忍者、大航海します   作:FG30%

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閑話をやめて話を進めることにしました
あと今回は少し三人称視点が入ります



第17話

 

 

 

「これでいくつめだ?」

 

「さぁ?たぶん七つめ?」

 

「八つめだよペローナちゃん」

 

「どっちにしたって多すぎだっつーの。なんで短期間でこんなに襲撃されんだよ!」

 

ペローナが愚痴る通り、すでに新世界にやってきてから二週間で七回の襲撃を受け、今さっき八つめの海賊団を潰したとこだ

新世界まできた海賊なだけあって、さすがに今まで相手してきた海賊たちよりも強い

が、それでも俺たちからすれば物足りないため、正直面倒くさいだけの相手であることも否めない

 

「まぁそんなに腐るな。この調子で他の海賊団を潰していけば、襲ってくるやつも減るだろう」

 

「うちの知名度が低いのが問題なんだろーな。威勢よく来るわりにはマダラさんを確認すると一気に慌てはじめるしな」

 

「そうね。人数も少ないから舐められやすいのかしら?」

 

「…サボとカリーナの言うことも一理あるな」

 

「名を売る必要がありそうじゃのう」

 

「暴れればいいのだろう?」

 

カクとルッチが物騒なことを言ってるが、実際その通りにする必要がある

まぁ暴れる場所は選ぶのだが

 

「ルッチの言う通り暴れる必要があるが、暴れる場所はカイドウのナワバリ内でだ。他の四皇を刺激する必要はない。カイドウのナワバリになってる島を落として旗を残していこう」

 

「確実にカイドウがブチ切れそうな作戦だな…」

 

ペローナの心配通りカイドウを挑発させるための作戦である

カイドウのナワバリはある程度わかっているが、本人がどこにいるのかは情報を掴めなかった

そのため、向こうから来させようと考えたわけだ

 

「それにしても俺にも懸賞金つかないかなー」

 

「マダラさんの手配書には驚いたもんね」

 

「初手配書であの額は初めてなんじゃない?」

 

「…実力を考えたらあんなもんだろう」

 

「たしかにのう。ワシらも早く賞金首になりたいもんじゃ」

 

俺の手配書が出回ったことで俺以外が盛り上がっている

初手配書では異例の金額がつけられたことに驚いたが、海軍の最高戦力である大将の一人を落としたことを考えれば妥当かとも納得した

 

サボやカクは自分の手配書が欲しいのか張り切っているし、ローやルッチも口にはしないが確実に気にしている

シャチ、ペンギン、ベポは誰にいくらの額がつくか予想しながら賭けを始めた

 

そんな盛り上がる男どもをよそにコアラ、ペローナ、カリーナの女性陣は自分の手配書には興味ないようで、純粋に俺に懸賞金がついたことが嬉しいようだ

 

手配書はともかく、これから本格的にカイドウと戦争になるだろう

今ならまだ人造悪魔の実であるSMILEも出回ってないはずだし、ドンキホーテファミリーが介入する前に叩いておきたい

 

そんなことを考えながら俺たちの航海は続く

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

 

 

【海軍本部 マリンフォード】

 

 

「センゴク元帥!また一つ落とされたとの報告です!」

 

「またか……」

 

「はっ!監視していた軍艦から確認したところ、二つの杖に六つの勾玉のドクロが確認できたので間違いないかと!」

 

「そうか、報告ご苦労」

 

報告を終えた海兵が元帥室から出るとともにセンゴクが深いため息を吐く

 

「ぶわははははは!派手にやっとるようじゃな、マダラのやつは!」

 

「笑いごとではないわガープ!今週だけでも二箇所、奴が海賊として現れてから約一ヶ月で十箇所もカイドウのナワバリを落としているんだぞ!」

 

「破竹の快進撃じゃな」

 

「カイドウが確実に暁の海賊団を標的にするのがわかりきっている。下手したらとんでもない被害が出るぞ……。それだけじゃない、すでに暁の海賊団には二十以上の海賊団がやられ、海軍も十隻以上の軍艦がやられている」

