PERSONA4 THE LOVELIVE 〜番長と歌の女神達〜   作:ぺるクマ!

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閲覧ありがとうございます。ぺるクマ!です。

ダンメモの3周年記念のストーリーを進めていますが、一言で言うと”辛い”に限ります。辛いながらもあんなに引き込まれるようなストーリーを考えた大森先生はやっぱりすごい。これでアリーゼやアストレア様のボイスが実装されたら思わず泣いてしまうかもしれない…。

今回の話の中にもありますが、次回の新章一発目に予定している話の内容を決めるアンケートを取ります。ただ今回は対象人数が多すぎるので活動報告にて回答してもらう形式にするので、よろしければアンケートにご協力お願いします。

改めて、誤字脱字報告をしてくれた方・評価をつけて下さった方・新たにお気に入り登録して下さった方々、本当にありがとうございます!

それではこの章のエピローグをどうぞ!


#97「Next Chance to Move On.」

 絆フェスから数日が過ぎた。

 

 様々なトラブルに見舞われたものの、無事に全てのイベントが終了した絆フェスは世間に大きな話題を呼んだ。それは久慈川りせの芸能界復帰やとあるイベントの開催にもつながったほどに。

 

 

 

 

 

 

 

 

「りせちゃん、凄いよね。復帰してすぐに単独でテレビ出演なんて」

 

「ううん、それはセンパイたちのお陰。絆フェス、ホント話題だったんだから。まあ、久々のテレビ出演でちょっと緊張しちゃったけど、悠センパイが近くで見守ってくれたから全然余裕だったよ。ねえ、悠センパイ♡」

 

「えっ?」

 

「はいはい、出演が上手くいったのはりせちゃんだけの力だから、お兄ちゃんは関係ないよ。それにお兄ちゃんはその時ずっとことりと一緒だったからね♡」

 

 バチッという音が幻聴として聞こえるほど睨み合うりせとことり。

 この2人による相変わらずのやり取りを見て、悠は思わず苦笑してしまった。こうしてみると、いつもの日常に戻ってきた感がある。だが、喧嘩腰のせいでせっかくの綺麗な水着姿が台無しなので、目の前で火花を散らすのは勘弁してもらいたい。

 

「てか待てよ。何で俺ら、こんなところにいるんだよ」

 

「こんなところって、【わくわくざぶーん】でしょ? 最近できたばっかりの」

 

「知ってるよ……」

 

 先に明記していなかったので困惑している方も多いだろう。ここは最近東京に新しく出来たばかりの全天候型屋内ウォーターレジャーランド【わくわくざぶーん】。流れるプールに人工の波を起こす波のプール、大きなウォータースライダーにとてつもなく高い飛び込み台、競技用プール、名前では判別のつかないアトラクションプールと様々なプール施設が充実している話題のレジャー施設だ。

 今回の絆フェスが成功したことへのお礼とトラブルに巻き込んでしまったお詫びということで落水に招待チケットを貰ってやってきたのだ。ちなみにその落水の計らいで今日一日全館貸切、つまり今この施設には悠たちとこの施設のスタッフ以外誰もいないのだ。ほかにいるとすれば

 

「うわあ! すっごい波来た!」

 

「あははっ! 気持ちいい~!」

 

「んだっ! おらもすっごくたのじい~♪」

 

 目の前で流れるプールに揺られている穂乃果たちと、絆フェスで共演した【かなみんキッチン】と【A-RISE】たち、そしてかなみと共演した菜々子と雪穂、亜里沙たちだ。穂乃果たちも夏休みに行った海水浴の時とは違った水着を着ていて新鮮に見えるが、かなみやツバサたちも負けず劣らず綺麗で可憐な水着なので、貸切状態のプール施設も華やかな雰囲気で包まれていた。

 

「いやあ、それにしても眼福だぜ。穂乃果ちゃんや花陽ちゃんだけじゃなくて、かなみんやツバサちゃんたちの水着もみれるなんて……やっぱり俺……もう一生分の運使っちまったのかな……」

 

「そんなことは…………」

 

「おーい! 悠さんもこっちで遊ぼうよ~! せっかく来たんだから楽しまないと損だよ」

 

