続いてこのキャラも加入です
ガレーラに船を依頼し、ルッチとカクに別天神を仕込んでから三ヶ月ほどが経過した
いつものようにサボたちを鍛えていたのだが、そこに一人の分身が現れたので一旦休憩に入る
「急に帰ってきてどうした?」
「いや、掘り出し物を見つけたのでな」
「??」
そう言う俺の分身は脇に一人の少女を抱えている
……この少女が掘り出し物?
「こんなとこまで連れてきて私をどうするつもりよ⁉︎てゆーか、なんであんたが二人もいるの⁉︎」
「少し黙ってろ。事情は記憶をみてくれ」
ボフン
煙とともに消えた分身から経験が還元される
……そういうことか
これは確かに掘り出し物かもしれないが、説明もなしに連れて来たってことは、分身のやつ最初から俺に任せるつもりだったな……
「消えた⁉︎一体どうなってんのよあんた⁉︎」
「マダラさん、どうしたんだその子?」
「新しいクルー候補みたいだぞサボ」
「そうなのか?」
「ああ、そのつもりで分身が連れて来たらしい」
「ちょっと無視しないでよ!」
「まぁ落ち着け。確認するがカリーナでいいんだよな?」
「そうだけど、改めてなによ」
「ただの確認だから気にするな」
カリーナ
ONE PIECE FILM GOLDに出てくる海賊専門の泥棒でナミとは腐れ縁で、機転の良さと言葉を巧妙に使って海賊から財宝を盗むのを得意としている
また、この世界の将来的には歌姫の一面を持つキャラだったはずだ
てゆーかやはり劇場版のキャラも存在するのか……
なぜ彼女と知り合ったのかというとありきたりなもので、東の海で俺が拠点している場所にカリーナが盗みに入った
もちろんカリーナは俺に捕まり、殺さない代わりに事情を聞いていくうちに彼女がカリーナと判明した
簡単に説明するとこんな感じだ
今から鍛えれば機転の良さだけではなく、ナミ以上に強くなることが期待できると思う
そんな有望株の彼女だから分身が連れて来たのだろう
「あんたいったい何者なのよ!いい加減説明しなさいよ!説明もなしに訳わかんない場所に連れて来て!」
「あー、少しずつ説明するから騒ぐな。ちょっとみんな集まってくれ」
俺が声をかけると休憩していた面々が集まり、各々自由に座る
「まず俺の名前だがマダラという。数ヶ月後には海賊になるつもりだが、今の所はただの賞金稼ぎだな。そしてこいつらは俺の仲間であり家族である奴らだ。自己紹介してやれ」
「俺はサボだ」
「コアラよ、よろしくね」
「ペローナだ」
「…トラファルガー・ロー」
「俺はシャチ」
「ペンギンだ」
「アイアイ、俺はベポ」
「……カリーナ」
逃げられないと分かっているのか、俺らの紹介が済むとカリーナもぶすっとしながら紹介してくれた
「他にも二人ほどいるんだが今は留守中だ。そして次にこの島のことだが、グランドラインにあるルスカイナという島だな」
「グランドライン⁉︎そんな所に私を連れて来たの⁉︎」
「そうゆうことになる」
「なんでこんな所に私を連れて来るのよ」
「もちろん俺たちの新しいクルーに誘うためだな」
「私を?私は海賊専門の泥棒よ、それにあなた海賊になるつもりなんでしょ?」
「お前が泥棒だろうが関係ないな。俺はカリーナ、お前のこれからの成長を見込んでスカウトしている。能力があればどうこう言うつもりはない」
「関係ないって……、それに私の成長を見込んでって意味わかんない」
「ごちゃごちゃうるせーな。マダラ、あんたがそいつに何を見込んだのか知らないが、そんなやつ役に立たねーよ」
「はぁ?なんなのよあんた」
「やめろ、ローも余計なことを口にするな。仲間にするかどうかは俺が決める」
「ちっ、わかったよ」
一触即発の雰囲気になりかけたので止めに入る
しぶしぶだがローも俺の言うことを聞き、その場に座りなおす
「話を戻すがカリーナ、お前は俺の所に盗みに入り捕まった。普通なら殺されるなり海軍に突き出されるなりするところを見逃したんだ。破格の条件だと思わないか?」
俺の言葉に少し考えるそぶりを見せるカリーナ
実際は全くそんなことはないのだが、カリーナを仲間に引き込むためにそれっぽい言葉で誘う
そしてカリーナの背中を後押しするように俺は切り札をきる
「それにうちにくれば比較的簡単に財宝が手に入るぞ」
そう言って俺は神威空間から大量の財宝を出す
「なにこのお宝の量⁉︎私が今まで盗んできた量と比較にならないじゃない⁉︎」
