PERSONA4 THE LOVELIVE 〜番長と歌の女神達〜   作:ぺるクマ!

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閲覧ありがとうございます。ぺるクマ!です。

遅かった梅雨も過ぎて蒸し暑い日々が続いてます。そして期末試験が近づいているせいか、レポートに次ぐレポート……ギリギリ間に合うかどうかの製図……前触れもなく消された評価……テストへの不安など色々ありますが、ロードエルメロイ二世の事件簿を楽しみながら負けじと頑張っていきたいと思います。

改めてお気に入り登録して下さった方・感想を書いてくれた方々、本当にありがとうございます!皆さんの応援が自分の励みになっています。色々あって更新が早かったり遅かったりしていますが、これからも応援よろしくお願いします。

それでは、本編をどうぞ!


#77「Backside Of The TV.」

~自称特別捜査隊 3年組サイド~

 

 

「そういやさ、この4人で行動するのって結構久しぶりじゃね?」

 

「確かに。去年の完二くんの事件以来かな? 懐かしいね」

 

「ああ! そう言えば、私たちが特別捜査隊作ったんだっけ?」

 

「言われてみればそうだな。何だか、あの頃に戻ったみたいだ」

 

 他のメンバーと分かれてから数分後……少し暗い道の中、特捜隊3年組の4人は雑談をしながら歩みを進めていた。思い返せば陽介の言う通り、この自称特別捜査隊を発足した初期を思い出すメンバーなので、あの頃に戻ったような感じがして些かこそばゆい。

 

 

「そういや悠、お前どうやってパスパレの日菜ちゃんから逃げてきたんだよ? 何か突然出てきてびっくりしたぜ」

 

「いや……引っ張られてる途中に白鷺さんが引き留めてくれて。その隙にことりとダンボールに隠れながら移動を」

 

「はあっ!? お前、ことりちゃんとダンボールにスネークインしたってことか!? 羨ましすぎんだろ!! てか、日菜ちゃんだけじゃなくてあの千聖ちゃんまで……」

 

「花村、驚くポイントが違うでしょ……てか、鳴上くんもダンボールって…」

 

「この2人といい完二くんといい、何でうちの男子たちは変なのしかいないんだろ」

 

「天城さん? それブーメランだからな。お前らだって大概だろ。特に料理の方面で」

 

「「(ジイィ…………)」」

 

「うおっ!? ゆ、悠……俺、正しいこと言ったよな?」

 

「…………そっとしておこう」

 

 

 こういうところでは女子は妙に強いところがあるのは普段μ‘sのメンバーと一緒にいる悠はよく知っている。それで何度も苦労させられたことか。

 そうこうしているうちに4人は雰囲気が変わった場所に来ていた。元から気味が悪い光景だが、周囲や道の印象がある種、統一されてきたように見える。だが、そこに広がっていた光景に悠は思わず絶句した。

 

「ここって……サーカスか!?」

 

「うん、確かにサーカスだね。って、あれ!?」

 

「な、鳴上くん!?」

 

 サーカスと認識した途端、悠は眩暈がして少しふらついてしまった。瞬間に頭を過るのはあの雨の日に見た赤いレインコートの人物・泣き叫ぶことりの姿・リアルに死を感じた走馬燈…………あの学園祭事件の数々のシーンがフラッシュバックする。

 

「お、おい! 悠!! 大丈夫か!? しっかりしろ!」

 

「鳴上くん、大丈夫!?」

 

「学園祭のこと思い出すんだったら、無理はしない方がいいよ。一回戻る?」

 

「あ……ああ、大丈夫だ。すまない」

 

 夏休み前に起こった学園祭の事件の全貌は陽介たちも聞いている。その時の犯人“佐々木竜次”の世界がサーカスだったこともあってか、思わず思い出したくもないことを思い出してしまったが、陽介たちが気遣ってくれたこともあって少し楽になった。

 ただ、別にサーカスと言っても、この世界のサーカスはごく普通のピエロが看板となっている陽気な雰囲気に周りの動物たちの絵柄は皆楽しそうにしている。以前の佐々木竜次の世界のようなスプラッタな描写をほんわかに描いた某推理アクションゲームの悪趣味な雰囲気ではないのが、せめてもの救いだ。

 

「つか、どう思ったらサーカスって発想になるんだよ。ここに囚われてるのって一体……」

 

「確か、マヨナカテレビの時って、中に入れられた人の心の影響で風景が変わるんだよね? シャドウが居てペルソナも使えるし、ここもそうだって事かな?」

 

「ああ……だとしたら、あの声の主は」

 

 

 

「フフフフ……」

 

 

 

ー!!ー

 

 

 

 

