目を開ける、知っている世界だ。
記憶にある村、無辜の人々が作り出した記憶、あるはずのない存在。
僕は偽物だ。
このフランスという大地に根を張った。
あったかもしれない、贋作の物語。
燃える街中、青年は鎧を鳴らしながら走る。
異形の獣、翼をもつ、空の支配者。
「……ここまでか」
青年は折れた剣を持って、飛竜と対峙する。
勝機はない、対空手段をもたない彼にとって、空からの攻撃に対抗する術はない。
竜が突進してくる、横には瓦礫、回避する手段はない。
「俺はなんだ、何の為に現れた、何の為に信じられた」
偽物だ、所詮、己自身が幻想だ。
竜が口を開く、鋭利な刃に、餌を求めて唾液が輝いている。
「させん!」
その声と共に、赤き閃光が幻想を貫いた。
「そこのサーヴァント!離れろ!……
呼びかけに身体が勝手に動く、バックステップすると同時に、竜の体が四散する。
サーヴァント、そう、そうだ、俺はサーヴァントだ、ただ、それ以外がわからない。
作り出された贋作、ただ何を持って作り出されたか、それもわからない。
周り回る頭をとめて、先ほどの声の主の元へ歩いていく。
赤い外套をつけた騎士だった、左手に弓をもって、皮肉げな男だ。
「大丈夫か?」
短い言葉にこちらも返す
「ああ、あんたは?」
「アーチャー、エミヤだ」
あまりしゃべらない性格なのだろうか、騎士は弓を消して、ついてこい、と一言。
ああ、とこちらも返すと、河川敷のほうへ向かっていった。
河川敷につくと、紫色の髪をした少女騎士と、赤い髪をした白い服の少女が暖をとりながら雑談をしていた。
「あ、エミヤお帰り〜」
「エミヤ先輩、見回りお疲れ様です」
そう二人は言うと、こちらに視線を向ける。
「そっちのひとは?」
赤い髪の少女が訪ねると、弓兵……エミヤが口を出す。
「ああ、先ほどの街を見ていると、街中に突然現れてね、急な召喚の影響かワイバーンに襲われても動かなかったようだし、援護して連れてきたんだ」
「ってことは、サーヴァントなんだ! さすがエミヤ! 」
赤い髪の少女がエミヤを指差して笑う、それと同時にエミヤがこちらに目を向けてくる、自己紹介しろ、と言うことなのだろう。
「……俺の名前は、……なんだっけ、クラスは……セイバー、多分」
名前不明、クラスも曖昧、霊基状態 不安定。
三人の白い目が、俺の心臓を突き刺していた
「……私も、昔似たことがあった、気悩むことはない、いつか思い出すさ」
同情するな