アクセル・ワールド 君の隣にいるために   作:フラっぴー

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第10話 レイカー対ネロ

 

場所は変わって、レイカーはネロと一緒に修行をしていた。修行をしていたのだが……。

 

 

「ね、ねえネロ。これってなんの修行?」

 

 

「むっ?何を言っておるのだ?花嫁修行に決まっておるだろ?」

 

 

今レイカーがしているのは料理、その前は掃除や洗濯などをしていた。だからエイトたちがいるような外ではなくて、建物の中だった。

 

 

「私は強くなりたいんだけど?」

 

 

「わかっておる!だが、女ならまずはこれくらいできるようにならなきゃな!」

 

 

「私家事なら全部できるんだけど?」

 

 

「そ、そうなのか?」

 

 

「だから……お遊びはもう終わりよ?」

 

 

「ひっ!?」

 

 

辺りの空気が一瞬で凍り付いてしまった。レイカーが絶対零度スマイルをすると、ネロは怯えてガクガクと震えた。その震えた声で修行を開始しようと言った。

 

 

「ででで、では修行を始める!」

 

 

「まずは何をするの?」

 

 

「そうだな、余はまだ其方の実力を知らない。だからまずは余と戦おう!」

 

 

「わ、わかったわ!」

 

 

剣を取ったネロはレイカーに突っ込んだ。ネロの斬撃は早く、避けることが出来ず、ガードすることしかできなかった。そのせいでレイカーの体力は少しずつ減っていった。

 

 

このままじゃやられると判断したレイカーはゲイルスラスターで上空に飛び、ネロから離れた。そして手を前に出して、風を作り出して、それを放出した。

 

 

「スワールスウェイ!!」

 

 

「ぬっ!?」

 

 

ネロは驚き、避けるのを忘れて剣で防ぐことにした。風の力は強く、ネロは飛ばされて壁に激突した。

 

 

「がはっ!」

 

 

「まだよ!はあああ!!」

 

 

「ああああ!!!」

 

 

ゲイルスラスターを使ってネロに飛び蹴りをすると、ネロは腹を抑えていた。その隙を見て、足技を繰り返し使った。

 

 

だが、ネロもやられるわけにはいかないと思い、剣で足を防いだ。そしてそのまま跳ね返した。

 

 

「余も少し本気でいくとしよう。我が才を見よ! 万雷の喝采を聞け! しかして讃えよ!開け!黄金の劇場よ! 『 童女謳う華の帝政 (ラウス・セント・クラウディウス)』!」

 

 

辺りは劇場のようなところに変わり、ネロは突進してレイカーに斬りつけた。剣からは炎が出てきていた。レイカーは倒れて、立ち上がろうして周りを見たときに気づいた。これはエイトと同じ固有結界ということに。エイトとはまた違うが、間違いなく固有結界だった。

 

 

「こ、これは……?」

 

 

「これが余の技よ!どうだ!参ったかー!」

 

 

「ま、参ったわ……」

 

 

ネロは固有結界を解除すると、レイカーに手を差し出した。その手を握ってレイカーは立ち上がった。

 

 

「其方の力はよくわかったぞ。其方はスピードはなかなかのものだった。あとはそれをどう活かすか……だな」

 

 

「そ、それだけ?」

 

 

「いや、もちろん他にもやることはあるぞ?だがいっぺんにしても頭がパンパンになると思ったのだ。だからこそ、少しずつ課題を減らしていくのだ!」

 

 

「少しずつ…」

 

 

「そう焦るでない。きっとエイトも同じことをしておるに決まっておる」

 

 

「…そうね」

 

 

「うむ!だが、今日はもう遅い。ご飯を食べてゆっくり休んで、明日に備えるぞ!」

 

 

「え、ええ」

 

 

レイカーとネロは建物の中の空き部屋に入り、休むこととなった。最初はキッチンとかが使えるのか心配だったが、ちゃんと使えるみたいだった。料理はレイカーが作り、ネロは棚に入っていた容器を出したりして準備をしていた。

 

 

料理が完成して、椅子に座り、手を合わせた。

 

 

「「いただきます」」

 

 

ネロはレイカーが作ったシチューを口に運んだ。そしてネロは感動した顔でレイカーに言った。

 

 

「うむ!やはり其方が作るものはどれも絶品だな!」

 

 

「口にあってよかったわ」

 

 

「余もこれくらい料理ができるようになれば……エイトを落とせると思うのだが…」

 

 

「ネロ?今何か言った?」

 

 

本日2度目のレイカースマイルが出て、ネロはまた怯えた。

 

 

「ひっ!?い、いや、余だってエイトが好きなのだ!」

 

 

「ネロも?」

 

 

レイカースマイルをやめて、ネロに問うた。するとネロは怯えるのをやめて話し始めた。

 

 

「う、うむ!余はエイトのことを気に入ったのだ!だからどうにかしてエイトを振り向かせてみたいのだ!」

 

 

「ちなみに理由は?」

 

 

「構ってくれるからだ!」

 

 

「そ、それだけ?」

 

 

「今はそれだけだが、余がエイトと関わり続けると、絶対に余はさらにエイトのことを好きになる!そしていつかローマ皇帝の婿として……」

 

 

「ね、ネロ?申し訳ないんだけど……」

 

 

「むっ?どうしたのだ?」

 

 

「私ね、現実世界でエイトと付き合ってるの」

 

 

「な、なな、なぬっ!?そ、それは本当か!」

 

 

「え、ええ」

 

 

「余の恋は早く散るのか…」

 

 

「お、落ち込まないで!」

 

 

「まあよい!婿は無理でもドキドキさせることは可能だ!あ、そういえば其方のダミーアバター?を見せてくれぬか?メディアのときはなってなかったからだろ?」

 

 

「いいわよ」

 

 

指でメニュー画面を操作すると、レイカーはデュエルアバターからダミーアバターになった。現実世界のレイカーを初めて見るネロは目を輝かせた。

 

 

「おお!これほどの美人だったとは!余といい勝負だぞ!」

 

 

「それは嬉しいけど、なんだか恥ずかしいわね」

 

 

「其方がこんな美人なら、エイトは美男子だな!」

 

 

「ふふっ、鋭いわね。正解よ!」

 

 

「おお!なら尚更見たくなってきたぞ!」

 

 

「修行が終わったら頼んでみるといいわ」

 

 

「うむ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わってエイトたちがいる草原……

 

 

 

「ヘックシュン!」

 

 

「うわっ!?びっくりした……」

 

 

「風邪かなぁ?」

 

 

「この世界で風邪なんか引くわけないでしょ……」

 

 

「それもそうだな…」

 

 

「そんなことよりも、早く寝て明日に備えなさい。アーチャーなんかとっくに寝てるわよ?」

 

 

「ああ…おやすみ」

 

 

「おやすみ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は戻ってビルの空き部屋……。

 

 

「というか其方の胸は大きいな。余よりあるんじゃないか?」

 

 

「そ、そんなことないわよ」

 

 

ネロは自分のと比べていた。ネロもなかなか大きいが、比較するとレイカーの胸の方が余裕で大きかった。

 

 

「むむむ……。余もなかなか自信はあるのだが……」

 

 

「そ、そんなジロジロ見ないでよ!もう寝るよ!」

 

 

「ま、待つのだ!余も寝るのだー!」

 

 

2人は寝室に入ると、ちゃんとベッドもあり、そこで寝ることにした。

 

 


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