失敗作だけど白い特等みたいになれたらいいなー   作:九十九夜

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月の主従、参戦。

倉庫街にて戦闘が行われているのとほぼ同時刻。

円蔵山、その地下にある鍾乳洞にてーーー。

 

 

地面に波紋が描かれる。

 

その波紋は徐々に大きくなり波紋と言うよりは波の形状に近くなっていく。

 

その波紋の中心部から突如、誰かの腕が出現した。

 

その腕はそのまま、まるでそこに透明な板でもあるかのように波紋の浮き出している地面に手をつく。

 

ざばっというまるで水中から上がってきたかのような音と水飛沫と共に二人の人影が姿を現す。

人影の片方はまだ成人していないだろうセーラー服に身を包んだ少女。

もう片方の人影は背の高い長髪の、中性的な容姿の男性だ。

 

「おや?おやおや?これはこれは・・・喜べ我が宝物。此度の観光面白くなりそうだぞ。」

 

男の方は至極愉快そうに言葉を紡ぎ、少女へと投げかける。

対して少女自身は遅れて男に掴まって這い上がると何が?と湖の湖面に立っているという不安を隠そうとせずに問いを返した。小鹿か何かの様にプルプルと震えながら自身に必死で掴まっている少女を両の手で・・・いわゆるお姫様抱っことか言われる抱え方で抱え上げる。

「全く手の掛かるマスターよな。」と言いつつも男の少女を見る瞳は優し気なものがあった。

男の首をガッチリとホールドし、それでも尚震えている少女にクスクスと笑いをこぼしつつ男は歩を進める。

 

「流石に一片一片集めるのは苦労しました・・・。が、おかげでこうして尊き御方の復活は成された。事は順次うまくいっているとみて間違いないでしょうね。」

 

まあ、おまけで忌々しい黒歴史がいるのは気に入りませんが。と男は笑顔のまま眉根を寄せる。

ねえだから何が!?とされるがままになっていた少女が必死な声音で男に再度問いかける。余程落ちるのが嫌らしい。

 

「ええい、うるさいぞ。そんなに大声で言わずとも聞こえておる。・・・まああれだ。(ボク)にとって懐かしいことがこの地で行われている。今はそれさえ分かっていればよい。」

 

えええ!?それで終わり!?横暴だっ。と言い募る少女になんだ、(ボク)は前々からこうだろう?耄碌するには早いぞ?と男は小馬鹿にした笑みで返す。

 

「・・・そうだった。そうでしたねー。出会ったときからルルのその横暴さに振り回されたね私。」

 

ジト目で少女、岸波白野はルルと呼んだ自身のサーヴァントを見遣る。

 

「そう、今更です。」

 

口調を敬語に直した彼は楽し気に答えた。

対照的な表情の二人組はじゅうっという何か肉の焼けるような音に首を傾げる。

周りの変化に気を配っている白野の片手を掴み、ルルはああ、と呟いた。

 

「令呪が消失した様ですよ?我がマスター。」

 

こんな時だけ都合よくマスター呼びするサーヴァントに溜息をついて・・・一拍おいて白野ははい?と言葉を認識し、呟いた。

 

「え、ちょっもっかい、もっかい言って」

 

「ですから、令呪が・・・「オーマイゴッドっなぜお月様は私に優しくないのかっ」うるさい、少し黙れ。貴様はどこぞの沙門か。」

 

ルルの言葉に白野は沈黙した。余程あの暑苦しい僧侶と同列にされることが堪えたらしい。

 

「いいですか。確かに君は僕の令呪を消失しました。けれどそれはこの世界・・・というより器に順応したからに過ぎない。此度の聖杯戦争に君はサーヴァントとして召喚されたんです。業腹ですが僕はその使い魔兼宝具としてね。」

 

端末の方はどうなってますか?というルルの問いに白野は制服のポケットを漁り端末を操作する。

 

「ええと、ルルのステータスに・・・あ、これかな。」

 

新しくできた項目をタップ。画面が切り替わる。

 

 

岸波白野

 

属性:中立/中庸

 

カテゴリ:星

 

出身:月

 

身長:160㎝ 体重:45kg

 

性別:女性

 

クラス:アンノウン(ルーラー)

 

筋力:E 耐久:E 敏捷:E 魔力:EX 幸運:D

 

 

 

 

「低っ私のステータス低っ・・・確かに元々データだし?こんなん(ルルみたいな)に勝てるとか思わないけどさ・・・。」

 

これで生き残れと?鬼畜仕様だよ。と落ち込む白野の横から顔を覗かせたルルがふむ・・・。と考える仕草を見せた。

 

「まあ、魔力に関しては向こう側での君の都合もあるので納得です。が、気に食わんな。」

 

白野の手から端末を奪い取ったルルは何かを書き込んでいく。

 

「ちょっ勝手に何して。」

 

ルルの手から奪い返した端末の画面を覗き込む白野。別段変わった個所は無い。

首を傾げる白野にんっと言ってルルが指さす。

 

クラス:操縦者(ハンドラー)

 

「貴女にルーラーやらアンノウンやらは似合いませんから、手を加えさせてもらいました。」

 

勝手に何してんのっという相棒の憤る姿に今度はルルが首を傾げる番だ。

 

「何この操縦者ってっ何を操縦するの?ライダーじゃないんだから何も持ってないよっ。」

 

それなら僕・・・と宣うルルに尚更悪いわっと白野の勢いが増す。

 

「そんな操縦者(意味深)みたいなのやだよ。傍から見たら変質者じゃん。」

 

その言葉にぷっと噴き出した後ふはははははははははと盛大にルルは笑った。

 

「な、なにを言うかと思えばっ・・・っふ。何、心配するな。この聖杯戦争に参加しているチーム全員に言えることだ。なんせ、全員夜中に珍妙な恰好で殺し合いを始めるのだぞ?今更一人二人増えたところで変わりあるまい。むしろ全身タイツやら全身甲冑よりはマシなのではないか?」

 

「ぐ、ぬぬ・・・確か、に。そうとも言え・・・なくもないのか?」

 

その後も談笑を続けながら二人組はその場を後にする。

 

こうしてルーラー(偽)陣営改め操縦者(ハンドラー)陣営が新たにこの地に降り立った。

 

 

 

 

 

 

感動(最悪)の再会にでもなりそうですね。■■王■■■■■■」

 

遺された王は嗤う。

 




はい、というわけで二名様ご案内です。

白野のカテゴリーを星にするか悩みましたがこの白野はCCCをクリア後の白野のため星にしました。
サーヴァントは大妖怪でも赤い暴君でも正義の味方でも悪鬼の様な王でもありません。

最近新たに書いている番外編の方です。

・・・問題は色々ありますが進めていこうと思います。

閲覧ありがとうございました。
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