チユリ・タクム「あきらさんって誰ですか?」
2人が言ったこの言葉には俺たちは声が出なかった。今までずっとネガ・ネビュラスで一緒だったのに、そのあきらのことがわからないと言うからだ。
白夜「おい2人とも。冗談はやめてくれよ」
チユリ「冗談とかじゃなくて……」
タクム「本当にわからないんですよ……」
キリト「えっと……。とりあえずそのあきらって子は君たちの仲間……なんだよな?」
楓子「ええ。あきらは私たちネガ・ネビュラスの幹部、
アスナ「幹部って凄い強いってことよね?そんな凄そうな人のことって簡単には忘れないと思うけど」
確かに、アスナさんの言う通りあきらほどの実力を持った人なら他のレギオンの人だって簡単には忘れたりしない。でも2人の記憶からはあきらについてのことは一切ない。
みんなで悩んでると、ハルユキは何か思い当たることがあるのか、俺たちに言ってきた。
ハルユキ「メモリーリークじゃないですか?」
クライン「め、メモリー……何?」
奨真「メモリーリーク。あきらの心意技の1つ。記憶の一部を封印することができるんだ」
ういうい「もしかしたら、お2人はそれで記憶からレンねぇについてのことを封印されたのかもしれないのです」
リーファ「一体何のために?」
アルトリア「それはわかりませんが、理由もなく記憶を封印する彼女ではありません」
何でそんなことをしたかは直接あきらに聞くしかないか。でもそのあきらの居場所がわからないし手がかりもない。
いや、もしかしたらこの砂漠の何処かにいるかもしれない。白夜の時みたいにワープゲートの先にいるという可能性もある。
白雪姫「あきらさんを探さなきゃいけませんが、まずはここから脱出しなくちゃいけません」
黒雪姫「そうだな。帰りのゲートもどこに繋がってるのかもわからない」
白夜「そんなことしなくても壁を壊せばいいんじゃないか?」
エギル「おいおい、そんなことができるのか?」
オルタ「私も同じことを考えてたわ」
楓子「む、無理矢理行くのね……」
まあ確かに無理矢理だが、壁を壊せば簡単に外に出ることができる。幸い壁は脆い。強い衝撃を与えれば壊れるかもしれない。
???「その仕事、僕がやろう」
ユウキ「っ!?その声は……」
声が聞こえたと思ったら、突然俺たちの後ろから誰かが猛スピードで走り、壁を壊した。正確にいえば切り刻んだか。
???「これでいいかい?」
レミ「えっと……貴方は?」
ユウキ「カムイ!?」
???「カムイ君だけじゃないわ」
また新しい声が聞こえて、後ろを振り向くと、俺たちが通ってきた穴から小さな女の子が入ってきた。
レイン「セブン!?」
セブン「プリヴィエート!みんな元気にしてる?」
ユウキ「カムイ!なんでここがわかったの!?」
カムイ「お、落ち着いて。ちゃんと説明するから」
セブンとカムイは簡潔に説明してくれた。どうやら2人で出口を探してる時にたまたまここにたどり着き、その時に俺たちの声が聞こえて事情を聞いていたらしい。
オルタ「ま、とりあえず仲間も増えたし出口も作れたし一石二鳥ってところかしら?」
楓子「うーん、まあそんな感じかな?」
カムイ「ユウキ、君はもう平気なのか?」
ユウキ「うん!完全復活!何の心配もいらないよ」
カムイ「そうか……よかった。本当によかった。君に何かあれば……僕は」
ユウキ「もう、カムイは心配しすぎだって」
カムイは先生のことをかなり心配してるみたいだ。それより、あの2人って一体どんな関係なんだ?
藤乃「あの、ここを飛び降りるんですよね?」
リズ「まあそうなるわね」
藤乃「このまま落ちればゲートに入ってしまいますよ?」
下をよく見ると俺たちが着地する場所にちょうどゲートがあった。入ってもまた帰ってきたらいいから何の心配もいらないな。
クライン「よおし!なら俺が先に行ってくるぜ!」
アッシュ「ミスタークライン!俺様も行くぜ!!」
2人は先に落ちて、それを追いかける感じで俺たちも飛び降りる。そのままゲートに入ると、その先に待っていたのは大きな木が生えていた小さな空島だった。
辺りを見渡すと、紫色の電気のようなものが走る。それに気づいた俺はみんなに動かないように指示する。
???「軽く流したつもりだったけど、まさか見破られるなんてね。流石無限の剣製」
白夜「この声は……」
蓮「パープルソーンか」
木の枝の上に姿を現したパープルソーン。ソーンはジャンプし、俺たちの前に着地した。
ソーン「数が多いわね。はああ!!」
ソーンは杖を振ると、地面からいばらのようなものが出てきた。俺と白夜、蓮は咄嗟に避けるが、他のみんなは捕まってしまい、身動きが取れなくなっていた。
ソーン「一気に相手するのは流石に不利だから、ちょっとずつ倒すことにするわ」
奨真「そうきたか。まあやることは変わらねえ」
白夜「俺ら3人で」
蓮「お前を倒す」
ソーン「簡単に倒せると思ってるの?笑わせんじゃないわよ!!」
俺たちは武器を構えると、ソーンを倒すために走り出した。