アクセル・ワールド 君の隣にいるために   作:フラっぴー

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第17話 天然お色気な子

 

草原エリアに転移してきたタクム、チユリ、オルタ、アッシュ、クライン、ストレア、カムイの7人。とりあえず辺りを探索し始める。だが、式とマシュらしき影は見当たらない。

 

なんの手がかりもなく探すのは無理とカムイは判断し、草原エリアにいる他の人から情報を得ることにした。

 

カムイ「すみません、この辺りに機械のアバターを見かけませんでしたか?ピンク色と赤色なんですけど」

 

プレイヤー「あ、あの変なアバターの人ならさっき見たよ」

 

クライン「どの辺かわかるか?俺たちそいつらに用があるんだ」

 

プレイヤー「その人なら谷にいたよ。今から行けばまだいるんじゃないかな」

 

ストレア「ありがとー!じゃあ早速行ってみるね!」

 

2人の居場所を突き止めた7人は早速谷へ向かう。今いる場所からはかなり離れてるため、走ってでの移動になる。カムイは移動速度アップの魔法を全員に唱え、いつもより早いスピードで走る。

 

その中でもダントツの速さを持つカムイは1番最初に谷に到着する。カムイが見た光景は機械のようなアバター2人がスライムの大群を相手にしてるところだった。

 

???「ダメです!物理攻撃はあまり効きません!」

 

???「やっぱり俺の出番か……」

 

1人はナイフを構えると、スライムに投げつける。そのまま貫通すると、その先にいるスライムにも刺さり貫通する。ナイフを投げた方向にいるスライム全てにナイフが貫通すると、ナイフを投げつけた人は先回りしてナイフをキャッチする。

 

次は走りながらナイフでスライムを斬りつける。そのスピードは目で追うのも難しいくらいのスピードだった。

 

カムイ「いくら弱いスライムでも一撃で倒すなんて…」

 

???「きゃああ!?」

 

???「っ!?どうした!?」

 

悲鳴が聞こえた方を見ると、スライムがもう1人を包み込んでいるのが見えた。ただ拘束してるだけかと思ったが、突然アバターの姿が変わり、女の子が現れる。遅れてやって来た6人もその光景を見ると、アッシュたちは声を上げる。

 

アッシュ「おい!あの姉ちゃんはマシュじゃねえか!?」

 

タクム「マシュさん!今助けます!」

 

タクムは谷底に降りてマシュの元へ駆け寄る。他のみんなも続いて降りて駆け寄る。7人が見た光景は目を見開く光景だった。何故ならダミーアバターに強制変更させられたマシュの服が溶けていっていたからだ。

 

クライン「おおぉ……」

 

カムイ「……」(顔を逸らし)

 

タクム「えっ……」

 

ストレア「わお…」

 

チユリ「えぇ……」

 

アッシュ「なんじゃこりゃ……」

 

オルタ「うわ……エロ」

 

それぞれ感想を言うだけで全く助けようとしない7人。それに気づいたマシュは大声で叫ぶ。

 

マシュ「見てないで助けてください!!」

 

カムイ「ぼ、僕が行こう!はああ!!」

 

カムイは剣でマシュに取り付いているスライムを切り刻む。そのままスライムはポリゴン状になり、マシュは解放される。だがマシュの服は溶けたままで腕で体を隠していた。

 

カムイは着ているマントをマシュに貸して、オルタとタクム、クラインと一緒にもう1人の助っ人に行く。

 

オルタ「苦戦してるじゃない。手を貸してやってもいいけど?」

 

タクム「式さん!手を貸します!」

 

式「別に必要ないけどな。ま、今は甘えるとするか」

 

式はナイフ、オルタは黒い剣、タクムはシアンブレード、カムイは長刀、クラインは刀を構える。スライムの数は約30匹という物凄い数だが、5人なら一瞬で終わるだろう。

 

チユリはシトロンコールをマシュに使い、時間を巻き戻して服も含めて回復させる。

 