 

「大将がやられてる以上、中将以上の人間が行かなきゃ無駄じゃろうに」

 

「そのボルサリーノの容体はどうだ?」

 

「重症じゃが回復に向かってるようじゃ」

 

「まったく、奴の名前を聞くだけで頭痛がする」

 

「報告で聞く話だと一味も少人数ながらも粒ぞろいらしいしの!」

 

あまりにも能天気なガープの物言いにとうとうセンゴクがキレた

 

「ガープ!なにを他人事みたいに言っとる!お前がしっかりと海軍に勧誘しとけば問題なかったのだ!毎回毎回、適当に勧誘しおって!」

 

「ぶわははははは!それは無理じゃ!あやつは誰かに縛られるタマじゃないわ!」

 

ちっともこたえないガープの態度にセンゴクがこめかみを抑える

 

「はぁ、だいたい何故CPが奴の船に乗っている?世界政府はなにをやっているんだ!」

 

「旗揚げの時期と世界政府からの情報を合わせて考えると、マダラのスパイだったんじゃろうな」

 

「いったいどこまで計画しているんだあの男は……。今回のことも明らかにカイドウへの挑発行為だ。それが意味する答えは……」

 

「四皇の席、じゃろうな。マダラが権力なんぞ欲しがるようには思えんが、何らかの理由があるんじゃろうな」

 

「他の四皇たちがどう動くか……。特に同じ時代を生きてきた”白ひげ”が動く可能性が高い」

 

「下手したらマダラは四皇二人とことを構えることになるかもしれんな。もしくは三つ巴か」

 

「最悪だ。白ひげまで出てきたら周りの被害が計りしれん」

 

はぁ、と未来のことを憂い再びため息を吐くセンゴク

そのセンゴクを見て笑いながら煎餅を嚙るガープ

対照的な二人の姿が妙に印象に残る海軍本部の一室だった

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

 

 

新世界のとある春島

カイドウのナワバリを荒らしまわっている俺たちは、久しぶりにのんびりしていた

 

この一ヶ月は中々に忙しかった。本当に

事前に調べていたカイドウのナワバリ内にある島を落としてまわり、俺たちの知名度を上げるために他の海賊団を潰しまくった

俺たちの情報を掴んでやって来た海軍の軍艦もついでに沈めておいたが

 

この一ヶ月で嬉しい出来事が他にもある

コアラやサボ、ペローナ、ローの四人が六式のうち、指銃、剃、月歩の三つを簡単にだが使えるようになったことだ

ルッチとカクに比べると練度はまだまだだが、それでも使えないよりは全然マシだ

 

そんな一ヶ月を思い返していると見張りをしていたシャチとペンギンが慌てて走ってきた

 

「た、大変だ船長!」

 

「マズイことになった!」

 

「まず落ち着け。いったいどうした?」

 

「し、白ひげだ!白ひげの船がこっちに向かってくる!」

 

「「「「「し、白ひげ⁉︎」」」」」

 

サボたちは分かりやすく動揺してるし、ルッチやローも明らかに緊張している

それにしても白ひげか……、このタイミングで何の用だ?

 

「全員落ち着け。何の用か知らないが、いきなり戦闘になったりはしないだろう」

 

このまま慌てても仕方がない、向かってくるなら出迎えようじゃないか

 

「これより俺が許可するまで戦闘を禁止する。白ひげの一味には手を出すな」

 

俺は全員がうなづくのを確認して海岸に向かうと、すでにかなり近くまでモビーディック号が来ていた

現実で見ると改めてデカイと感じるな……

そんな風に船を見ていると着岸し一人の巨漢が降りて来た

 

 

”白ひげ”エドワード・ニューゲート

ロジャーと海賊王の座を巡って争った世界最強と言われている男

グラグラの実の能力者で地震を発生させることができる凶悪な能力を持っている

 

その白ひげに続いて

 

1番隊隊長”不死鳥のマルコ”

