アクセル・ワールド 君の隣にいるために   作:フラっぴー

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こんにちはこんばんは!

フラっぴーです!

めちゃくちゃ遅くなって申し訳ありません。



第16話 3人のコンビネーション

 

 

ソーンの拘束から唯一逃れた奨真、白夜、蓮。3人は拘束された仲間を助けるためにソーンと戦うことになった。元々3人は実力がある。だが相手は七王の1人。そう簡単には倒すことはできない。

 

 

ソーンは杖を使って攻撃する遠距離型。近づけば有利だが、近づくまでが難しい。一般のバーストリンカーなら近づく前にやられている。

 

 

蓮「白夜。君は前でタンクを頼む。奨真。君は隙を見てソーンに近づくんだ」

 

奨真「いいけど、お前はどうするんだ?」

 

蓮「安心しろ。俺だけ何もしないなんてことはない。一瞬だけでも隙を作ってみせるさ」

 

白夜「その隙に一気に叩き込む……か」

 

蓮「そういうこと」

 

 

 

蓮は2人に作戦を伝えると、後ろに下がる。そして手袋型の強化外装から糸を出す。白夜は盾を構え、奨真は干将・莫耶を投影する。

 

 

ソーンはずっと杖を持って退屈そうに待っていた。

 

 

ソーン「もういい?待ちくたびれたんだけど」

 

奨真「待たせたな」

 

ソーン「作戦を立ててたのかは知らないけど、無駄だってことを教えてあげる!!」

 

 

杖に電撃を浴びせると、それを奨真に感電させるように流す。奨真はジャンプして避け、干将・莫耶をソーンに放り投げる。だがソーンは軽々と杖で弾いた。

 

 

ソーン「感電死するがいい!!」

 

蓮「させるかあ!!」

 

蓮はソーンの杖を持ってる方の腕に糸を絡ませ、動かせないようにする。そのおかげでソーンの攻撃は止まり、奨真は次の攻撃の準備を整えることができた。

 

 

奨真「ナイスだ!カラドボルグ!!」

 

 

弓を構えて、矢を飛ばす。物凄いスピードで飛ぶ矢はソーンに直撃しようとした。だが、ソーンはギリギリで急所から避け、矢は肩に命中する。

 

 

命中したソーンの左肩は衝撃で吹っ飛び、片腕だけの状態になる。

 

 

ソーン「チッ!やってくれるじゃない…」

 

白夜「後ろがガラ空きだぜ!!」

 

ソーン「っ!?」

 

白夜はソーンの後ろに回り込み、盾で殴り飛ばす。咄嗟の出来事でガード出来なかったソーンはそのまま吹っ飛ばされる。その先には干将・莫耶を投影した奨真がいて、回転斬りを食らってしまう。

 

バタッと倒れたソーンは立ち上がることができなかった。片腕をやられただけじゃなく、背中や身体中を痛みつけられたからだ。それを蓮は見逃さず、糸でソーンを完全に拘束する。そしてまるで縄で縛った物を振り回すように大樹にぶつけたり、地面に激突させたりした。

 

 

ソーン「グフッ……あんたたち…。この私を怒らせたわね……」

 

蓮「まだやるのか?」

 

奨真「諦めろ。その状態じゃまともに戦うこともできないぞ」

 

ソーン「こっちには人質がいるのよ。その人質に何も用意しない私じゃないわ」

 

 

ソーンは杖を地面に刺すと、杖から電撃が走り、他のみんなを拘束してるイバラに走る。そのスピードは速く、3人が今から走っても間に合わない。

 

 

それでも3人はみんなのところに走り、攻撃を防ぎにいく。電撃がみんなのすぐ近くにいき、もうダメだと思った時、誰かがみんなの前に立ち、水の壁を作り出して攻撃を防いだ。ソーンの電撃を防げる水は1人しかいない。

 

 

白夜「あ、あきら!?」

 

あきら「みんな、遅れてごめんなの。これからは私も一緒に戦うの!」

 

ソーン「面倒な女まで増えたわね!」

 

 

そう言いながら立ちあがるソーン。フラフラしながら杖を構えると、杖を頭上に上げ、振り回す。するとソーンの周りに雷の柱が数本現れて周りをぐるぐると回る。

 

ソーンは自分を中心に雷を周りに広げ始める。ガードは出来るが、感電の状態異常は防ぐことができない。だから奨真たちは技を完璧に防ぐことができなくて、逃げることしかできない。だがそれは拘束されてるみんなを見捨てることになってしまう。

 

 

奨真「クソッ!どうすれば……!」

 

