リアルFGO   作:nyasu

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夏だ!海だ!テコ入れだぁ!

夏だ、海だ、水着だぁぁぁぁ!

コカビエルさんとやらがいなくなった後、交渉の末に俺達は大金を手にした。

えっ?聖剣を売ったんだよ、言わせんな。

 

「と言うわけで、ラムレイ号に乗って海に来たわけですが」

「よし、釣りだ!」

「おぉ、これがオケアノス……またの名を太平洋」

「マスター、かき氷は如何でしょうか?素材……メフィストが用意したので私じゃないですよ」

 

いつも騒がしい奴らがハッチャけている。

イベントじゃないのに、みんな水着だから何だか素材を集めたくなる。

この地元を開拓しようぜ、無人島のようにな。

まぁ、ダメである。

 

「海!おぉ、圧制者よ!汝に、反逆するぅぅぅ!」

「止めて下さい!ちょっと、そこの貴方!それ以上は立ち入り禁止ですよ!」

「フフフ、フハハハハハ!」

 

あーあー、聞こえない知らない、俺とは関係ない人ですね。

砂浜で現実逃避していると、誰かが肩をつついてきた。

 

「ますたぁ……どうですか、ランサーではないのに水着ですよぉ」

「ねっとりしていて、メスの顔だワン」

「これが地球の夏……暑さに負けずに頑張りましょう、先輩」

 

振り返ると、そこにはいつの間にかランサークラスにジョブチェンジした清姫、Tシャツ短パンに不満そうな顔のキャット、それとパーカーを着たマシュがいた。

やべぇ、マシュさん白い水着似合ってますね。夕日をバックにあとで先輩って呼んで貰おう。

 

「それにしても、どうしてタマモは不機嫌そうなんだ」

「キャラが被る……」

 

そのまま、ちーんと効果音が聞こえそうなほどにため息を吐くタマモ。

これでキャットじゃないの呼び出したら、正妻戦争が起きるかもしれない。

 

「ねぇ、ますたぁ?どうして、こっちを向いてくれないんですか?」

「それはきよひーが顔真っ赤になりながらアピールしてくるのを楽しんでるから」

「うぅぅぅ、意地悪ですよぉ……」

「はいはい、世界一可愛いよ」

「えへへへ」

 

あぁ、こうしてれば普通に可愛い女の子なんだよな。

たまに包丁じっと見てたり、ドアの隙間から覗いてたり、パンツ盗んでたりするけど、普通の女の子なんだよなぁ。

いつの間にか婚姻届け出されたり、戸籍が無くて問題が発生したり、色々騒動を起こすけど普通の女の子なんだよなぁ。

普通って、なんだっけなぁ。

 

「むぅ、清姫さん離れて下さい。先輩は……日焼け止めを塗るんです、えぇ!」

「マシュさん、ここはサンオイルが一番かと」

「暑い……ご主人、キャットもマスターをヌルヌル塗るべきか?塗るならパラケルススから良い物を貰ったぞい!なんと、ローションなのだぁ!デーン!」

「「ダメです!」」

 

や、やめろーというキャットがレンタカーであるラムレイ号に、マシュと清姫によって連行されていく。

まぁ、暑いのダメみたいだし水が嫌いだから海に入らないって言ってたし、しばらくは冷房の効いた車内にいる方が良いんじゃないでしょうか。

さて、水着も見たし海に行くか。

 

「よぉ兄ちゃん、やきそば喰わないか?」

 

海に行こうと立ち上がった俺の前に、販売員なのか知らない人が話し掛けてきた。

首に掛ける紐の付いた台を持って、その上には出来たてらしきパックの焼きそばが入っている。

初めて見たが、こうやって持ってきて販売する人がいるのか。

 

「じゃあ、一つ下さい。いくらですか?」

「あぁ、お代は良いんだ。ただ、少し聞いて良いか?」

「えっ?」

 

お代はいらない、なんて変なことを言うから俺は戸惑う。

売りに来てるのにお代はいらないって、なんなの?在庫処分なの?

 

「アンタ、堕天使についてどう思う?」

「ッ!アンタ、人間じゃ無いのか」

 

アロハシャツを着ている、金髪のオッサン。

妹が好きそうな奴とか、うさんくさいけど助けてくれる中年とか、似たような格好している金髪アロハ。

チャラそうだなと思っていたが、俺は堕天使というワードと見た目の情報が一致して正体を割り出した。

 

「もしかして、アザゼルか!」

「ほぉ、堕天使って言葉だけで会った事も無い俺だと気付くとは」

 

その答えは正解である、そういう反応だった。

まさか、こんな所でアザゼルと遭遇するとは思わなかった。

アニメのように危なくない、なんてことは当てにはならない。

現実は何時だって予想外で非情である。

 

「待て待て待て!いま、その痣のを使おうとしたな!それで仲間を呼ぶのはやめてくれ!」

「呼ぶ前に殺すってことか、くっ!」

「違う違う、別に危害は加える気はない」

「えぇ~本当でござるかぁ?」

「お前、実は意外と余裕なんだろ!そうなんだろ!」

 

すまない、条件反射ですまない。

まぁ、敵意ってのがないって発言と原作知識からある程度余裕は出来た。

まだ警戒してるけどなぁ!

