アクセル・ワールド 君の隣にいるために   作:フラっぴー

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第13話 新撰組

 

 

沖田に案内をしてもらって、ようやく目的地に着く。到着したところは喫茶店のようなところだった。ちなみに沖田は到着するまで20回くらい吐血して、その度に時間を割く。

 

 

「ここです。土方さーん!」

 

 

沖田は扉を開け、中に入る。俺たちも続いて入ると、そこには困った店員さんが1人の男性客を相手してる絵だった。

 

 

「ああん!!酒がねえだと!!なら補充してこいやあああ!!」

 

 

「こ、困ります!いくらゲームの世界でも、ここでは調達しなくちゃダメなんですよ!」

 

 

「んなこと知るか!!」

 

 

「土方さん」

 

 

「なんだ!!って沖田か。何の用だ」

 

 

「お客さんを連れてきました」

 

 

「客?」

 

 

「あんたに聞きたいことがある」

 

 

俺は噂になってる三銃士について聞いた。土方は考え込むと、思い出したのか、俺と向き合う。

 

 

「そいつらは3人で奇襲をかけ、PKをする奴らだ。3人のコンビネーションはもちろん完璧。一人一人の実力もあるとのことだ。そんなことを知ってどうする?」

 

 

「無闇なPKをしてると聞いたから、それを止めるために少しでも情報が欲しかった」

 

 

「PKってのはこの世界ではあることなんだろ?それに死んでも復活するじゃねえか。ならPKもやっていいだろ」

 

 

「…………たしかにそれも個人の楽しみ方だ。でも、無闇なPKは許すわけにはいかない」

 

 

「ふっ……なるほど、お前面白えな。ちょっと付き合ってやるよ」

 

 

「付き合う?どういうことだ?」

 

 

「とりあえず店を出るぞ」

 

 

俺たちは土方の言う通り、店を出た。店から少し離れたところに行くと、土方は剣を取り出した。

 

 

「俺と勝負しろや」

 

 

「ひ、土方さん!?」

 

 

「なんでいきなり」

 

 

「急にお前と勝負したくなった。だから剣をとれ」

 

 

んな無茶苦茶な……まああの新撰組と勝負できるなんて夢のような話だし、挑戦を受けよう。

 

 

「エイトさーん!土方さんはバーサーカーですから気をつけてー!」

 

 

「ウー!」

 

 

「頑張ってねエイト!」

 

 

「死ぬなよー」

 

 

俺はガンブレードを構えると、土方はいきなり俺の目の前にきた。咄嗟に防御の構えをしようとするが、土方の斬撃が早すぎて、肩をもろに食らってしまった。

 

 

「がぁっ!」

 

 

「オラオラオラ!!!どうしたどうした!!そんなもんか!ああ!!!」

 

 

「クソ!!」

 

 

土方の攻撃を必死に防ぐ。だが、全然攻撃が鳴り止まない。こうなったら……

 

 

「ロー・アイアス!!」

 

 

「ああっ!?」

 

 

急に攻撃が跳ね返された土方は驚く。俺はその隙に接近して、剣を振りかざす。だが、土方は腰にかけていた火縄銃を手に取り、俺の額に銃口を当てる。

 

 

「新撰組を舐めんじゃねええええ!!!!!!!」

 

 

そのまま引き金を引かれ、俺のHPはゼロになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目を覚ますと、心配してきてくれたレイカーとブラッド、エミヤとフランケンシュタイン、沖田がいた。

 

 

「全く歯が立たなかった……」

 

 

「いやいや、土方さんが強過ぎなだけですよ。エイトさんは十分強いと思います」

 

 

「沖田、たくあん拾ってこい」

 

 

「たくあんなんか拾ってこれませんよ!!」

 

 

「あいつ……本当に自由だな」

 

 

「バーサーカーだからあんな感じなのか?」

 

 

「さ、さあ?」

 

 

でも、さすが新撰組というか……英霊級エネミーというか……本当に強いな。

 

 

「おい坊主」

 

 

「お、俺?」

 

 

「お前だ、まだまだ俺には敵わねえが、よく耐えた方じゃねえか?」

 

 

「えっ?」

 

 

「今までのやつはすぐにくたばっちまったからな。ここまで耐えたのはお前が初めてだ。それにお前はまだまだ強くなる。焦らずに強くなれ」

 

 

まだまだ……強くなれるのか。

 

 

「おいコラ沖田ぁ!!たくあんどうした!!」

 

 

「だから外に落ちてませんから!!」

 

 

「はぁ……お前らには付き合ってられない。俺は帰る」

 

 

「あ、おいブラッド……」

 

 

「それじゃあみなさん、失礼します!」

 

 

俺とレイカーは帰って行くブラッドを追いかける。エミヤたちから離れたところに来ると、PKされてるリンカーを目撃した。

 

 

「3人組が襲ってる……ならあいつらが」

 

 

「ああ、あいつらが三銃士だろうな」

 

 

「だったら、私たちで終わらせよう!」

 

 

「まずは俺が奇襲をかける。お前ら2人は俺に続け」

 

 

ブラッドは三銃士に突っ込むと、ナイフを投げる。ナイフに驚いた三銃士は襲っていたリンカーから離れる。俺はジェットレッグ、レイカーはゲイルスラスターで急接近してダメージを与える。

 

 

「なんだよお前ら!」

 

 

「俺たちの邪魔するなよ!」

 

 

「お前らが三銃士だな。無闇なPKをしていたのはもう知ってる。お前らはここで俺たちが倒す!」

 

 

「俺たちを倒す?やってみろよ!このアップルディガーと!」

 

 

「サンドレックス!」

 

 

「………………アイスジルバ」

 

 

「「3人揃って!三銃士!!」

 

 

「「「………………」」」

 

 

ノリノリなのは2人だけか……あと三銃士って聞いてたからダルタニャンとかアトスみたいな感じのやつかと思ったが、そうでもなさそうだな。

 

 

「エイト……こいつらって厨二病か?」

 

 

「俺に聞くなよ……」

 

 

「シー、聞こえたらどうするの」

 

 

「俺たちと勝負するんだな!どうせならサドンデスにしようぜ!」

 

 

「お前らは俺らを止めたいんだろ!そして俺たちは邪魔するお前らを消したい!どうだ!」

 

 

「そこの青いやつはどうする?こいつら勝手に言ってるけど」

 

 

「勝負はしても構わない。だが、サドンデスには参加しない」

 

 

そりゃそうだ。サドンデスなんかしたらバーストポイントがなくなって、加速世界から永久退場だ。

 

 

「この弱虫が!だったら俺たち2人はサドンデスに参加してやるよ!」

 

 

ディガーとレックスはアイテムに賭けるポイントを入れて、俺たちに渡す。けど、流石に3対2じゃ不公平だな。

 

 

「どうする?」

 

 

「面倒だが、俺がいくよ。さっさと終わらせたいからな」

 

 

「ならもう1人は私が」

 

 

「わかった。絶対に勝てよ」

 

 

「もちろんよ!」

 

 

「当たり前だ」

 

 

レイカーとブラッドはポイントを入れて、2人の元へ歩く。

 

 

「待たせたわね」

 

 

「お前らは少々迷惑をかけすぎたな。だから、ここできっちりと殺しておかないとなぁ!!」

 

 

「死ぬのはてめえらだ!!」

 

 

「後悔しても知らねえぞ!!」

 

 

カウントはゼロになり、4人の戦いが始まった。

 

 


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