忍者、大航海します   作:FG30%

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本日2回目の投稿です


第10話

 

 

 

「じゃあコアラから始めるぞ。コアラ、能力を使ってくれ」

 

「わかりました!」

 

指示を出すとコアラが早速麒麟の姿になる

相変わらず綺麗だな…、って眺めてる場合じゃないな

 

「うおっ危ねっ⁉︎」

 

「コアラ、周りの木とサボが焦げてるから少し電気を抑えてくれ。できるか?」

 

「やってみます」

 

コアラが少し苦戦しながら体から発せられている電気を抑える

この前は角にしか帯電してなかったため、角からしか放電できないと思ったがどうやら違うらしい

 

「動物系特有の身体能力の上昇だけじゃなく電気を操る能力か。能力の扱いに慣れたら便利そうだな」

 

「結構難しいんですが…」

 

「そのための修行だ、焦らずやっていこう。あと身体能力の確認もしておこう。慣れないその姿だと走るのも難しいだろうしな」

 

「そうですね、ちょっと体を動かしてみます」

 

コアラはそう言って走り出すが、やはり普段と違う体に苦戦している

何もない場所でこけそうになってるし、身体能力が上昇したため走るスピードの加減ができていない

 

「っておい!コアラ前!」

 

ヤバい!5メートルほどの巨大な岩にコアラが突っ込みかけてる

その様子に気づいたサボとペローナが止めに入ろうとするが間に合わない

 

「「コアラ!」」

 

俺なら充分に間に合うので助けに入ろうとしているとコアラが大きく跳躍し、軽々と岩を飛び越えていくが様子がおかしい

 

「おおっ随分と身体能力が上がって…る……な?」

 

「な、なにこれ⁉︎マダラさん助けて!下に降りれないよ⁉︎」

 

なんと岩を飛び越えたコアラはそのまま空を走っている

空中を踏みしめ、力強く空を駆けている

 

麒麟は空を駆ける能力まであるのか……

そんな話は聞いたことないが、悪魔の実だし伝説上の生物だから何でもありか

未だに空を走っているコアラを眺めながらそんな風に考えていると

 

「ちょっとマダラさん助けて⁉︎なんで黙ってるの⁉︎」

 

「な、なあマダラさん、さすがに可哀想だから助けてあげて欲しいんだけど……」

 

「どんどん上に上がっていってるぞ……」

 

「それもそうだな」

 

サボとペローナにも頼まれ、俺は土遁の軽重岩の術でコアラのところまで飛ぶ

 

「ほら、落ち着けコアラ。しっかり支えてやるから能力を解いていいぞ」

 

能力を解いて元の姿に戻ったコアラが俺にしがみつく

 

「こ、恐かったです」

 

「まぁこの辺も要練習だな。下に降りるからしっかり捕まってろよ」

 

コアラがこれ以上恐がらないように、ゆっくりと降りていくとサボとペローナが駆け寄ってくる

 

「だ、大丈夫かコアラ?」

 

「すごく恐かった……」

 

「そりゃあんだけ高く生身であがったらな……」

 

「能力に慣れてきたら自由自在に走り回れるだろ」

 

「それにしても、当たり前のように空を飛ぶんだなマダラさんは……」

 

「つくづく規格外だよな……」

 

サボとペローナがなにやら失礼?なことを言ってるが

 

「そんなこと言ってるがペローナだって能力を使えば自由に飛べるし、おそらくサボだって飛べるだろ」

 

「そういえば俺にも羽があったな……」

 

「私だって飛べるっつっても能力を使って、それも生身じゃない状態の話だ!悪魔の実の能力者でもないのにフツーに飛ぶマダラと一緒にすんな!」

 

「そうは言っても飛べるのは事実だろ?」

 

「たしかにそうだが……」

 

こう考えると四人とも能力ありとはいえ空を飛べるとは……

ペローナだって覚醒のステージになれば生身で飛べるようになるかもしれないし、今後の課題にするのもいいかもしれないな

 

「じゃあ次はサボ、お前の番だ」

 

「わかった」

 

サボが能力を使うと背中から羽が生え、明らかに犬歯が伸びた

この前との変化は観られないな

 

「サボは能力を使っても元の姿とほぼ同じだから軽く組手するぞ」

 

俺と少し離れ対峙するサボ

 

「いつでもいいぞ、かかってこい」

 

「ならお言葉に甘えて!」

 

ドンッ!

