アクセル・ワールド 君の隣にいるために   作:フラっぴー

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第12話 鑑賞。噂

『俺の目はね、物の死が視えるんだよ。お前と同じ特別製でさ』

 

 

『…………曲がれ』

 

 

『だから……生きているのなら……神様だって殺してみせる!』

 

 

『曲がれえええ!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今俺たちは式の家で『空の境界』の第3章を観ている。ちなみにネガ・ネビュラスや、他のみんなはもう式のことは知っている。

 

 

「これが『空の境界』ですか!すごく面白いです!」

 

 

「うむ、姉さんが好きになるのもわかるな」

 

 

「サッちゃんもハマってきた!!今度DVDを貸してあげるわ!」

 

 

「私もDVDを集めようと思うの。びゃーくん、今度一緒に観るの」

 

 

「じゃあ今度観ような!」

 

 

みんなも楽しんでるみたいだな。たしかにこれは面白かったし。俺も買おうかな。

 

 

「あのさぁ……今更だけどよ……」

 

 

「式?」

 

 

「なんで俺の家なんだ?別にどこでもよかっただろう?」

 

 

「それは……式の作品だから本人の家で観るべきだろう」

 

 

「なんだそれ……」

 

 

「それにしても式さんの部屋って何にもないですね……」

 

 

式の部屋にあるのは冷蔵庫、テレビ、DVDプレーヤーとタンスぐらいだ。映画の中での式の部屋みたいだった。

 

 

「悪いか……この方が落ち着くんだよ……」

 

 

「い、いえ!決してそういうわけじゃ……」

 

 

 

「こいつらも女優なんだよなぁ……しかもアタシらと変わんねぇし」

 

 

「いやニコ、お前は変わるだろ……」

 

 

「ねえ式、『空の境界』ってこの終章で終わりなの?」

 

 

「今の所はな」

 

 

(ピンポーン

 

 

「誰かきたみたいですね」

 

 

「お前らは待っててくれ」

 

 

式は立ち上がり、玄関に向かう。式が扉を開けると、女性が無理やり中に入ってきた。

 

 

「なんだ橙子……今度は何の用だ」

 

 

「あ、あ、あの人って……蒼崎橙子さん!!」

 

 

「し、白雪さん?」

 

 

「お、落ち着いて……ください……」

 

 

「サイン!サイン貰わなきゃ!!」

 

 

白雪が暴走し始めた……。よっぽどファンなんだろうな。

 

 

「式!匿ってくれ!」

 

 

「また青子か?あと、そいつ誰だ?」

 

 

「な、なんで俺まで……」

 

 

「あれっ?蓮君?」

 

 

「君!あとそこのみんなも静かに!」

 

 

俺たちはとりあえず静かにすることにした。数秒後、扉の前から女性の声が聞こえてきた。

 

 

『姉貴!!ったくあの馬鹿姉貴め……逃げ足だけは一丁前なんだから!』

 

 

姉貴?ってことはこの人は外にいる人のお姉さんか?それに塔子って……。

 

 

「塔子さんって……」

 

 

「楓子が思ってる通りだと思うよ、あの人は『空の境界』に出てる人だ」

 

 

「だよね」

 

 

「行ったみたいだ……助かったよ式」

 

 

「俺は何もしてない」

 

 

「ねえ!蓮君!なんで蓮君が橙子さんと一緒にいるの!!」

 

 

「お、お嬢!落ち着いて!俺はこの人に巻き込まれた側です!」

 

 

「で、橙子、こいつに何をした?」

 

 

「青子から逃げるために犠牲になってもらおうと……でも」

 

 

うまくいかなかったんだな……。蓮、色々どんまい…。

 

 

「どれだけ人に迷惑かければ気が済むんだよ。あといい加減金くらい返せ」

 

 

「か、返すよ……」

 

 

「ったく……そればっかじゃないか。あ、橙子、自己紹介しろよ」

 

 

「蒼崎橙子、橙子さんって呼んでねー」

 

 

「俺もだな……烏野蓮、よろしく」

 

 

俺たち全員自己紹介をして、一息をつく。白雪は橙子さんのところに行ってサインをもらっていた。

 

 

「有名人2人からサインを!!あとは幹也さんと鮮花さんと、藤乃さんとそれからそれから!!」

 

 

「な、なんか白雪さんキャラ崩壊してません?」

 

 

「チーちゃん、シーッ!」

 

 

「全く、騒がしいんですけど?」

 

 

オルタは寝てたのか、目をこすってこっちをみた。

 

 

「おや、君はジャンヌの妹か何かか?」

 

 

「そうだけど何よ?」

 

 

「似てる似てる!そうだ!よかったら私の人形コレクションの一部にしてもアダ!!」

 

 

話の途中で式が頭を殴りつけた。頭を抑えた橙子さんは涙目で式を見る。

 

 

「痛いなぁ……」

 

 

「お前のコレクションをこれ以上増やすな」

 

 

「ちぇー。あ、シャワー借りるよー」

 

 

なんか楽しそうな人だなぁ……っともうこんな時間か。

 

 

「もう遅いし、そろそろ帰るよ」

 

 

「そうね、晩御飯作らなきゃダメだし」

 

 

「そうだな、式、我々は失礼するよ」

 

 

「おう、気をつけて帰れよ。あと、最近無制限フィールドでへんなことが起きてるらしいから、それも気をつけろよ」

 

 

「わかったよ」

 

 

