アクセル・ワールド 君の隣にいるために   作:フラっぴー

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第7話 見学?

 

 

今日も学校に行くと、また教室が騒がしかった。なにやら今日はちょっとしたイベントがあるらしい。

 

 

「今日はなんなんだ?」

 

 

「実は今日は有名人がここにくるんだよ!」

 

 

「「「有名人?」」」

 

 

俺と楓子とジャンヌは聞き返す。するとクラスの子がそのことについて話しだす。

 

 

「あの両儀式がくるんだよ!!」

 

 

「式が?それがなんなんだ?」

 

 

「あれ?式って杉並に住んでなかった?」

 

 

「ちょっと待て!?式!?式だと!?お前ら会ったのか!?」

 

 

「あ、ああ」

 

 

「サインは!?サインは貰ったのか!?」

 

 

「も、貰ってないよ」

 

 

「もったいない!!もったいないぞ2人とも!!」

 

 

「だ、だからどうしたんだよ!」

 

 

とりあえず興奮してるこいつを落ち着かせることにした。ようやく息を整えると落ち着いて話しだす。

 

 

「お前らは両儀式がどんな人か知ってるか?」

 

 

「事件に式が加わったらどんな犯人も無力化するんだろ?」

 

 

「それもそうだが、両儀式にはまだあるんだよ」

 

 

「「「ん?」」」

 

 

「両儀式は俺たちと同い年なのに女優をやっているんだ!!」

 

 

本当なのか?そんな雰囲気は出してなかったけど……とりあえず調べるか。ニューロリンカーの検索アプリで両儀式と検索する。すると、両儀式についての情報がでてくる。たしかに女優と書かれている。

 

 

「奨真君、どうだった?」

 

 

「たしかに女優と書かれている。えっと……代表作は……」

 

 

「両儀式の代表作は『空の境界』!!主人公の名前はそのまんま両儀式!!噂では両儀式の知り合いが書いたものらしい!!」

 

 

「へえ」

 

 

「席につけー、ホームルームを始める!」

 

 

担任の先生と明日奈さんが入ってきて、俺たちは席に戻る。だが、一部では明日奈さんの周りに行っていた。

 

 

「先生って本当に綺麗ですよね!!」

 

 

「絶対女優になれましたよ!」

 

 

「ちなみに年齢は!」

 

 

「も、もう!女性にそんなこと聞かないの!」

 

 

全く……アホども。

 

 

「年齢か……。紺野先生と知り合いって言ってたから、たしか」

 

 

「奨真君?その先は言っちゃダメよー?」

 

 

「いい痛い痛い」

 

 

担任の先生が明日奈さんの周りにいる子を席に戻すと、話し始めた。

 

 

「もう噂は回ってると思うが、この学校に女優の両儀式が遊びにくる。まあ彼女も学校があるから今日1日だけだが、もし会ったら挨拶でもしておけよ」

 

 

本当にくるのか……このことは白雪も知ってるのかな?

 

 

「1時間目は国語だから準備しておいてね」

 

 

そういえば明日奈さんの授業は初めてだな。どんな感じなんだろ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1時間目が終わって今は休憩時間。トイレに行って教室に帰る途中、聞き覚えのある声が聞こえたからそこへ向かう。すると、そこにはなぜか喧嘩してるオルタと式がいて、それを止めようとしてる白雪がいた。

 

 

「あ、あんたね!なんなのよその態度!!」

 

 

「あ?何がだよ?」

 

 

「ぶつかっておいてその態度はなんなのって言ってんのよ!!」

 

 

「だから謝ってるじゃねえか」

 

 

「その態度がムカつくのよ!!」

 

 

「お、オルタさん落ち着いてください!!」

 

 

あー……なんかめんどくさそうだな。とりあえず止めるか。人も集まってきてるし。

 

 

「オルタ、とりあえず落ち着け」

 

 

「誰に言ってんの……って奨真じゃない」

 

 

「あ、奨真じゃん。おひさー」

 

 

「奨真さん!助かりました!今回ばかりはオルタさんを止められません!!」

 

 

白雪もクラスでは苦労してるんだな……オルタが暴走しかけたらいつも止めてるって言ってたし。

 

 

「そ、それよりもこの女と知り合いなの!!」

 

 

「ま、まあな」

 

 

「奨真さんいつのまに……って……よく見たら両儀式さんだ!?」

 

 

「俺を知ってるのか?」

 

 

「知ってますよ!!高校生女優じゃないですか!!」

 

 

「あ、俺そっちの方が有名なの?てっきりどーでもいいことで知られてると思ってたよ。例えばこの前の強盗の事件とか」

 

 

「どっちかって言えば女優の方が有名だろ」

 

 

「そうか?」

 

 

忘れてたけど、有名な両儀式が目の前にいるのに、周りの人たちは全く来ないな。オルタに怯えてるのか?

