NEO ー悪魔は異世界で何を喰らうのかー   作:鉋なんか

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久しぶりの投稿になります。

最近ゆっくり虐待にはまってしまいpixivの作品を見ているといつのまにか時間が過ぎてしまって…


それでは10話ですどうぞ




10話

 

 

 

 

ここに2つの花の種がある

 

 

 

1つは、栄養の豊富な土に植えないと芽は出ない。

選ばれた人しか育てることは許されない。

毎日水をあげないと茎は伸びない。

日光に当ててあげないと成長しない。

たくさんの、ほんとうにたくさんの血と汗と涙を与えなければ蕾はできない。

同じ種類は1つもない。

どんな色のどんな形の花が咲くかもわからない。

手入れを怠ればそこら辺の雑草に負けてしまう。

 

その花が咲いたとき、それは今までの全てが報われる時

 

それは誰もが羨む時でもある。

 

 

この種が芽を出した瞬間から、どんな草花も引き立て役になってしまう。

絶対の花

 

 

 

 

もう1つは栄養など要らない

人を選ばない

水など要らない

光など要らない

どんな所にも根を生やす

海の底でも マグマの縁でも

地の底でも 天の上でも

アスファルトの上でも

肥沃な土地でも

どんな所でも結果を出す

同じ種類しかない

同じ色しかない

手入れは少しでいい

同じ様に同じ形の同じ花を咲かす。

 

誰もが驚くその生命力。

 

固過ぎてどんな蟲も食べれない。

並みの除草剤では枯れもしない。

人の力では根も抜けない。

 

無敵の花

 

 

この2つの花の種、あなたなら

どちらが欲しいですか?

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

白の大理石で造られた 神殿のような部屋

 

先ほどまでそこには4人の姿があった。

 

しかしもう既に1人の姿は消え、そこには3人しかいなかった。

 

1人は黒の仮面を被った男、男の椅子に深く腰掛ける姿は様になっており、何処ぞの王のように威厳がある。

 

一方、仮面の男と向かい合う形で椅子に座っている初老の男性は面接を受けている学生のように、背筋をピンと伸ばし美しい姿勢のまま仮面の男の方を向いていたた。

 

もう1人は小柄な緑の髪の女性、柱の1つに背を預け黙々とピザを食べている。ピザを一切れ食べる度に彼女の細腕が筋肉質になる異様な光景を見ても残りの2人は気にもとめない。

 

 

 

「彼は生き返るのを選んだようですね」

 

初老の男性は呟く

 

「ああ、復讐のためにな」

 

仮面の男もそれに合わせて呟く

 

「いささかやり過ぎでは?」

 

「あのくらいが丁度いい。さて、これで私のこの世界での役目は終わった。まぁ君にはまだやってもらうことが山程ある、後はそっちにいる俺の上司と共に行動してくれ」

 

ピザを食べきった女性はズシンズシンと足音をたてながら仮面の男の側によると仮面の男の両肩を軽くつまんだ

 

「わかりました」

 

「あと1つ、同じものがぶつかった時、壊れるのは勢いのない方だ よく覚えて起きたまえ」

 

 

仮面を被った男は宙ぶらりんになりつつも声色1つ変えずアドバイスをする。そして3m程になった女性の肩に乗せられる、いわゆる肩車の状態になった。

 

異様な光景ではあるが今のあの2人にとってはこれが一番効率のよい移動方法なのだ。

 

女性は仮面の男の足をガッチリと掴むとドンという衝撃を残して、空に消えていった。

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

フランス某庭園

 

私有地となったそこでは品種改良により季節外れの向日葵が咲き乱れ、金色の世界を作り出している。

向日葵は一輪一輪が綺麗に整えられており、日の光をいっぱいに浴びている。そして辺りは静寂に包まれており、時々風に揺られ葉の擦れ合う音が聞こえるほどだ。

 

しかしその静寂も直ぐに終わった。

 

女性を抱えた男性が息を切らしながらその空間に入ってきた。

 

空から何かが落ちてくる、男性の後ろで何かが爆破し辺りの向日葵を吹き飛ばす、銃声が響き向日葵の花を散らす。男性の後ろから近づいてくる足音は花畑の土を踏み潰し、向日葵の根を駄目にする。

 

男性は女性をシッカリと守るようにして抱きかかえる。そして向日葵の中を走り続ける。

 

バンッという音と共に男性の肩に痛みが走る。

 

硬い何かがぶつかり、息が漏れ足がもつれそうになる、しかし男性はそのまま走り続ける。それは今自分が止まれば女性の命は無くなってしまうから、数少ない家族が消えてしまうから。もう2度と家族を失わないと誓ったのだから。

 

男性は年老いた体に鞭打って走り続ける。銃弾が頬をかすめても走り続ける。後少し 後少し

 

男性は目的の場所に着くと初めて足を止めた。

 

 

 

 

その瞬間爆風が男性を襲った

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 

アルベール・デュノアは驚愕した

 

妻が亡国企業に脅されていた事

妻が娘の事を本当は思っていてくれた事

娘の命を守ってくれていた事

 

 

 

 

