フラっぴーです!
新年最初の投稿です!
白夜side
「さて、帰る準備もできたし、そろそろ行くか」
教室で帰る準備をし終え、俺は教室を出る。外にはマシュが迎えにきていた。言い忘れていたが、マシュは俺と同じ学校に通っている。学年は一つ下だ。
「遅かったから迎えにきました」
「悪い悪い、委員会の仕事が長引いてしまってな」
「そうなんですか?あ、そういえば今日はあきらさんは一緒に帰れないんでしたよね?」
「忙しいとか言ってたな。確かあきらも委員会だったか?」
「さあ?もうすぐ院長さんが車で迎えにきてくれるらしいですから、いきましょう!」
「そうだな」
廊下を歩く俺たち。そのままグラウンドに出ようと思ったが、1人の男子生徒がマシュを呼び止めた。
「キ、キリエライトさん!」
「は、はい?」
「す、好きです!僕と付き合ってください!!」
「え、えーっと……」
マシュは告白され、戸惑っていた。どう返事するんだろうな。
「ご、ごめんなさい。私あなたのことをよく知りませんので」
とても申し訳なさそうに謝ると、男子生徒は落ち込んでその場から去っていった。
「わ、私のどこを好きになったのでしょうか?」
「どこだろうなー?」
マシュ自身は気づいていないが、俺の学年ではマシュファンクラブというものが作られている。まあ活動内容は学校内でのマシュの盗撮とかだな。そのせいで先生に写真を没収されていた。ちなみに何故ファンクラブが作られたかというと、マシュの写真集を作りたかったそうだ。優しい、成績優秀、家庭科部の人気者、スタイルがいい、頼れる後輩といろんなスキルを持ったマシュだからこそ作りたかったと聞いた。
「あ、マシュちゃん!この間貸してくれたレシピ返すね!」
「あ、はい」
女子生徒は指をマシュの方に弾いた。多分レシピのデータをマシュのニューロリンカーに返したんだろう。
「とても参考になったわ!ありがとう!」
「お役に立ててよかったです」
「あれれ〜?マシュちゃんまた胸大きくなった〜?」
「な、なってません!!」
「ほんと〜?あ、白夜君はカップ数とか知ってるの?」
「えっ?知らないけど?」
「実はね」
「わあああああ!!!!恥ずかしいですよ!!!」
「じゃあ自分の口で言ってみなさいよー!」
「ううぅ…………Eカップ……です…」
「らしいよ!」
「へ、へえ」
そんなに成長してたのか……。あきらが聞いたら落ち込みそうだな……。そんなことを思ってると、校舎の扉から誰かが走って入ってきて、マシュの後ろに抱きついた。そしてその手は胸に。こんなことするのって……
「マシュお姉ちゃん遅いよー!」
「ひゃん!」
「僕らは小学校だから終わるのは早いんだよ!待ちくたびれちゃったよ!」
「わ、わかったから……はぅ!胸を触るのはやめて!」
「白夜君、いつもこんな感じなの?」
「まあ、そうだな」
「マシュちゃんも大変だね〜」
「呑気にそんなこと言ってないで…やん!助けてくださいよ!」
「わ、わかったよ。ほら、寿也、帰るぞ」
「疲れたからマシュお姉ちゃんおんぶしてー」
「はあ……はあ……おんぶだけだからね」
「鞄は持ってやるよ」
「ありがとうございます」
俺はマシュから鞄を受け取り、女子生徒に別れを言って校門を出た。門の前にはもう車が停まっていた。俺は助手席に座り、マシュは後部座席に座った。
「今日は外食なのか?」
「ええ、たまにはそういうのもいいでしょう」
「たまには……ね」
その日の夜は孤児院のみんなで焼肉を食べに行った。特に喧嘩も起こらなくてよかった。それとマシュの焼き加減が上手すぎた。
そして車を孤児院に停めて、中に入る。
「さて、私はお弁当箱を洗いますね」
「ねえ、マシュお姉ちゃん。宿題わからないところあるの」
美奈がマシュのところに宿題を持ってきていた。教科を見ると、俺の苦手な教科だった。低学年のものでも、苦手なものを教えるのは難しいからな。だからマシュに頼んだんだろう。
「俺がやっておくから教えてやってくれ」
「すみません、じゃああっちにいこっか」
俺は弁当箱を洗剤で洗い、食洗機に入れてニューロリンカーでボタンを押した。さて、そろそろ風呂も溜まる頃だろう。
「マシュー、先に風呂に入ってこーい」
「あ、はーい!」
俺はリビングにいき、眼鏡を外して座り込んだ。やっとリラックスできると思ったら、風呂場から悲鳴が聞こえた。
『きゃあああああ!!!!』
「マシュお姉ちゃんまた寿也君にやられたのかな?」
「そうだなー」
「助けないの?」
「大丈夫だろう」
『寿也!入浴中は入ったらダメって言ってるじゃない!!』
『いいじゃん!いいじゃん!』
それからしばらくして、ヘロヘロになったマシュが寝間着姿で出てきた。俺もその後に入り、数分で出た。
「ん?」
リビングに入ると、カーペットの上で4人が寝転んでいた。美奈と香奈はマシュと寿也を挟むように寝て、寿也はマシュの胸に顔を埋めて、マシュはそんなことに気づいてないように寝ていた。俺はそっと毛布をかけて、自分の部屋に戻ることにした。