元人形とその仲間達も異世界から来るそうですよ? 作:血濡れの人形
~???の海~
今、二人の目の前には、心臓のあたりを抉られたサンズが立っている。
生物であるなら、さすがに心臓が壊れているのに、
あんなに楽しそうな笑みを浮かべる者はいないだろう。
むしろ、生命活動を停止していても納得できるような重症である。
しかし、彼は確かにそこに立っていた。
楽しそうに笑みを浮かべ、二人のことを見ている。
十六夜の背中に、嫌な汗が流れる。
「窮鼠猫をかむなんて言葉もあるし、こっから先が本番っていうのは間違ってはいないのかもね」
直後、光たちの足元が爆ぜる。
光たちはとっさに横に飛ぶことで回避したが、その先に四発、合計八発の弾が飛んでくる。
そしてその攻撃を、二人はそれぞれ地面に手を置き、そのまま飛ぶことでそれを回避する。
地面にあたった弾の衝撃で、二人は空中でバランスを崩してしまう。
「隙あり」
当然、そんな隙を見逃すはずもなく、サンズは光の腹部に向けて数発、弾を出す。
そして、その弾を回避することはできず、光は腹部に穴をあけかけることになる。
中に脈打つ臓器が見えたような気がした。
「『ここからが弱気だ、魔女の血筋、その力の片りん見せる価値があると判断しよう』」
しかし、それを確認することは十六夜にはできなかった。
一瞬で傷が治ったのだ、それを確認しろというほうが無理である。
「『これは、たった一つ、数極あるうちの一つだけ、われらが魔法を見せてやろう』」
空間が震える。十六夜自身、自分の体が若干ながら震え、
顔色が悪くなっていることに気が付いていない。
「へぇ?どんな魔法をみせてくれるんだ?」
「『そう焦るでないわ、そろそろ・・・完成だ』」
直後、サンズの足元、いや、塩で作られた足場全体が輝き始める。
瞬間、周りの風景が変わる。
海であったはずの世界が、森におおわれた大地へと。
「『特殊幻術、モンスター・ザ・グリーンワールド、この世界で起こったことは、
すべて現実へと移りゆく。怪我をすることなかれ、欠損することなかれ、
痛がることなかれ、そして、死ぬことなかれ。すべて幻であり現実である』」
メキメキメキ
木々の倒れる音がする。
「『住人が来た、さぁ、夢の世界で踊るとしよう』」
『GURAAAAAAAAAAAA!』
『KISYASYASYASYA』
全身が爪痕のように焼けているケルベロス、片目のベヒーモス、空には竜が見える。
「『ファイア』」
光の背後に、炎の弾が出来上がる。
一つや二つならまだ躱せただろう。
「それを回避しながらこいつらと戦うのは難しくないか?」
十六夜がそういう。
事実、背後に浮かび上がった火球の総数は、万を超えている。
霊騎たちなら、核を破壊しながら余波で殺すなんて行動もできるが、
ここにそれができるほどの技術と力を持った者がいるだろうか。
光は、魔物たちが襲い掛かったタイミングに合わせ、
空いた隙間にその球を飛ばしていく。
回避先をつぶされながらも、火球であるだけ、ファイアのほうが威力が低いため、
サンズはその方向によけていたのだが、視界が妨害されたせいか、
そのさきで構えていた十六夜に気づくことができなかった。
衝撃がサンズを襲い、そのまま立っていた場所に戻される。
当然、そこには魔物たちが攻撃を仕掛けているわけで、
そのままつぶされることになってしまった。
風景が元に戻る。十六夜がサンズのほうを見ると、そこには、腕をつぶされ、
両足が使えなくなり、武装がすべて壊れたサンズが横たわっていた。
「とりあえずとどめを刺さないといけないけど、どうしよっか」
魔力切れで横になっている光がそう尋ねると、
十六夜はそのままサンズのほうへ近寄っていく。
「いやぁ、ここまで力が入んないのは想定外だな」
サンズがそういう。
しかし、こういってはなんだが、ここまでぼろぼろでも生きているあたり、
かなりの生命力だとおもう。
「・・・心臓もうないし、どうすればいいと思う?」
「それを俺に聞くのかよ。まぁ、意識薄れてきたってことは、
もう、放置、で、いいん、じゃ、ない、か?」
そういっている間にもサンズはゆっくりと目を閉じていく。
こうして、ギフトゲームは終わったのだった。
最後のほうグダグダ&雑でしたね・・・。
ストスト様、コラボしていただいたのに、
このような終わり方で本当に申し訳ありませんでした。
それでは今回はこのあたりで。