PERSONA4 THE LOVELIVE 〜番長と歌の女神達〜   作:ぺるクマ!

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どうも、ぺるクマ!です。

新生活にも慣れてきてもやることが多いので色々と大変です。特にこの5月は土日にやることが詰め詰めなので、今月は更新するのが大分遅くなると思いますが、着実に執筆していくつもりなのでご安心ください。

そして、新たにお気に入り登録して下さった方・感想を書いてくれた方・誤字脱字報告をしてくださった方々・評価をつけてくれた方々、ありがとうございます!読者の皆様の感想や評価、そしてご意見が自分の励みになってます。

皆さんの応援のおかげで嬉しいことが起こりました。

・お気に入りが400件を超え達成!!
・この作品が日間ランキングでまさかのいきなり5位にランクイン!!

これらを確認した時は正直目を疑ってしまいましたが、とても嬉しかった反面、更に精進しなければならないなと思いました。
まだまだ拙い作品ですが、これからも皆さんが楽しめる作品を目指して精進して行きます。完結まで結構時間がかかりそうですが、長くお付き合いいただければ幸いです。

それでは、本編をどうぞ!


#14 「I want you to see me」

 目を開けるとそこはそこはベルベットルーム。今回も目をつぶったままのイゴールとマーガレットが居た。

 

 

「ようこそ、我がベルベットルームへ」

 

 

 イゴールがお決まりのセリフを言い終わると、マーガレットが手に持っているペルソナ全書を開いてこう言った。

 

 

「お客様は先の戦いで、新たなアルカナ【剛毅】を呪いから解放させたご様子。そして、またあの宝玉を手に入れたようございますね」

 

 

 すると、目の前に先日海未のペルソナから得た青い宝玉に加えて、黄色の宝玉が並んで現れた。おそらくこの宝玉が凛のペルソナから得た【女神の加護】だろう。

 

 

「まあ…綺麗………」

 

 

 マーガレットはその宝玉の美しさに見惚れていた。すると、イゴールは目を開きマジマジとその宝玉を見つめたと思うと、次第にニヤリと笑った。

 

「ほう……これは素晴らしい……どうやらこの宝玉には貴方にかけられた呪いを打ち砕く力だけではなく、更なる力の可能性が秘められておられるようでございます。しかし、その最たる力が発揮されるのはまだ先のことでございましょう。フフフ、貴方がこの秘められた力をどのように目覚めさせるのか…楽しみですな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<翌日 放課後 音乃木坂学院???>

 

 日付が変わり翌日。悠たちは新たにメンバーに加わった凛と共に、再びあの世界にダイブした。そして、その校門付近にて…

 

 

「おお!すごい!!昨日邪魔だった霧が晴れて見えるにゃ!!」

 

「そうだよね!昨日凛ちゃんを追いかけてたせいで掛けるの忘れたけど、このメガネって本当にすごいや!」

 

 凛と穂乃果は、悠から貰ったクマ特製メガネの性能に驚いていた。説明が遅れたが、このメガネは八十稲羽のテレビの世界の元住人で今はジュネスのマスコットキャラである【クマ】が作成したもので、視界を遮るテレビ由来の霧を取り払う性能を持っている。どうやらこの世界の霧も同じ性質を持っているのか効果はちゃんとあるようだ。すると、海未がそんなはしゃいでいる2人を注意する。

 

「貴女たち、はしゃいでる場合じゃないでしょ!確かに鳴上先輩が持ってきたメガネの性能がすごいのは分かりますが、今はそれどころではありません!!」

 

「「は、はい…」」

 

 海未の一喝により、穂乃果と凛は押し黙った。そんな3人の様子を苦笑いしながら傍観していた悠とことりは話題を戻すことにした。

 

「お兄ちゃん、さっき話してた花陽ちゃんたちの救出に時間がないかもって本当?」

 

「ああ、俺の聞き間違いじゃなければな」

 

 一応昨日見たマヨナカテレビみたいなものについては全員に説明しておいた。そして、確か花陽と真姫のシャドウはテレビでこう言っていたのだ。

 

 

 

『閉店まで時間がないけど』

 

 

 

 何の店かはあのテレビを見る限り想像がつくが、おそらくその店が閉店となるまでがタイムリミットだろう。しかし、その閉店がいつかは分からない。

 

「なら、早急に小泉さんと西木野さんを救出する必要がありますね」

 

 海未のその言葉で、全員に緊張が走った。時間がないということは、タイムリミットは今日かもしれないということかもしれないからだ。それを過ぎたら花陽と真姫がどうなるかは分からない…

 

「でも、その鳴上先輩と海未ちゃんが見たっていうクラブって学校のどこにあるんだろう?」

 

 穂乃果が当たり前のことを口にする。確認したところ、昨夜あのテレビを見たのは悠と海未だけ。穂乃果はいつも通り雪穂に呆れられながら爆睡し、ことりと凛は疲労が溜まっていたらしく早めに就寝したらしい。その質問には悠が答えた。

