リアルFGO   作:nyasu

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そのサーヴァントの小説を書くと当たるらしい(既に持ってる)

そこは、聖書の紙片がバラまかれた廊下だった。

経典に身を包まれ、十字架に貫かれ、灰を塗され、牛の頭蓋骨を置かれ、ヤドリギや四つ葉のクローバーを供えられ、聖水に浸された物体があった。

 

「272回、お前が肉体を喪失した回数だ」

「……が……殺、せ……ッ……殺し、て……」

「悪いが、それは出来ない装備なんだ」

 

まるでスナック菓子を食べるように、ゴクゴクと宝石を飲み込みながらゲームが終わるまで俺はライザーを殺し続けた。

不死身だって、殺し続ければ死ぬだろって言ってたし、俺はまだまだ努力が足りない。

ライザーを殺し続ける間、宝具を連発してるのか魔力がごっそり削られる。

校庭がずっと光ってるんだが、毎回スパルタクスが宝具使ってるのだろう。

それを兄貴は回避したり、根性で乗り切ったりしてるのかもしれない。

どっちが化物か分からないよ。

 

「な、何よこれ」

「……あぁ、やっと来たんですか」

 

ライザーに座っている俺の前に、ようやくグレモリー先輩とその愉快な仲間達がやって来た。

俺の宗教的な物をごった煮にしたライザー専用装備一式のせいで気分が悪いのか気持ち悪そうだ。

それに、聖書の紙片が神聖な物だからかこっちに来ることすら出来てなさそうだった。

そんな物をバラバラにして罰当たりだが、神父がルーラー使うときに破くくらいだし問題ない。

 

「後は煮るなり焼くなりしてくれて良いですよ。此方も、悪魔に何が有効なのか調べられて良い経験になりました」

「こんなことして、フェニックス家は黙ってないわよ」

「だから、何が問題なんですか?」

 

所詮、こんなのはゲームである。

誰も死なないし、誰も不幸にはならない。

だって死なないんだから、どん底からだって這い上がれる。

それがトラウマだとしても、生きていればどうとでもなる。

生きていれば、何したって良いに決まってる。

でも、殺そうとするのはチャンスを奪うことだからダメなことだ。

その点、俺は殺してないし悪くない。

球磨川先輩だって言ってたじゃ無いか。

 

「俺は悪くない。だって、悪くないんだからな!」

「テメェ、ふざけんのも大概にしろよ!」

「おいおい、一誠先輩。ふざけてなんかいないですよ、俺は彼の意思を尊重したんですから」

 

そうだよ、だってリタイアすれば良かったんだ。

リタイアを宣言しないなら、戦う意思があるってことだ。

じゃあ容赦してはいけないよな。

 

「リタ……」

「神に感謝を、おおっと何か言ってたかな?」

「ぐぅぅ……」

 

唸るライザーとそれを見ながら頭を抑える先輩達。

何が悪魔だよ、属性ダメージ喰らってるじゃ無いか。

やっぱ、人間が一番だってわかんだね。

 

『ライザー・フェニックス様のリタイア。よってこのレーティングゲーム、リアス・グレモリー様の勝利となります』

「うん、終わったのか?」

「先輩、皆さんを止めに行きましょう」

 

そうだな、と俺は校庭に説得に行くのだった。

 

 

 

数日後、俺は普通に登校していた。

あの後、校庭に行くと立っていたのは兄貴とスパルタスだけだった。

他の奴らはメフィストに運ばれてアーシア先輩の元で治療されてたよ。

 

「おぉ、圧制者よ!」

「回復阻害だぞ!ざけんなぁ、テメェ!」

 

兄貴が宝具を使い心臓を抉る、心臓周辺が再生しにくくなる、自分の胸に手を突っ込んで傷口をスパルタクスが広げる、呪いが掛かった肉片が捨てられて心臓が瞬時に再生、宝具発動、兄貴が回避する、宝具を叩き込む、以下ループ。

 

「どういうことだよ、霊格にダメージ行って消えるだろ!宝具使って消えてたじゃん、FGO仕様でHP回復でもしてんの!」

「スパルタクスさん、先輩が可哀想です。そろそろ、機嫌を直して下さい」

「フハハ、圧制者に従う者よ!汝もまた、愛すべき圧制者なり!」

「お風呂、禁止しますよ?」

「……屈しはせぬ……屈しはせぬぞ!」

「どうしてもですか?」

「ぐぬぬ……良いだろう、庇護すべき弱者の嘆願である。弱者に守られるマスターはもはや圧制者たり得ぬ、だが再び圧制者となれば我は立ち上がる。努々、忘れぬ事だぁ!」

 

