今回も同じく同時連載『天空の富嶽』と同時投稿と言う豪華版です。
なお、事情により海戦は次回に変更します。
改めて御了承ください。
そして架空戦記ならでは、今回はオリジナル護衛艦も登場します。
私なりの、SEALsワールドでもあります。
いつも通り、最後まで楽しめて頂ければ幸いです!
では、本編であります。どうぞ!
翌日 時刻 0800
鎮守府埠頭
朝食を取り終えた提督・古鷹たちは国旗掲揚(軍艦旗も含む)とともに、国歌斉唱を行う。
海軍伝統であり、戦中でもこの伝統行事は欠かせない。
国歌斉唱は愛国心と艦隊士気を高揚に伴い、今上天皇や英霊たちのために敬意を込めて斉唱する。
そして国旗(軍艦旗)に対し、挙手の敬礼を行う。
停泊中の護衛艦にも、軍艦旗が掲げられる。
因みに日没までの時間はむろん、航海中は常時、艦尾の旗竿ないし斜桁(ガフ)に軍艦旗を掲揚される。
戦闘時においては、護衛艦のメインマストに戦闘旗の掲揚が行われる。
日本海軍だけでなく、永きに渡る海軍道を導いてくれた英国海軍や米海軍、そして各国の海軍による誇り高き海軍の伝統は今日まで強く受け継がれており、そのリーダーシップと揺るがない意志と信念とともに進み続けている。
彼らを倣い提督たちは各護衛艦に乗艦、古鷹たちも艤装を装着させて出撃準備を整える。
「ねぇねぇ、ハルナお姉ちゃん?」
「どうしたんだ。睦月、それにみんなも……?」
出港準備をするハルナたちに、睦月たちが訪れた。
睦月たちの手には、彼女たちの髪色を模倣したリボンで結ばれたラッピング袋を持っていた。
「これ、睦月たちからのプレゼントにゃしぃ♪」
「如月たちみんなで、作った手作りプレゼントよ♪」
「弥生も……頑張って、作りました……」
「うーちゃんたちのプレゼント、受け取るぴょん♪」
「ありがとう、大切にするよ」
ハルナは、ニッコリと笑い睦月たちのプレゼントを受け取った。
「僕たちこと忘れないでね!」
「水無月たちといっぱい遊んでくれて、ありがとね。…えへへへ…なんだか照れるねぇ」
「文月たちの思い出、忘れないでね〜」
「うん、もちろん。私たちは友達だもの!」
マヤは皐月と水無月、文月を撫でた。
「ヨタロウも忘れるなよ」
「柄じゃないのだが…菊月たちからのプレゼントだ」
「蒔絵さんも向こうの世界でもお元気で!」
「あたしらのこと、忘れんなよ〜」
「ああ、この私の武勇伝も忘れるなよ」
「うん、ありがとう。睦月ちゃんたちも元気でね!」
『うん!!!』
お互い微笑み合い、握手を交わして、彼女たちは笑顔で迎える。
泣いて別れるよりも、笑顔で迎えることをモットーとしている。
別れることは慣れない、いつの時代でも、例え異次元の世界の彼女たちでも、そして誰にでもある気持ちである。
だからこそ笑顔で『また逢おう』と言い、旅立つ者たちを見送ることを大切にしている。
「睦月たちの言葉の次は我々だ」
「私たちのプレゼントもありますよ♪」
「提督、古鷹。それにみんな……」
「私もキミたち逢えて本当に良かったよ」と元帥。
「おいおい、俺たちも忘れちゃ困るぞ?」と天龍。
「うふふ、天龍ちゃんたらっ♪」と龍田。
「遅れてごめんなさいね」と鳥海。
提督・古鷹たちとともに、元帥を含めて鎮守府に所属している艦娘全員がプレゼントを渡した。
なおエンジニア提督たちは、夜明けが来る前に早く現場に出港したため、彼らから預かっていたプレゼントも提督たちは手渡した。
プレゼントの中身は、日用雑貨や食糧などと様々なものだった。
なかでも芸術的なものが、クレヨンだけで繊細に描いた文月のイラストだったのは一番驚かせたのだった。
無事にプレゼントを渡した一同も睦月たちと同じく、握手を交わす。
「それじゃあ、俺たちも出港しよう!」
『おぉーーー!!!』
提督は艦隊指揮護衛艦こと、DDGミサイル《ふるたか》型護衛艦の2番艦《あしたか》に乗艦して指揮を執る。艦番号はDDG-180である。
因みに《ふるたか》型護衛艦の1番艦《ふるたか》は、元帥の鎮守府で停泊している。
本艦は、前級《あたご》型護衛艦の後継艦として建造された海自の最新鋭護衛艦である。
艦名は重巡洋艦《古鷹》と同じく、江田島の海軍兵学校そばにある古鷹山から由来される。