あきら「びゃーくん!盾を構えてほしいの!」

 

白夜「わ、わかった!」

 

 

白夜はあきらの言う通りに盾を構える。盾を大きく変化させ、あきらはその盾に触れ、盾に水を纏わせる。あきらの水はソーンの電撃を無効にすることができる特殊な水。だから雷を防いでも状態異常になることはない。

 

 

あきら「パープルソーン。私が来たからもう電撃は通用しないの」

 

ソーン「あ、あんたなんか肉弾戦で十分よ!!」

 

蓮「悪いが、もう終わりだ」

 

ソーン「えっ……」

 

 

いつのまにかソーンの後ろに回り込んでいた蓮。蓮はソーンの首に糸を巻き、思い切り締める。そしてそのままソーンの首を刎ねた。残ったソーンの体もポリゴン状になり、その場所にオーブが出現する。それと同時にソーンの拘束が解け、キリトや楓子たちは自由になった。

 

 

楓子「やったわね!」

 

奨真「ああ!これでオーブは3つ。あと何個集めればいいかはわからんが」

 

黒雪姫「これまでのパターンだと、あと4つじゃないか?」

 

アスナ「今回のオーブは『オーロラオーパル』って書いてあるわ」

 

リズ「それで、そこの全身水で覆われてるのが『あきら』でいいのかしら?」

 

 

キリトたちALO組は一斉にあきらの方を見る。視線に気づいたあきらはダミーアバターになり、軽く自己紹介をする。そしてタクムとチユリにかけていたメモリーリークを解いた。

 

2人はあきらのことを思い出し、何故あきらがそんな行動をとったのかを問う。理由は2人を巻き込みたくなかったかららしい。

 

 

あきら「あ、そういえば」

 

美早「あきら?」

 

あきら「リサのことすっかり忘れてたの」

 

奨真「おいおい……」

 

ユウキ「おーい!そのリサって人見つけたよー!」

 

ユウキはみんなから離れたところから大声で叫ぶ。全員がユウキのところに駆けつけると、そこには地面に捕まって、なんとかよじ登ろうとするリサの姿が。

 

奨真たちがいる場所は浮島。地面に足をつけることができない。だからよじ登るしかないのだが、リサはそれができなかった。

 

 

リサ「た、助けて〜」

 

レミ「大丈夫ですか?」

 

レミはリサの手を握り、上に上げる。リサは疲れたのか、息を荒げていた。

 

 

リサ「あ、あきら……置いてくなんてひどいよぉ……。あ……あとどうやって一瞬で上がれたのよぉ……」

 

あきら「ひとっ飛びなの」

 

 

どうやらあきらは水の勢いを利用し、上に上がってきたみたいだ。リサはジャンプで少しずつ上がってきたと言う。

 

 

キリト「よし、街に戻るか!」

 

リーファ「ここを飛び降りたらいいのかな?」

 

ニコ「それしかねぇだろ」

 

レミ「あのワープゲートを通るのはもう懲り懲りですよ…」

 

クライン「飛び降りるっても、俺たちは羽があるけどさ。アッシュたちはどうすんだ?」

 

 

キリトたちは妖精のアバターだから羽があり、ゆっくりと降りることができる。だがデュエルアバターは奨真と楓子、ハルユキ以外はゆっくり降りることができない。

 

だがバーストリンカーたちは高所から飛び降りることには慣れている。今いるところから飛び降りても何の問題もない。

 

 

黒雪姫「我々なら大丈夫だ」

 

リズ「いやいや、流石にこの高さだとダメージあるでしょ…」

 

蓮「なら俺が先に降りてネットを作る。それなら大丈夫だろ?」

 

リズ「んー……まぁいけそうだけど」

 

蓮「よし。じゃあ先に行って準備してくる」

 

ティア「待って」

 

飛び降りようとする蓮を突然ティアが止める。蓮は振り向くと、ティアに肩を担がれるいつもクールな蓮だが突然のことに驚きを隠せない。

 

蓮「な、ななな!何するんだ!?」

 

ティア「何って、誰かが担がないと降りれないじゃない?」

 

プレミア「ティア。1人より2人の方がいいと思います。つまりバディが必要」

 

ティア「ん、助かる」

 

蓮「えっ……俺は担がれるのは確定なの?」

 

プレミア・ティア「うん」

 

蓮は大人しく2人に肩を担がれ、そのまま下にゆっくりと降りる。地面に着くと、蓮は糸を限界まで伸ばし、それで巨大なネットを作った。上にいるメンバーは下から蓮の声が聞こえたと同時に少しずつ飛び降りる。ネットはまるでトランポリンのように跳ねて、バウンドがなくなると、下に着地する。全員降りてきたかどうか点呼をとり、ちゃんと全員いたから蓮はネットを解体する。