俺の身体はボロボロだぁ、状態だったのを心配したマシュの説得により何とかなった。

あぁ、うちのスパルタクスなら今頃、家の浴槽で浸ってるぜ。

そのまま授業を受け、そして下校する日々を俺は送っていた。

最近、グレモリー先輩が頻繁にエンカウントしたり一誠先輩によくもなんて恨み言を言われるが、まぁ普通である。

普通の毎日、それがそろそろ終わるだろうなと俺は確信していた。

そう、それは堕天使のなんか偉いのがやってくるって記憶があるからだ。

こないだ球技大会だったし、そろそろだろ。

ちなみにマシュはソフトボールで活躍してました。

金属で叩くのには慣れてるもんね。

 

「先輩、先輩」

「どうしたマシュ?」

「困っている人がいます。助けるべきでしょうか?」

 

マシュの視線の先には、白いローブを身にまとった怪しい二人組が居た。

何故か、変な絵が足元にあるし胡散臭い。

 

「迷える子羊にお恵みを~」

「そっとしておこう」

「えっ、でも……でもぉ……」

 

そんな捨て犬を見つけたような目で、だいたいウチはもう大変なんだから飼うことは出来ません。

だが、この上目遣いである。

仕方ないなぁ、いいものを見せてもらえた礼くらいはしよう。

 

「あっ、貴方!今日の糧を私達に与えてくれませんか!」

「断食、頑張ってください!頭に香油を付けた方がいいですよ」

「違うよぉ!断食なんかしてないよぉ!お腹が空いてるだけだよぉ!」

「あっ、ちょっと!ええい、放せ!これだから宗教関係者は!」

 

そんなんだから、日本の宗教に対するイメージが悪くなるんだ。

 

「貴方宗派はどこ、カトリック?それともプロテスタント?」

「午前二時派です。種火成功派も兼任しております」

「えっ?もしかして、聖書の神は拝めてない?」

「あっ、はい……じゃあ、アクシズ教徒です」

 

俺の言葉を聞いた白いローブが、ゆっくりと離れてもう一人のローブと何やら集まって話し始めた。

 

「アクシズ教って何、土着の宗教?私がいない間に、そんなの広まってたの?」

「と、取りあえず詳しく聞いてみることはどうだろう。どんな宗教でも慈悲深い行いを推奨してるはずだ」

「そ、それもそうね。行ってくりゅ!」

 

おいお、聞こえてるぞ。

あと、マシュは財布から千円札はしまいなさい。

こういうのは一度上げるとずっと要求してくるんだからな。

 

「あの、私アクシズ教について何も知らないんで教えてくれたら……なんて」

「それは可愛そうに、アクシズ教徒は日本のほぼ全ての方がそうですよ。えぇ、彼らは忘れているだけで前世はアクシズ教徒なのです」

「えっ?」

「そうですね、教義としましては汝、成したいことを成すがよいとあります。簡単に言えば、犯罪じゃなきゃやってもいいよ、そこに愛があるならって意味です」

「邪教じゃないのそれ!」

 

俺がおかしな宗教家に俺の信奉する宗教を持ちだしたら、ガチギレされた。

だがしかし、アクア様はアレでもすごい神様なんだぞ。

俺だって転生担当は悪魔だけど転生者であることは変わりないから敬うべき、そうすべきなんだかな。

 

「ほ、他にはどんな教義が?お恵みを与える感じのとか、ないかなぁ?」

「悪魔殺すべし、魔王しばくべし、ですかね?」

「過激だよ!流石の私たちもそこまでじゃないよ!」

 

えっ、なんでケチつけてるの?

お前ら敵対してんじゃないの?

人に迷惑を掛ける悪魔は殺すべきだろ。

バニルや俺を転生させた悪魔みたいに利益を与える訳でもなく、迷惑を与えてくる害虫は駆除しなきゃ。

まったく、これだから隣人を愛せとか言って悪魔を生み出した神様を拝めている宗教の奴らだぜ。

 

「うっせぇーなぁ、馬小屋で生まれた大工の息子を崇めてるくせによ……ペッ!」

「違うから、それ誤訳だから!」

「あぁ、俺が間違っているってのか!違うから、やればできる子だから!アクシズ教徒が上手くいかないのは世間が悪いんだよ!俺は悪くない、だって悪くないんだから!」

「ダメだよ!貴方、間違ってるよ!絶対、改宗した方がいいよ!」

「何がダメだよ!今を楽に行きなさい、自分を抑えず楽な方へと流されなさいって神の言葉を知らんのか貴様!」

「最悪っ!最悪だよ、その宗教!人を堕落させてるよ!」

 

まったく、人の善意を蔑ろにするなんてひどい奴らである。

だからマシュ、千円札じゃなければと五千円札を出すのはやめなさい、トンチじゃないんだから。

 

「そこの君はどう思ってるんだ!まさか、君はアクシズ教徒か?」

「先輩、えっちぃことは良くないと思います」

「えぇ、まさかの裏切り!?マシュ、お前もか!」

 

結局、マシュが一万円札を上げて宗教論争は終わった。

慈悲深いだろ、ガラハッドさんは修道院育ち、きっとそのおかげだろ。

 

「おう、感謝しろよ……チッ」

「しないよ!少なくとも舌打ちした貴方にはしないよ!」

 

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