 嬉しいのか悲しいのか分からない感想を述べて落ち込む相棒を励まそうとすると、波のプールではしゃいでいた穂乃果から声を掛けられた。まあ確かに、せっかくこのようなレジャー施設に来たのだから、楽しまなきゃ損だろう。落ち込む陽介を無理やり引っ張って悠たちも穂乃果たちの所へと向かった。

 

 

 

 

 この日、悠たちはわくわくざぶーんのアトラクションを目一杯楽しんだ。ちなみに施設の名前を見てとある作品のイベントが起こるのではないかと思っている人もいると思うが、同じ金髪の絵里が水上を走ってセクハラを働いたクマを始末しようとしたり、悠と希が水中我慢大会を開いて甘酸っぱいアオハルイベントなどは起こったりはしていない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねえ鳴上さん」

 

「ん? 綺羅さん、どうしたんですか?」

 

「いや、何かあの子たちかなり険悪な雰囲気でビーチバレーやってるような気がするんだけど……」

 

 視線を向けると、ビーチバレーコートにて乙女たちのガチンコバトルが繰り広げられていた。今は2対2のタッグバトルで行われており、互いにバールが割れろと言わんばかりのサーブやスパイクが繰り出され続けている。プレイヤーたちが美少女たちなだけあって見応えはあるが、ツバサの言う通りどうも険悪な雰囲気がチラチラと見受けられる。

 

「大丈夫だ、ツバサちゃん。俺らから見てもそう見えてるから」

 

「いやあ……あたしもノリで参加しちゃったけど、まさか負けちゃうとは思わなかったなぁ。中学生の亜里沙ちゃんに……」

 

 恐らく特捜隊&μ‘sの中でもトップクラスの運動能力を有する千枝が、中学生の亜里沙に水泳で負けてしまうくらいなのだから、相当マジだ。千枝だけでなく面白半分で参加してしまったかなみんキッチンのかなみやたまみ、ともえも返り討ちに遭っていた。

 

「わあっ! お姉ちゃんたちすごいね、お兄ちゃん」

 

「ああ、そうだな」

 

 唯一純粋な菜々子は彼女たちのスーパープレイに感動して大喜びで観戦している。菜々子はこのまま汚れを知らずにピュアなまま育ってほしいと切実に思う。

 

「審判やらされてる巽くんとクマくんなんか不憫ですよね。あんな殺気が充満してる戦いのど真ん中にいなきゃならないんですから」

 

「何が原因なんだろう。鳴上くん、何かあった?」

 

「……そう言えば、ここに来る前に落水さんにディスティニーランドのペアチケットを貰ったな。“せっかくだから大切な人と行ってきなさい”って言われたけど、俺は受験で行く予定ないし、仕方ないから、ことりに穂乃果や海未とかと一緒に行ったらどうだって渡したんだが」

 

 

「「「………………」」」

 

 

 悠の言葉に一同は確信した。間違いない、原因はそれだ。

 

 

「私が勝っても文句言わないでくださいよ!」

「そっちこそ! 絶対悠さんとディスティニーランドに行ってやる!」

「このチャンス……絶対にモノにしてみせる!」

「今回だけは誰にも負けられない!」

 

 

 そうこうしているうちに、乙女たちによるペアチケット争奪戦は熾烈を増していく。一体誰がディスティニーランドのペアチケットを勝ち取ったのか。それは読者のご想像にお任せします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなこんなもあって時間は過ぎてお昼の時間。遊ぶのを一旦中断して一同はフードエリアで昼食を取ることにした。普段は昼食と言えば悠か誰かの手料理が定番になっているが、偶にはこういうファーストフードを皆で食するのも中々おつなものだ。そして、やはり話題に上がったのは先日の絆フェスだった。

 

「いやあ、それにしても色々ありましたね、絆フェスは」

 

「ダンスの内容はともかく……あのキラーパスはトラウマだぜ……」

 

「そっすね……テレビ観たっすけど、俺ら完全に焦り顔晒してたっすよ……」

 

「あはははは……」

 

 今思えばとんでもないステージに立ってしまったと気づかされる。本来なら自分たちはりせのバックダンサーとして出演する予定のはずが、まさかの大トリのダンサーとしての出演。しかも全国放送のため東京だけでなく稲羽までにも放送されたので、悠たちも学校でクラスメイトたちに色々と話題にされ、陽介たちも街の人に色々と聞かれて気恥ずかしい想いをしていた

 

