今回はサブタイトルに、中身があっているようなないような……
衣笠さんメインの某映画タイトルと思わせるようでもあるような、ないような……
難しく考えてはいけませんね。
それでは改めて……
本編であります。どうぞ!
「今日は間宮・伊良湖さんの共同開発したお菓子が完成したから、みんなに食べてほしいと張り切っているから楽しみだね〜♪」
「ああ、そうだな」
提督と、今日の秘書担当・衣笠はこの日をとても楽しみにしていた。
因みに古鷹・加古は赤城たちと共に鎮守府近海の戦闘中であり、青葉は演習組の引率等を努めている。
なお、双方とももうすぐ帰投するとのことである。
根を詰め過ぎては体に毒であり、休憩が必要である。
提督は古鷹たちと最前線に出て戦うことはもちろん、あらゆることで彼女たちのために無理をし過ぎてしまうことも少なくない。
だからこそどんな時でも、こうしてみんなと過ごすことを大切にするのだ。
埠頭――
提督・衣笠が辿り着くと、古鷹たち全員が帰投した。
『みんな、おかえり!』
「ただいま。提督、衣笠」
「ただいま〜 。全員無事に帰投したよ〜 」
古鷹・加古率いる攻略艦隊が帰投した。
提督はともに出撃するときは護衛艦に乗艦して指揮を取る。
しかし出撃ができない際は、無人攻撃機《プレデター》で偵察または支援攻撃を行ない、そして古鷹たちに的確な指示を送る。
今回は後者なので、全員無事帰投は何よりである。
誰かを失う代わりに得る勝利は勝利ではなく、敗北に等しい。
だからこそ誰かがひとりでも中破ないし大破したら撤退することは心掛けている。
「今日は敵輸送船団を殲滅しました」
「今日も損傷はなしだよ、提督♪」
古鷹と加古とともに出撃したのは鳥海と天龍と――
「そうね。今回も古鷹さん、加古さんがMVPを取りました」
赤城と同じ一航戦で、赤城の相棒として活躍する加賀型1番艦の加賀である。
攻略が難しい海域では赤城と同様の高火力を活かした攻めや、練度の高い烈風や紫電改で防空に回る守りなどを得意とする。
「古鷹さんたちのおかげで、私も大活躍したわ」
扶桑型1番艦の扶桑である。
この艦隊のなかでも古鷹たちと同じく古参兵のひとりであり、支援砲撃では絶大な火力を誇るだけでなく、古鷹たちの良き相談相手でもある。
古鷹たちがした作戦―― 敵輸送船団の襲撃し、深海棲艦の輸送ルートを遮断すると言う重要な作戦『ろ号作戦』である。
提督と古鷹たちは積極的に敵艦だけでなく、敵の補給基地を奇襲しており、敵も資材や食糧供給チェーンが、次第に低下している。
彼の場合は敵の補給、つまりシーレーンを遮断すれば好機は生まれてくると熟知している。
これは正しい。敵は資材を失えば、戦力維持ができなくなり、撤退せざるを得ない。
史実では日本海軍が敵輸送船団を破壊することはなかった。
ことを考えれば、戦略上は大きく戦況を揺るがすほどとても重要なことである。
ドイツのUボート部隊は積極的に通行破壊条約を一時的だがイギリスの国力を干上がらせた。また大戦中期ないし後期には米海軍も潜水艦部隊群を太平洋や東南海域などに配置し、日本の輸送船団を撃沈し、日本のシーレーンを完全に断たせた。
ニミッツ提督も戦後、自身の回顧録で日本海軍は、伊号潜水艦という傑作潜水艦を持ちながらもこれを実行しなかったことについて、日本海軍の七不思議のひとつとして取り上げている。
伊号は元々『艦隊決戦主義』にこだわった日本海軍により、艦隊と行動できるように大型にしてしまったため、ドイツの小型潜水艦のように通行破壊条約向けを開発しなかったのが仇となったのも無理はないが……
現代ではこの失態を教訓として、積極的に行なうことを重視しているおかげで今の戦況もそれなりに安定しているものの、慢心は禁物であるため、こちらとしても油断はできない。
現状に戻る。
「そして今日も古鷹さんと加古さんがMVPを取りましたよ、司令官さん」
「そうか、報告ありがとう。鳥海」
鳥海の報告を聞くと、古鷹と加古は抱き付いた。
「提督、古鷹にテイトクニウムの補給お願いします♡」
「あたしもたくさん補給するからな〜♡ 」
ふたりに続いて、衣笠も抱き付いた。
