怪物強盗は好き勝手に生きるそうです   作:アシダカ伍長

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むしゃくしゃしてやりました
ごめんなさい


第6話:俺の名前はX、怪盗Xだ【名】

 「どうしようかな?」

 

 Xの目の前には気絶した少女、木乃香がいた。

 

 「この娘に成り代わっても誘拐現場を見られてるからすぐにばれちゃうだろうし、どうしようかな? また電子ドラッグで操りきってみようかな? でもあれ面倒くさいからなあ」

 

 どうするか良案が出ずにただ木乃香を見下ろすしかなく扱いに困っていた。ちなみに今二人がいるのは麻帆良の外の一般的なホテルの一室である。

 

 「もういいや、『盗む』ことが出来ないなら『箱』にする必要は無いし目を覚ましたら麻帆良に帰ってもらおう」

 

 とりあえず『怪盗X』として『箱』と『盗み』は切り離せない。これは一種のキャラ付けだがXにとっては重大なことである。適当な美術館にでも入って活動しようとXはこれからの行動を決めた。

 そして木乃香を帰す前にちょっとしたいたずらを仕掛けようと刹那の姿をとった。騙されたと分かったときの表情を観察するためだ。

 

 「早く目を覚まさないかな」

 

 そういいながら肩を掴みガクガクと揺らして気絶している木乃香を無理やり起こした。

 

 「う、う~ん」

 

 ぽやぽやとした雰囲気を漂わせながら目をこすってゆっくりと目の前にいる人物を木乃香は見つめる。

 

 「このちゃん、大丈夫?」

 「う~ん、あ…………おはようせっちゃん」

 

 じっと観察していたXは言葉を失った。

 

 「(俺が刹那じゃないとほぼ確信している? どうやって見抜いたんだ? それに指摘もしてこないで刹那に挨拶したし……)」

 

 Xはこの事態にひたすら木乃香を観察する。

 

 「ん~どうしたん?」

 

 この木乃香の声に、

 

 「あ~もういいや、何故かばれっちゃったみたいだし」

 

 Xは自分で答えを見つけれないと判断してギブアップした。そして顔と身体を元に戻しながら木乃香に話しかける。

 

 「どうして分かったんだい? 完璧だったはずだけどな。ここんとこ見抜かれ続けてるしそんなに分かりやすいのかな?」

 

 Xは思い返す。弥子に見抜かれ、エヴァンジェリンに見抜かれ、そして今木乃香に見抜かれた。正面から騙そうとした相手に連敗続きなのだ。せいぜいがつい先ほどのガンドルフィーニを騙したくらいである。しかもアレは不意打ちに近いもの、負け続けていると見ても仕方の無いことだろう。

 

 「え? う~んパッと見はせっちゃんや~と思ったんやけどなんかちゃうな~って思っただけやけど」

 「なんとなく?」

 「せや、なんとなく」

 

 それだけでほぼ確信するなんてとついXはため息をこぼす。しかし興味もわいてきた。

 

 「でも本当に凄いと思うわ、せっちゃんとそっくりやったし」

 「でもばれちゃったし、何であんたにばれたのか原因が知りたいよ」

 

 Xはじっくりと木乃香を見る。

 

 「う~ん上手く説明でけへんねん。ただせっちゃんや無いのは確実やと思っただけやし……せや、名前教えてくれへん? うちの名前は木乃香、近衛木乃香や」

 「木乃香か。俺の名前はX、怪盗Xだ」

 「かいとうさいって言うんか、漢字でどう書くん?」

 「……サイはそのままアルファベットのX。後は……iをつけたりもするかな。今はXだけでいいよ」

 

 

~~~

 

 

 現在麻帆良工学部の一室にてとある改良が施されていた。緊急の要件であるためそこを根城とするあるマッドな科学者が一人突貫で改造を行っているのだ。

 

 「一体何が起きたネ! 緊急を要する改造なんて」

 

 その研究室に一人の少女が入ってくる。その少女は超鈴音、とある計画のために暗躍する若き天才である。

 

 「ハカセ! 茶々丸! 何があったか説明が欲しいヨ!」

 

 鈴音は目の前にいる二人に詳しい説明を求める。

 

 「本当に何が起きた? 非常に重要なのはわかったが詳しく教えて欲しいネ」

 

 冷静に話を聞くように気持ちを落ち着かせて目の前にいる葉加瀬聡美に声をかける。

 

 「……これはすごい……凄いですよ!」

 

 聡美は声を荒げて喋りだす。

 

 「いいですか! 今回起きたのは視覚情報によって脳へ最優先命令を書き込むというものです! いいですか視覚! 視覚だけでそれを行っているんですよ! コレを行うなんて今までの常識では不可能だったんです! なにせコレを行うには人の脳を十全に理解するのが前提条件になります! しかもそれだけじゃ有りません! 人それぞれの個性と言うノイズも有ります! それすらものともしない完璧な洗脳の手段! 私でも敵うか分からないほどの天才の技術! それの結晶なんですよ! つまりコレを使いこなせば私たちの計画だって簡単に!」

 「ハカセ! 突然どうしたネ! 途中から趣旨が変わってきてるヨ! まず簡潔に説明をして欲しいネ! それに不用意なことは言わないデ!」

 

 鈴音は聡美を落ち着かせるように声をかける。

 

 「つまりはこの電子ドラッグと言うものを使えば計画は完璧……あとは使いこなすだけ、そんなこと私には造作も無い! なぜなら! 我等! 麻帆良工学部の科学技術は世界一イイイイイィィィィィ! できんことはないーーーーーー!」

 「ハカセエエエエエエエエエ! どうしたネエエエエエエエエ!!!」

 

 聡美の奇声に鈴音は混乱する。

 

 「さぁ! このまま一気に電子ドラッグをばら撒き麻帆良の皆の思考を檻の中に閉じ込めてしまえば、超の計画を阻むものは何もなあああああああああい!」

 「何言ってるネ! さっきからおかしすぎるヨ!」

 「申し訳ありません、ハカセは私が見せられた電子ドラッグを解析してからこうなってしまって……」

 「洗脳されてるネエエエエエエエ!」

 

 鈴音は落ち着かせるためにひたすら話しかけていく。

 

 「洗脳してもどこかに穴がきっとあるネ! そうなったら取り返しがが着かないヨ!」

 「失敗を恐れては科学は進歩しなあああああい! 科学のためならこの身の一つや二つ簡単にくれてや、ゲフゥ!」

 

 乙女としてはよろしくない呻きを上げて聡美は床に沈んだ。鈴音がみぞおちに一撃を与えて沈めたのだ。

 

 「後始末どうするネ……」

 

 研究室はぐちゃぐちゃになり茶々丸の腕は何故かガトリングガンに取り替えられていた。

 聡美の洗脳解除、茶々丸の改修、鈴音は頭痛に頭を押さえた。




木乃香の口調が大阪さん弁になってしまいそうです
ハカセがこうなったのはジョジョが面白すぎたからです!
本当にごめんなさい
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