 

「多分、校舎の中にあるんじゃないか?場所的に室内だし。それに、もしあのテレビに映った場所が小泉たちの心の中が反映された場所なら、彼女たちと関係ある場所である可能性が高い」

 

「校舎内ですか…私たちが迷い込んだときは、昇降口が開きませんでしたが」

 

 以前穂乃果たちがこの世界に迷い込んだときに校舎内に入ろうと試みたのだが、昇降口が開かなかったのだ。しかし、それに関して悠はこう返す。

 

「もしかしたら、それには何か条件があるのかもしれない」

 

「条件…ですか?」

 

 すると、悠の言葉に反応して穂乃果がこう発言した。

 

「あ!もしかしてあれかな?『開けゴマ!』みたいなやつかな?」

 

「それは合言葉です…でも、その可能性はなくはありませんね…」

 

 しかし、これまでの探索の中でそんな合言葉みたいなワードは聞いたことがない。もしかしたら、八十稲羽のときのようにその人物に対するキーワードみたいなものが必要なのかもしれないが、考えたらキリがない。

 

「とにかく、今はここで悩んでも仕方がない。探索を開始するぞ。みんな、覚悟は良いな?」

 

「「「「はい(うん)!」」」」

 

 悠の掛け声により、みんなの結束が高まった。

 

「よし、行くぞ」

 

 悠たちは覚悟を決め、敷地内に入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<音乃木坂学院??? 敷地内>

 

 しばらく敷地内を歩き、途中でシャドウに襲われることなく穂乃果たちがよく使う昇降口前に到着した。

 

「ここか」

 

「はい。前来たときはどうやっても開かなかったのですが…」

 

 悠と海未はどうしたものかと思っていると

 

「そんなことより早く入ろうよ!」

 

 穂乃果は2人の話はそっちのけで昇降口のドアに手を掛ける。

 

「ちょっと!穂乃果!!」

 

 

 すると、以前は開かなかったはずの昇降口は開き、そこには穂乃果たちがいつも目にする音乃木坂学院の下駄箱の風景が広がっていた。

 

 

「あれ?開いちゃった……あ!私たちがいつも使ってる下駄箱だ!すごーい!」

 

 これには、穂乃果だけでなく穂乃果以外のメンバーも驚いていた。

 

「一体どうなっているのでしょう……」

 

 この疑問は悠でも分からなかった。しかし、今は花陽と真姫の救出が最優先事項である。

 

「その謎を解くのは後にして、探索を行うぞ。校内にシャドウが居るかもしれないから団体行動で行く。周囲の警戒を怠るな」

 

 悠の言葉で一層気を引き締めた穂乃果たち。早速探索を開始した。

 

 

 

 

 探索をして分かったことだが、どうやら校舎内も現実の音乃木坂学院と構造は同じようだが、壁や床などの設備は廃校した学校のように荒れていた。やはり、この世界は廃校した音乃木坂学院を表しているのだろう。

 現実の音乃木坂学院は廃校が決定しているからこうなったのかもしれないが、もし穂乃果たちのアイドル活動が功を奏して廃校を止められたら、どうなるのだろうかと悠は思った。

 

 

 

 

 そして、探索を進めると、ある場所に悠たちは辿り着いた。

 

 

「ここは…【音楽室】ですか?」

 

「嗚呼、ここから何か感じるぞ」

 

 悠の言う通り、この音楽室だけ他の教室とは違う雰囲気を醸し出していた。実際この音楽室は真姫が昼休みなどによく入り浸っていた場所であるので、条件は一致している。

 

「ここに……花陽ちゃんと西木野さんが…」

 

「かよちん…」

 

 みんなその扉を見て目的の人物がそこにいると認識したからか、顔がやる気に溢れていた。

 

「みんな、今からこの部屋に突入するが覚悟は良いな?」

 

 悠の言葉に穂乃果たちは覚悟を持った目で頷く。それを確認した悠は音楽室の扉に手を掛けた。

 

 

「行くぞ…」

 

 

 そして、その扉は開いた。扉を開いた先には驚くべき光景が広がっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<クラブ 【まきぱな】>

 

 音楽室の中に入ると、そこには昨日テレビで見た通りの高級感溢れるクラブの光景があった。おそらくここが、昨日テレビに映っていたクラブだろう。その光景を見た穂乃果たちは見たこともない光景に目を点にしていた。

 

 

「ここって…テレビとかで出てくる……キャバクラ?だっけ」

 

「そんなハレンチなものじゃありません!!」

 

 

 穂乃果の何気ない発言に海未は過剰に反応した。しかし、そのクラブは学生が入るにしてはあまりに煌びやか過ぎる。慣れない空間に居るせいか穂乃果たちは違う意味で緊張してしまう。

 

 

「な、なんだか高そうなお店だね」

 

「そ、そうですね。なぜか緊張してしまいます……これがキャ……じゃなくてクラブ…ですか……」

 

