フラっぴーです!
ついに100話を突破しましたーー!!!
後ろに下がって俺とダークはアーチャーとバーサーカーの戦いを見ることにした。その戦いは凄まじかった。
「凄い……。あれが英霊級エネミーの……戦い………なのか?」
「な、なんなのよその英霊級エネミーって……」
「聖杯が復活したと同時に現れたエネミーだ。その力は神獣級エネミーの次に強い」
「なによそれ!私そんなの知らないわよ!」
「知らなくて当たり前だ。それが起こったのは最近だからな」
「あの赤いやつもその英霊級エネミー?なの?」
「ああ、アーチャーって言うんだ」
「はあ?弓使ってないのにどこがアーチャーなのよ?」
ダークが言った通り、アーチャーは弓は使わず、ずっと二本の剣を使っていた。攻撃を剣で受け止めて壊れてもすぐにまた同じ剣を作り出していた。俺よりも投影するのが早い。
「はあ!」
「グオオオオ!!!!」
「貴様、バーサーカーなだけはあるな!攻撃力も私よりは上だな。だが、バーサーカーであるお前は考える頭を持たないのが欠点だ!!」
すると、アーチャーは剣をバーサーカーの周りに雨のように降らして、剣の檻を作った。そして、アーチャーはバーサーカーから離れると弓矢を構えていつ出てきてもいいように準備していた。バーサーカーが檻を壊して出てきた瞬間、アーチャーは矢を放った。
「喰らえ!!カラドボルグ!!」
「グオオオオ!!!」
その矢はバーサーカーの体を貫くと、背後にあった壁に突き刺さった。矢は壁にめり込んでいた。バーサーカーはというと、体を貫かれたと同時に倒れた。
「た、倒したのか?」
「倒したというか瀕死だな。英霊級エネミーは簡単には死なないのさ。そんなことより、そこの彼女は大丈夫か?」
「ぜ、全然平気なんですけど!」
「足が震えてるぞ?」
「う、うっさいわね!」
「ははっ、君たちは知り合いなんだね。自己紹介が遅れてしまったな。私はアーチャー、真名は今は伏せている。今はアーチャーと呼んでくれ」
「ダークアヴェンジャー。ダークで構わないわ」
2人は自己紹介をし終わったみたいで、俺はどこで鍛えてくれるのかを聞くことにした。
「で、目的地はどこなんだ?」
「ここだとバーサーカーもいるから危険だな。もう少し先に進もうか。よければ君も来るか?」
「はっ?私?というかあんたたち何してたの?」
「アーチャーが俺を鍛えてくれるんだよ」
「はあ!?エネミーがプレイヤーを鍛える!?何よそれ!!」
「彼はもっと強くなる。だから、同じ力を持つ私が鍛えてあげるのだよ。技を最大限まで引き出すために」
「エイトは十分強いのにさらに強くなるの!?」
「俺は強くならなきゃならない。加速研究会を止めるためには……な」
「加速研究会ねぇ……。いいわ、私もあんたたちについていくわ。そして私も強くなる!」
「基本はエイトを鍛えるから君を鍛えるのは難しいが、それでも構わないか?」
「別にいいわよ。見てそれを盗むから。ってそんなこと聞くならなんで最初に聞いたのよ」
「それもそうだな。さて、いくとするか」
新たにダークが加わり、改めて目的地へと進んだ。さっきの一から数キロ離れたところで止まった。周りは草原で覆われたところだった。
「こんなところで修行?何もないじゃない」
「岩を割ったりする修行じゃないのだよ。技の熟練度をあげるためなのでね」
「へえ」
「早速だが、何をすればいい?」
「君の投影を見せてくれ」
「わかった。
俺が作り出した剣はどこにでもあるような剣だった。
「質はなかなかのものだな。だが投影に時間がかかりすぎだ」
「今のでかかりすぎなの!?」
「たしかに、さっきのアーチャーの戦いの投影と比べれば俺の投影なんてまだまだ遅い」
