第六戦隊と!   作:SEALs

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お待たせしました。
今回は予告通り、灰田さんが用意する兵器が登場します。
先ずはこれらの視察ですので軽く分かって頂ければ幸いです。

いつも通り楽しめて頂ければ幸いです!
それでは、どうぞ!


第82話:巨大空母到来

 

オリンピア・深海連合が台湾を陥落させてから3日後、新たな動きをするのかと思いきや、幸いと言うべきなのか分かり兼ねないが、何一つ動きがなかったので却って不気味だった。

台湾陥落後の日本の動き及び、派遣すべきだった米国やNATO諸国の動静を見極めていたことは確かだったことを含めて、台湾攻略作戦時の消耗し損害を被った部隊編成をいったん南海艦隊基地に戻したり、台湾国内の統治を準備しており、同時に休養再編成を兼ねて、各部隊は祝杯を挙げてもいた。

戦闘に伴い、攻略が一段落したこともあり、一先ず合同艦隊要員を休養させつつ、補給を済ませて、その後に続く日本攻略作戦のために再出撃をさせる事を兼ねて、一週間を見込んだのだ。

 

「次は先島諸島を含めて、その勢いを駆って沖縄県を攻略するつもりである」

 

グランド・マザーが言った。

あとは優秀な我が軍団が、台湾を統治に伴い、新しい総統が恐怖支配を行い実行支配してくれる。

残りは補給及び、準備が整え次第、沖縄県を含めて、そして九州全体を通して進攻作戦をする肚である。

余裕がある場合、日本のシーレーンを押さえて、九州海域全体を支配することも忘れはしない。

 

「これは、まだ日本が無駄な抵抗をして刃向かい、我々オリンピアの属国になることを表明しない場合だ」

 

しかし、その前に両手を挙げて情けない顔を晒しながら命乞いをするだろうと、彼女は踏んでいたのだった……

 

 

 

 

 

 

X-day 3日後

時刻 0557

夏島埠頭

 

灰田の出現に伴い、約束の日の朝がやって来た。

提督たちを含めて、海自の制服組の幹部たちなども集っていた。

かつてリムパック(環太平洋合同演習)及び、いずも型護衛艦を軽空母化に改修した際に培った知識に加えて、そして退役する筈だった米海軍のニミッツ級空母 CVN-74《ジョン・C・ステニス》を改めて、唯一の本格的な原子力空母《暁天》から度々行って来た訓練から、どの様に動かすのかをその時に学んできたのである。

 

約束の時間前に、政府幹部も打ち揃って、夏島埠頭の真ん中に立っていた。

不思議なことに早朝から霧に覆われており、夏にしては奇妙な涼しい朝だった。

しかも濃霧の中というほど、霧が深すぎて何も見えない状態。

しかし約束の時間帯である6時を指すと、湿った空気を震わせて、重々しい唸りを上げるタービンが響き渡る。

次第に朝日が昇り晴れ始めると、やがて霧を縫って掠めた艨艟が集っていた。陽光燦めく鏡のような海面に、堂々たる独特の黒灰色に塗料された空母が浮かんでいる。

平坦な飛行甲板に、超自然な力でも秘めているかのような可能性を秘めて、三次元運動の騎士たちを海上において自在に操る浮かべる城、紛れもなく、キティホーク級空母だ。

埠頭は狭過ぎるため、係留された彼女たちは4隻同時に横付けは出来ないので、埠頭と沖に2隻ずつ別れて停泊していた姿は圧倒的だった。

 

「どうです。なかなか大した光景でしょう」

 

突然、灰田がニコニコしながら一同の前に姿を現した。

 

「埠頭に係留されているのは《アカギ》と《カガ》で、沖に停まっているのは《ショウカク》と《ズイカク》です。

乗組員たちが登舷礼で、皆様をお出迎えています」

 

彼の言う通り、舷側や艦橋構造物(アイランド)に乗組員たちがずらりと並んで敬礼していた。

彼らが全員未来人の複製隊員だとすると、奇妙な気分だった。

クローンと言っても、今やSF世界だけでなく、現実のものとなっている。

 

「では、まず《アカギ》の艦長にお会いください。それから士官たちに引き会わせましょう。なお《アカギ》の艦長は、便宜的に赤木一佐と名乗らせてあります。

《カガ》の艦長は加来一佐。《ショウカク》は鶴見一佐。《ズイカク》は鶴田一佐ということにしてあります」

 

《アカギ》の艦腹には、すでにラッタルが降りていた。

当番兵が号笛を吹く最中、招かれた者たちは艦上に上がった。

《アカギ》の広大な飛行甲板を埋め尽くすほどの艦載機が、すでに載せられていた。

黒灰色に塗装された、対空・対艦攻撃に威力を発揮するだろう、ずんぐりとしたロッキード社製ステルス多用途戦闘機――F-35B《ライトニングⅡ》に、妨害装置を搭載したダグラス社製かつ、スマートな機体が特徴のF/A-18G《グロウラー》電子戦術機が並べられている。

甲板に並んだ双発機は、早期警戒機E-2C《ホークアイ》、対潜哨戒ヘリSH-60《シーホーク》が駐機しており、如何にも乾坤一擲の出来事だと思うと、緊張感を感じさせた。

また、他の空母の甲板にもずらりと艦載機群が並んでいた。

同じく甲板要員たちが、その中で忙しく立ち働かせていた。

特徴的なアイランドも巨大で、各種の電探を設置され、SAMやCIWSが備えられていた。

 