 

踏み込みで軽く地面が砕け、今までとは比べ物にならないスピードで迫ってくるサボ

そのスピードにコアラとペローナが驚いているが、一番驚いているのはサボ自身だ

 

サボは一瞬驚いた顔をしたものの、すぐに気を引き締めて俺に拳を振るう

が、俺に拳を届かせるにためにはまだ遅い

俺はその場でサボの拳を下に弾くと思ったよりも強い衝撃があった

 

(スピードだけじゃなくってパワーも上がってるな……)

 

俺に拳を弾かれたサボは大きく体勢を崩していたのだが、常人では絶対に不可能な反射速度で体勢を持ち直し蹴りを放ってきた

その蹴りも軽く躱したが、不覚にもこのサボの反撃を予想していなかった俺は蹴りを躱すためについあの目を使ってしまった

 

「おっ!マダラさんその目!」

 

「……ああ写輪眼だよ」

 

油断したとはいえ、こんなにも早くサボ相手に写輪眼を使うことになるとは……

ちなみに俺はサボたちとの組手は見聞色の覇気を使わずに行なっている。今回はそのことが仇となったわけだが

そしてサボが俺に写輪眼を出させたことにコアラたちも驚いている

 

「すごいサボくん……」

 

「だな、マダラにあの目を使わせるって……。あの写輪眼とかいうやつってヤバいやつなんだろ?」

 

「うん、マダラさんが言うには体術を完全に見切れたり、他にも色々と出来るらしいよ」

 

「よっしゃー!話に聞いてたけど、やっとマダラさんに写輪眼を出させることが出来た!」

 

俺に写輪眼を使わせたことが出来たのがよっぽど嬉しいのか、両手を挙げて喜ぶサボ

まぁ自分が成長しているのが実感できて嬉しいのだろう

 

「喜んでるところ悪いがサボ、この目が出てからが本番だぞ」

 

「ああ!まだまだやってやる!」

 

そう言って蹴りと拳を連続で繰り出してくるサボ

しかし、写輪眼を使っているためどの攻撃も俺には届かない

俺はひたすらサボの攻撃を躱し、いなして弾き続ける

 

しかもサボは大きく上昇した自分の身体能力に慣れていないため、普段の攻撃よりも雑になる

また普段と違って背中にある大きな羽があるためバランスがとれないのか、たびたび体勢を崩している

 

その上……

 

「はぁ、はぁ、はぁ……くそっ!」

 

テンションが上がって体力の配分が疎かになっているため、いつもの組手より早く息が上がっている

 

今回はこころが落としどころか……

 

「俺に写輪眼を使わせたご褒美だサボ、耐えろよ?」

 

「なっ⁉︎」

 

ずっと守り一辺倒だった俺が姿を消し、一瞬でサボの懐に入り込む

そんな俺にサボは驚きながら反撃してこようとするがもう遅い

 

「がっ⁉︎」

 

サボの体が浮く威力の蹴りで顎をかちあげ、そのまま空中でサボの背後をとる

そして密着に近い状態で包帯でサボの体を巻きつけ、回転を加えながら高速で地面に向かって頭から落下する

 

「表蓮華!」

 

ドォン!