 

リズ「しかしあんたの糸って便利よね〜」

 

蓮「そうか?」

 

白雪姫「蓮君の糸って丈夫だけじゃなくて壊れにくいもんねー」

 

奨真「それ意味的に一緒だぞ」

 

白雪は急にボケて、それに気づいた時に顔を赤くした。大勢の前で急にボケてしまって恥ずかしかったのだろう。それをみたキリトたちの反応は。

 

((((可愛い))))

 

この反応だった。そして街へ戻り、エギルの店に入る。それぞれ席に座り、体を休める。特にソーンと戦った奨真、白夜、蓮はヘトヘトだった。

 

キリト「それにしても3人のコンビネーション凄かったな!」

 

アスナ「うん!それぞれの長所を活かしていたわ!」

 

ユウキ「普段でもあんな感じなの?」

 

白夜「いや、3人での共闘は初めてだよな?」

 

奨真「そうだな。白夜とはよく一緒に戦ったりするけど」

 

蓮「俺は2人とは一緒にいることが少ないから」

 

シノン「嘘でしょっ!?初めてであれなの!?」

 

白雪姫「蓮君は頭脳派だからすぐに分析するんですよ」

 

楓子「だから作戦を立てるのも早いのよ」

 

シリカ「確かに、頭とか良さそうですもんね」

 

アスナ「ねえ蓮君。成績とかってどんな感じなの?」

 

アスナは蓮が頭脳派と知り、その学力についても知りたくなった。それを聞いた他のみんなも耳を傾ける。蓮は特に嫌がらずに答えると、全員驚きを隠せなかった。

 

蓮の成績は国語、数学、英語、理科、社会の5教科全て90点以上という結果だったからだ。

 

フィリア「あ、頭いい……」

 

ストレア「それに家事も完璧!」

 

レイン「まさに完璧人間」

 

奨真「お前のこと改めて凄いと思ったよ…」

 

セブン「神童じゃない」

 

蓮「そう呼ばれるのは好きじゃないかな。俺の場合お嬢に相応しい人間になるためにやっただけだし」

 

リズ「それだけ聞くと白雪の恋人に相応しい人間になるとしか捉えられないわ」

 

確かに今の蓮の言い方だと、その通りの意味になるだろう。それを聞いた蓮はそういう意味で言ったわけではないと言い訳をする。

 

あきら「私も学力には自信があったのだけど…」

 

白夜「気にすんなって。俺はどんなあきらでも好きなんだから」

 

楓子「あらあら、再開してすっかりラブラブね♪」

 

セブン「あなた達も人のこと言えないと思うんだけど」

 

今の楓子の状態は自分の膝に奨真の頭を乗せて、膝枕をしている状態だった。奨真と楓子の方がラブラブな気がすると思ったのはこの場にいる全員だろう。

 

カムイ「これがバカップル…」

 

ユウキ「あっ!そういえば奨真君たちに確認を取らなきゃ!」

 

奨真「確認?」

 

ユウキ「奨真君たちの仲間はあと何人でどんな人物なのかってこと」

 

ALO組は見つかってない奨真たちの仲間について知るものはいない。だからキリトたちでもわかるように、あと何人でその特徴を知る必要があった。

 

ユウキはそれを思い出して、奨真たちに聞いたのだろう。先にこの世界に来ていた黒雪姫とハルユキはわからないらしい。

 

楓子「あとはマシュと式だけかな?」

 

奨真「そう…だな。俺たちが抱えてここに連れて来たのはここにいるみんなとマシュと式だからな」

 

シノン「アバターの色は?」

 

アルトリア「マシュは8割桜色で2割黒の二色。式は美早と同じ色です」

 

エギル「色さえわかれば探しやすくなるな」

 

フィリア「アルトリアの時みたいにまた草原にいたりして」

 

ニコ「ありえねえってわけじゃねえけどよ……」

 

ストレア「じゃあ順番に草原から行こ!」

 

順番に行くことに決めて、まずは草原に行くメンバーを編成する。行くことになったのはタクム、チユリ、アッシュ、オルタ、クライン、ストレア、カムイの7人だ。

 

オルタ「草原であの女と出くわしたくないわね…。私あいつ好きじゃないし…」

 

チユリ「まぁまぁ、文句言わずに行きますよ」

 

7人は店から出て転移門のところに行き、草原エリアに転移した。

 

 


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