 瞬間、覚えのあるねっとりとした雰囲気が辺りを包んだ。噂をすればというべきか、あの声の主がやってきたようだ

 

「ようこそ、上杉たまみのマヨナカステージへ」

 

「テメ―! さっきの……隠れてないで、姿を見せやがれ!」

 

「フフ……何で? 私があなたたちの相手を理由なんてひとつもないよ……」

 

「な、何だと!?」

 

 この不気味な声の主は姿を見せず、今尚その真意もつかみどころがないままだ。まるで自分たちの言葉など何も届いてないように。だが、あちらがそんなつもりならこちらは今のうちに情報を引き出すまでだ。

 

「たまみさんのステージと言ったな。この先にこと……たまみさんがるのか?」

 

「おい悠、お前たまみんとことりちゃんを間違えなかったか?」

 

「フフフ……まさか似てるとはいえ、たまみと妹を間違えるなんて……聞いてた通り重度のシスコンなのね」

 

「ほっとけ……それで、どうなんだ?」

 

「いるよ。あの子は皆の望むたまみになって輝き続ける……永遠に終わらない私たちのステージでね」

 

「直斗から聞いた“他人の望む自分になる”ってやつか……聞こえはいいけど、お前のやってるのはただの洗脳っつーんだよ!」

 

「洗脳? 違うよ。これはたまみのためだから。無理に自分を通したって誰も喜んでくれないもの。誰にも愛されない自分なんて何の意味もないじゃない。皆が望むたまみになれば、誰もがあの子を愛してくれる。フフフ……こんな幸せなことなんてないじゃない」

 

 瞬時、悠たちの頭が真っ白になるのを感じた。話を聞く限りだと、この声に悪意はない。本気で自分のしていることが“たまみにため”と信じているのだろう。それは、ここに攫った他のメンバーに対しても同じように思っているに違いない。これはますます厄介な相手だと改めて思った。

 

「それより折角来てくれたけど……チケットのない人はここから先への入場をお断りしてるの」

 

 

 

ー!!ー

 

 

 

 その時、自分たちが通った道は分厚い扉で閉ざされ、瞬間辺りに黒い靄のようなものが充満した。そして、

 

「な、何っ!? こいつらは……シャドウ!?」

 

「リボンに繋がれてる! これが鳴上くんたちの言ってた……それに……この曲は……」

 

「気を付けろ! アレに巻かれると奴らに意思を取り込まれるんだ! 気をしっかり持て!!」

 

「くっ……話には聞いてたけど想像以上だぜ……」

 

 黒い靄が実体化してシャドウになったと同時に例の不気味な歌が音量を上げて聞こえだし、一斉にシャドウたちは踊り出した。見ないようにと視線を逸らして見たもののそれは無駄に終わった。この世界は心が伝わりやすい特性ゆえか、シャドウたちのダンスは視覚的ではなく感覚的に悠たちに訴えかけてくるのだ。

 そして、昨夜と同じように身体から抗う力が抜けて行き、シャドウたちの望みを受けれいてもいいのではないかという想いが沸き上がってくる。だが、そうはさせまいと悠たちは心に残る理性を持って必死に耐え続けていた。そうこうしているうちにもシャドウたちはこちらに迫ってくる。

 

「や、やば! あいつらがこっちに来る!」

 

「ど、どうしよう……」

 

「フフフ……さあ、私たちと一緒に繋がりましょう。そうすれば、たまみのステージに入れてあげるから」

 

 謎の声に呼応するようにどんどん音量が上がっていく。すると、それに負けじと陽介が一歩足を踏み出し、覚悟を決めた表情で蹲る悠たちを守るように立ちあがった。相棒のその行動の意味を悟った悠は陽介に声を掛ける。

 

「……やるか、陽介」

 

「ああ、もちろん。伊達にりせと絵里ちゃんの夏の練習に耐えてきたんだからな。お前に出来るんなら、俺たちも出来ないわけないだろ?」

 

「花村!? もう踊るの!」

 

「こういうのは先に踊ったもんがちだもんな。へへっ、脅威なのは悠やりせだけじゃないってとこを、あの口だけのチキン野郎に見せつけてやるぜ!」

 

 陽介のそんな強気の言葉が聞こえたのか、タイミングよく別のルートにいる希から通信が入った。

 

『悠くん! みんな、大丈夫? 今そっちにすごいシャドウ反応が』

 

「ナイスタイミングだぜ、希ちゃん! 早速で悪いけど、俺の課題曲を今すぐかけてくれるか?」

 

『えっ? 陽介くんの課題曲……りせちゃんから貰ったリストによると、この【Backside Of The TV】やな。よし、準備OKや。陽介くんのカッコイイダンスを決めちゃってや!』

