外伝・落第騎士の英雄譚   作:首無し作家

7 / 7
という訳で最新話。


では、どうぞ。


第7話

隼人には違和感があった。

 

あの二人の目的は紺野という正体不明の人物。

その人間を捜すために結城の行き先を知るであろう隼人と接触を図った。

 

だが、そんなことをしなくても隼人と結城が喋り終わった後に彼女の後を追えばいいだけのはずだ。だったらこの二人の本当の目的は・・・

 

 

 

「あんたらが俺に接触してきたのは何でなんだ?何が目的だ?いや、本当にあんたらは結城を探す気はあるのか?」

 

 

 

『それはどういう意味なのかな?』

「あんたらが俺に接触する必要なんかなかった。さっきまでしゃべっていた女はどこにいったとか聞けばいいはず、そんな時間をかける必要はない。なんなら結城の後を尾行すればいい、なのにしなかった。だったら何故俺に接触した?あんたらは一体何がしたい。」

『・・・そこまで推理したのかな?でもそうホイホイと答えを教えるわけには』

 

 

 

「あんたらもしかしたら違う世界から来たんじゃねぇのか?あんたを知っている人間はこう言っていた『この世界には』とかってな。つまりあんたらは異世界人で俺に接触したのは伐刀者(ブレイザー)という存在を知るため、そして結城と紺野の行方はもうすでに知っている。違うか?」

 

 

 

『前者についてはほぼほぼあっている。だが、後者の推理は?どうしてそう推理したのかな?』

「ただの勘だよ。俺よりも強い人間だったら俺が思っている先のことをすでにやりおわってるんじゃないかと思っただけだよ」

『そう悲観することはないんじゃないかな?まあ、勘ではあったが確かにあっている。僕達は既に紺野の居場所を突き止めている。だが相手が伐刀者(ブレイザー)を仲間に率いれていると思ってね、君を実験台にさせてもらったよ。』

 

「そんなことはいい、紺野の居場所を知っているなら教えてもらう。てめぇら結城を助けられたのに放っておいた奴らなんかにあいつの安全は任せられねぇ。」

 

 

 

そう隼人が言うと電話相手はハァ・・・とため息を一つついた。

 

 

 

『彼女を助けられなかったのにも理由はあったが今話しても意味無さそうだからやめておこう。それより彼女達の居場所だけど君が行っても死ぬかもしれないのだが?』

「そんな危険な場所なのかよ・・・!」

『まぁ、戦闘ではなく試合をやっている伐刀者(ブレイザー)の学生ではね?だから僕達に任せてもらえれば・・・』

 

 

「いいから話せ・・・!」

 

 

 

電話の相手はまたため息をついた。

 

 

 

『分かったよ、教えよう。彼女が、君の後輩がいるであろう場所は』

 

 

 

 

 

『仙台科学コンビナート。今ではPMC「護衛兵」の根城となっている科学プラントだよ。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仙台科学コンビナート

 

科学工業・精製工業に関する工業施設の集合体で、東北最大規模を誇っていた。だが今現在では関東の科学コンビナートの方が重要視され、衰退の道をたどっていた。しかし数ヶ月前に『護衛兵』がここを買い占めたことにより、復旧の目処がたちはじめていた。

 

その施設の廊下を二人の男女が歩いていた。一人は葛木和久(くずきかずひさ)。ボサボサの灰色混じりの黒髪に真っ黒なスーツを着てはいるがネクタイはしていないつり目の男。

 

もう一人は紺野凛(こんのりん)艶のある黒髪で肩より少し下にまで伸びている。葛木と同じくスーツを着ていてネクタイはしていない。だが、こちらに関しては胸に白い薔薇のコサージュを付けていて無表情で葛木の横を歩いている。

 

 

 

「紺野君、()()の開発・量産はどこまで進んでいる?」

「はい、社長。今のところ七十パーセントといったところでしょうか」

「少し遅いな、開発班に急がせるように言っておいてくれ」

 

 

そう葛木は先日伐刀者(ブレイザー)を殲滅すると宣言した『護衛兵』の社長である。

 

 

 

「かしこまりました、社長。」

解放軍(リベリオン)に先手をとらせる訳にはいかない、絶対にこちらが先手を取る。その為にあれは必要不可欠だからな。」

「はい、承知しております。」

 

 

 

 

二人はそのまま白い廊下をカツカツと音をたて施設の中を進んで行く。それはまるで世界征服を企むかのような、もしくは世界平和を望んでいるかのような姿であった。

 

 

 

 

「『勲章剥奪(タイラーデプリベーション)』。あれが完成すれば我々の悲願は確実に達成する。」

 

 




会話メインの回です。

次回も近いうちに出します。
近いうちに・・・ね?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。