「当たり前だ。このグランドラインの中盤辺りまで辿り着いた海賊たちから巻き上げた財宝だ。東の海の海賊と比べるほうがおかしい」
「……もしかして実はあんたってすごいやつなの?」
食いついたな……
「今はただの賞金稼ぎだ。”瞬神”とか呼ばれたりもするがな」
「瞬神⁉︎瞬神っていえば有名な賞金稼ぎじゃない!あんたそんなにすごいやつだったの⁉︎」
「まぁな。それでどうする、俺たちの仲間になるか?別に断ったところで殺したりはしないが」
「……いいわ。あんたについていけば、今よりもっとお金が手に入りそうだし。マダラ、あんたの仲間になるわ」
「本当にいいんだな?俺たちの仲間になるってことは、お前も海賊になるってことだ。海賊になる以上、仲間を裏切ることは絶対に許されない。俺に嘘は通じないし、俺は仲間を…家族を裏切ることは許さないぞ」
「そのぐらい分かってるわよ。あなたに嘘が通じるなんて思ってないし、ましてや”瞬神”を裏切るなんて命知らずなことはしないわよ」
「それならいい。今日からお前も俺たちの仲間で家族だ。よろしくなカリーナ」
「ええ、よろしくねマダラ」
緊張感が張り詰めた空気が弛緩して、穏やかな雰囲気になる
「そう言えばマダラ、あなたって能力者なの?ありえない速さで移動したり二人になったりしてたけど」
「いや、俺は能力者じゃない。少々特別な技は使えるがな。俺たちの中で能力者なのはサボとコアラ、ペローナにロー、あとは留守にしている二人だな。カリーナも悪魔の実食べてみるか?」
「悪魔の実を持ってるの?それよりも私が食べてもいいの?悪魔の実って貴重なものなんでしょ?」
「現状三つほど余ってるな。ベポたちは頑なに断るし、お前にも強くなってもらうつもりだから構わないぞ?」
「三つも⁉︎なんでそんなに持ってるのよ……」
「色々とあってな。それよりもどうする?」
「せっかくだから食べてみようかな……」
「食べるなら覚悟して食えよカリーナ。すっげぇ不味いから」
「たしかに……」
カリーナに忠告するサボとコアラを筆頭に、味を思い出したのか能力者組はげんなりする
「二度と味わいたくねーな……」
「…俺もごめんだ」
「なんで食べる前からそんなこと言うのよ!」
「純粋な忠告だって!」
「みんなカリーナちゃんが心配なだけよ」
「うぅ〜」
サボたちは意地悪で言ってる訳ではなく、純粋に心配されているのでカリーナも怒るに怒れない
カリーナは早くも馴染み始めているようだ
「別に今すぐ決めなくていい。欲しくなったらいつでも言え」
「……分かったわ」
「とりあえず今日はカリーナの加入記念だな。修行は早めに切り上げて夜には宴にしよう」
「「「「よっしゃあぁ!宴だー!」」」」
夜に宴を開くと決まりローを除く男たちのテンションが上がる
「マダラさん、ハンコックさんたちに知らせてきますか?」
「いや、俺が誘ってくるから大丈夫だ」
「ねぇ、ハンコックってまさか……」
「多分想像してるハンコックであってるぞ。王下七武海の一人、女帝ハンコックだ」
「なんでそんな人と知り合いなのよ!」
「なんでもなにも俺の婚約者だしな。そこのペローナも」
「えぇ…、なんか驚きすぎてもう疲れたわ……」
「夜から宴なのに今から疲れてどうする」
疲れた表情をみせるカリーナは『早まったかしら…』などブツブツとつぶやきながら、どこか諦めた雰囲気を醸し出していた
「私もこの非常識な人たちの一人になるのかしら……」
「おい待て、たしかにマダラを筆頭に非常識なやつらだが俺は違う」
「あんただって能力者なんだし似たようなもんでしょ!」
「なに一人常識人ぶってんだロー」
「うるせーぞペローナ」
「そうだそうだ!この中で一番の常識人は俺だろ」
「サボくんもけっこう非常識だと思うけど」
「コアラさんが一番まともだけど、俺らから見れば似たり寄ったりだよな」
「たしかに」
「俺が一番まともだと思う」
「「おめーはクマだろーが!」」
「スミマセン……」
この不毛な言い争いは修行を再開したことで一度終わった
しかし夜に開かれた宴の際に再び話題となり、みんながみんな自分が一番まともだと言い張ったことで軽い喧嘩にまで発展した
カリーナを仲間に迎えクルーの増員もできたので、あとは船の完成とルッチとカクの合流を待つだけ、旗揚げはもうすぐである
なかなか濃いメンツが集まったがその時が楽しみだ
カリーナの加入です
あと二人悩んでるキャラがいるのですが、ひとまず仲間集めはここまでです
次回からはやっと四皇に向けて動き出します