 

「うっしゃ! 行くぜ! μジック スタートだぜ!」

 

 希のペルソナによる音楽が通信越しに流れ始めて陽介のダンスがスタートした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────す……すげえ……

 

 陽介のダンスが開始してから、千枝は思わず陽介の姿に目が離せなかった。毎日音楽を聴いているが故のリズム感、身のこなしの軽さから来る軽快さ、その上に思わず感嘆してしまう華麗なステップに目を細めてしまった。

 夏休みに一緒にりせと絵里のシゴキに耐えてきたから分かるが、あの時よりかなり成長している。夏休みが終わっても相変わらずおちゃらけていて、そんな素振りは見せていなかったが、おそらく見えないところで相当練習を積んだに違いない。

 

 

────花村のくせに…………ちょっと……コいい

 

 

 普段軽口ばかり叩いてガッカリをかます姿とはまるで違う、本来の陽介の魅力を引き出したかような姿にギャップを感じた千枝は思わずぼうっとしてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーカッ!ー

「来い! ペルソナ!!」

 

 

 ダンスを終えた刹那、陽介はタロットを砕いて己のペルソナ【タケハヤスサノオ】を召喚する。タケハヤスサノオの楽器は穂乃果と同じギター。カラーはカリオペイアとは違って緑色だが、タケハヤスサノオは定位置にそのギターをセットして演奏を始める。

 

 

ワアアアアアアアアア!!

 

 

 陽介のダンスとタケハヤスサノオの超絶テクのギターに歓喜を上げたシャドウたちは身体が光に包まれて書き消えていくように霧散していった。昨日も見た光景とはいえ、この世のものとは思えない素敵な景色に思わず感嘆してしまった。

 今更だが、こんな綺麗な光景を写真に収めてコンテストなどに出したら金賞を狙えるのではなかろうか? そんなくだらないことを考えつつも、悠は踊り終えて息が上がっている相棒に労いの言葉をかけた。

 

「やったな、陽介。素晴らしいダンスだったよ」

 

「うん! 感動したよ、花村くん」

 

「へへ、俺だって悠たちが帰ってから遊んでたわけじゃないんだぜ」

 

 確かに陽介のダンスは夏休みで見たよりも磨きが掛かっていた。やはり絆フェスに出るとあって生半可ではいけないと練習を積んだのだろう。普段ガッカリと揶揄される陽介だが、やればこんなにもカッコイイ男子高校生なのである。そんな陽介に何を思ったのか、千枝は終始ボウっとした表情で陽介を見つめていた。

 

「千枝、どうしたの? 花村くんを見てぼーっとしちゃって」

 

「あ~、いや。何でもないけど、不覚にも花村のことカッコイイなって思っちゃって」

 

「おっ、何だよ里中。もしかして、あまりのカッコよさに今更ときめいちゃったとか?」

 

 その発言を聞いた途端、一気に千枝の目が冷めていった。

 

「それはないよ。ねえ千枝」

 

「うん、ダンスは凄かったけどそういうんじゃないから」

 

「ぐふっ……あのなあ、2人とも……分かってたけど、そういうの止めてくれない? けっこーへこむからさ……てか、俺のダンスはシャドウには伝わるのにお前らには一切伝わんないのな!?」

 

 意固地になってそう訴える陽介に千枝と雪子は平然と受け流す。何と言うか、陽介がモテない理由の一端を垣間見た気がする。いざというときは自分より頼りになるしカッコイイのだが、余計な一言でそれを台無しにしている。そこさえ直ればさぞかしモテるだろうに、本当に残念だ。

 すると、女子たちの言葉に傷つきながらも宙に消えるシャドウたちを見て何か思ったのか、陽介はこんなことを言った。

 

「にしてもよ、あのシャドウたちって一体何なんだ? 俺たちの世界のやつとは違う雰囲気だったけどさ」

 

「そう言えば」

 

 ここが現実とは違う異世界だけにどうも見落としがちだが、シャドウとはそんなに何処にでもいるものなのか? 悠たちのペルソナが証明しているようにシャドウとは人の心と結びつきが強い存在だ。そんなものが異世界であればどこにもいていいような存在ではないだろう。

 

「あっ! 繋がれているから大人しいとか? チョーソカベみたいに」

 

「長曾我部?」

 

「あー違う違う。ほら、うちで飼ってる犬の事。ムクだって言ってんのに全然覚えてなくって」

 

 そう言えば千枝は小さい頃から犬を飼っていて“ムク”と名付けているのだが、何故か雪子は“チョーソカベ”と勘違いしていると聞いたことがある。それから次々と陽介たちがこの世界にシャドウについての考察を述べるが、どれも思い付きなのでしっくり来ない。しかし、