2番艦《あしたか》は、愛鷹山から由来された。
《ふるたか》型護衛艦の開発当初は、海自の最新鋭ミサイル護衛艦―――8200トン護衛艦として立案された。
開発が進行するに連れて、計画当初よりも上回る規模と排水量を有し、外観は巡洋艦並みの大きさに建造されたことにより、元帥たちから『日本海軍の重巡洋艦《古鷹》に相応しい』と名付けられた。
深海棲艦出現後、海自は海軍として復活とともに、各護衛艦群や他の補助艦艇などは元帥の命により、各鎮守府の指揮官搭乗艦ないし、後方支援艦艇として今日も各海域で活躍し、古鷹たちとともに日本を護っている。
兵装は前級《あたご》型護衛艦と同様に、Mk 45 5インチ砲や前後部に対空・対艦・対潜・対弾道弾・巡航の各種ミサイルを混載するVLSなどはむろん、同ミサイル護衛艦(イージス艦)である《こんごう》型や《あたご》型護衛艦が搭載している多機能レーダーAN/SPY-1D(V)や中核的な装備であるイージス武器システム(AWS)など搭載機能も向上しており、両艦を凌駕するとも言われている。
艦載機は海自が運用するSH-60K哨戒ヘリとともに、新たに無人偵察機《スキャンイーグル》も追加されたことにより、海上偵察も向上した。
他に追加された装備は―――
Mk.38 25mm単装機関砲 2基
Mk.15 20mm機関砲 CIWS 1基
M2 12.7mm重機関銃 4基
M240 7.62mm汎用機関銃 2基
などと言ったあらゆる支援火器が追加されたことだ。
これらの搭載理由は通常兵器でも深海棲艦に対処可能に伴い、各海域で密輸や敵対行動などを行なう不審船を攻撃するために運用している。
実際にソマリア海賊船に米海軍を中心とする多国籍海軍や海自の護衛艦派兵の際でも有効と見なされ、以後は各艦船に装備されることが決定された。
提督の場合は、某有名な海外ドラマに登場する架空艦《ネイサン・ジェームス》をモチーフにしている。
提督たちは海外ドラマをよく見ることがあるため、このアイデアを参考にした。
また幸運にも20XX年には、航空機から各護衛艦までが装備・搭載可能となった日本版《トマホーク》巡航ミサイルの運用も制式採用が行われ、これにより大幅に攻撃力が増えたことは喜ばしい出来事だった。
寧ろ早く制式採用していれば、抑止力として亡き反日三ヵ国も牽制することも出来たため遅すぎたとも言えるが、敵泊地などアウトレンジ戦法が出来ることは心強いと言う結果を結んだ。
だが、この国独自の軍事アレルギーなどの様々な左翼病を患う左翼は『自衛隊が核弾頭搭載ミサイルを装備した』と慌てふためいたが、このご時世に彼らを支持する者はいないに等しかった。
寧ろ抑止力を保有すべきだと気付かされる切っ掛けを与えてくれたと深海棲艦と、蛙の楽園のように無抵抗主義の平和ボケの彼らに感謝すると言っても良い。
支持者がいたとしても少数人数であり、彼らの常套手段でもあるフェイクニュースは通じず、同じく反日マスコミによる水増し世論も呆気なく論破された。
提督世代の多くは、テレビよりもネットで情報を得ることが当たり前な時代である。
偏向報道主体のテレビ局は倒産しており、保守系番組が報道されることが多くなったのである。
現状に戻る。
「古鷹たちも、ハルナたちも準備は出来たか?」
「はい、みんな準備完了しました!」
「もちろんだ、提督」
「相棒も偵察任務、頼むぞ」
「任せとけ!」
一同は準備完了、と返答する。
今回の編成は機動部隊中心の連合艦隊とともに、支援艦隊とともに出撃する。
なお支援艦隊は、近年新たに試験運用もされたため、今回の場合は支援砲撃に特化した支援艦隊を行う。
航空支援は空母中心に、支援雷撃は水雷戦隊が実施すると言う方針である。
護衛艦《あしたか》に乗艦する提督は艦隊指揮及び支援攻撃、ハルナたちの護衛を務める。
第一艦隊旗艦は青葉。
僚艦は衣笠、初月、赤城、加賀、大鷹。
主に支援砲撃ないし防空に、航空支援を務める。
因みに、提督たちの頼もしい相棒こと《震電改二》は青葉が装備している。
第二艦隊旗艦は加古。
僚艦は川内、阿武隈、睦月、如月、鳥海。
主に前衛や対潜警戒任務などを務める。