アーチャーのように早く投影するには、投影するものを早く頭に浮かべ、それを実行しなければならない。だが、いくら早くても集中しなければ投影は無理だ。集中しながら早く頭に浮かべて実行しなければならないのか……。これはきついな……。
「まずは投影の修行だ。目標は1日で完全なものとすることだ!」
「はい!」
「じゃ、私は頑張ってる2人のために食料でも調達してくるわ」
ダークが食料調達に行き、俺はアーチャーと修行を始めた。
「
「遅い!」
「
「集中していないぞ!」
「
「また遅くなってるぞ!」
「
「集中はできてる!あとは早くするだけだ!」
「
「さっきよりマシになってるぞ!そのいきだ!」
思った以上に修行は地獄だ。早くすれば集中力が切れる。集中すれば早くすることができない。この二つを同時にするのはなかなか骨が折れそうだ。
そして数時間が過ぎ、ダークが帰ってきた。せっかくだからダークに見せてやるか。
「戻ったわ……って何よ?」
「ダーク、見ていてくれ。投影開始!」
「早っ!?あ、あああ、あんたたった数時間でマスターしたの!?」
「アーチャーとの修行がそれほど地獄だったってことだ」
「で、その本人は?」
「今日の修行はここまでって言ったあと昼寝してくるとか言ってたな」
俺はそう言って草原に寝転んだ。すると、ダークも俺の隣に来て、同じように寝転んだ。
「ふーん。あんた、数日はこの世界にいるの?」
「まあな。他のみんなもそうだろうな」
「そう」
「なあダーク」
「何よ急に?」
「お前のご先祖様ってジャンヌ・ダルクなんだよな」
「一応ね」
「一応ってなんだよ?」
「歴史上ではジャンヌ・ダルクは1人しかいないでしょ?でもね、それは大きな間違いなの」
「間違い?」
「本当は2人いた。そのもう1人が、私と同じ名前のジャンヌ・ダルク・オルタ。彼女は姉のジャンヌとともにフランスを救った。けど、彼女は報われなかった。どれだけ頑張っても、結局は姉のジャンヌがいいように言われる。それが彼女を復讐者に変えたの。きっと許せなかったんでしょうね。頑張っても頑張っても、彼女を見てくれる人がいなかったことに」
俺はダークの話を黙って聞いていた。
「そして彼女はフランス軍に捕縛され、火刑になった。フランスの人たちはみんなオルタを恨んでいた。そして彼女はこう呼ばれた。『竜の魔女』と。でもそんな彼女を恨んでない人もいた。それが姉のジャンヌだったの。彼女はずっと泣いていた。心から泣いていた。火刑になる彼女のことをずっと許してあげてくださいと言っていた。その時にオルタは気づいたの。こんな近くに私を見てくれてる人がいたのになんで気づかなかったんだろうってね。火炙りにされながら彼女はそればかり考えていたそうよ。彼女が亡くなって数ヶ月後にジャンヌは子供を授かった。それが私たちの先祖の内の1人よ」
「えっ!?ジャンヌって子供を授かっていたのか!?でも歴史では……」
「学校の教科書が全て真実とは限らないの。話を戻すわよ。そして先祖の名前はみんなジャンヌ,ダルクだった。けど、ごく稀に双子として生まれてくるの。それが姉さんとこの私、ジャンヌ・ダルク・オルタよ」
「そうなんだな。お前のご先祖様は本当に大変だったんだな」
「私も母さんやばあちゃんやジルに聞いただけだから真実とは限らないけどね」
「でも、これでお前のことを知れたよ。ありがとう」
「な、何よ……礼を言われる筋合いなんてないんだから……」
「俺が言いたかっただけだよ。だからお前は気にしなくていい」
俺は立ち上がり、ダークに手を差し伸べた。ダークはその手を掴み、俺はダークを立たした。
「軽く火で炙っててあげるから、アーチャーを呼んできなさい」
「ああ」
俺はダークに背を向けて、アーチャーを呼びに行くことにした。
ダークside
何よまったく……。ありがとうって何よ……。
「それはこっちのセリフだっての……」
ダークside out