3番隊隊長”ダイヤモンド・ジョズ”

4番隊隊長サッチ

5番隊隊長”花剣のビスタ”

 

などの隊長格も次々と降りてくる

 

「初めましてだな”白ひげ”。ここに俺がいると知らないで来たわけじゃないんだろ?」

 

「おめぇが”瞬神”とか呼ばれてる小僧か。グララララ、噂通り生意気そうな小僧だ」

 

「それはどうも。世界最強の男にそう言ってもらえるとは光栄だ」

 

皮肉たっぷりに返すと白ひげは更に面白そうに笑うが、周りの隊長たちからは殺気が飛んでくる

 

「俺たちが聞きたいのはただ一つ、お前の最近の行動についてだ。いったいどういうつもりだよい」

 

「”不死鳥のマルコ”か。聞かなくっても分かっているんだろ?俺たちの目的が」

 

「グララララ、本気か小僧?」

 

「本気も本気。俺たちの目的は四皇の席、それにしか興味はない」

 

「なら俺たちともやろうってのかよい?」

 

「白ひげ海賊団とことを構えるつもりはない。何のために俺たちが暴れる場所を選んでいると思っている。まぁ、そっちがやる気なら話は別だが」

 

俺の最後の一言で一気に緊張感が増す

 

「グララララ、その人数で俺たちとやり合えるつもりか?」

 

「みくびるなよ白ひげ。家族を守るためなら世界最強だろうが何だろうが絶対に潰すぞ」

 

俺と白ひげが睨み合い、更に空気がピリピリしていく

この空気はベポたち三人とカリーナには少し厳しいか

なんて考えていると白ひげが先に口を開いた

 

「ふんっ、まったく生意気な小僧だ。カイドウのことなら好きにしろ。俺たちが介入することはねぇから存分にやんな」

 

「はなからそのつもりだ。わざわざそれを言いに来たのか?」

 

「親父が一目見ておきたいって言うから来たんだよい」

 

「そうか、近いうち同じ四皇の一角になるからよろしく頼むよ」

 

「なんて物言いだよい……」

 

マルコが何とも言えない表情をしている

いや、マルコだけじゃなくて白ひげ以外の全員が同じ表情だ

 

「グララララ、そのぐらいじゃなきゃ初手配書であの額がつかないだろ」

 

「確かに異常な額だったよい」

 

「まぁ色々あってな。それより一杯どうだ?このまま帰らせるのもあれだしな」

 

「ちゃんといい酒があるんだろうな」

 

「安心してくれていい。世界中の酒を揃えてるつもりだ」

 

俺も一応それなりに酒を飲むため、色んな酒を集めているので一つぐらい気にいる酒があるだろう

ただ心配なのは量が足りるかだ……

見るからに白ひげは飲むだろうし、海賊なだけあって他の奴らも大量に飲むと予想される

 

「グララララ、宴だ息子たちよ!さっそく準備に取りかかりやがれ!」

 

ウォォォォォォォ!

 

白ひげの一味はすでに宴一色の雰囲気で盛り上がっている

この辺の切り替えはさすがに早い

まだ緊張しているうちのメンバーとは大違いだが、まぁ飲み始めてしまえば緊張も和らぐだろう

 

「コアラ、カリーナ、他の奴らと宴の準備を始めてくれ」

 

「は、はい」

 

なんにしても白ひげと険悪にならなくて良かった

最悪のパターンとして白ひげとことを構えることも考えていたが、なにもないならそれがいい

 

それに黒ひげの存在も確認できた

だけど今すぐ手を出すわけにはいかない。頂上決戦で確実に仕留めるために今は泳がせておく

飛雷神のマーキングはつけておくがな

 

 

様々な思惑がありながら、こうして暁の海賊団と白ひげ海賊団の宴が始まった

 

 

 

 







指摘があってから知ったのですが、船の名前が原作の船と被ってる……
余裕があれば修正していこうと思います

黒ひげは白ひげ海賊団を裏切るまで泳がせるつもりです


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