「衣笠さんも秘書頑張ったからたくさん補給するね〜♡」
「分かった、俺も今から補給するからな////」
提督の言葉に、古鷹たちは頷き、帰投後のテイトクニウムを補給する。
提督も同じく古鷹たちからオク酸を補給する。
「ほんと、夫婦愛が強いとスゴイな」
「司令官さんと古鷹さんたちの愛は不滅ですね」
「そうね、見て微笑ましいわ」
「うふふ、本当ね♪」
他愛もない弄りで照れる提督を見て、全員が微笑んでいた時だ。
「司令官、ただいま戻りました!」
「おかえり、みんな」
「はい、ただいまです♡」
タイミング良く青葉たちも帰投した。
なお青葉は帰投すると、いつも通り敬礼をする。
「青葉も今から補給しますね♡」
青葉も抱き付き、テイトクニウムを補給し、提督も再び古鷹たちからオク酸を補給する。
甘えてくる子猫のように可愛いなと提督は順番ずつ頭を撫でた。
「青葉、演習はどうだった?」
提督は尋ねた。
「ああ〜、えっと、ですねぇ……」
何だろうなと気がかりになっていた提督たちが思うと……
「報告は大切ですよ、青葉さん」
赤城が答えた。
彼女が答えるとなると、的外れの予想……もしかして悪いことがあったのかなと心配した。
「どうした、体調でも悪かったのか?」
提督は尋ねると、青葉は答えた。
「そ……それが潜水艦ばかりでしたぁぁぁ! 出撃前は空母旗艦の機動部隊って貼り出されていたのに、演習場に辿り着いたら潜水艦隊ばかりでした、幸いにも一組だけ軽空母旗艦と駆逐艦で編成された快速部隊はいましたが……」
「確かにそうですが、青葉さんの的確な指示のおかげで辛うじて勝てましたよ」
落ち込む青葉に対して、赤城はフォローした。
「青葉さんのおかげで、僕もMVPをたくさん取ったよ!」
赤城の傍にいて笑顔で自慢したのは、睦月型5番艦の皐月。
ボーイッシュで元気いっぱいな艦娘で、睦月型のムードメーカーでもある。
明るく無邪気なところが可愛いのが魅力である。
「水無月も大活躍したよ、えへへ♪」
皐月の傍で笑顔を見せているのは、睦月型6番艦の水無月。
お淑やかさとは無縁なガキ大将気質ではあるが、その分だけ面倒見の良い。
「青葉お姉ちゃんたちも頑張ったから、司令官もいっぱい褒めてね〜」
間延びな口調で答えたのは、睦月型7番艦の文月。
しみじみと幼げな物言いが多く、艦隊の癒し系でもある。
「私も気にしていませんよ。提督が用意してくれた瑞雲12型のおかげで潜水艦部隊を中破できました♪」
そう言うのは扶桑型2番艦の山城である。
扶桑と同じくこの鎮守府の古参であると同時に、扶桑と同じく古鷹たちの良き相談相手でもある。
「俺が悪かったな。すまない、青葉」
提督は青葉を撫でながら謝った。
演習では稀に嫌がらせ編成を行なう悪趣味な提督もおり、練度を上げないようにすることもあれば、いきなり横暴な権限で編成を変える者もいる。
彼女たちは悪くない、寧ろそういう提督たちの本性も見える。
「青葉なら大丈夫ですよ、演習相手の魚雷は全て回避できましたから」
「俺のミスだ、気遣わせてしまってごめん。いくら青葉の練度が高いと言っても手出しできないのは嫌だろう」
「それは……////」
「元帥に頼んで、今回のような出来事が起きないように届け出るから。次は安心して演習で活躍できるぞ」
「司令官……♡」
「もちろん古鷹たちだけでなく、みんなも同じだ」
提督の言葉を聞いて、一同は頷いた。
以前に比べて、こうして正直に言えるようにもなったのだ。
古鷹たちがいるからこそ、ここまで全員練度も高いが、絆も深いのだ。
「さて!それじゃあ、あれこれ話が詰め込んでいるところで間宮さんのところに行こう。
今日は新作デザートができたから食べに行こう」
提督と古鷹たちは無事補給を終え、全員にそう告げる。
古鷹たち全員は、笑顔で『はい♪』と答えた。
各自補給と装備確認した後、間宮さんたちが待っている『甘味処・間宮』に楽しみにしつつ集合した。
柱島泊地鎮守府内・甘味処『間宮』
『ごちそうさま』
提督たちは手を合わせ、感謝の気持ちを込めて言った。
新作スイーツを食べた全員は戦意高揚状態に伴い、疲労も吹っ飛んだのだ。
『お粗末様です♪』