「しっかし落水さんってすげーよな。あの騒ぎ、結局一人で鎮めちまったんだろ?」

 

「ええ。見に来てたお客さんたちが、一人も事件の事を覚えていないこともあったんだろうけど」

 

「結構力押しだったようですよ? 警察からも厳重注意を受けたそうですし。まあ……あんなことがあって厳重注意だけで済んでる時点で奇跡みたいなものですけど……」

 

「あたしも見たよ、たまみちゃんたちの行方不明も“演出の一環だった”って全部押し切ってたよね?」

 

「何を言われても機材トラブルとかプロモーションだったの一点張りで、頭だけ下げてましたしね……」

 

 ちなみに会場の外にいたというシャドウワーカーのラビリスたちの話によれば、絆フェスの会場がマヨナカステージに運び込まれた際にその周囲は嵐の壁のようなものが展開されていたらしい。そんな説明できないような超常現象に関しても“桐条グループの技術による演出の一環”という風に押し切ったという。事情を知る美鶴が協力してくれたからこそできたことだが、その根回しにも相当苦労したようだ。

 

「そう言えば、堂島さんと雛乃さんところはどうだったんだよ? あの2人も桐条さんたちみたいに俺らや事件のこと調べてくれてたんじゃ」

 

「ちょっ」

 

 絵里が慌てて制止するもすでに遅く、陽介から禁句を耳にした悠とことりは何を思い出したのか身体をガタガタと震わせた。

 

「……こってり……絞られたよ…………特に叔母さんに」

 

「こ、怖かったよね……お母さん……あんなに怒ったの……初めて……」

 

 どこぞのゲーマー兄妹のように互いの存在を確認し合うかのように抱きしめ合って慄いているところから察するに相当のお叱りを受けたらしい。それほどまでに今回の件は雛乃たちをかなり心配させたのが分かる。

 

「わりぃ……結構怒られたんだな。一回俺らも怒られたことあるから、その気持ちは分かるけど」

 

「そうだよね。私も雛乃さんに怒られるのは学園祭の時だけで十分だよ……」

 

 悠たちが怒られてた場には落水もいたらしく、怒る堂島と雛乃を宥めつつ2人は悪くないと説得してくれたらしい。2人とも本心ではどう思っているのか分からないが、それ以上の追及はしなかった。

 また、菜々子と雪穂、亜里沙はあの時のことは全て舞台の演出だと思っている、というか思い込ませた。

 

「まあでも、あれから似たような事件は起こってないんでしょ?」

 

「ええ、僕の調べた範囲ではあの日から一件も症例はないようです」

 

 直斗によると、やはりマヨナカステージに存在したシャドウたちは推測通り絆フェスのサイトで例の動画を見た人たちだったらしい。その事実を示すように今回の事件で昏睡状態に陥っていた患者が全員回復したとの報告が上がっている。

 桐条の根回しによるものか分からないが、その原因は集団ストレスということになっており、当然医者たちは前代未聞だと首をひねっているらしい。とにかくあのミクラタナノカミが同じような事件を起こしている気配はないので、今回のマヨナカステージに関する事件は収束したと考えるべきだろう。

 

「これにて今回は一件落着だな。でも」

 

「ええ、それでも残った謎もありましたけどね」

 

 残った謎というのはやはりミクラタナノカミを唆した黒幕のことだろう。

 マヨナカステージから現実に戻る際に悠がミクラタナノカミと話した内容は過去の教訓で特捜隊&μ‘sの皆と共有している。皆を特に驚かせたのは音ノ木坂の神隠しの原因になっていたテレビの世界はそのミクラタナノカミが創ったという事実だった。

 

「まさか、あのミクラタナノカミが音ノ木坂学院にテレビの世界を創ったとはな。まあ、マヨナカステージなんてふざけた世界を創った張本人なんだから、納得っちゃ納得だな」

 

「そして、その黒幕ってやつも悠たちの近くにいると」

 

「でも、一体誰なんだろうね? 身近な人って……」

 

「うーむ……」

 

 それに、ミクラタナノカミによると一連の黒幕は今でも悠たちの近くにいるということ。稲羽の事件では確かに特別捜査隊の身近にいた人物が犯人だったわけだが、どうにも掴めない。

 

 

 

 

「どうしたのよ?」

 

「あっ、ツバサさん」

 