 

「堕天使の総統?提督?監督?が何の用だ」

「俺は別に戦艦を育成したりしてない、それと映画も作ってないぞ。俺の要求はただ一つ、うちでバイトしないか?何、少し神器を調べさせてくれればいいんだ」

「な、なん……だと……」

 

バイト、そんな言葉に俺の心がブレブレに揺れる。

コイツ、教会との交渉を知っているな。

俺が金に困っていると知って、足下見やがったな。

ちくしょうーめぇ!

 

「幽世の聖杯かと思ったが、それとは違う。死者の蘇生ではなく魂を召還、受肉させている。魂を余所から呼び寄せるそれは幽世の聖杯にない特徴だ。魂からの再生くらいは出来るだろうが、無から有は生み出せない。そして、本物は欠片はあるが、本体全てはない。その神器は何だ?」

「それを教えて、俺にメリットがあるのかな?」

「バイト代は、そうだなぁ月々これぐらいだが」

「ゼロが七つ、う……嘘やろ?」

「ちょっとだけ、先っちょだけでもいいから!なっ、なっ!」

 

ゴクリ、と生唾を飲み込む。

それだけあれば、もう金で苦労することもないってことじゃないか。

今後一月ごとに増えるかもしれないサーヴァントの食費も気にしなくて良いって事じゃ無いか。

 

「せ、先輩……そんなっ!」

「浮気、浮気ですね。ふふふ」

「うぇ!?」

 

アザゼルの提案に悩んでいると、顔面蒼白のマシュとどっから出したと思えるような青龍偃月刀を持った清姫が立っていた。

……これはヤバい。

 

「ご、誤解だ!」

「先っちょだけって、それにゴクリって、先輩最低です!」

「そこかぁ、そこから聞いてたのかぁ!」

「……殺すわ」

 

清姫が恐ろしい速度で移動した。

は、早い!早すぎて、全然見えないぞ!

助けてマシュ、俺はマシュの身体にダイブした。

 

「うおっ!?お、俺で無きゃ見逃しちゃうね」

「よくも旦那様を誘惑して」

「お前結婚してたのか、奥さんいたのかよ」

「……やっぱ殺す」

 

き、きよひー!

今、ちょっと躊躇ったよね!旦那様と書いてマスターってのを理解されて、一瞬いい人だって思ったよね。

流石、堕天使汚いぞ!音だけじゃマスターなんだから、下調べしたな!

それと俺じゃ無くてアザゼルを狙ってくれてありがとう。

 

「チッ、続きは今度の会談でな!来いよ、絶対来いよ!」

「シャァァァア!待ちなさい!」

 

バサァ、と翼を広げて逃げるアザゼル。

それをピョンピョン跳ねながら、待ってと言う清姫。

どうやら、一難去ったみたいだ。終わったとは言ってない。

 

「あ、あの先輩……その、お腹がくすぐっ……ひゃん!」

「えっ、今のマシュ?」

「うぅぅぅ、離れて下さい!もう、先輩最低です!」

 

照れてるマシュ、可愛い。

癒やされるわぁ。

 

「ま・す・た・ぁ、浮気ですか?」

「ごめんなさい、本当に誤解なんです。話を聞いて下さいオナシャス!」

 

笑顔でにじり寄ってくる、清姫がすごく怖かったです。

 

 

 

その頃、海では……

 

「ゲイ、ボルグゥ!取ったどぉぉぉ!」

「魚だ!ピッチピチですよ、ピッチピチ!」

「イヒヒヒ、これぞまさしく長と呼ぶべきですなぁ、パラケルスス殿」

「えっ、ではこれから長と呼ぶべきですね」

「長!長!すごいぞ、長!」

「うおぉぉぉ、長!愛すべき、圧制者よ!」

「メフィスト、テメェ!煽りやがったな、うわなにをする」

「ランサーが沈んだ!この人でなし!悪魔!メフィスト!」

「あぁ、私が乗せられたから……すみません、ランサーさん」

「勝手に殺すんじゃねぇ!うおぉぉぉ」

「凄い、海の上を走ってる!ブケファラスも……無理?そっかぁ……そっか」

「誰だ、海に馬を入れたのは!溺れてるじゃねぇか!」

 

今日も、ランサーは苦労してます。

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