間宮・伊良湖も全員が綺麗に食べてくれたことが何よりも嬉しいからだ。
料理人にとってこれほど嬉しいことはない、自分の作ってくれた料理を残さずに食べてくれることは何よりも生き甲斐でもある。
職人冥利に尽きるとは、まさにこの言葉どおりである。
「どうでしたか、新作デザートは?」
間宮たちが作ったのは両面をふんわり焼き上げた本格的なドラ焼きを、つぶあんではなく、なめらかな小倉クリームをたっぷり包んだ新作ドラ焼きである。
和菓子と洋菓子を合わせたようなものであるが、まだ名称はない。
「ああ、美味かった。生地もふんわりとして、中の小倉クリームがなめらかで良い塩梅をしていたが……」
『……が?』
間宮・伊良湖は口を揃えて答えた。
提督は温かいほうじ茶で喉の渇きを潤して、答えた。
「少しだけだが、香りが足りない」
味も申し分ないものの、ひとつだけ足りないものがあった。
それは香りだ。
和菓子にしろ、洋菓子にしろ、どの菓子類でも鼻腔をくすぐる香りは命とも言える。
これがある事で脳を刺激して、食欲を増すことがある。
「う〜ん、できる限りはしたのですが難しいですね」と間宮。
「そうですね、私たちでも考えたのですが……」と伊良湖。
「俺のミスでもあるから、時間がある時に考えなければな……」
深刻そうな提督たちを見て、衣笠は手を上げて答えた。
「難しく考えないで良いんじゃない、香りならこの島に手に入るから」と衣笠。
「そうそう、提督もあたしらも昨日食べたものを使えば良いんじゃないか」と加古。
「そうだね、あれならば使えそうだね♪」と古鷹。
「はい、使えるかもしれません」と青葉。
『……この島に手に入る香り?』
提督たちは口を揃え、昨日の食事を思い出した。
朝食は加古・青葉が早起きして作ってくれたミックスサンドとコンソメスープ、シーザーサラダ、フルーツヨーグルト。
昼食は日替わり定食(鶏肉の照り焼き定食)。
夕食は古鷹・衣笠が海鮮ミックスフライ御膳。
朝昼夜どちらも同じく食べたデザート、元より果物が……
『そうか、みかんだ!(ね)』
提督たちはもう一度口を揃えて答えると、古鷹たちもその通りと頷いた。
みかんならばこの柱島ならではの名物(特産)であり、今では1年中入手しやすい。
「ありがとう。古鷹、加古、青葉、衣笠……それじゃさっそく実行しよう」
『はい♡ 提督(司令官)♡♡♡♡』
戦意高揚状態の古鷹たちを見た間宮たちは、さすがねと微笑んだ。
閑古休憩――
「さあ、今度こそ完成だ」
色々考えた末、みかんエキスを隠し味にし、それを小倉クリームに練り込むことにした。
そうすると柑橘系の香りが程よく香り、食欲を増進させる。
その結果、みんなから『より美味くなった』と大好評となった。
名称は『柱島のでかドラ』と名付けられて、間宮処の新たな名物となったのだ。
おまけ――
提督&第六戦隊邸(鎮守府近辺)
「みんな頑張ったご褒美に何が良いかな?」
ひと段落を終えた提督は、古鷹たちに問いかけた。
古鷹たちは迷うことなく、答えた。
『お礼はもちろん♪……』
古鷹たちは、提督に寄り添い……
「分かっている////」
こうして提督と古鷹たち第六戦隊はより強い愛と固い絆で結ばれるのだった。
余談だが、後日にて提督はげっそりとしており、古鷹たちは戦意高揚状態だったのは言うまでもない――
今回は提督・古鷹たちなどみんなで、間宮さんと伊良湖さんの新作スイーツを食べると言うほのぼの回と同時に、最後は甘く仕上げました。
柱島ならではの名物ことみかんを入れて、完成をしました。
お菓子作りでも果物やナッツ類があると、見た目も豪華になりますゆえに流石に気分も高揚します(加賀さんふうに)
余談ですが《加古》の元艦長・高橋雄次艦長は、柱島沖に仮泊していた際にお金が許す限り、乗組員たちの為に大量にみかんを購入したようです。
因みこの本のタイトルは『鉄底海峡 重巡「加古」艦長回想記』です。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
では次回も古鷹たち第六戦隊の魅力とともに、シュガーテロもお楽しみに!
それでは第7話まで…… До свидания((響ふうに)