 

まともに受け身もとれない状態だったが、手加減もしたし今のサボなら大丈夫だろう

その証拠に攻撃の余波で舞い上がった土煙りから現れたサボは目を回しながら気絶していた

 

「サボくん⁉︎」

 

「おいおい、すげー衝撃だったけど大丈夫なのか?」

 

「大丈夫だ。ただ気絶しているだけだからすぐに目を覚ますはずだ」

 

「よかった…」

 

「まぁ、マダラのことだから心配ないだろうけど少し驚いたぞ」

 

「当たり前だ。俺がお前たち相手に命に関わる怪我をさせるわけがないだろ。サボが目を覚ますまで少し休憩にして、それから覇気の修行にしよう」

 

「わかった」

 

「わかりました」

 

それにしても、つい組手でサボを気絶させてしまったので他の能力を確認できなかったな

まぁコアラと違ってある程度予想がつくから、後で確認しとこう

 

 

 

 

 

それからサボは30分ほどで目を覚まし、サボ本人に確認したが体は大丈夫そうだ

するとちょうどよく、俺たちの前方からヤル気満々の象がやってきた

 

「じゃあサボも目を覚ましたし、すぐに覇気の修行に入るぞ。とりあえずあの象と能力を使わないで戦ってみろ」

 

俺に指示された三人は訝しみながら象との戦闘に入り攻撃していくが、すぐにおかしいことに気づく

 

「この象おかしいぞ⁉︎俺たちの攻撃が全然効かねー⁉︎」

 

「ちょっと硬すぎねーか⁉︎」

 

「明らかにおかしいよ⁉︎攻撃も強力だし!」

 

やっぱり強くなったと言っても能力なしでは厳しいか

俺は三人の前に出てあえて象に背をむける

 

「今から実践しながら覇気について教えるぞ」

 

「そんなことより後ろから来てんぞ!」

 

見聞色の覇気を使うと象が鼻を使って上から潰そうとしているのがわかる

 

「鼻で上からの攻撃」

 

俺は口にしながら象の攻撃を躱す

 

「「「えっ?」」」

 

更に象が攻撃を仕掛けてくるが、俺はその場でかがんで躱す

 

「相手の気配をより強く感じる力、それが見聞色の覇気だ。これが使えるようになれば、目に見えない場所にいる敵の位置や数がわかるようになる。更にこのように次の相手の行動が読み取れるようになる」

 

説明しつつ象の攻撃を躱し続ける

 

「次は…武装色の覇気」

 

俺の右腕が武装色の覇気によって黒くなっていく

三人とも食い入るように俺の説明を聞いてる

 

「武装色の覇気は見えない鎧を身に纏うように使う。そしてこの鎧は攻撃にも使える、このようにな」

 

上から俺を踏み潰そうとしている象の足を軽く弾いてやると、ものすごい衝撃が象を襲い、象が大きく体勢を崩す

 

「また武装色の覇気は自然系の能力者も実体として捉えることがてきるため、能力者の弱点をつくことを除いて唯一の対抗策になる。だから本当に強くなるためには見聞色と合わせて必須の力だな。ちなみに武器に纏うことも可能だし、実際に九蛇の戦士たちも使ってる。そして…」

 

俺に腹を立てた象がついに突進してくるが、それに合わせて覇王色の覇気を当てる

 

ズドォォン

 

「……なにもしてないのに象が倒れた」

 

「どうして……?」

 

「……なにをやったんだ?」

 

「最後に覇王色の覇気だ。これは純粋に相手を威圧する覇気だが、実力差のある相手ならこのように気絶させることができる。だが前の二つの覇気とは違い誰もが使えるわけではないため、この世界で大きく名を挙げている者たちぐらいにしか使えない。その上コントロールはできても鍛えることはできないしな」

 

「すごい……」

 

「マダラさん本当にすげー!」

 

「特別っつー割にはやっぱり使えるんだな」

 

「お前たちも覇王色の素質があるかもしれないが、いつ覚醒するか分からないから基本的には見聞色と武装色を鍛えていくぞ」

 

「「はい!」」

 

「わかった」

 

 

 

三人の気合いも充分だし、さぁこれから楽しい修行の始まりだ

 

 

 

 

 







サボの能力についてはまた別の話で書きます

あと質問がありましたがサボの食べた実はバットバットの実とは別物です
報告もらってから存在を知ったんで許してください……


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