 

「……まさかな」

 

「ん? どうした、悠?」

 

「いや、一つ心当たりがあって……」

 

「「「???」」」

 

 そう、悠には一つ心当たりがあった。それは以前直斗が公安から聞いたという桐条グループの十数年前の事故でシャドウが街に撒き散らされたという事件である。今尚美鶴たちシャドウワーカーがその対策に乗り出しているというが、未だ完全解決には至っていないらしい。もしかしたら、ここのシャドウたちはその桐条グループが撒き散らしたシャドウの一端ではないだろうか。そして、あの声の主がそのシャドウたちをこの世界に連れ込んで利用していると考えれば、辻褄は合う。だが、

 

「まだ確証がある訳じゃないから今は話せない。それよりも先に進もう。今はシャドウのことを考えるより、たまみさんを助けるのに集中すべきだ」

 

「あっ、そうだよね。早くたまみさんを見つけ出さないと」

 

「悠の言う通りだな。分からないことを議論してもしょうがないし、とりあえず先へ進もうぜ」

 

 悠の言葉に納得した陽介たちが開いた扉の先へと歩みを進めた。この世界のシャドウたちの正体……そしてあの不気味な声の主のことなどは気にはなるが、まずは人命救助が先決だ。悠たちはすぐさま、この先にいるであろうたまみを探しに先へと進んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっ!?」

 

「ど、どうしたの? ことりちゃん」

 

「ことりのサイドエフェクトが言ってる……お兄ちゃんがまたことりとたまみさんを間違えるって! しかも、それを利用してイチャイチャするって……!ぐぬぬ……」

 

「え、ええ~……悠さんは何をしているんだろ……?」

 

「もう……勘弁して下さいよ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっ、あそこ! 誰かいるよ!」

 

 再び特捜隊3年組サイドに戻って事態は一変した。しばらく探索を続けていると、向こう側から誰かがオロオロして立ち往生しているのが確認できた。あの姿と衣装は……

 

「あれは……間違いない! こと、たまみさんだ! たまみさん!!」

 

「ことりじゃないよ! たまみだよ!! って、鳴上サン!?」

 

 こっちのボケが耳に入ったのか、立ち往生していたたまみはツッコんだ後にこちらの存在に気づいてくれた。そして、一目散にこちらに駆け寄ってきた。

 

「うお……すっげ……テレビのまんま! マジで、ふわふわ雌鳥の生たまみんだ! あれ? でも、何でテレビの衣装?」

 

「うううう……うえ~ん! 鳴上サーン! 怖かったよ────!」

 

 様々な感情が溢れ出てきたのか、目に涙を浮かべたかと思うと一目散に思いっきり悠の胸の中に抱き着いてきた。

 

「「「なっ!?」」」

 

「ちょっ……ことり……」

 

「うえええん! みんなでレッスンしてたら変な歌が聞こえてニョロッとしたのにグルグルにされて、気が付いたらここにいて! みんないないし、見たことがない場所だしもう訳わかんないよ~~! てか、その後ろの人達だれ!? あと、ことりじゃなくてたまみ!!」

 

 よほど知らない場所に放り出されて不安だったのと、見知ってる人にやっと出会えて安心したのが混ざり合って感情が暴走しているようだ。戸惑っていた悠だが、声と容姿がことりに似ている故か、泣き出したことりをあやすように頭をポンポンと撫でてたまみを落ち着けされた。それが効いたのか、たまみは徐々に泣き止んで落ち着きを取り戻した。

 いきなり人気のアイドルに抱き着かれた上に、手馴れたように宥めた悠を見て千枝と雪子は唖然とし、陽介は何故か疑惑に満ちた目でこちらを見ていた。

 

「悠……お前……まさかことりちゃんに似てるからって、たまみんに手を出したんじゃ……?」

 

「…………考えるな、感じるんだ」

 

「それ、あたしのセリフだよ」

 

 このままではあらぬ誤解を招いてしまう。場合によっては希とことりの耳に入りかねないので、とりあえず陽介たちの誤解を解きつつ、たまみに各々自己紹介をすることにした。

 

 

 

 

 

 

 

「花村さんに里中さん、それに天城さん……?」

 

「ああ、3人とも俺の友達で仲間だ。安心してくれ」

 

「そうだぜ、たまみん。俺たちが来たからにはもう心配いらねえよ」

 

 たまみは悠の説明を聞くや否や陽介たちの方をジイッと見て、更には至近距離まで近づいて観察し始めた。これには千枝たちは驚きを隠せずどう対応したらいいのか分からずに困惑している。

 

「な……何!?」

 

「ど、どうしたの?」

 

「えっ? 近っ! ……あの」

 