 

 

「っとそろそろ教室に戻るよ。じゃあな」

 

 

「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!!まだ話は終わってないわよ!!」

 

 

「お、オルタさん!私たちも戻らないと!あ、両儀さん!あとで私たちのクラスに来てください!」

 

 

「苗字で呼ぶな。あまり好きじゃない。じゃあまた後でな」

 

 

俺も教室に戻るか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

教室の前まで来たけど……なんでなんだ?

 

 

「なんでついてくるんだ?」

 

 

「別にいいだろ?」

 

 

「まあいいけどさ」

 

 

教室に入ると、クラスのみんなが音に反応してこっちを見る。式に気がついたのか、全員目を輝かせて色紙を持ってこっちにきた。あ、これはやばいかも。

 

 

「きゃあああああ!!!両儀式さんよ!!」

 

 

「私ファンです!!サインください!!」

 

 

「お、俺もファンです!!」

 

 

「空の境界シリーズ全部見ました!!」

 

 

俺はおしくらまんじゅう状態になったところからなんとか脱出した。

 

 

「大丈夫?」

 

 

「なんとかな……」

 

 

「式大人気ね」

 

 

その頃の式はクラスのみんなにサインをしていた。

 

 

「く、くっつくな。書けないだろ。まあサインなんかうまく書けないから適当だけどよ」

 

 

「やべえええ!!本物の式さんやべええ!!」

 

 

チャイムがなってもクラスのみんなは席につかない。それ以前に騒がしいからそれに気づいた明日奈さんが駆けつけた。

 

 

「こらー!早く席につきなさーい!」

 

 

「「「ご、ごめんなさーい!」」」

 

 

「全くもう……あら?」

 

 

「あん?」

 

 

明日奈さんは式を見ると、全体をじっと見つめる。もしかして明日奈さんもファンなのか?

 

 

「あなた……どこかで……」

 

 

「奇遇だな、俺もだ」

 

 

な、なんなんだこの空気……。

 

 

「もしかして2人で会ったことがある?」

 

 

「その可能性はありそうだな」

 

 

「あっ!?思い出した!!空の境界シリーズよ!!」

 

 

それを聞いた瞬間、俺は椅子から転げ落ちた。さっきのあの空気はなんだったんだよ……。

 

 

「はっ?」

 

 

「私も見てたのよ!あ、よかったら後でサインもらえないかな?」

 

 

「桐ヶ谷先生、仕事がまだ残ってますよ」

 

 

「あ、すみません!」

 

 

明日奈さんは他の先生に連れていかれていった。式はそれを見送って、教室の中に残っていた。

 

 

「式はあのままいるのかな?」

 

 

「自由だなあいつ。猫か?いや、ここはウサギのほうがいいか」

 

 

そんなことを言いながら、俺は次の授業の準備をする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の休み時間は式は白雪のところに行った。さらに次の休み時間、昼休み、放課後までずっと俺の教室にいた。

 

 

「結局ずっとここにいたな」

 

 

「まあな、出歩いて騒がれたら面倒だからな」

 

 

「あ、白雪たちを迎えに行く?」

 

 

「そうだな」

 

 

「オルタもいますしね」

 

 

「白雪にオルタ?あーあの白と黒か」

 

 

「サインあげたんなら名前覚えてやれよ……」

 

 

「な、なんか申し訳ない」

 

 

4人で1年のクラスに行くと、やはりここでも騒がしくなる。式がいるから当然か。

 

 

「両儀式さんだ!」

 

 

「あ、橘先輩と倉崎先輩もいる!」

 

 

「ジャンヌさんもいるぞ!」

 

 

な、なんか俺たちも言われてる気が……。式だけじゃないのかよ。

 

 

「お前らも人気者だな」

 

 

「あー!!あんたは!!」

 

 

教室の前に行くと、ちょうど白雪とオルタが出てきた。オルタが式に気づくと、不機嫌になる。白雪は涙目になりながら俺に助けを求める。

 

 

「奨真さん!もう私には今日のオルタさんは止めれません!!」

 

 

「こら、オルタ!白雪ちゃんを困らせたらダメでしょ!」

 

 

「うぐっ……そ、そんなことよりなんでこの女がいるのよ!!」

 

 

「別にいいだろ。面白そうだし」

 

 

犬猿の仲になるのか?いや、式は敵意は全くないみたいだしな……。

 

 

「ていうか今気づいたけど、お前どこが普通の高校生なんだよ。めちゃくちゃ有名人じゃねえか」

 

 

「はあ?ただ女優をしてるだけの高校生だろ?普通じゃねえか」

 

 

全然違うと思う。それともこれが式にとっての普通なのか?そんなことを考えてると、式は俺を見ながらこう言った。

 

 

「そんなことよりも、お前のほうがただの高校生じゃねえだろ」

 

 

「はい?」

 

 

「いや、お前だけじゃないな。ここにいるお前ら全員って言ったほうが正しいか」

 

 

どういうことだ?俺たち全員が普通の高校生じゃない?俺たちの共通点は…………まさか。

 

 

「まさか……お前も……」

 

 

「ふっ……そのまさかさ」

 

 

「奨真君、もしかして式も」

 

 

「俺の予想が正しかったら……式はバーストリンカーだ」

 

 

「ああ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺もそのバーストリンカーさ」

 

 

 

「「「「っ!?」」」」

 

 

でも、俺はバーストリンカーだってことをバレるようなことをしていない。なのに何で……何でわかったんだ?

