アクセル・ワールド 君の隣にいるために   作:フラっぴー

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第15話 着ぐるみの中の人の正体

 

 

アイリさんが帰ってくるまでいろんなところを回った俺たちは、フードコートで休憩をしていた。一番気になるのはあの着ぐるみの人がずっと俺たちの跡をつけてることなんだよな。

 

 

(気づいてないわよね!?私だってこと気づいてないわよね!?)

 

 

かなり焦ってるみたいだな。顔は見えないけど、なんとなくわかる。

 

 

「私喉乾いちゃったなぁ。ちょっと自販機まで行ってくるね!」

 

 

「あ、クロエ!一人で行くな!」

 

 

飲み物を買いに自販機に一人で行こうとしたクロエを追いかけて、その場から離れた。追いついて、二人で自販機で飲み物を買ってから、みんなのところに戻ろうとすると、見覚えのある後ろ姿と見たことない後ろ姿が見えた。

 

 

「白雪?」

 

 

「へっ?」

 

 

「お嬢?どうかしましたか?」

 

 

やっぱり白雪だ!っともう一人は?

 

 

「白雪、その人は?」

 

 

「あ、紹介します。こちらは」

 

 

「自分で自己紹介をしますよ。俺は烏野蓮。白雪お嬢の護衛をしている」

 

 

「お、お嬢?」

 

 

「昔からの友人なんですが、何故か私とサッちゃんのことをお嬢と呼ぶんですよ」

 

 

「へえ」

 

 

「私もひとつ聞いてもいいですか?その子はいったい……」

 

 

白雪は目線を落として見ていたのはクロエのことだった。俺はこの子のことを軽く紹介した。

 

 

「この子のはクロエ・フォン・アインツベルン。ういういの友達だ」

 

 

「ういちゃんのですか、可愛らしい子ですね!」

 

 

「ありがと♪あ、早く戻らなきゃみんな心配してるわ」

 

 

「そうだな。じゃあ白雪、護衛さんとデート楽しめよ!」

 

 

「デ、デート!?」

 

 

俺は白雪をからかってから、みんなのところに戻りにいった。かなり顔を赤くしていたな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「デートじゃないんですが……」

 

 

「そうです!私は奨真さんとデートしたいのです!」

 

 

「地味に傷つくんですけど」

 

 

「はわわ!ごめんなさい!悪気はないんです!」

 

 

「悪気がない分余計に傷つきます……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、帰ってきた!」

 

 

「遅かっわね、何かあったの?」

 

 

「たまたま白雪と会ってな」

 

 

「おいお前!さっきからずっと俺らの後をつけてたよな!何が目的だ!」

 

 

突然タツコの声が聞こえたから、そっちを向くと俺たちの跡をつけていた着ぐるみの人にのしかかるタツコがいた。そしてタツコは着ぐるみの頭の部分を勢いよく引っ張ると、中からまたまた見覚えのある人が出てきた。

 

 

「お、オルタ!?」

 

 

「おおー、顔色悪」

 

 

「も、元々よこれは!」

 

 

「タツコ、とりあえず離れるんだ」

 

 

タツコはオルタから離れると、オルタもようやくといった感じで立ち上がった。

 

 

「ば、バレちゃしょうがないわね!私はここでアルバイトをしてるわ!」

 

 

「いや、知ってるから」

 

 

「せっかくかっこよく決めたのに邪魔しないでよ!!」

 

 

「あはは……」

 

 

「な、なんかすまん」

 

 

「あとね!そのガキンチョのしつけなってなさすぎよ!!」

 

 

オルタがイライラしながら俺の方に近づくと、オルタの後ろからタツコが思い切り飛び蹴りをした。うん……たしかにしつけがなってないな……。

 

 

「え、ちょ、ちょっ!?」

 

 

もちろんオルタはバランスを崩した為、俺が抱えることとなった。

 

 

「大丈夫か?」

 

 

「え、ええ、だいじょ………う…ぶ……」

 

 

オルタはなぜか目線を下に向けていた。

 

 

(これ抱えられてるのよね……。それで私今下着のみよね……い、いや……)

 

 

「いやあああああ!!!!触るなああああ!!!」

 

 

「なんでだああああ!!!!」

 

 

俺はオルタの回し蹴りをまともに食らって吹っ飛んでしまった。加速世界でもないのにこんなに吹っ飛ぶとは思わなかった……。

 

 

「奨真君!?」

 

 

「こ、この女怖え……」

 

 

「はあ……はあ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

楓子side

 

 

 

奨真君が吹っ飛んだ……。と、とにかく奨真君の所に行かなきゃ!