「私たちが場違いみたいだね……」

 

「凛…何か帰りたくなってきたにゃ…」

 

 

 そんな弱気な穂乃果たちとは対称に悠はかなり落ち着いていた。

 

 

「ここが、あのテレビに映っていたクラブか…辰巳ポートアイランドに行った時の店より高そうだな…」

 

 

 緊張しまくりの自分たちとは違い、落ち着きのあるその悠の姿に穂乃果たちは唖然としてしまう。

 

 

「鳴上先輩落ち着き過ぎじゃない?」

 

「お兄ちゃんだけが大人に見えるよ…」

 

「まさか先輩、こういうところに行き慣れてるとかじゃないのかにゃ?」

 

「そ…そんなの……は、ハレンチです!!」

 

「??」

 

 

 そんなおバカなやり取りをしていると、それは突然やってきた。

 

 

 

 

『『ようこそー!いらっしゃーい!』』

 

 

 

 

「「「「「!!!」」」」」

 

 

 突然店の奥から陽気な女性の声が聞こえてきた。身構えて声がした方を見ると、そこにはテレビで見た通り花陽と真姫がまるで悠たちを出迎えるかのように立っていた。見ると、テレビの時とは違って明らかに目が金色に輝いているので、シャドウに間違いないだろう。

 

「か、かよちんにゃ!!それに西木野さんも!」

 

 探していた親友の姿を見て凛は歓喜の声を上げたが、すぐに様子がおかしいことに気づいたのか顔をしかめた。

 

「あ、あれ?…いつものかよちんじゃない……でも、顔とか同じだし…」

 

「落ち着け凛、こいつらは小泉たちのシャドウ。抑圧された感情が具現化したもう一人の小泉たちだ」

 

 困惑する凛に補足説明をすると、凛は更に困惑した。

 

 

「あれが、かよちんのシャドウ……かよちん、何があったんだにゃ……」

 

「そんなことより、構えろ!何してくるか分からないぞ」

 

 

 悠の言葉により凛も我に返って臨戦態勢を取った。その一方で

 

 

「う、海未ちゃん?顔が真っ赤だけど、どうしたの?」

 

「あ…あんな恰好を公衆の面前でするなんて……は…ハレンチです!!」

 

 

「「「「……………」」」」

 

 海未は2人の恰好を見てまたも顔を真っ赤にしてそう言った。しかし、花陽と真姫のシャドウはそんなことは気にせずにトタトタと悠の方に歩み寄り、腕に抱き着いてきた。

 

 

『待ってたよー!鳴上せんぱーい!!』

 

 

「「「「は?」」」」

 

「え?…俺?」

 

 突然花陽のシャドウに指名されたので悠たちは困惑した。悠を待っていたとはどういうことなのだろう?

 すると今度は、真姫のシャドウが反対側の腕にしがみついてきてこう言った。

 

 

『今日は貴方の貸し切りだよ~!さあ、奥に行こうよ!!色々準備してあるから♡』

 

 

「え?ちょっ、待て!俺は…」

 

 シャドウたちはそんなことはお構いなしに悠の腕を引っ張り店の奥に連れ込もうとする。

 

「お兄ちゃん!」

 

 従兄の危機を察したのか、ことりは悠の元へ突進しようとしたが海未に羽交い絞めにされる。

 

「海未ちゃん、離して!!お兄ちゃんが!!」

 

「落ち着いてください、ことり!今行ったら何が起こるか分からないでしょ!」

 

 海未がそう言ってもことりは海未の腕の中で暴れ始めた。

 

「お兄ちゃんが!お兄ちゃんが!!」

 

「こ、ことりちゃん!落ち着いてってば!」

 

 

 すると、ことりの声に反応して、花陽と真姫は、顔をしかめてこう言い放った。

 

 

『何よ、あんたたち…鳴上先輩に引っ付いてきたの?』

 

『私たちはこの人にしか用がないから…邪魔するなら強制退場してもらうわ』

 

 

 すると、真姫のシャドウが手を上げた瞬間、穂乃果たちの周りに複数のシャドウが出現した。

 

「な…」

 

「くっ!囲まれましたね…」

 

 

 そのシャドウたちは前回のものとは違い、警察官の恰好をしたものや男女がダンスしているようなポーズをしているものと姿は違うものが勢ぞろいだった。

 

 

「ことり!みんな!!…くっ!待ってろ!」

 

 

 悠は穂乃果たちを助けようと花陽と真姫のシャドウの拘束を解こうとしたが、中々離れてくれなかった。

 

『ほら、鳴上さん。あの子たちほっといていこうよ~』

 

 真姫のシャドウが甘えるようにそう言うが、仲間のピンチ(特に可愛い従妹)際の悠にはそんなものは通用しない。

 

「悪いが、そんなことしている暇はない」

 

 悠は無理やりにでもとタロットカードを手の平に発現させ、砕こうとする。

 

「ペルソ」

 

 

『もう!鳴上先輩はそんなことしちゃダメ』

 

