『贋作』   作:Senos

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第1話

目を開ける、知っている世界だ。

記憶にある村、無辜の人々が作り出した記憶、あるはずのない存在。

僕は偽物だ。

このフランスという大地に根を張った。

あったかもしれない、贋作の物語。

 

 

燃える街中、青年は鎧を鳴らしながら走る。

異形の獣、翼をもつ、空の支配者。

物語の中にしか存在しない(おのれとおなじ)、幻の生物。

「……ここまでか」

青年は折れた剣を持って、飛竜と対峙する。

 

勝機はない、対空手段をもたない彼にとって、空からの攻撃に対抗する術はない。

 

竜が突進してくる、横には瓦礫、回避する手段はない。

 

「俺はなんだ、何の為に現れた、何の為に信じられた」

 

偽物だ、所詮、己自身が幻想だ。

 

竜が口を開く、鋭利な刃に、餌を求めて唾液が輝いている。

 

「させん!」

 

その声と共に、赤き閃光が幻想を貫いた。

 

「そこのサーヴァント!離れろ!……壊れた幻想(ブロークンファンタズム)! 」

 

呼びかけに身体が勝手に動く、バックステップすると同時に、竜の体が四散する。

 

サーヴァント、そう、そうだ、俺はサーヴァントだ、ただ、それ以外がわからない。

作り出された贋作、ただ何を持って作り出されたか、それもわからない。

周り回る頭をとめて、先ほどの声の主の元へ歩いていく。

 

赤い外套をつけた騎士だった、左手に弓をもって、皮肉げな男だ。

 

「大丈夫か?」

 

短い言葉にこちらも返す

 

「ああ、あんたは?」

 

「アーチャー、エミヤだ」

 

あまりしゃべらない性格なのだろうか、騎士は弓を消して、ついてこい、と一言。

 

ああ、とこちらも返すと、河川敷のほうへ向かっていった。

 

河川敷につくと、紫色の髪をした少女騎士と、赤い髪をした白い服の少女が暖をとりながら雑談をしていた。

 

「あ、エミヤお帰り〜」

「エミヤ先輩、見回りお疲れ様です」

 

そう二人は言うと、こちらに視線を向ける。

 

「そっちのひとは?」

赤い髪の少女が訪ねると、弓兵……エミヤが口を出す。

 

「ああ、先ほどの街を見ていると、街中に突然現れてね、急な召喚の影響かワイバーンに襲われても動かなかったようだし、援護して連れてきたんだ」

 

「ってことは、サーヴァントなんだ! さすがエミヤ! 」

 

赤い髪の少女がエミヤを指差して笑う、それと同時にエミヤがこちらに目を向けてくる、自己紹介しろ、と言うことなのだろう。

 

「……俺の名前は、……なんだっけ、クラスは……セイバー、多分」

 

名前不明、クラスも曖昧、霊基状態 不安定。

 

三人の白い目が、俺の心臓を突き刺していた

 

「……私も、昔似たことがあった、気悩むことはない、いつか思い出すさ」

 

同情するな

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