 3人を観察し終えたと思うと、たまみはフッと口角を上げると、勝ち誇ったような表情でこう言った。

 

 

「勝った。この中だと絶対私が一番可愛い」

 

 

「「えっ!?」」

 

「落ち着いたと思ったら、それかよ。つか、俺女子じゃねえし!」

 

「えっ? 花村さんって、よくみたら女装コンテストに出てそうな顔してたから」

 

「「ああ……」」

 

「おいいいいっ! 人のトラウマを掘りかえすのはやめろおおおっ!! マジであれ恥ずかしかったんだからな!!」

 

 何かと思えばそんなことを宣うとは。まあ、女装コンテストに出たことは事実であるし、自分も一緒に出てしまったことについては黙っておこう。それはそうと、

 

「ことり、陽介たちに失礼だろ。女装コンテストのことは事実だが、誰が一番かはこだわらなくても良いんじゃないか」

 

「だ・か・ら! ことりじゃなくて、た・ま・み!! 何度言ったら分かるの鳴上サン!!」

 

「つか、サラッと他人事みたいに言ってんじゃねえよ!! お前も一緒に出ただろうが!?」

 

「えっ!? そうなの、鳴上サン?」

 

「………記憶にございません」

 

「「どこの政治家だよ!?」」

 

 

 

ー!!ー

 

 

 

 たまみと陽介のツッコミが炸裂した瞬間、重たい雰囲気が再び辺りを支配した。案の定、あの不気味な声が宙空から……否、今度は背後にいるたまみに向けて降り注いだ。

 

「フフフ……見つけた。相変わらず面白いのね、たまみ」

 

「出たな! たまみんは渡さないぜ!」

 

「そうだ。俺の可愛い菜々子とことりは絶対に渡さん!」

 

「て、お前はそろそろ目を覚ませ! てか、菜々子ちゃんは関係ないだろ!」

 

「貴方たち……悪いけど、たまみはそろそろ本番なの。行こう、たまみ。いつものように皆を笑わせてよ」

 

 謎の声は悠たちのやり取りに呆れたかと思うと、呆然としているたまみに誘い込むようにそう声を掛ける。だが、たまみは嫌だというように悠の腕にしがみついて叫んだ。

 

「だ、誰が行くもんですか!! 私は……みんなを笑わせようって思ってなんか」

 

「分かってるよ……たまみはいつも一生懸命なだけだもの。でも……本当に滑稽よね。あなたが頑張れば頑張るほど、みんなの心が離れちゃうのよ」

 

「こ、滑稽って何よ!? 私は……」

 

「いいの……私はあなたの苦しみを知っているから。私たちと繋がればあなたはもう楽になれるよ」

 

 

 

ー!!ー

 

 

 

 すると、その声が合図となって再び道が閉ざされて、代わりに黒い靄と共にリボンに繋がれたシャドウが出現した。

 

「チッ! やっぱりか。ご丁寧にさっきより数が増えてるぞ」

 

 シャドウの出現を確認すると、悠たちはたまみを庇うように陣形を取った。この場でやることは決まっている。何にせよ、あの謎の声にたまみを渡すわけにはいかない。

 

「にゃろー! たまみちゃんを騙そうったってそうは行かないんだからね!」

 

「そうよ! 貴女が振りかざしてるのは上辺だけの詭弁だわ!」

 

「フフフ……本当にうるさい子たちね。たまみのことなんて何も知らないクセに……痛いのも苦しいのも好きな人なんていないわ……だから、繋がりましょう?」

 

 問答無用と言わんばかりにあの不気味な歌が大音量で流れてシャドウたちがダンスを始める。もう何度目かは知らないが、あの気持ち悪い脱力感が再び悠たちを襲う。それもさっきよりもシャドウの数も増えている故か、かなり進行が早くなっている。

 

「なっ! なにこれ……頭が……な、鳴上……さん」

 

「気をしっかり持つんだ! こいつらは俺たちが何とかして見せる。ここは俺が……」

 

 

「待って。鳴上くんはこと……たまみさんを守ってあげて。今度は私が躍るから」

 

 

 自ら立ち向かおうとした悠を押しのけるようにずいっと前に出て雪子はそう言った。心なしか、その後に軽く鼻を鳴らして背筋を伸ばしている。

 

「雪子!? 何言っちゃってんの!? てか、雪子も鳴上くんと同じ間違いしなかった?」

 

「大丈夫だよ。りせちゃんと絵里ちゃんから貰った課題曲、深夜に旅館のお風呂でコッソリ練習してたから。それに、花村くんも言ってたけど“踊ったもん勝ち”でしょ?」

 