 

 カードを砕こうとした瞬間、花陽のシャドウが悠の手を握った。突然のことに、悠は動揺してしまいタロットカードが消えてしまった。更に、花陽のシャドウは悠に顔を触れるか触れないかというところまで近づけ、こう囁いた。

 

 

『ねえせんぱい……あんなことやこんなこと……したくない?』

 

 

 そう言った瞬間、花陽のシャドウの目が怪しく光った。すると悠はクラクラするような感覚に襲われた。

 

(な、なんだ……何かおかしい…)

 

 

『鳴上さん…正直になっていいんだよ…』

 

 

 今度は真姫のシャドウが耳元で小悪魔のようにそう囁いた。

 

(まさか!……まずい…意識が………)

 

 気づいた時にはもう遅かった。

 

 

「な、鳴上先輩……?」

 

 悠の様子がおかしいことに気づいた穂乃果たちは、次の瞬間目を疑うことになる。

 

「よし!行こう!VIPルームはどこだ?」

 

 ありえないことに、先ほど抵抗していた悠がおとなしくシャドウたちに従った。その様子に穂乃果たちは驚いたが、海未は悠の目が焦点があっていないことに気づいた。まるで、酩酊している人物の顔のような…

 すると、花陽と真姫のシャドウはまるで作戦が成功したかのように喜んで、悠に更に引っ付いていた。

 

 

『やった~。じゃあ、早く行こう!』

 

『そうよね!あんな小娘たちに構ってないでさっさと行きましょう。特にあんなハレンチハレンチばっかり言ってるムッツリ娘なんてさ』

 

 

 花陽たちのシャドウがそう言い捨てると悠を連れて奥の方へ行ってしまった。すると、穂乃果たちを囲っているシャドウたちがジリジリと穂乃果たちに近づいて来る。

 

「ま、まずいよ…鳴上先輩無しで、こんなたくさんのシャドウに囲まれるなんて…」

 

「り、凛と海未先輩だけで倒せるか不安だにゃ…」

 

「お兄ちゃん……一体どうしたの?」

 

 穂乃果と凛、そしてことりは今の状況にしどろもどろになる。しかし、海未だけは何故か押し黙ったままだった。どうしたのかと穂乃果が思った刹那…

 

 

 

 

「フフフフフ……ムッツリ?……私が…ムッツリ…?あははは、おかしなことを言いますね…」

 

 

 

 

 いきなり海未がおかしくなったように笑い出した。いや、それ以前に目の焦点が合っていない。普段見ない親友の姿に穂乃果たちは、恐怖しか感じない。

 

 

 

「そんな訳ないじゃないですか……そういう貴女たちはハレンチでしょう……ハレンチなものは……」

 

 すると、海未はゆらりと掌底を繰り出す体勢をとり…

 

 

 

 

 

「滅殺です!!」

 

 

 

 

 

 

 海未は勢いよくそう言い、ブチッ!という音と共に発現したタロットカードを砕き、ポリュムニアを召喚した。

 

 

「殺りなさい!!ポリュムニア!!」

 

 

 海未がそう命令すると、ポリュムニアは目を光らせて単騎でシャドウたちに突進していった。それを見て、凛も加勢しようとペルソナを召喚しようとした刹那…

 

 

 

 ドオオオオォォォ

 

 

 

 そんな爆発音と共に目の前のシャドウたちは散っていった。見ると、爆発音がしたところで、ポリュムニアが鬼神の如く次々とシャドウたちを弓で倒していく姿が見えた。

 

 

「さぁ、もっとやりなさい…」

 

 

 海未は淡々とした口調でそう言った。

 そして、次々と溢れてくるシャドウをポリュムニアは狩っていく。まさに一騎当千だった。そこに慈悲という言葉がないくらい、海未は徹底的にシャドウを殲滅していく。そんな海未の姿に他のメンバーは恐怖するしかなかった。

 

 

「忘れてた……海未ちゃんってキレると見境がなくなるんだった……」

 

「うん……そうだったね…」

 

「凛のペルソナの見せ場がなくなったにゃ……」

 

 

 しかし、海未が無双してくれたおかげで突破口ができた。暴走する海未を盾に穂乃果たちは悠の跡を追おうと奥の方へ走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<クラブ 【まきぱな】 VIPルーム>

 

 シャドウたちを蹴散らして(特に海未が)奥に進んでいくと、【VIPルーム】と書いてある部屋に到達した。

 

「鳴上先輩!助けに…え?」

 

「ハア…ハア……ハレンチなものは……え?」

 

「お兄ちゃん!だいじょ……え?」

 

「かよちーん!どこ……え?」

 

 

 部屋に入るなり穂乃果たちは目の前の光景を見て、フリーズした。何故なら…

 

 

 

「おかわり。ストレートで」

 

 

 

 奥の席で、制服のブレザーどころかカッターシャツまで全開にして、酒らしきものを飲み干している悠の姿と

 

 

『は~い』

 