 

 

「なんでわかった?」

 

 

「そういうのには敏感でな、なんとなくわかるんだよ」

 

 

そう言って不気味な笑みを浮かべる。その笑みを浮かべた式は、恐ろしく感じる。

 

 

「こう見えて強い奴には興味があってね」

 

 

「何が目的なんだ?俺たちを倒すことか?」

 

 

そう聞くと、今度は黙り出した。すると、式は何故かため息をつく。

 

 

「悪い、ちょっとふざけた。別に目的なんかないよ。そりゃあお前らには興味あるよ。でも目的なんか聞かれてもなぁ」

 

 

「えっ?じゃあ式は悪いリンカーじゃ……」

 

 

「んなわけねえだろ。あ、どうしてもと言うならひと勝負しても構わないぜ?」

 

 

「ふっ……その勝負……乗った!」

 

 

「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」

 

 

オルタは俺の前に出ると、式と向き合った。そして式を指差し、式の挑戦に乗ると言い出した。

 

 

「その勝負、私が受けるわ!!」

 

 

「はあっ!?」

 

 

「オルタ!?」

 

 

「へえ?お前か。いいぜ、なら早速始めようか」

 

 

「悪いわね奨真、このいけ好かない女と勝負したくなってね」

 

 

「ま、まあ構わないけど」

 

 

「その前に場所を移動しましょう。ここだと目立つわ」

 

 

「そ、そうですね!ほら、オルタさん行きますよ!」

 

 

「ちょ、お、押さないでよ!」

 

 

「オルタはああやって白雪ちゃんに面倒を見てもらってるんですね。なんだか安心しました」

 

 

4人は場所を移動して、俺と式はその場に少しだけ残った。

 

 

「本当に悪い奴じゃないんだよな?」

 

 

「心配性だなぁ。悪い奴とかじゃねえよ」

 

 

「ま、それもそうか。もし俺たちの敵ならこんな風に接触してこないもんな」

 

 

「いや、俺だったらこうするけど。それであの世界で悪さしてる集団をいくつか潰してるし」

 

 

「へ、へえ」

 

 

もしかして式って加速世界ではかなりやばいやつじゃ……。

 

 

「簡単に言えば裏の正義の味方って奴?いや、違うな。悪い奴ら専門の殺し屋って言った方がわかりやすいか?」

 

 

「なあ、お前って結構やばい奴なのか?」

 

 

「さあな。それは俺の実力を見てからだな」

 

 

「奨真くーん!早く早くー!」

 

 

「ほら、お前の女が呼んでるぜ」

 

 

「ちょっと喋りすぎたな。早く行くぞ」

 

 

「おう」

 

 

学校を出て、近くの喫茶店に寄ることにした。席につき、とりあえず人数分のコーヒーを頼む。俺はブラックしか飲めないからそれにしたけど、オルタもブラックが飲めるのか?

 

 

「オルタ、お前飲めるのか?」

 

 

「当たり前じゃない!私は大人だから!」

 

 

そう言いながらオルタはコーヒーを飲む。だが、舌を出し、かなり苦そうにしていた。

 

 

「言わんこっちゃない」

 

 

「こいつ馬鹿なのか?」

 

 

「う、うっさいわね!!」

 

 

「砂糖を頼んであげるね」

 

 

楓子は店員さんに砂糖を貰い、それをオルタに渡す。オルタは受け取ると、それをコーヒーに入れる。

 

 

「あ、ありがとう楓子」

 

 

「どういたしまして」

 

 

ジャンヌは落ち着いてコーヒーを飲み、白雪は熱そうにしながら飲んでいた。式は窓の外を見ながら飲んでいた。

 

 

「さて、そろそろ始めようぜ」

 

 

「そうね。叩き潰してあげるわ!!」

 

 

「俺を楽しませてくれよ」

 

 

「なら私たちは観戦ね」

 

 

「2人とも頑張ってくださいね!」

 

 

「お、応援してます!」

 

 

式とオルタは直結して、叫ぶ。俺たちもそれに続いて叫ぶ。

 

 

「「「「バーストリンク!!」」」」

 

 


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