アクセル・ワールド 君の隣にいるために   作:フラっぴー

110 / 168
第19話 1人を守るために

 

 

加速世界に来た俺はみんなを探すためにホームから出ようとした。その時、この世界での俺とレイカーの子供、ジャックに声をかけられた。

 

 

「おとうさん、おかあさんのところに行くの?」

 

 

「ああ」

 

 

「おかあさんにも言ったけどね、英雄王に勝てないと思うよ」

 

 

「いや、勝てるよ。俺なら勝てる」

 

 

「なんで?」

 

 

「ギルガメッシュも俺と似てるからだよ」

 

 

「そんな理由なの?」

 

 

「ああ、じゃあ行ってくるよ」

 

 

「いってらっしゃい」

 

 

扉をあけて外に出ると、すでにコスモスが待っていた。俺は覚悟を決めるために両頬を叩いて気合を入れた。

 

 

「それじゃあ行きましょうか」

 

 

「ああ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

楓子side

 

 

 

私たちネガ・ネビュラスとアッシュ、レイン、レパードは英雄王ギルガメッシュを倒すために集まり、探索をしていた。

 

 

「英雄王って言うぐらいですから相当強いですよね。そんなエネミーに勝てるんですか?」

 

 

「珍しく弱気だなクロウ」

 

 

「先輩は怖くないんですか?」

 

 

「怖くないっていったら嘘になる。だが、みんないるんだ。絶対に勝てる」

 

 

そうよ。ここにはみんながいる。みんなでいけば勝てないわけがない!

 

 

「貴様らが探してるのは我か?」

 

 

「「「「っ!?」」」」

 

 

声がする方に振り向くと、黒いジャージを着た金髪の人が立っていた。さっきまで人のいる気配がなかったのに!?

 

 

「先生、もしかしてこの人が……」

 

 

「あなたが英雄王ギルガメッシュね」

 

 

「いかにも。さて、貴様らはあの茶色の雑種の仲間か」

 

 

もしかしてエイトのことじゃ……。やっぱりこの人がギルガメッシュ!!

 

 

「みんな!一斉にかかれ!!」

 

 

ロータスの指示で一斉に攻撃を始めた。ギルガメッシュの周りを囲んでいたから逃げ場はないわ!!

 

 

「甘いわ戯け!!」

 

 

「「「「っ!?」」」」

 

 

急に体が動かなくなった……?私は手足を見ると鎖で縛られていた。私だけじゃなく、みんなも鎖で縛られていた。でも、この鎖はどこから?

 

 

「考えが単純すぎたな。貴様らはまだまだだ」

 

 

そう言ってギルガメッシュはどこからか剣を取り出した。いったいどこから取り出してるの……。

 

 

「フレイムボルテクス!!!」

 

 

「なにっ!?」

 

 

メイデンを縛り忘れたのか、完全に不意をつかれたみたいだった。けど、惜しくもギルガメッシュは避けてメイデンに剣の雨を降らせた。

 

 

「きゃあああああ!!!」

 

 

「雑種ごときが……まあよい。貴様らにも同じ目に合わせてやろう。王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)!!」

 

 

「「「「うあああああああ!!!!」」」」

 

 

メイデンと同じように剣の雨が降ってきた。鎖に縛られてるせいで身動きが取れない私たちはまともに喰らい、全員瀕死状態になってしまった。

 

 

「みんな……すぐに回復させてあげる……から」

 

 

「我がさせると思うか?」

 

 

「ああああああああ!!!!」

 

 

「ベル!!」

 

 

ベルが回復させようとした瞬間をギルガメッシュは見逃さない。剣でベルの腕を強化外装ごと切り落とした。

 

 

「ここまで強いなんて……私たちはまだ何もできてないのに……」

 

 

「雑種ごときが我と同等に戦えると思っておるのか?さて、貴様らを始末すればあいつもくるだろう」

 

 

ダメ……今ここで私たちがやられたら、エイトを探すためにこの世界を壊すかもしれない。エイトはこの世界には来ないけど、世界が壊されるのは避けないと……。

 

 

「まだ……よ……。まだ……行かせない……」

 

 

「ほお?まだ起き上がるか?その根性は褒めてやろう。だが、もう終わりだ」

 

 

「誰が終わりだって?」

 

 

突然声が聞こえて、ギルガメッシュの足元に火がついた。ギルガメッシュは避けて、声のする方を見た。私もつられて見ると、そこには旗を持ったダークがいた。

 

 

「なんでここに……?」

 

 

「あれだけ派手にやってたら嫌でもわかるわよ……」

 

 

「貴様はなんだ?」

 

 

「何って知り合いだけど?この状況でそんなこともわからないの?馬鹿なの?」

 

 

「貴様……我を怒らせたな!!」

 

 

「ダーク!!逃げて!!」

 

 

束になっても勝てなかった相手にダーク1人だけで勝てるわけがない!このままじゃ……!

 

 

「舐めないでよね!!」

 

 

「ほお……、なかなかやるではないか」

 

 

「これならどう!」

 

 

ダークは剣を操り、ギルガメッシュの上に黒い槍を作り出し、そのまま降らせた。ギルガメッシュはそれに気づき、また剣を出現させて、全て弾いた。

 

 

「ちっ!厄介な力ね。宝物庫みたいにバンバンと取り出して!」

 

 

「貴様鋭いではないか。そうだ。我は宝物庫に無数の武器を内包しておる。さて、褒美をやろう」

 

 

ギルガメッシュは宝物庫から私たちを縛った鎖を出して、ダークの手足を縛った。ダークは必死に抜け出そうとしているけど、できないみたいだった。

 

 

「我の手で始末してやろう」

 

 

少しずつダークに近づき、剣を突き出すギルガメッシュ。私は止めるために立ち上がったけど、痛みが襲い、バランスを崩して倒れた。このままじゃダークがやられる!?

 

 

「ダメエエエ!!!」

 

 

「ベネディクト!!」

 

 

「ちっ!さっきからどいつもこいつもトドメの瞬間で邪魔しよって!!」

 

 

この技って……コスモス?それと後ろにいるのは…………。

 

 

「エイト…………?」

 

 

「巻き込んでしまってごめんな。ここからは俺の戦いだ」

 

 

「なんで?きちゃダメって言ったのに……なんで!!」

 

 

「あとで罰でもなんでも受ける。だから今はそこでジッとしていてくれ」

 

 

エイト……。あなたはなんでいつも……自分から危ない目に……。

 

 

「きたか……雑種」

 

 

「お前の目的は俺だろ。今すぐダークを離せ」

 

 

「貴様がきたからもうこいつには用はない」

 

 

ギルガメッシュは鎖を宝物庫にしまい、解放されたダークはその場に倒れた。

 

 

「ギルガメッシュ、アーチャーとパペットはどうした?」

 

 

「ふん、あいつらは死んださ。糸を使う雑種は生きてるかもしれないがな」

 

 

「そうか……。ギルガメッシュ……俺を本気で怒らせたな」

 

 

アーチャーが死んだと言われて、エイトの怒りが溜まっていっていた。それは激しい怒りとは違い、静かな怒りだった。そして2人は向かい合い、静かに構えた。

 

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。