 

 悠に甘えながらグラスに飲み物を注ぐ花陽のシャドウと

 

 

『鳴上さん、すごーい!』

 

 

 当然のように悠に抱き着いている真姫のシャドウの姿があったからだ。

 

 

「キングだからな」

 

 

 訳の分からないことを言って2人の頭を撫で始めるあたり、悠は酩酊状態になっていることは間違いないだろう。穂乃果たちは知る由もないが、その状態は去年の修学旅行でりせが案内したクラブで場酔いした時と同じであった。

 

 

「「「「………………」」」」

 

 

 あまりに衝撃な光景を見て、唖然とする者が2人と怒りに火が付いた者が2人。その2人とはつまり…

 

 

「海未ちゃん…やっちゃおうか?」

 

「…殺りましょう。ハレンチなものは全て滅殺です」

 

 

 ことりと海未の発言に穂乃果と凛は戦慄した。感情のない声で会話している反面、顔には殺気がこもっているのでその殺意が本物なのが実感できる。

 

「でも…お兄ちゃんには手加減してね。お兄ちゃんは、私が正気に戻すから」

 

「承知しました」

 

 そう言って、海未はポリュムニアに弓を悠たちに向けさせる。しかも弓の弦がはち切れそうな勢いで…

 

 

「ちょっと待って!!海未ちゃん、落ち着いてって!!」

 

「落ち着こうにゃ!!」

 

 

 慌てて穂乃果と凛が海未を止めに入った。

 

 

「どきなさい!穂乃果!!もうハレンチなものを見るのはたくさんなんです!!」

 

「穂乃果ちゃん!どいて!!早くお兄ちゃんに付いてる悪い虫を駆除しないと!」

 

「だから、落ち着こうってば!!」

 

「海未先輩はともかく何でことり先輩まで!」

 

 

 いつもの怒る側と怒られる側の立場が逆転しているが、穂乃果たちの言い争いは続く。すると、

 

 

『騒々しいわね……あら?』

 

『へえ、あの子たちを倒してきたんだ~。ほっとこうと思ったけど…仕方ないか……』

 

 

 真姫のシャドウがそう言ったとき、突然辺りが暗くなった。

 

 

「な、何!!」

 

「停電ですか!!」

 

「こ、怖いよ!!」

 

 

 暗闇になったので、穂乃果たちは慌てだした。自分がどこにいるかも分からないので、穂乃果たちは右往左往するしかなかった。しかし、しばらくすると突然明かりがついたので思わず目を瞑ってしまった。目を開けた瞬間、目の前に映っていたのは………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<クラブ【まきぱな】 ???>

 

「あれ?ここは?……それに、海未ちゃんもことりちゃんも凛ちゃんも居ない!何で!?」

 

 穂乃果は今自分の目に映っている光景が信じられなかった。さっきまで、VIPルームという煌びやかなところに居たのに、今見たこともない部屋にいるのだから。その部屋は先ほどの高級感あふれるものとは違い、壁がピンク色で周りにはぬいぐるみやおもちゃが散乱している所謂『子供の部屋』という言葉が当てはまる部屋だった。それにさっきまで近くに居た海未やことりたちが居ない。慌てるのは当然だ。

 

 

「ううっ……ここは…どこだ?…頭が…」

 

 

 不意にそんな声が聞こえてきたので振り返ってみると、そこには先ほど酩酊状態になっていた悠が頭を抱えて座っていた。まだブレザーもカッターシャツも全開したままだが。

 

「鳴上先輩!!」

 

「こ、高坂!どうしてここに?」

 

 どうやら悠も突然のことに状況を把握し切れていないようだ。

 

「鳴上先輩こそ…というか、先輩ダメだよ!高校生がお酒飲んじゃ!!」

 

「え?酒?…え?」

 

「それにシャツとブレザーをちゃんと着て!そんなに全開にしてたら風邪ひくよ!」

 

「は?……あ」

 

 ようやく自分の恰好に気づいたようだ。悠はすぐさまカッターシャツのボタンを留めていく。

 

「もう!鳴上先輩はだらしないんだから……」

 

 穂乃果は姉らしきこと言っているが、それはブーメランだろう。そう思ったが悠は黙っておくことにした。すると…

 

 

 

 

 

「やめて!!」

 

 

 

 

 

 部屋の奥から誰かの大声が聞こえてきた。

 

「鳴上先輩、この声って…」

 

「行ってみよう」

 

 

 そうして二人で、部屋の奥の方へ向かってみるとそこには……

 

 

 

「アンタは一体何なのよ!」

 

『何言ってんのよ…私はアンタ、【西木野真姫】だよ?』

 

 

 

 部屋の中央で言い争っている二人の真姫が居た。一人は先ほど遭遇した真姫のシャドウ。もう一方は、部屋着姿だが間違いなく本物の真姫であった。

 

 

「西木野!!」

 

「良かった!西木野さん、無事だったんだね」

 

 

 やっと目的の人物に出会えたので、悠と穂乃果は真姫の方に駆け寄ろうとする。

 

「な、鳴上さん…それに…貴女まで。何でここに?」

 

 突然の悠と穂乃果の登場に困惑していると、真姫のシャドウがこんなことを言ってきた。

 

 

 

『ほらほら来たよ。不幸なアンタが望んでいた希望の『鳴上さん』が…わざわざ私が連れてきてやったんだから感謝しなさい』

 

 

 

「「え?」」

 

 真姫のシャドウの言葉に悠と穂乃果は思わず足を止めてしまった。このシャドウは何を言っているのだろうか?