俺たちは式の家から出て、それぞれ家に帰ることになった。ジャンヌはオルタの家にいく準備をして出かけていった。俺の楓子は晩御飯の前に、俺の部屋で直結をする。

 

 

『とりあえず、一度ダイブするか』

 

 

『そうね、式が言ってたことも気になるし』

 

 

『『アンリミテッドバースト!』』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「変な噂?」

 

 

「エミヤ、何か知らないか?」

 

 

「…………変な噂って言えば、なにやら3人組のリンカーが無闇にPKをしてるって聞いたな」

 

 

「3人組?加速研究会じゃないの?」

 

 

「いや、関係ないと思う。私も可能性はあると思ったが、全く関係ないみたいだ。悪い連中は加速研究会だけではないということだな」

 

 

加速研究会を倒すのも苦労しそうなのに、他にも悪い奴らがいるのかよ……。

 

 

「ウゥ……」

 

 

「あら?フランちゃん?」

 

 

「ウゥ……ウー……ウ」

 

 

何かジェスチャーしてるな。バーサーカーだから上手く話せないのか、だからジェスチャーで伝えようと……。でもさっぱりわからん……。

 

 

「なるほど、その者たちは三銃士と名乗ってるのか」

 

 

いや、なんでわかるんだよ!俺もその能力欲しいよ!そんなことを思ってると、フランケンシュタインはまたジェスチャーをし始めた。俺に伝わってないとわかったのか、近くの岩を壊し始めた。何か物で伝えようと?

 

 

「ウー!」

 

 

その岩はどこかでみたことのある形だった。アバターだな、しかもこれってルーク?

 

 

「ルークはいないのかって?」

 

 

「ウゥ」

 

 

フランケンシュタインは頷いた。弟子が気になるとか?

 

 

「今日はルークはいないのよ、ごめんね」

 

 

「ウゥ……」

 

 

落ち込んでるな……そんなに鍛えたかったのか?

 

 

「ふん!」

 

 

「痛っ!?」

 

 

突然レイカーに腹を肘で殴られた。なんでだ……。

 

 

 

「もう……わからないの?」

 

 

「な、何がだよ」

 

 

「フランちゃんがルークを気になる理由」

 

 

「鍛えたいからとかじゃないのか?」

 

 

「もう!会いたかったからに決まってるじゃない!」

 

 

「そ、そうなのか?」

 

 

「そうなの!」

 

 

女心ってよくわからん……。あと、俺が言う前に心を読んでたのか?

 

 

「おい!あっちでなんかすごい戦いをしてるぞ!」

 

 

「見に行こう!」

 

 

すごい戦い?気になるなぁ。

 

 

「行ってみるか?」

 

 

「そうだなぁ」

 

 

「気になるし、行ってみましょ」

 

 

「ウー!」

 

 

走って騒がしいところにきた。そこでは英霊級エネミーとブラッドが激闘を繰り広げていた。

 

 

「そこ!!」

 

 

「ふん!」

 

 

エネミーの剣は早くて見るのもやっとなのに、それについていってるブラッドはすごい。

 

 

「なかなかやりますね。なら……」

 

 

「直死の魔眼……」

 

 

「一歩音超え……二歩無間……三歩絶刀……無明……三段突き!!」

 

 

「そこがお前の死だ!!」

 

 

エネミーは突き攻撃。ブラッドはエネミーの死を狙いにいった。すれ違うと、エネミーは血を吐き、倒れる。だが、ブラッドも膝をつき、その場に倒れる。

 

 

「エネミーの勝ちだ」

 

 

「相打ちじゃないのか?」

 

 

「たしかに彼女も攻撃を食らっている。だが、直撃を避けている」

 

 

「ならなんで血を吐いてるの?」

 

 

「あれは彼女の保有スキルだ」

 

 

「ウー!ウー!」

 

 

「フランの言う通り、彼女の元に行くとしよう」

 

 

俺たちは2人の元に向かう。まずはブラッドが心配だ。

 

 

「大丈夫か」

 

 

「な、なんとかな……。あのすれ違いで直撃を避けられるとはな……」

 

 

「あの娘はいったい……」

 

 

「ゴフッ……」

 

 

「ちょっとみてくるわ!」

 

 

レイカーは彼女の元に向かうと、彼女は急に立ち上がる。それにビックリしたレイカーは尻餅をつく。

 

 

「沖田さん大勝利〜!」

 

 

「「えっ?」」

 

 

「あなた強かったですよー!私も久し振りに苦戦しました!」

 

 

「お前には敵わないよ……」

 

 

「ギャップがすごいな……」

 

 

「沖田……羽織……それに血を吐く……。あっ!?もしかして沖田総司!?」

 

 

「いかにも!私は新撰組1番隊隊長、沖田総司です!」

 

 

なるほど……だからあんなにも剣筋がいいのか。あ、そうだ。沖田にも聞いておこう。

 

 

「なあ沖田、三銃士って聞いたことあるか?」

 

 

「三銃士?聞いたことはありますが、詳しくは知りませんね……。あ、でも土方さんなら知ってるかも!土方さんのところに案内しますよ!」

 

 

「はやくも情報ゲットだな」

 

 

「ああ、俺はブラウンクリエイト。エイトって呼んでくれ」

 

 

「私はスカイレイカー、レイカーって呼んでください」

 

 

「ブラッドバニー、ブラッドだ」

 

 

「わかりました!それでは案内しますので、ついてきてください!」

 

 

俺たち5人は沖田についていった。歩いて五分ごとに軽く吐血をされるのは、ちょっと疲れた。

 

 


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