 すると、こちらの話しに入り込むようにツバサたちがこちらに話しかけてきた。どうやら悠たちが神妙な顔つきで何かを話しているのが気になったようだ。

 

「あ……えっと、何でもないよ。ただ絆フェスが大変だったねって話で」

 

「ふーん……まあいいわ。それよりも聞いた? またラブライブが開催されるって」

 

「「「えっ!?」」」

 

 ツバサの一言に一同は再び驚愕する。実は今回の絆フェスでA-RISEとμ‘sが話題になったお陰なのか、第2回のラブライブが開催されることになったのだ。それが全国に伝わったにも束の間、全国のスクールアイドルたちが次は自分たちが優勝をと言わんばかりに続々と参加表明している。

 

「当然私たちは出るわよ。穂乃果さんたちも出るのよね? 出来たら、そこで貴方たちと雌雄を決したいんだけど」

 

「えっ……? ほ、穂乃果たちは……えっと……」

 

「??」

 

 だが、μ‘sのリーダーである穂乃果の反応は芳しくない。一体どうしたのかと思ったが、その理由には察しがついた。

 

「心配なんですか? また、学園祭のようなことが起こるかもしれないと」

 

 海未の指摘に穂乃果は沈黙したが、それは正しかった。

 正直廃校のことは解決済みなので関係ないが、前回の学園祭での事件が穂乃果の中でずっと引っかかっていたのだ。未だ自分たちが追っている犯人は見つかっていないし、目的も分からない。もしラブライブに出場したとしたら、犯人がまた学園祭のような妨害をしてくるかもしれないのだ。そうなったら、また悠が危険な目に遭うかもしれないし、今度は穂乃果たち自身が巻き込まれるかもしれない。

 穂乃果はどうしてもそれが嫌だった。せっかくあのA-RISEが自分たちをライバルと認めてくれたので、是非ともツバサたちとラブライブで戦いたいとは思う。でも、それでまた誰かが傷つくことになるのは絶対にダメだ。出たい気持ちと出たらダメだという気持ちがせめぎ合って穂乃果を想い悩ませている。この気持ちを一体どうすればいいのだろうか。

 

「安心しろ、穂乃果」

 

 自分の世界に閉じこもって思い詰めていると、不意に頭に悠の手が置かれた。大きくて優しい安心感のある感触。それを感じた穂乃果は思わず悠に顔を向けた。

 

「ツバサさんたちは穂乃果たちと対決するのを待ってるんだ。ライバルにそう言われたら、黙ってられないだろ?」

 

「でも……」

 

「大丈夫だ。俺たちには頼もしい仲間がいる。絶対に犯人の思惑通りにはさせないさ」

 

 これまでもそうだった。仲間と力を合わせて立ち向かったからこそ、P-1Grand Prixや今回のマヨナカステージだって乗り越えられた。それに、今はあの時の自分たちとは違う。そのことを示すように、今自分を見つめている悠の瞳は揺るぎない決意に溢れていた。

 

「穂乃果、君の本当の気持ちを聴かせてくれ」

 

「……うん! 私、もう一回頑張りたい! 学校のこととは関係なしに……ツバサさんたちと戦いたい! だから皆、もう一度ラブライブに出よう! お願いっ!」

 

 穂乃果はそう言うと海未たちに深く頭を下げた。悠に触発されたとはいえ、これは完全に自分の我儘だ。もしかしたら自分勝手だと罵られるかもしれないし、呆れられるかもしれない。だが、そんな心配は再び杞憂に終わることになる。

 

「ふふ、当たり前ですよ。私も同じです、穂乃果」

「このまま負けっぱなしじゃ終われないもんね」

「私も、同じこと考えてました」

「もう一回出場して凛たちが優勝するにゃあ!」

「当ったり前よ! A-RISEや他のスクールアイドルも蹴散らして、私たちが優勝するわよ!」

「まあ、前回が納得いかない結果だったから、やるしかないわね」

「優勝を目指すんだったら、私も手を抜かないわよ」

「うふふ、これからも大変やねえ」

 

 μ‘sメンバーの決意表明に穂乃果は嬉しくて思わず飛び上がった。そんな彼女たちのやり取りを見たツバサは絶対に負けられないと勝気な笑みの奥に闘志をメラメラと燃やした。

 