 

 

「き、希望?…それに、私が不幸ってどういうことよ!!」

 

『だって、アンタはずっと思ってたじゃないの?自分は不幸だって』

 

「ど、どういうことよ?」

 

 

 真姫が歯切れ悪く尋ねると、真姫のシャドウはやれやれと肩をすくめて諭すように言った。

 

 

『アンタは小さい時からそうじゃない?友達もいない、家族にも構ってもらえない、何も心から楽しめない、やれることは勉強だけ。そんなの不幸以外の何物でもないじゃない』

 

「な…何言ってるのよ……」

 

『アンタは何もなさげに振舞ってるけど、寂しかったよね?誰にも話しかけられずに、話しかけるのも怖いからって音楽室に逃げ込んだりしてさ。それに、家に帰ってもママもパパも仕事仕事で帰ってきてくれなかったし』

 

 シャドウの言葉が次々と真姫に突き刺さっていく。

 

「う、うるさい!私は…勉強しなきゃならないのよ!だって」

 

 

『ママやパパみたいに医者にならなくちゃいけないからって言うんでしょ?』

 

 

「!!」

 

 真姫は見透かしたように言う己の影に言葉を失った。それを見て影はニヤリと笑う。

 

『哀れだよねぇ。そんなことのために、自分のやってみたいことまで目を背けちゃうんだから』

 

 真姫の影の言葉に穂乃果は反応する。

 

 

「自分のやってみたいこと?」

 

 

 そんな穂乃果の呟きを他所に、真姫は更に喚きだす。

 

「何なのよ!そんなことのためにって!!」

 

『だってさ~本当はこう思ってたじゃない。こんな辛い思いをする位なら医者になるなんて真っ平ごめんだって』

 

 その言葉を聞いた途端、真姫の顔が青ざめた。

 

「そ…そんなこと……」

 

『ほら!そうやってまた自分の都合の悪いことから目を背けるんだよね~。だから友達ができなかったんだよ。あはは』

 

 まるでいじめるかのようにケタケタと笑いながら真姫に言葉の刃をむけていく。

 

『それにさ、こんな自分が嫌だからって鳴上さんに相談しようともしたよね?』

 

 その言葉に悠は顔をしかめた。

 

「俺?」

 

「ち、違うんです!それはこいつが勝手に…」

 

 思わず誤解を解こうとすると、影がまた茶々を入れる。

 

『あ~あ、そこで私のせいにするんだ~。せっかくアンタの暴言とかを気にしないで接してくれた鳴上さんなのに~?ようやく出会えた希望の人かもしれないのに~?』

 

「そ…それってどういう…」

 

『まっ、話しかけようにも無理だったよね。ずっと一人だったアンタが人気者の鳴上さんに話しかけられるわけないし、訪ねようにも行く先々にはいなかったし、本当に不幸だよね~。私ってさ!あははは』

 

 戸惑う真姫に容赦なく追い込みをかける真姫のシャドウ。真姫も耐え切れなくなったのか体が小刻みに震えているので、いつあの禁句を言ってもおかしくない状況である。

 

 

「西木野!落ち着け!!そいつに惑わされるな!」

 

「西木野さん!!」

 

 

 悠と穂乃果が真姫を落ち着けようと近づくと、真姫は近づく2人を拒絶するかのように大声を出した。

 

 

「来ないで!!」

 

 

 

 真姫の大声の迫力に負けて、悠と穂乃果は足を止めてしまった。

 

「……見ないで…こんなの私じゃ…」

 

 

「西木野さん!それを言っちゃだめ!」

 

 穂乃果が慌ててあの禁句を言わないよう注意するが、それを台無しにするかのように真姫のシャドウが横やりを入れた。

 

『フフフ、どうしたの?せっかく鳴上さんが助けてくれようとしたのに、アンタはそれを拒んじゃうんだ~』

 

「そ…それは……アンタが…」

 

 そして、真姫のシャドウは最後の追い打ちを掛けた。

 

 

『あははは、笑えるね!まぁ、これも私だと思うと』

 

 

 それが引き金となった。

 

 

「黙れ!!」

 

 

 

 とうとう耐え切れなくなったのか真姫は震えながら影に向かって叫んだ。

 

 

「アンタなんか…アンタなんか……」

 

 

 悠と穂乃果がそれ以上言わせまいと行動を起こそうとしたが、もう遅かった。

 