数日前、娘を無事にIS学園に送ったと言う報告を受け無事にこちらの意向を日本側が受理してくれたと言う報告を受けた後、社長室の固定電話で妻が誰かと電話をしていた。

 

 

『どう言うことだ⁉︎あの娘は殺す手はずだっただろ?』

 

「そんな事、できるわけないじゃない」

 

『あぁ?テメェとは血が繋がってねぇんだ、そんな奴の為にテメェは組織を敵に回すつもりか‼︎』

 

荒っぽい口調の女が一方的に妻を罵っている、電話越しで内容はあまりよくわからなかったが妻が娘のことを思っていた事は確かにわかった。最終的に荒っぽい女がキレて一言妻に『死ね』と言い通話は切れた。

 

「そうか、あの子が来てからの君の態度はつまりそういう事だったのか…」

 

「ごめんなさい、あの子を守るにこれしかなくて」

 

「話しは後で聞かせてもらう、くるぞ」

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

『なにが来るの?』

そう問いかけようとした瞬間後ろにある、窓ガラスが一斉に割れた。

 

ロゼンダが窓の方を向くと鷹や鷲が割れた窓から入ってきた。

 

そして窓から入ってきた鷹と鷲を見て驚愕する。

 

強化ガラスをぶち破るほどの速度を出し、自分の怪我をものともしない。そして互いがぶつからない様にある程度距離を取るという統率の取れた行動、明らかに訓練された行動だと判断できる。

 

厄介なことに前の方にいる何匹かの鷹や鷲の足には刃がついており何か液体が塗ってあるのか刃から液体が滴り落ちている。後の鷹や鷲の体には黒い筒状の物がいくつか巻き付けられている。

 

(鷹の方はおそらく致死性の毒。鷲の方は匂いから察するに爆薬、しかも必要最低限の火力、つまり毒で殺せなかったらドカンてわけね)

 

鷹や鷲はこちらを向くと目を鋭くして一直線にこちらに突っ込んできた。

 

 

社長室の中はあまり広くはない

 

出口はガラス張りの扉と窓側の非常階段のみ

 

割れた窓から風が入り紙吹雪を巻き起こす。紙吹雪は視界を遮りその隙間から鷹が1匹近づいてくるのが見えた。

 

 

鷹は時速80Kmで飛行が可能な猛禽類

 

時速80Kmこれは目で終えないスピードではない、ましてやISという兵器を扱う物からして見れば遅すぎるスピードだ

 

 

 

横から見た場合は

 

 

 

こんな経験は無いだろうか、ドッチボールでそこまで速いボールでは無いのにキャッチできなかった。

野球でバックネットにボールが飛んで来てネットがあると分かっていても反射的に避けてしまった。

 

自分に近づいてくるものは怖いのである。

横から見れば目で追える。しかし自分に向かってくるとなると話は変わりたちまち恐怖が付いてくる。

 

恐怖は人を駄目にする。

 

体が硬くなりいつもの様な行動ができなくなる。目を瞑り現実を避けようとする。怖がって変な避け方をする。

 

サッカーのゴールキーパーや野球のキャッチャーなどはボールに対して自分に向かってくるという恐怖を抑える事はできるだろうが、猛禽類が一直線に自分めがけて来たらどうだろう。彼らは避けられるだろうか?

 

 

 

ただの人間なら避けられない。例え少し体を逸らしても猛禽類特有の視力と筋力でたちまち捕まってしまうだろう。

 

 

目の前に迫る鋭利な刃物

視力では捕らえられてもロゼンダの体は一歩も動かない

(あーぁ、ここで終わっちゃうのか、私の人生。あの娘のこと可愛がってあげたかったな、一時の感情で叩いちゃったけどきっと痛かったよね…

あの時ちゃんと受け入れてあげれば家族3人で旅行に行ったりできたのかな、あぁ....)

 

 

鷹がロゼンダの頭を掴もうとした瞬間、地に落ちた。

いや、正確には何かに押しつぶされた。

 

「悪いな、これ以上家族が減るのはどうも許せないんだよ」

 

優しい口調ではあるがその言葉には目に見えるほどの怒りが込められている。

 

押さえつけられた鷹は泣きながら震えている

 

よくみると他の鷹や鷲もほとんどがアルベールの方を見て震えている。

 

 

アルベールは押さえつけていた鷹の足から刃を奪い取るとゴミ箱に投げ入れた。

鷹の方はなぜか気を失っている様で床に横たわる形で降ろす。

鷹たちはアルベールが一歩近づくごとに体ごとビクンと大きく動かす。襲いかかろうとした鷹がなんとか起き上がり震えながらも威嚇する。

その様子は威厳と風格のある猛禽類のそれではなく、泣きじゃくる子供の様であった

 

 

ロゼンダは信じられないという顔でアルベールの方を向く、あの、仕事と娘にしか興味がないようなこの人がこんなことができるだなんて。

 

 

アルベールが一羽の鷲に近づいた瞬間

 

 

ロゼンダの意識は途切れた。

 

 

 








次は今月中に投稿できたらなと思っています…


誤字脱字等がありましたら是非感想に書いてください。



※次回、トリコに出て来たアレが登場
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