 

 

「だ、大丈夫!?」

 

 

「だ、大丈夫……じゃない……」

 

 

「肩貸すから捕まって」

 

 

奨真君に私の肩を貸して、オルタのところに向かった。オルタはまだ興奮していて、ういういに止められていた。

 

 

「お、落ち着いてくださいなのです!」

 

 

「タツコ!!早く謝りなさい!!」

 

 

「お、やるかやるか!俺と勝負するか!」

 

 

「何煽ってるのよタツコ!!」

 

 

「コラッ!オルタ大人気ないよ!」

 

 

「だ、だってこのガキンチョが!って奨真……」

 

 

オルタが奨真君をみると、急に大人しくなった。多分さっき思い切り蹴飛ばしたから申し訳なく思ってるのね。

 

 

「その……悪かったわ…。ちょっと頭の中が真っ白になっちゃったから」

 

 

「き、気にするな……」

 

 

「あと、ちょっとお願いがあるんだけど……」

 

 

お願い?いったい何だろう?

そう思ってると、オルタは後ろにいるタツコちゃんの頭を片手で掴み、私たちに見せてきた。

 

 

「このガキンチョ本気で殴っていいかしら?」

 

 

「いいい、痛い痛い!!」

 

 

「もちろんダメよ」

 

 

「ぐぬぬ……」

 

 

頑張って怒りを抑えてるわね……。そんなにタツコちゃんにいじり倒されたのかな……。

 

 

「はあ……まあいいわ。私は仕事に戻るから、残り1時間、楽しんでいきなさい」

 

 

「お、おう……」

 

 

オルタはそう言って去って行ったけど……。大事なものを忘れてる気がするんだけどなぁ……

 

 

 

ま、いっか♪

 

 

 

楓子side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オルタside

 

 

 

「ああああ!!!着ぐるみの頭の部分忘れたああああ!!!!」

 

 

 

オルタside out

 

 

 

 

 

 

 

奨真side

 

 

 

 

あれから1時間が経って、遊園地の駐車場でアイリさんを待っていた。すると、トテトテとアイリさんが走ってきた。

 

 

「ご、ごめんなさい!待たせちゃったわ!」

 

 

「いえいえ。あ、ドレス試着体験はどうでした?」

 

 

「すっごくよかったわ!楓子ちゃんも今度行ってみるといいわ!」

 

 

「それじゃあ、そうします!」

 

 

楓子のドレス姿か……

 

 

 

 

 

『奨真君、似合ってるかな?』

 

 

 

『ああ、凄え似合ってる』

 

 

 

『よかった。ふふ、明日から夫婦ね』

 

 

 

『そうだな』

 

 

 

『これからもよろしくね。あ・な・た♪』

 

 

 

 

 

 

「ゴフッ!」

 

 

 

「しょーにぃ!?」

 

 

想像したら……鼻血が……。

 

 

「ママ!早く帰らなきゃ、奨真さんが大変なことになりそうな予感が!!」

 

 

「それじゃあ帰ろっか♪」

 

 

結局俺は車の中で気絶したように眠って、楓子に心配されることとなってしまった。

 

 

 

 

奨真side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジャンヌside

 

 

 

 

ふう……トラブルもなく終わってよかったですね!奨真君たちはオルタと出会えたのかな?

 

 

「ってオルタ?何してるの?」

 

 

「姉さん、見ての通り着替えてるんだけど?」

 

 

「それは見ればわかりますが、あなたまさか下着のみで着ぐるみ着てたんですか!?」

 

 

「しょ、しょうがないじゃない!!暑かったんだもん!!姉さんはノースリーブに白衣だけで終わりだけど、私はこのクソ暑い中、着ぐるみを着るのよ!!」

 

 

「それでも何かあったらどうするんですか!」

 

 

「全くもってその通りですぞ!いくら着ぐるみを着ていても、そんな姿じゃまるで歩く痴女じゃないですか!」

 

 

………………ん?

 

 

私は急に聞こえた声に反応して振り向くと、何故かジルが扉の前で立っていた。

 

 

「ジル?何であなたがここに?」

 

 

「もちろんお迎えに来たのです!職員さんに事情を説明すれば、すんなりと通してくれました。そしてここにいると教えられ、こうして中に入ってきました」

 

 

「「死ねええええ!!!!」」

 

 

「何故ええええ!!!」

 

 

私とオルタは見事なコンビネーションで、ジルの飛び出した目玉を突きました。

 

 


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