 まるで待ちきれなかったと言わんばかりに目をキラキラとさせてそう語る雪子を見て3人は察してしまった。この生き生きとしている様子から察するに……

 

「もしかして天城……ずっと踊りたかったとかじゃないよな……これ」

 

「そう言えば夏休みん時、天城屋で“深夜に露天風呂から謎の音楽と鼻歌が聞こえる”って噂になってたって聞いたけど、雪子だったんだ……」

 

「ああ……」

 

 雪子のまさかの発言に戸惑う3人。練習熱心なのはいいことだが、流石に露天風呂でダンスの練習はシュール過ぎる。それが雪子ならさもありなんと思っていると、いいタイミングで希から通信が入った。

 

 

『悠くん! そっちにシャドウ反応が出たんやけど大丈夫!? というか……悠くん、何でたまみちゃんとそんなにくっついとるん?』

 

「の、希……これには……ワケが」

 

「希ちゃん! 今度は私が躍るの。音楽お願い出来るかな?」

 

『えっ……? 雪子ちゃんの課題曲? ええっと……この【Heartbeat, Heartbreak】やね。よっしゃ! こっちの準備はバッチリやで、雪子ちゃん。後で悠くんの所業についてはおいおい聞かせてな』

 

「うん。後で存分に締め上げていいよ。それでは行きます。μジック スタートです!」

 

 

 何だか、とんでもないことを言われた気がするが、それに説明を求める間もなく雪子のダンスが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────す、すごい……何なの……この人達……

 

 

 雪子のダンスを見たたまみは内心驚きでいっぱいだった。その佇まいの美しさ、優美さと強い体幹と流れる様な動作はプロのたまみからしても見事なもので、指先まで意識が行き届いたしなやかな動きと視線に思わず惹き付けてられてしまう。ダンス自体はごく普通なのに心に響いてくる。あの雪子という女の子の魅力が……優しい気遣いや慎ましさが伝わってくる。もしや、これが以前ダンスの先生が言っていた表現力ではないだろうか。

 自分の先輩である久慈川りせから指導を受けたとは聞いていたが、たった数ヶ月でこんな素晴らしいダンスが出来るものなのか。

 

 

──────…私なんかより……全然凄い

 

 

 不意にそう思ってしまった。

 本当は知っている。自分は真下かなみの引き立て役でお笑い担当であると世間から言われていることを。それでも、そんなことは承知でもこの業界で一番にならなくてはならない。だから、寝る間も惜しんで必死にダンスの練習に打ち込んでだ。一番になれなきゃ自分に存在価値はない。それなのに……

 

 

 

 そう思った途端、たまみの心に影が生じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーカッ!ー

「ペルソナ!!」

 

 

 

ワアアアアアアアアアアアアアッ!!

 

 

 

 フィニッシュした雪子は手に持った扇子でタロットを砕いてペルソナ【スメオオミカミ】を召喚。その楽器は金色に輝くサックス。最高潮にテンションが上がったシャドウたちにスメオオミカミの華麗なサックスが追い打ちを掛けた。スメオオミカミの可憐で綺麗な音色に聞き惚れたシャドウたちは先ほどと同じように歓声を上げたと思うと、一気に空へ溶けて行くように消えていった。

 

「すっごーい! 流石、雪子」

 

「うん、お風呂で練習した甲斐があったよ」

 

「いや天城さん、出来ればお風呂以外でやってもらえませんか?」

 

 やり切った顔をしている雪子を皆で労うと本人は嬉しそうに微笑んでいた。やはり流石は天城屋旅館次期女将。その微笑みはことりとはベクトルは違う、万人をも安心させる古風な風格があった。これだけスペックが高いのに何故料理が出来ないのかが不可思議なことだと今更思う。ことりと言えば、

 

「こと……たまみさん、どうでしたか? 天城のダンスは……えっ?」

 

 しかし、振り返ってみると、そこにたまみはいなかった。さっきまで悠の後ろで雪子のダンスを見ていたはずのに、()()()()姿()()()()()()()()()()()()

 

「なっ!? たまみん!?」

 

「しまった! アイツ……」

 

「フフフ……もうたまみは連れて行ったわよ。あなた達があの子たちの相手をしている間にね」

 

 案の定というべきか、たまみが姿を消したのはこの声の仕業らしい。自分たちがシャドウに気を取られている隙にたまみを別の場所へと連れて行ったのだろう。

 

「テメ―! 汚ねえぞ!! 俺たちに敵わないからって無理やり連れて行きやがって。これ以上たまみんを傷つけるな!!」

 

「フフフ……何を言ってるの? たまみを追い込んでるのは貴方たちでしょ?」

 

「何!?」

 

「俺たちがたまみさんを傷つけてる? どういう意味だ?」

 

