あの頃からまた大分経ちました。
今はキルアも6歳になり私は13才になりました。
原作とは違い、私は肥え太るような事は無く、すくすくと成長して身長もかなりあります。
これで暗殺者という事を隠せばモテるかも知れませんね。
前世でキレイなミルキがありましたが、見事予想通りだったという訳ですね。
目つきは悪いままですが見事にスリムボディです。
6年の間に色々ありました。
イルミ兄さんの友人であるヒソカさんと遭遇したり。
幻影旅団のクロロさんと交友を結んだり。
クルタ族に会いに行ったり。
バトルオリンピアで王座を防衛したり。
色々やってました。
キルアとの仲も良好といえるでしょう。
アルカの事は私には何も出来ません。
そして私がやることでもありません。
そんなキルアが何か父さんに言われたようですね。
「ミルキ、キルアを天空闘技場に連れていけ」
私にも声がかかりました。
「実践戦闘を学ぶいい機会なんだがキキョウが1人では行かせられないと言うんだ。だからミルキ、お前もついていけ。あそこは第2の自宅だろう」
そうですけども。
私が連れていくと相手が棄権するかと思うんですが。
飛行船でついていくだけ?
分かりましたよ。
「ミルキ兄と出かけるのは初めてだな」
キルアが嬉しい事を言ってくれます。
しかし、
「旅行ならいいんだけどね。今回は修行の一つだからね」
「大丈夫。その闘技場で200階行けばいいんだろ。余裕だよ、余裕」
「まあ、何にしても頑張れ、キルア」
「分かってる。ミルキ兄」
飛行船場で別れてから私はある里に向かった。
「また、来たのかオヌシ。オヌシが来たということは来年か……」
「そうですね。残念ながら」
ここはクルタ族が隠れ住む場所。
数年前に訪れ、交友を結んだ。
当初は警戒されまくっていたが一緒に生活したりある事を話して中に入れた。
そのある事だが[幻影旅団のクルタ族襲撃]についてだ。
「今考えても思いもよらんな。オヌシが連れてくると言った方が現実的じゃわい」
「連れて来るなんて皆さんに逃げろと言う人が言うと思います?」
「思わん」
「でしょう。そしてこの地を離れる気もない」
この人たちはここを離れる気が無い。
ここで生きてきたからこそここで死ぬというのだ。
「それは変わらないのですね」
「何度いってもワシらは動かん。その行く末が滅亡だとしても」
ここまでは前にも話した内容だ。
もしかしたら話を変えてくれるかと思ったがもう一つは呑んでもらおう。
「では、もう一つの話の方はどう致しますか?クルタ族の子を逃がすという話は」
「その話じゃが……2組申し出た。自分たちがここから離れたくはない。しかし、子を逃がしたいとな」
子を逃がしたいのは当たり前だ。
というより自分も逃げたいはずなのに。
こんな怪しい奴に渡さないで自分たちで逃げて欲しいのに。
「オヌシが優しい心を持つのは理解しとる。外の人間と全く関わらないこの里でもオヌシは受け入れられたのだ。だからこそ子を頼むのだ」
その後長老は人を連れてきた。
1人は2人の子を抱えた女性。
もう1人は目に包帯を巻き、青年に抱えられた少年。
「この双子とこの少年を助けてほしい」
長老は頭を下げる。
「本来なら知っている私が命をとして彼らを止めるべきなんです。なのに頭を下げないで頂きたい」
「それを言うならオヌシもワシらに知らせなければ良かったのだ。他人なのだから死んだとしても知らぬ存ぜぬで通せば良かったのだ。それなのにワシらの里まで来て伝えてくれた。それをここに残ると言ったのはワシらだ。寧ろ心苦しい判断を若者にさせたワシらを許し欲しい」
「分かりました。彼らは私が責任を持って必ず守り通します。だから顔をお上げください」
「任せましたぞ」
私は変えようとした。
知っているのだから止めようとした。
しかし彼らは曲がってしまったとはいえ素晴らしい友人だ。
それに触れて私はもう彼らを殺せない。
ならばせめて逃がそうとした。
しかし彼らもまた動かなかった。
まるで歴史が忠実に進めようと強制力があった。
それでも抜け道はあった。
だからこそこの3人は必ず私が守り通す。
「念能力【
この念能力は契約書の強制力を絶対にしたものだ。
私の操作系と具現化系の能力で作った今のところ最高容量の念能力だ。
これによる契約で破った場合に待つのは死のみだ。
この契約書は双方が自分で書き、血判を押す。
そして契約書と契約を結んだ両名のどちらかが生存する限り発動し続ける。
片方が死亡してもこの契約は外せない。
これは契約で互いに対価を払うことで完遂する、いわば交渉用の書類だ。
クルタ族長老が出す対価は人材。
私が出すのはその人材の衣食住と別の国籍、生命を守ることだ。
来年でクルタ族は滅亡だ。
それに生き残りはいないとされる。
だからこそ代わりに国籍を作らないといけない。
彼らはいるはずの無い人間となる。
そして私は彼らを守る。
それが契約だ。
別れの時私は謝った。
なんど悲しんでも懺悔しても足りないだろうが私は彼らに謝った。
彼らは何もいわなかった。
1年後、クルタ族襲撃事件が報道された。