これぞまさにかつてのキティホーク級空母そのものだ、日本救国の贈り物に違いないと思ったとき、一人の士官が大またで歩いてきた。

艦長であることを示す金飾りの付いた軍帽を被り、純白の制服に身をかためており、護衛艦の艦長と同じものだった。

つまり空母戦闘群といえども、海軍所属だと言うことを示している人物が、提督たちに敬礼を交わした。

 

「本職が《アカギ》の艦長、赤木一佐であります。紛らわしい名前で申し訳ありません」

 

滑らかかつ、流暢な日本語で言った。

その顔付きは現代の日本人と変わらなく、威厳があるものの、何処か現代人の態度には見慣れない旧海軍の所作だった。

政府幹部たちを含めて、提督たちも一目で好感を持てたのは言うまでもない。

 

「全ての艦を回るのは大変でしょうから、4隻の艦の艦長と幹部たちを此処に集めて、我々とのブリーフィングを行い、懇親会を開いたら如何でしょうか? そうすれば一度に気心の知れる仲になると思われます」

 

赤木一佐が言った。

 

「それは良い案ですね。是非ともやりましょう!」

 

提督が言った。

 

「どうですか、黒木首相」

 

灰田が言うと、黒木首相は頷いた。

 

「うむ、合理的な申し出だな。是非ともそうしたら良い!」

 

この案が通って、1時間後。

各空母の艦長と幹部たちは、《アカギ》の艦長公室に集合して、親交を深めに掛かったものの、難しくはなかった。

寧ろ彼らを全く複製隊員だという感じはなく、最初から海軍の一員だと思う雰囲気を醸し出していたのだった。

だからこそすぐに双方は打ち解ける、さながらリムパックを思い出させるほどの活発な質疑応答の時間帯を行うことが出来たのだ。

そして作戦活動は、すぐにでも実戦可能だと言う結論に達しているほど、彼らもリムパックの記憶を持ち合わせているのである。

 

赤木一佐は、全乗組員のリストを手渡してくれた。

士官以下、つまり下士官クラスの懇親会も行われることになった。

夏島埠頭近辺では時ならぬ賑わいになり、付近の住民が奇妙に思ったほどもあり、何よりもキティホーク級空母がいきなり4隻も現れたことに不審を抱かない者はいない筈だ。

黒木首相・元帥たちは知恵を凝らして、『実は密かに同盟国の一員であるシンガポールで建造していた空母を、国家の緊急時に際して持って来たのだ』ということを発表したのだ。

無論のこと、陰湿な某局マスコミたちは鵜呑みにする筈はなく、出鱈目だと否定する者たちもいれば、お得意の都市伝説まがいの陰謀論を吐き出しては、様々な噂が乱れ飛んできたが、そんな不安を煽り立てるデマを、誰一人も信じる者たちはいなかった。

寧ろ横須賀に空母4隻が有ると言う真実は厳然として動かし難い。

例えるならば、第二の黒船来航のような騒ぎだったろう。だが、国民からしたら、米国から購入した空母《暁天》に引き続き、新たな強大な戦力が手に入ったという歓喜の方が大きかったのが事実だった。

新たな戦力が加わったことが確認された時、駿河湾まで出て来た艦載機のF-35Bが飛び立ち、見事なアクロバット飛行を披露した際は、見物人たちによる拍手喝采を浴びたのだ。

挫けていた士気が大いに上がり、誰もが空母戦闘群を受け入れたのであった。

 

新田原の方にも予定通りに、F-22《ラプター》が現れた。

全長、約18メートル、全幅は約13メートル。力強さと同時に、操縦席を持つ胴体は、その名の通り猛禽類の名を表すように、蒼空の狩人を模倣し、その胴体に代わって主翼から伸びた後粱が垂直尾翼を支え、さらに2枚の垂直尾翼を貫いて、水平尾翼が伸びている。

そして、戦闘機の心臓とも言える推力変向式排気口付きのエンジンが取り付けられ、また不思議な俊敏を感じさせてくれる。

打ち矢。俊敏の果てに辿り着いた先に、新たな追求と命を与えられた究極のステルス戦闘機。

搭載エンジンは、超音速巡航を可能としたプラット・アンド・ホイットニーF119二基。胴体にはM61A2機関砲が、胴体両側面や下部には様々な種類のミサイルや爆弾を搭載するためのウェポンベイが備わっており、実用上昇限度2万メートル。最大速力M2.42(2575キロ)を叩き出す。

無論、その形状から想像できるようにステルス性を発揮し、常軌を逸脱した高速と超機動性を兼ねており、あらゆる意味で、世界最強の戦闘機の概念を持つ機体と言えた。

 

なお此方は搭乗員がいないので、空自の搭乗員たちが乗りこなさなければならない。

先ずは空自の中でも精鋭かつベテランの搭乗員たちが乗り込み、早速訓練が開始された。開始早々とこの乗り心地が良い事に全員が驚愕した。高性能も兼ね備え、なおかつ乗り心地が良いことも踏まえて、たちまち我がものとした。

 

灰田は数々の必要な燃料や弾薬、整備部品といった補給物資を持ってきてくれたので、新田原は従来のF-15Jなどと並んで、F-22《ラプター》の合同基地ともなったことに、空自のパイロットたちの顔は輝いていた。




今回は久々に短めのものとなっております。
かつてキティホーク級空母は分かり兼ねないですが、F-22の購入計画が実現していたらどうなっていたでしょうね。双方ともあれば日本はまた違った結果になっていたかと思います。
思えば前作も前作で凄いことになりましたが、今回もこの調子で灰田さんクオリティーで支援していくかなと思いますのでお楽しみを。

次回は視点を変えて、とある双方からの視点になります。
当然のことですが、この反応を見てどうなるかはお楽しみを。

それでは、第83話まで…… До свидания(響ふうに)
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