初めての投稿ですので至らない点が多々あるかと思いますが、よろしくお願いします。
「ふぅ…、また明日な。」
ひとこと口にして一軍の人たちは、
すっきりしたような表情を浮かべて、この部屋から連れ立って出ていく。
これで今日の
私はゆっくりと体を起こすと、ベトベトして気持ち悪いものを顔から拭い取り、軽く身なりを整える。
「うっ、臭い…」
それに匂いもきつい、生臭い感じがする。
ほぼ毎日のように繰り返されるこの行為。
最初は怖くてたまらなかったけどそれも一回目だけ。
それまでの殴られたり蹴られたりされていた時に比べれば、
痛いのも長引かないし、気持ち悪いのを少しの間我慢すればいいだけ。
時間にすれば1時間ほどを我慢すればいいだけなのだから、それと比べると幾分マシだ。
この臭くて気持ち悪いのを水で流したら、いつもの仕事に戻らないと。
改めて服に乱れがないか確かめ、鉄の重い扉を押し開く。
扉を最後まで押し、少しだるさの感じる体で廊下に出ると見慣れた顔がそこにあった
「…雪華。」
「どうしたの、ビスケット。仕事はいいの?」
「…うん、今は休憩時間だから。」
それだけ言うと、ビスケットは辛そうな顔をする。
いつもそうだ。
必ずさっきの
名前を呼んでは辛そうな顔。
なんで、いつもあなたは辛そうなの?
ほんの少し痛くて、気持ち悪くて、臭いだけで
短い時間我慢するだけですぐに過ぎ去っちゃうからどうってことないのに。
「そっか。じゃ、急いで気持ち悪いの流してくる。休憩時間が終わるまでには戻るから。」
「わかった、みんなと一緒に待ってるから…」
無理矢理な笑顔を浮かべるビスケットに背を向け、水場に急ぐ。
軽く走ると、私の体についたベトベトから匂いが鼻に届く。
なんかいつもより匂いがきつい気がする…。
早く流してこよ。
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「くそっ!!!」
彼女の後姿を見ながら、僕は今日も何も言えなかったと後悔をし、思わず廊下の壁を殴る。
彼女、雪華・エタナが一軍の男たちの
毎回、こうして自分の自己満足のためだけに終わるころにこうして顔を見せる。
本当に、自分の情けなさに嫌気がする。
「なんでこう、僕は弱いんだ……!」
「お前は弱くなんかねぇよ、ビスケット」
「俺もそう思う、ビスケットは強いよ」
そんな声に顔を上げると、そこにはいつも頼りになる仲間がいた。
「オルガ…、三日月…」
どんな時でも前を向いて進み続けるオルガと、
前に進むためだったらなんだってできる三日月。
本当に、2人にはいつも助けられてる。
特にオルガは、ほかの仲間がつらい時には必ず矢面に立ってそれを受け止めてくれる。
最高で最強の仲間だ。
そんな2人が僕を弱くないって言ってくれてる。
すごくうれしくて、もしかしたら本当に弱くないのかもしれない、けど。
「けど…!現に僕は!あの子に!雪華に何もしてあげられてないんだ!」
「なぁ、ビスケット。何かって、なんだ?一軍の奴らに掛け合って、雪華で慰めるのをやめてくれって頼むつもりか」
「……」
「もしそうなら、俺はそれをさせるわけにはいかねぇ…」
「ッ!オルガっ!!」
その言葉を聞いた瞬間、勢いに任せてオルガの胸ぐらを掴みあげる。
それに構わずオルガは、僕に対して言葉を続ける。
「そんなことをしてみろ!運よく雪華への慰めをやめさせられたとして、俺たち参番組に対するあたりはもっと強くなるぞ!!最悪、雪華だってもっとひでぇ目に合うかもしれねぇ…。」
「…ッ!でも!」
「だからッ!頼む、ビスケット…!もうしばらく辛抱してくれ……!」
そう言ってオルガは、胸ぐらを掴む僕の手を力強く握る。
その手は微かに、震えていた。
それだけでわかった、わかってしまった。
オルガみたいな仲間を大切にしている奴が、雪華を助けたくないなんてそんなこと思うわけないのに…。
「…ごめん。」
「構わねぇよ、気にすんな。お前の気持ちは理解してるつもりだからよ。」
ゆるゆるとオルガの胸ぐらから手を放す。
なんて僕は、小さいやつなんだろう。
雪華を助けたいって思ってるのは自分だけで、みんなもそう思ってるなんて少しも考えなかった。
ましてや、もどかしい思いをしてるのが自分だけだなんて勘違いして…。
「ねぇ、ビスケット。俺、難しいことわからないけどさ」
いままで、一歩離れたところで僕とオルガの様子を見てた三日月が一歩前に出て、僕に語り掛ける。
「困ってることとか、何とかしたいことがあるならそれはもう俺らの問題だよ。」
「三日月…。」
「だって仲間でしょ?ビスケットの問題は俺ら仲間全員の問題だよ」
「ミカの言う通りだ!だから、ビスケットお前は少しでも雪華の傍にいてやってくれ。アイツに、お前は一人じゃねぇ!俺ら参番組がついてるぞ!って支えてほしい。」
三日月とオルガはそれを告げると、僕に対して頭を下げる。
ホント、この二人はずるいや…。
こんなに頼もしくて頼りになる仲間が、こんな弱くて小さい僕なんかに『頼む!』って頭まで下げて。
そんなの断れるわけないじゃんか。
「うん、わかった。任せてよ、オルガ、三日月。」
「助かるぜ、ビスケット。もう少しだ、もう少しで何かでけぇことが起こる。そんな予感がするんだ。それまでの辛抱だ。そん時は」
そこまで言って、オルガはいつものように僕らに勇気を出させてくれる顔をする。
こいつについていけばどんなことでもできる、そんな気にさせられる最高の笑顔を浮かべて、オルガは続きを口にする。
「アイツら一軍の奴らにしっかりとケジメつけさせてやるぞ!頼むぜ!、ミカ!ビスケット!!」
「うん!」
「あぁ!」
読了ありがとうございました。
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