また、加古と鳥海が支援砲撃で攻撃力を補う。
支援艦隊旗艦は古鷹。
僚艦は扶桑、山城、長月、菊月、龍鳳。
提督と第一、第二艦隊の後方支援を務める。
二二号水上電探改四など、水上電探で命中率を高めるなど徹底的に施している。
なお、夕張率いる待機組は鎮守府の警備ないし元帥の護衛を務める。
各戦闘ヘリや戦闘車輌部隊に伴い、憲兵隊も周囲警戒を張っている。
鎮守府を常に重武装・装備で警戒態勢を張ることは重要不可欠且つ、慢心を忘れないためでもある。
史実でも緒戦による連戦連勝で出来た慢心のせいで、米軍は起死回生を計るために実施した作戦『ドーリットル空襲』が起きたのである。
日本本土などに被害を与えたと同時に、日本軍に与えた衝撃も極めて大きかった。
その後、大本営と上層部たちが下した攻略作戦――MI攻略作戦を実施してしまったのは言うまでもない。
この際に重武装で海上警備ないし、常に偵察機による上空警戒を怠っていなければ、この空襲を未然に防げていたかもしれない。
提督たちも歴史を学び、このように対応している。
また資材はケチらずに、支援も惜しみ無く運用する。
歴史で基本的な戦略や戦術を臨機応変に、そして先の大戦で英霊たちが残してくれた数多くの教訓を活かすことにより、提督たちは必ず戦略的勝利を勝ち取っている。
「元帥、行ってきます」
「ああ、無事成功を祈る」
元帥と、夕張たちは埠頭で提督たちを見送る。
夕張たちは提督に見倣い、出撃時は必ず見送り、武運とともに、そして全員帰還を祈る。
全員帰還こそ最善且つ、最良の戦略的勝利。これ以上の最高の勝利はない―――元帥たちの意志とともに受け継がれている。
「全員敬礼!」
元帥の言葉に、全員は敬礼する。
短い敬礼を終えた提督たちは、元帥たちに見送られ出港する。
「……みんな、武運を」
彼らを見送った最中―――
「……嘘!」
「どうした、間宮?」
元帥が尋ねた。
間宮は普段は伊良湖とともに、間宮処や食堂を営んでいるが、緊急時は通信兵や軍医として艦隊の重要な役割も担っている。
「エンジニア提督から打電をキャッチ。 “巡回していた海保の巡視船部隊が壊滅”……」
「壊滅だと!?」
「なお “我これより友軍艦隊の救助に伴い、撤退の援護する”と……」
「敵は深海棲艦なのか、それとも……」
元帥が問いかけた。
「傍受によると、謎の装甲艦に伴い、提督の鎮守府に来たデモ隊が攻撃をとの情報が!」
間宮の最新情報を聞き、驚愕した。
何らかの原因で護送した警官隊が事故に遭い、脱走した挙げ句、何者かが老人率いるデモ隊に兵器を貸与したと推測した。
まさか、自分が更迭したイケメン提督だとは知る由もなかった。
「……仕方ない。提督にも今すぐ送れ!また作戦海域近くの鎮守府にも可能な限り援護しろ!と通達しろ!」
『了解しました!!!』
間宮はむろん、夕張たちも後方支援に徹する。
元帥も作戦参加に伴い、蒼空を見て呟いた。
「……今日は、いいや……今日も長い一日になりそうだな」
今回登場したオリジナル護衛艦こと、《ふるたか》級護衛艦のモデルは、現在海自計画の《8200トン型護衛艦》をモデルにしています。
一部は『ザ・ラストシップ』の兵装に伴い、和製版《トマホーク》ミサイルも装備しています。
最新鋭護衛艦も年々では重巡洋艦並みの大きさを誇っていますゆえに、今年の呉で運良く見ることが出来た最新鋭ヘリ搭載護衛艦《かが》も加賀と同じですから、必ず同じように奇跡が起こると思います。
因みに《あしたか》は、漫画『戦海のテティス』に登場したオリジナル重巡洋艦《愛鷹》を参考にしました。
なお、今回の作戦は緒戦から連合艦隊編成です。
支援艦隊は、今回のイベントで実際に試した編成を参考にしています。
古鷹たち旗艦で、敵艦葬っています。爽快です。
そして本編には描きませんでしたが、今日は開戦日であります。
真珠湾攻撃に参加した英霊の方々に敬礼を。
さて次回は、今回予定だった海戦です。
架空戦記並みに激戦を繰り広げますのでお楽しみに。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
次回からも、お楽しみに。
それでは第26話まで…… До свидания((響ふうに)