「そ、そんなことより早く探しにいこう!」

 

 いつの間に連れて行かれたたまみを追いかける悠たち。追いかける最中、悠はあの謎の声が放った言葉の意味が気になっていた。それと同時に嫌な予感がすると、見に見えぬ不安が悠の心につっかえていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 急いでたまみを追いかけたところ、周囲の景色が更に特色を強めて行き、やがて巨大なテントがある部屋へと到着した。到着したも束の間、陽介は思わず嫌悪とも驚きともつかない声を上げた。

 

「な、何だよこれ……もろにサーカス小屋みたいじゃねえか。悠、お前大丈夫か?」

 

「あ、ああ……問題ない…………」

 

「いたよ! あそこ!!」

 

 雪子が指さした先にサーカス小屋の中央、スポットライトに照らされたステージの中心にまるで独演の役者のようにたまみが立っているのが確認できた。

 

「ち、違うっ!! 私はこの業界で一番になるって決めたんだから! だから…………そのためにやれることは全部頑張ってきたのに……」

 

「フフフ……そうね。でも。それは貴女が本当に望んだことかしら?」

 

「えっ?」

 

「お父様や……女優のお母様に言われて、幼いころからこの業界で一番になるように教えられたから……どんなに頑張っても一番になれない……お母様やセンターのかなみにだって勝てないことは分かってる……なのに、一番にならなきゃ誰も認められない……そうだよね?」

 

「えっ!? どうして……そのことを……」

 

「フフフ……私は何でも知ってるよ……だから、本当は貴女が辛いってことも知ってるの」

 

「う…嘘よっ!! 全部嘘よっ! 私のことを知ってる風に語らないで!!」

 

 ステージのたまみは謎の声を拒否するように子供のように頭を振ってしゃがみこむ。この見覚えのある光景を見た4人は危機感を感じた。この感じは今まで何度も見てきた……シャドウの暴走の兆し。何とか、たまみを落ち着けようと4人は一斉にたまみの元へと駆け寄った。

 

「たまみさん!!」

 

「たまみ!! しっかりしろ!!」

 

「な、鳴上さん……みんな」

 

 精神が折れそうなところに駆けつけてくれたことが嬉しいのか、悠たちの登場に安堵の表情を見せるたまみ。

 

「テメ―! ふざけたこと抜かしてんじゃねえぞ! そんな詐欺師みたいな手口でたまみんを傷つけるな!!」

 

「詐欺師……? 何を言ってるの? 私はたまみに真実を言ってるだけだよ。貴方たちが好きな真実をね」

 

「何だと?」

 

 “真実”と聞いて、悠たちは顔をしかめた。姿を見せないし、出てきたと思えば身勝手なことをいう輩に真実云々など言われたくないが、何故かこの声が言っているを頭ごなしに否定はできないと直感してしまった。

 

「お前……何が真実だ! 全部お前が押し付けてる嘘っぱちだろ!」

 

「…………だったら、聞かせてあげるよ。今のたまみの求める子たちの声……真実の声をね」

 

 瞬間、空間が歪んだような感覚に襲われた。一体なんだと思っていると、

 

 

 

 

『たまみんはさ、一番じゃなくたっていーわけよ』

 

『どーせ見た目も並だし、別に売れなくてもそこそこ人気があるんだから問題ないじゃん?』

 

 

 

 

 突然ここまで一度も聞こえこなかった声が空から周囲に響いた。いや、正確にはりせや希のペルソナ通信とも違う、まるで直接自分たちの鼓膜に響かせているような声。これは……

 

「な、なにこれ!? 誰がしゃべってるの!?」

 

「分かんねーよ! けど、こいつら……たまみんのことを言ってるのか?」

 

 いきなり違う声が聞こえたことに戸惑う一同だが、そんなのを関係なしに次々と別の誰かの声が聞こえてくる。

 

 

 

 

 

『そうそう! いいんだよ、別に面白ければ』

 

『天然なところあるし、適当に笑わせてくれればいいのにさ!』

 

『一番になんかなってほしくない……むしろ、たまみんは一生かなみんキッチンの“お笑い担当”でいてほしい』

 

『死ぬほど自主トレしてるらしいけど、何でそんなことするの?』

 

『お客の笑い取ってりゃ仕事なんかなくなんないじゃん?』

 

 

 

 

 

「あ……ああ……」

 

「分かるでしょう、たまみ。努力なんて要らないの。誰も貴女にそんなことを望んでなんかない。だから受けいれてよ、皆の声を。苦しい思いなんてしなくたっていいんだから」

 

 何とも軽薄で心なしの声がたまみを追い詰めて行く。そして、謎の声のトドメの言霊がたまみの心を完全にノックアウトしたと思われたその時、ブチッと誰かの堪忍袋の緒が切れる音がした。

