やりたい展開は幾つも有るくせにワンクッション挟みたいがために見切り発車で投稿中。
すまぬ…すまぬ………
『鷺沢書房』
鷺沢
決してBook◯ffのような大手ではないが、昔ながらの古本屋を思わせるシックな作りをしており、昔から年配の方に人気だったそうだ。
耐震耐火の改装を繰り返してはいるものの、木製の本棚と古書の香りに包まれていると日本文学史に名を刻む文豪と時を同じくしているように感じられる…らしい。
常連のオジさんがそう言ってた。店内清掃中の俺に。
俺が彼処で働くのは月、火、木の週3日で、時間は17:00から閉店までの4時間。
自宅からおよそ2分弱で学校の帰り道。給料も良いとなれば、此処で働こうと考えるのは当然の帰結な訳で。
まぁ、鷺沢が店長の親族だって可能性も考えなかったわけじゃないが…
まぁいいか。
取り敢えずクラスメイトが疎らな今、俺がすべきことは…
「鷺沢
「……っはい…!………そのように、お伝えします………………」
…若干声が嬉しそうに聞こえたのは確かだが、勘違いしてはいけない。彼女が喜んでいるのは、俺が店番をすることで彼女が見て回る時間が増えるからなのだ。
「………あの、雨宮さん。…その……えっと……………ぅ………」
「どうした?…別に店番っつったって座ってるだけだし、遠慮せず行ってこいって。」
「………ぃ………せんか………?」
「…ん?」
「…………わ……わたしと一緒に…………周って、くれませんか………?」
…断じて!勘違いを!しては!いけないのだ!
◆
月日は流れ…っつっても2日ほど。
今日は古本市の日だ。
あぁ、ここで言う古本市っつーのは、古本屋のみで行われる
頻度はそれほど多いわけでは無いが、本当にどえらいものが売りに出されると、数千万単位で金が動くこともあるらしい。
…が、
鷺沢からの又聞きになるが、店長が鷺沢書房を始めたキッカケも、増え過ぎた本、読み切った本を世に送り返すためなんだそうだ。
よって、今回も新しい発見を求めて鷺沢は会場を旅するわけなのだが、
「………では……慶文叔父さん………行って…まいります…………」
「ということで、俺も行かせていただきます」
「おう
「………店長、むしろ古本市一周回るだけでどうやって泣かせっていうんですか…?」
「あと、時間になったら文香ちゃん引きずってでも帰ってくるように!」
「………どっちかにしてくれ全く」
まぁ、言いたいことはわかるんだけどな…と心の中で付け足す。
クルッと後ろにターンして歩き出すと、ちょいっと右の袖が後ろに引っ張られる。
「……………っ、手を……繋いで………下さらないと……………はぐれて………しまいます…………」
「…っ、お、おう」
ああもう、
立ち止まって、前を向いたまま何気なく手を繋ごうと鷺沢の手を探す。
見つけて、無造作にパッと掴んだ瞬間、事件は起こった。
「…っ!………っ!?」
鷺沢から、変な声が漏れた。ついでに俺も。
………
案の定、耳は真っ赤に染まり、前髪で俯いた顔はすっかり覆われている。
そのまま視線を自分の右手にスライドする。
…そこには所謂、
訂正:主人公のふみふみの呼び方があやふやだったので統一しました。