 話がまとまったところで昼食も済んだので、食後の運動にと再びわくわくざぶーんを満喫しに走って行く。胸に抱えていたわだかまりがなくなったせいか、彼女たちの背中は軽やかで楽し気だった。

 

「良いグループね、μ‘sは」

 

「ええ。ところで、何で俺のところに?」

 

「実はね、あなたにお願いがあるの。絆フェスの時は話し損ねたから」

 

 そう言うと、ツバサは周りには聞こえないほどの声で悠にあることを持ちかけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやあ、今日は楽しかったですね。落水さんに感謝です!」

 

「ええ、本当に」

 

 時間が経ってそろそろ閉館時間になる。楽しい時間というのはあっという間に過ぎて行くもので、少し遊び足りないほどだ。さて、各々ロッカーで着替えに行こうとすると、誰か足りないような気がした。

 

「あれ? そう言えば完二はどこいった?」

 

「んん……? 確かにそうだな」

 

「それに、のぞみんも見当たらないです……て、あれ!?」

 

 かなみが何か気づいて指を指す。その方向を見てみると、何やら良い感じの雰囲気の完二とのぞみがいた。

 

「た、巽さん……向こうで、お話していい?」

 

「ええっ!? お、おう……」

 

 小さい声だがそのような会話が聞こえた瞬間、穂乃果たちは目を輝かせる。2人の雰囲気にのぞみの恥ずかしそうなもじもじとした態度から間違いない。

 

「これって、もしや……」

 

「のぞみさんが完二くんに……告白っ!?」

 

「「「マジでっ!?」」」

 

 突然降ってきた恋愛イベントに周囲は湧きたつ。マヨナカステージの時から思っていたが、もしかしたらのぞみは完二のことが気になるのではと思っていた。助けられた時も完二に大胆に“好きなのか嫌い”なのかと聞いてたし、今回のプールでも完二をずっと見つめていた。これはついに完二に青い春がきたのではないか。

 近くで成り行きを見守ろうと穂乃果たちはお邪魔にならないようにとそっと2人に近づいて物陰に瞬時に身を隠す。仮にのぞみが完二に告白してOKしたら、みんなで“アオハルかよ! ”と叫んで祝福するつもりだ。

 だがこのパターン、何かデジャヴだと悠と陽介、千枝と雪子の4人は思ったが言わないことにした。

 

 

「あ、あの……巽さん……私のこと……好き?」

 

「はあっ!? おま、またそんなこと……」

 

「好き……?」

 

「い……いやあ、そ……その…………」

 

 

 間近で展開される男女の甘酸っぱい? 会話。見ているだけでドキドキする。

 

「あ……あの……それでね、私……完二さんに伝えたいことがあって……」

 

「………………」

 

「実はね……私にとって……た、巽さんは……」

 

 

 小声でもじもじとしながらも意を決してのぞみは完二の思いの丈を伝えた。

 

 

 

「タイプじゃないんですっ! ごめんなさいっ!!」

 

 

 

「!!!!!!???????」

 

 

 のぞみの告白に衝撃を受けた完二。これには見ていた悠たちの同じく衝撃を受ける。

 

 

「で、でも……これからも友達として、接して貰えたら……とか……そこからの関係からお願い……できないかな?」

 

「あ……あ………………ああ……」

 

「じゃ、じゃあ!」

 

 

 のぞみは恥ずかしそうにそう言った後、そそくさとその場から立ち去った。残された完二はと言うと、似たような経験を思い出したのか勢いよく膝をついた。

 

 

 

「何じゃああそりゃああああああああああああああああっ!?」

 

 

 

 激しく項垂れて絶叫する後輩に皆は声を掛けることが出来ず、ただ憐みの視線を送るだけだった。特に昨年の八十神高校の林間学校で同じ現場を見ていた特捜隊3年組はどうしたらいいのか分からない。今回の相手が大谷花子のような人物でなく今をときめく美少女だっただけに、とても悲惨だ。

 

「そっとしておこう……」

 

 このあと、完二は全力で悠たちに慰められた。

 

 

 

【DANCING All NIGHT IN MAYONAKA STAGE】

ーfinー




Next Chapter


近づいていく事件の黒幕の正体。


そして、明かされていく真実。


再び開催されるラブライブ。



各々の思惑がぶつかる時、物語は動き出す。



PERSONA4 THE LOVELIVE 最終章


2020年7月 スタート予定
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