 

 

「私じゃない!!」

 

 真姫は禁句を叫んでしまった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『フフフフフフフフフフフ…良いわ……そんなに嫌なら……私が引導を渡してあげる。あは…あはははははははははは!』

 

 

 

 真姫が禁句を叫んだあと、真姫のシャドウは嬉しそうにそう言って高笑いしながら禍々しいオーラに飲まれていった。

 

 

「そ…そんな……また」

 

「高坂!後悔してる場合じゃない!来るぞ!!」

 

 

 すると禍々しいオーラは晴れて、現れたのは巨大な蜘蛛の巣を這っている巨大な赤い蜘蛛であった。それを見た真姫は糸が切れた人形の如くその場にへたり込んでしまう。

 

 

 

『我は影……真なる我……さぁ、お望み通り楽にしてあげるわ!じっとしててね…すぐに終わるから!!』

 

 

 

 すると、真姫の影は真姫に向かって口からメスのような物体を発射した。

 

 

「させない!ペルソナ!!」

 

 

 間一髪のところで悠が召喚したイザナギが大剣で物体を弾き、真姫の危機を救った。そしてすぐさま穂乃果は真姫を保護し、悠は2人を守るかのように立ちはだかる。

 

 

『何?…邪魔するつもり?…鳴上さんでも容赦しないわよ』

 

 

 悠は真姫の影に臆することなく覚悟を決めた目で真姫の影を睨みつける。

 

 

「かかってこい。俺がお前の全てを受け止めてやる」

 

 

『あははは、本調子じゃないのによく言うわ!そんなに威勢張れるのもどこまで続くでしょうね?』

 

 確かに真姫の影の言う通り。いつもの悠なら余裕で勝てる相手だろうが、先ほど花陽と真姫のシャドウに場酔いさせられたせいか、本調子ではないのだ。しかし、どんな状況に立たされようと悠は穂乃果と真姫を守るためにやらなければならない。そう奮い立たせ、悠は戦闘を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~悠と穂乃果が合流した同時刻~

 

 

 

 

 

 

 

<クラブ【まきぱな】 VIPルーム>

 

 時は遡り、悠と穂乃果が合流していたころ、2人以外のメンバーも同じような場面に直面していた。

 

「……あ!穂乃果が居ません!!それに、鳴上先輩や小泉さんたちのシャドウまで!」

 

「ほ、本当だ!お、お兄ちゃんどこ行ったの~」

 

「何が起こったのかにゃ!?」

 

 こちらに居るのは、海未とことりと凛の3人。3人とも暗闇から目を開けると、いつの間にか近くに居た穂乃果だけでなく、海未が弓を打とうとした悠や花陽と真姫のシャドウも姿を消していたのだ。そんな状況に困惑していると…

 

 

「こ……ここは…どこ?」

 

 

 するとどこからか弱々しい声が聞こえてきたので振り返ってみると、VIPルームの奥の方でオロオロしている部屋着の花陽が居た。先ほどのシャドウとは違い、メガネを掛けているので本物だろう。

 

 

「小泉さん!無事だったんですね!!」

 

「良かった~!」

 

「かよちーん!!」

 

 

 目的の人物の発見に3人は歓喜の声を上げた。その声で、3人の姿を確認した花陽は目の前の状況が分からず困惑する。

 

「え?みなさん…何でここに?…それに凛ちゃんまで…」

 

「かよちーん!迎えにきたよー!!」

 

 凛がそう言って駆け寄ろうとしたその時、

 

 

『ちょっと。お邪魔なんだけど』

 

 

 そんな声が聞こえてきた瞬間、凛の目の前に鋭い物体が数個突き刺さった。

 

「危なっ!なにこれ!」

 

 よく見るとその物体の正体は鳥の羽であった。しかし、それは刃が鋭いのかギラリと怪しく光っていたので、これが命中していたかと思うとゾッとする。

 

「凛ちゃん!」

 

 親友が危ない目に遭ったので、花陽は心配で駆け寄ろうとすると

 

 

『私はそこの自分と話がしたいの。部外者は邪魔しないでくれる?』

 

 

 その声に花陽は足を止めた。自分に似た…否同じ声が聞こえたので振り返ってみると、そこに服装は違うが自分と同じ顔の人物が居た。

 

 

「くっ!やはり出てきてしまいましたか…」

 

 海未は花陽のシャドウの登場に顔をしかめた。本当は今すぐ花陽を保護して穂乃果たちを探しに行きたいところだが、先ほどの凛のときのように何をしてくるか分からないので、その場で成り行きを見守るしか選択肢がなかった。

 

「な…何?……貴方は…」

 

 花陽は己の影にオドオドしてそう尋ねるが、シャドウはハァと溜息を吐いてこう言った。

 

 

『ねぇ、もう我慢するのは止めようよ。自分のしたいことをずっと我慢するって辛くないの?』

 

 

「え?」

 

 唐突に訳の分からないことを言われて、花陽は困惑した。

 