 

 

「おい、黙って聞いていれば、誰だ。こと……たまみの悪口を言ったやつは。表に出ろ! 俺がその腐った性根を叩き直してやる!」

 

「そうだそうだ! 自主トレすることの何が悪いのさ! 頑張ってるたまみちゃんをバカにするやつはあたしがゆるさーん!! 飛び蹴りを食らわせてやるんだから!」

 

 

「ゆ、悠? 里中?」

 

「2人とも落ち着いて。暴力はダメだよ」

 

 やはりと言うべきか、それは悠と千枝だった。悠は未だにたまみとことりの区別がつかなくなっているようだが、それでも2人の怒りの声を聞いたたまみは思わず嬉しくなって目に涙を浮かべてしまった。これで、たまみの心は持ち直したかと思ったが、そうは問屋は下ろさなかった。

 

「チッ……また貴方ね、鳴上悠……でもね、貴方たちにたまみは救えない。だって、この子は貴方たちみたいに強くないんだもの」

 

「!!っ……」

 

「なんだと!」

 

「薄々分かってたでしょ? この子は貴方たちみたいに強くない。だから、本当は一番になりたいなんて思ってないんだもの。貴方たちみたいな、自分より強い人たちがいるから……たまみは一番になれっこないのよ」

 

 

 

ー!!ー

 

 

 

 瞬間、プツリと糸が切れたような音がした気がした。ハッとなり振り返ってみると、地面にだらりと座り込み、諦めた表情のたまみが何か悟ったように呟いた。

 

「そうか、私……頑張らなくて良かったんだ……」

 

 たまみがそう呟いたのとほとんど同時だった。四方から伸びたリボンがたまみに巻き付き、磔の如くその体を軽々と宙へと吊るし上げる。だふぁ、蜘蛛の巣にかかった獲物のようにぶら下げられたたまみはそれでも悲鳴を上げることはなく、諦めた表情を保っていた。

 

「たまみ! しっかりしろ!! たまみ!!」

 

 

いいや……もう。私は強くない……一番になれないなら……みんなが望むなら……その方が楽じゃない

 

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ

 

 

 

「な、何だ!? この気配は……」

 

 束の間、宙吊りになったたまみの全身をうごめくようにリボンが這って、その体を覆い尽くす。同時に、まるでシャドウが暴走する時のようなどす黒いもや……ちょうど自分たちがこの世界に引き込まれた時に見たのと同じものが彼女の身体から立ち昇り始めた。

 

「フフフフフ……つながったわ! これで、たまみは皆の望むたまみになる!! あはははははははっ!!」

 

 謎の声が嬉しそうに歓喜の声を上げたと同時に黒い靄は晴れて、変わり果てたたまみの姿が現れた。その姿に悠たちは愕然とした。何故なら

 

「こ、これは!?」

 

「で、デカいピエロ!? なにこれ!?」

 

「シャドウなのか!?」

 

 それは“巨体”というべき、道化のような服、風船のような身体、ゆうに2mを超えているであろう膨れ上がった腹部に巨大な顔が描かれている……そう、まさにサーカスのピエロと称すべき滑稽な怪物が誕生していた。解析タイプのりせと希がいないので断定はできないが、この気配や張り付くような緊張感は間違いなく暴走したシャドウそのものだ。

 湧き上がる不気味な歓声が聞こえたので振り向くと、いつの間に空席だった客席にリボンに繋がれたシャドウたちが密集し、身体を揺らしていた。これで合点がいった。あの謎の声が言っていた“たまみのステージ”が始まるとはこういう事だったのだろう。

 

 

『アハハッ!! 最高の気分よ!! これがみんなの望む私…! 愛される私! いいじゃない! これで皆、私を認めてくれるんだから! 自分を捨てれば、こんな簡単なことじゃない!』

 

 

 

「おいおい、どうすんだよこれ……マジでヤバそうだぞ!」

 

「ど、どうしよう……一体どうしたら……」

 

「くそっ!」

 

 まさかこの世界でもシャドウの暴走が起こるとは。いや、いつものパターンでは放り込まれた人間のシャドウを本人が否定することで暴走していたが、今回はその逆……本人が受け入れることによって内なるシャドウが暴走したというべきか。だが、そうこう考えているうちにあの暴走したたまみとシャドウたちと呼応して、こちらを取り込もうと襲ってくる。

 

 

 ここに来て、再び窮地に追い込まれた悠たち。いつもならペルソナで戦闘して解決するのだが、そうはいかない。一体どうすれば暴走するたまみを鎮められるのか。

 

 

 

 

To be continuded Next Scene.


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