そいつ捕まえたの兄貴だから」
キルアはレオリオの疑問に答える。
「兄貴は忘れてるけど数年前に捕まえたのがそいつだって聞いたことがある。本当は殺人依頼だったのだけど殺さずに永遠の苦しみを与えることにして欲しいと依頼主に願ったらしいんだ。んで、捕まえて刑務所入れたんだと。どこに入ってるか知らなかったからあんま気に留めて無かったけどあいつだったんだな」
その言葉に全員黙る。
ヒソカはゾクゾクしている表情をする。
ああ、彼は戦って貰えたんだ。
羨ましいな。
ヒソカはミルキと戦った時を思い出す。
戦いといっても戦闘的な戦いではなくお遊び程度だ。
こちらも本気でなかったし、当然ミルキも本気ではなかったはずだ。
本気を出そうとした時にミルキに提案されたのだ。
『これで止めにしよう』
『何故だい?ここからが楽しいのに♣』
『狙っている獲物がいるのに俺と戦うなんて辞めてくれよ』
ミルキは自分がクロロを狙っている事に気づいていた。
それを咎めず、やってからにしろとまで言うのだ。
ミルキもクロロと友人の筈なのに。
『それに俺はある理由があって本気が出せない。本気を出すには後10年……いや、5年は必要かな』
『5年待てば戦ってくれるかい?』
『そうだね。更に優先順位が一番になっているというのも条件にあるけどね』
そうしてあの時はそれ以上はやらなかった。
けれど、楽しみだ。
彼と戦う時を。
それは自分にどんな恍惚な思いをさせてくれるのだろう。
ヒソカはそれを鎮めるためにトランプタワーをつくり始めたのであった。