 

『だって、ずっと思ってたじゃん。スクールアイドルやりたいってさ』

 

 

「そ!!…それは……違うよ…」

 

 花陽は全力で否定したが、花陽のシャドウは容赦なく言葉の刃を切り返した。

 

『違わないよね?だったら、何で鳴上先輩たちのライブを楽しみにしてたの?何で鳴上先輩に近づきたいって思ったの?』

 

「そ…それは……」

 

 

『答えは簡単じゃん。鳴上先輩たちの【μ‘s】に入りたかったからだよね?』

 

 それを聞いた瞬間、花陽は顔を真っ赤にして怒鳴り返した。

 

「違うよ!!適当なこと言わないで!!私なんて」

 

 

『鈍臭くておっちょこちょいで食べることしか取り柄がないからアイドルなんて向いていない?』

 

 

「!!」

 

 そう言われた瞬間、花陽の顔が青白くなった。まるで信じられないものをみているかのように。

 

「何で……」

 

『ほら、図星じゃない。そんなこと言うと思ったわ』

 

「何で…分かるの?」

 

 

『簡単だよ。だって貴女は私、私は貴女だもん』

 

 

 さも当然でしょと言わんばかりに答える花陽のシャドウ。しかし…

 

「嘘……違う…違う…」

 

 花陽は体を震わせながら顔を真っ青にしてそう呟いている。もういつ何が起こってもおかしくない状況だ。

 

「かよちん!しっかりするにゃ!!」

 

 そんな親友のためにと、凛は花陽に大声で話しかけた。

 

「り…凛ちゃん……」

 

 花陽は藁にもすがるような目で凛を見つめた。

 

 

「凛ちゃん……凛ちゃんなら分かってくれるよね…こんなのが…私な訳…」

 

 

 その言葉を聞いて凛は励ますために何か言おうとしたが、そこに横やりが入る。

 

 

『だからさ、いい加減に正直になったらいいじゃない?スクールアイドルをやりたいって』

 

 

 花陽のシャドウがイラついた口調でそう言ったため、花陽の意識が己の影の方に向いてしまった。

 

「黙って!貴女なんかに私のことが分かる訳ないじゃない!!」

 

 花陽は耐え切れなくなったのか涙目で己の影を睨みつける。

 

 

『お~怖い怖い。こんな姿を鳴上先輩に見られたらどうな』

 

 

 それが引き金になった。

 

 

「黙って!…うるさい…うるさい!!うるさい!!うるさい!!」

 

 

 溜まっていた感情が洪水のように溢れだしたのか、花陽は叫び続けた。そして…

 

 

「貴女なんか……貴女なんか」

 

 

 花陽があの禁句を言おうとしていると察したのか、海未たちは全力で止めにかかった。

 

「小泉さん!ダメです!!」

 

「花陽ちゃん!!」

 

「かよちん!ダメ!!」

 

 しかし、感情でいっぱいになっている花陽にその言葉は届かなかった。

 

「私じゃない!!」

 

 花陽は禁句を叫んでしまった………

 

 

 

 

 

 

 

『あははは…もういいや……正直になれないなら…私が代わりになってあげる!…フフフフフフフフ、あはははははははははは!!』

 

 花陽が禁句を叫んだあと、花陽のシャドウは高笑いしながら禍々しいオーラに飲まれていった。

 

 

「ま…またこんなことに……」

 

「どうしよう…お兄ちゃんが居ないのに…」

 

「2人とも!弱気になってる場合じゃないにゃ!!来るよ!」

 

 悠がいない状況で影が暴走したため海未とことりは不安そうだったが、凛の叱咤により気を引き締めなおし戦闘態勢に入った。すると禍々しいオーラが晴れて現れたのは、羽を大きく広げた巨大なクジャクのような化け物であった。

 

 

『我は影……真なる我…私は正直に生きたいの……だから、貴女はここで死になさい!』

 

 

 花陽の影が花陽に攻撃を仕掛けようとしたとき、海未と凛が花陽の影の前に立ちはだかった。

 

 

「小泉さんは死なせません!」

 

「凛たちが守るにゃ!!」

 

 

『ふ~ん、貴女たちはそっちの私を守るんだ…正直殺したくはないけど仕方ないわね。私が正直になれるように、貴女たちにも死んでもらうわ!』

 

 花陽の影は翼を大きく広げ威嚇する。しかし、海未と凛は臆することなく各々が自身のタロットカードを砕き、立ち向かった。

 

「例え鳴上先輩が居なくても、私がちゃんと守って見せます!!……ペルソナ!!」

 

「絶対に負けないにゃ!……ペルソナ!!」

 

 

 

 それぞれ不利な状況で戦闘を開始した悠たち。果たして……

 

 

ーto be continuded

 

 




Next Chapter

「何で?」

「このままじゃ…」

「だったらさ」

「私は諦めません!」

「お前は思い違いをしている」

「貴女は…………」


「私も……」


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