アクセル・ワールド 君の隣にいるために   作:フラっぴー

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第20話 unlimited blade works

『君は自分の技のことをまだなにも知らない』

 

 

『どういうことだ?俺は知っていたつもりなんだが』

 

 

『その答えを見つけるのは君の役目だ。私が教えても意味がないからな』

 

 

『答え……か……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アーチャー、俺は見つけたよ。自分なりの答えを。そうだ、俺は勘違いしていた。俺の技は武器を作るだけじゃない。自分の心を形にすることだった。

体は剣で出来ている。血潮は鉄、心は硝子。幾たびの戦場を越えて不敗。ただ一度の敗走もなく、ただ一度の勝利もなし。担い手はここに独り。剣の丘で鉄を鍛つ。ならば、我が生涯に意味は不要ず。この体は、無限の剣で出来ていた!!

 

 

 

unlimited blade works(アンリミテッドブレイドワークス)!!!」

 

 

技を発動して、辺りの景色を変えた。そう、俺の最強の技の固有結界だ。ギルガメッシュは驚いていたが、アーチャーの時と同じ技だからすぐに落ち着きを取り戻した。

 

 

「勘違いしていた。俺の技は剣を作るだけじゃない。剣を無限に内包した世界を作ることもできるんだ」

 

 

「固有結界か。それで、こんなものを作って何ができる?」

 

 

ギルガメッシュは剣を放ってきたが、俺は辺りに突き刺さっている剣を手を使わずに自在に操り、全て弾いた。

 

 

「なっ!?」

 

 

「驚くことじゃない。この結界では俺の思い通りに剣を操ることができる」

 

 

「ふん、偽物の分際で」

 

 

「そうだ。この固有結界のものは全て偽物だ。だが、偽物であって本物でもある。そう、この技そのものが矛盾した技。それが俺の最強の技だ。お前が本物だというなら、俺はこの技でお前を叩き落とす。いくぞ英雄王、武器の貯蔵は十分か?」

 

 

 

「………………思い上がったな、雑種!」

 

 

ギルガメッシュはまた剣を放つが、俺は剣を手に取り、弾いていった。少し弾くと剣は壊れるから、移動しながら弾き、剣がなくなればまた拾う。

 

 

「くっ!」

 

 

一歩下がると、それに追い打ちをかけるように剣が降ってくる。だが、俺も剣を同じように放ち、全て弾く。

 

 

「何故、雑種ごときの剣が……」

 

 

「わからないのか、千を超える武器を持つお前は、エネミーの中でも頂点に立つだろう。だが、お前は王であって戦士じゃない。一つの武器を極限まで使いこなす道を選ばなかった。半端者だ!!」

 

 

「ぐっ……贋作を作るその頭蓋、一片たりとも残しはせん!!」

 

 

そうだ。こいつは一つの武器を使いこなさなかった。もちろん俺も複数の武器を扱う。けど、俺とギルガメッシュには大きく違う点が一つある。それは、俺が作成という技を使いこなしたことだ。それが俺とギルガメッシュの大きな違いだ。

 

 

「ちっ!ちょこまかと目障りだ!」

 

 

ギルガメッシュは発射口を増やし、さらに剣を放つ。俺も対抗して剣を放ち、一つ一つ確実に落としていった。少しずつギルガメッシュに近づき、剣を振りおろした。ギルガメッシュは剣を取り出し、俺の剣を受け止めた。

 

 

「はあああ!!」

 

 

「くっ……バカな……この我が……このような贋作に……」

 

 

「言っただろ!この技は偽物であって本物。矛盾した技だってな!そしてお前が相手なら、先に剣を用意してる俺が、一歩先を行く!!!」

 

 

 

力一杯剣をおろし、ギルガメッシュの持っていた剣を砕いた。

 

 

「おの……れ…………おのれおのれ!おのれ!!!」

 

 

頭に血が上ったのか、剣筋が荒く軌道がわかりやすくなった。ギルガメッシュの剣を上に弾くと、その剣は俺の頭上に降ってきて、他の剣も降ってきた。俺はすぐに反応して後ろに飛ぶと、ギルガメッシュはまた剣を放つ。

 

 

「おのれ!!貴様ごときに本気を出さねばならんとはな!!!」

 

 

遂に本気を出してきたギルガメッシュ。発射口はさっきの2倍以上になり、俺を襲った。だが、俺は自分の手にある剣と、周りにある剣で全て弾く。

 

 

「うおおおおおお!!!!」

 

 

一気に近づき、距離を縮める。それに焦ったのか、ギルガメッシュの剣の数が多くなっていった。俺は剣が降ってくる直前でハイジャンプレッグで空高く飛ぶ。ギルガメッシュは少し遅れて俺の存在に気づき、上を見た。その時の俺はアーチャーが使っていた盾を作り出した。アーチャーのものには劣るが、少しは防げるだろう。

 

 

 

「ロー・アイアス!」

 

 

「ちっ!落ちろおお!!」

 

 

全ての攻撃を盾で防ぐが、盾に限界がきて壊れてしまう。だが、俺は勢いを維持して、またアーチャーが使っていた武器を作る。白い剣を作り出し、ギルガメッシュのところに落ちていく。

 

 

(まずい、エアを使わなくては!)

 

 

俺はギルガメッシュが急いで取り出したものに嫌な予感がして、ギルガメッシュの腕を思いきり切り落とした。そしてそのままもう一つ黒い剣を作り、振りかざす。

 

 

「認めよう…………今はお前が……強い!!」

 

 

「ギルガメッシュウウウ!!!!」

 

 

ギルガメッシュは後ろへ飛ぶが、俺の剣のほうが早く、ギルガメッシュの胴体を切り裂いた。それと同時に技の効果が切れて、元の世界に戻った。

 

 

「お前はバーストリンカーを舐めすぎていた。それがお前の敗因だ」

 

 

 


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