暗殺者のお兄さん   作:飛翔するシカバネ

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帰宅した

「一年ぶりですね。さて、試されてみますか」

 

「お久しぶりです、ゼブロさん。何かありましたか?」

 

「なーにんもありませんね。いつも通りですね。ちょっと侵入者が門を破壊しようとしてるくらいですかね」

 

「隣に偽物の門を作ったというのにまだそんなやからでるんですか。困ったものですね」

 

この方は掃除夫を務めているゼブロさん。

数年前から雇っている。

 

主な掃除はミケが残した侵入者の片付け。

 

「では、頑張ってください」

 

私は試しの門に手を当てる。

 

試しの門は1の扉は片方2tの重さだ。

力を入れればその力に応じて大きい扉が開く仕組みになっている。

 

「おお、流石ミルキ様。4の扉を開くとは」

 

32tか……

 

出る時は3の扉だった筈ですから成長はしていますね。

よかった。

一年家を離れたかいがあったというもの。

 

 

中に入ると飼い犬であるミケが走ってくる。

 

懐かしい匂いでこっちに来てくれたのか。

そう思ったんですがね。

 

後ろを見ると侵入者の門から人が入ってくる。

 

なるほど、餌が来たんですね。

 

何か言っていますが無視して行きましょう。

直ぐに消える運命です。

 

 

 

 

 

家までやはり長いですね。

疲れはしませんがこう、長いなーっと考えてしまいます。

 

途中執事の皆様に会いましたが少し人選が変わったくらいでいつも通りのようです。

 

 

「ただいま帰りました」

 

家に入るとそこには母さんがいた。

 

「おかえりなさい、ミルキちゃん。扉みたわよ。4の扉まで開くなんて成長したじゃない。ママ嬉しいわ」

 

母さんはハグしてきた。

 

「そうだわ。パパが呼んでいたわよ。行ってきなさい」

 

「父さんが?分かったよ」

 

父さんがいつもいる部屋に向かう。

 

その途中イルミ兄さんがいた。

 

「イルミ兄さん久しぶり。どうしたの?珍しく家にいるけど」

 

「一年家に帰らなかったミルに言われたくないね。オレも父さんに呼ばれたんだ」

 

部屋に入ると父さんは座って真面目な顔でこちらを見据えていた。

 

「イルミ、ミルキ、そこに座れ」

 

言われた通りに床に座る。

 

「お前が天空闘技場に行っている間に1人息子が生まれた。そして今もう1人キキョウの中に新たな命が宿っている」

 

近況報告だろうか。

そして事実ならアルカとカルトだろう。

 

「まだ、早いかも知れんが次期当主を任命しておくことにした。それはキルアだ。生まれたばかりで一年程度だが既に人を殺す才能がある。俺とキキョウの才能を一番についでいるだろう」

 

「それにオレ達が反対するかって事を聞こうとしたの?」

 

イルミ兄さんが父さんに問いかける。

 

「そうだ。年功序列を差し置いて決めた話だからな。何か言うことがあるだろうと思ってな」

 

「私は特に無いですよ。父さんの意見ですし、反対はしません」

 

前世からそうなのですが、私蒐集家なのです。

お金もその為だったりします。

 

「オレもそれでいいよ。キルは見たところ才能あるし。オレも父さんと同意見だよ」

 

 

これでキルアが次期当主に決まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ミルはどうする?オレはこの後依頼で直ぐに外に出ないと行けないけど」

 

「私は少ししてから家を出ます。いい競売があるんですが時間があるので」

 

「分かった。それじゃあね」

 

「イルミ兄さんも元気でね」

 

そういってイルミ兄さんは外へ向かっていった。

 

それにしても前世の敬語口調が大分マシになりましたがまだまだですね。

家族とくらい普通に喋りたいものですね。

 

 


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