オルタ「ふん!大したことないじゃない!」

 

クライン「スライムは雑魚だからな!」

 

カムイ「油断は禁物です!」

 

タクム「よし、今こそ特訓の成果!その心臓、貰い受ける!」

 

式「スライムに心臓とかあるのか?」

 

式は突っ込むが、タクムはそんなこと気にしない。タクムのシアンブレードは槍に変わり、ジャンプしてそれを思い切り投げつける。

 

タクム「真似させてもらいます!ゲイ・ボルグ!!!」

 

ゲイ・ボルグは形を変えて、数本になる。そして地上にいるスライム全てに突き刺さる。スライムはポリゴン状に変わり、ゲイ・ボルグも元に戻りパイルドライバーになる。

 

式「凄え」

 

クライン「なんじゃこれ……」

 

タクム「僕もみんなに遅れを取るわけにはいきませんから」

 

オルタ「あんた、ダミーアバターになりなさいよ」

 

式「お、そうか」

 

式はマシュと同じようにダミーアバターになり、軽く自己紹介をする。

 

クライン「それにしてもオメェらのメンツは可愛い子ばっかだな!」

 

アッシュ「いやいや!ミスタークラインのメンツも負けてねえぜ!」

 

マシュ「とりあえず私は恥ずかしい思いしかしてません……」

 

オルタ「まぁ……どんまい」

 

自己紹介を終えると、特にやることもないから街に戻ることになった。街にはまだ誰も戻ってなく、9人は店で待つことになった。

 

クラインはマシュに近づくとナンパするかのような感じで話しかける。マシュは困りながらも対応する。

 

クライン「マシュさんと申しましたね。わたくしはクライン。あなたを守る武士です」

 

マシュ「は、はぁ……?」

 

クライン「あなたの美しさに惚れてしまいました。もしよろしければこの後お茶でも」

 

マシュ「えっ……えっとぉ……」

 

式「おい。こいついつもこんな感じか?」

 

ストレア「うん!だから気にしなくていいよ!」

 

カムイ「マシュさんが困ってますし、止めてきますね」

 

カムイは立ち上がり、クラインのナンパを止めに行く。そのクラインは嫌々立ち上がると、泣きながらマシュから離れて行く。

 

クライン「おいカムイ!いいところだったのに邪魔すんなよ!」

 

カムイ「マシュさん困ってましたよ」

 

マシュ「た、助かったのかな?」

 

ストレア「じー」

 

一息ついたと思ったマシュだが、ストレアに見つめられてなかなかゆっくりできなかった。気になったマシュはとりあえず聞くことにする。

 

マシュ「どうしました?私の顔に何かついてます?」

 

ストレア「マシュって可愛いだけじゃなくてスタイルもいいね!特におっぱい!」

 

マシュ「えっ!?」

 

そう言われたマシュは顔を真っ赤にして思わず胸を腕で隠す。その直後、どこからか大声で何かを叫んでるような声が聞こえた。

 

オルタ「これってアルトリアよね?」

 

式「かもな。あいつ胸に関しては敏感でうるさいし」

 

オルタ「そういうあんたも全くないけどね」

 

式「俺は別に気にしてないさ」

 

オルタ「嘘ついちゃって。本当は羨ましいくせに」

 

オルタは式を見ながらケラケラと笑う。だがその式は何も気にすることなく飲み物を口にする。カップを置くと、溜息をつきながら呟く。

 

式「逆にあったら邪魔だろ?」

 

オルタ「何ですって!!」

 

ストレア「ええー!?でもあった方が大人の女って感じしない?」

 

式「そういう風に思うのはまだ早いだろ……。それに女ってのはスタイルだけじゃないぞ」

 

チユリ「といいますと?」

 

式「家事など性格、その他色々出来てこそ大人の女じゃないのか?」

 

チユリ「おお……凄い」

 

大人の女について語る式。その話を聞いた女性陣は驚くことしかできなかった。男性陣は話についてこれず、端から眺めていた。

 

カムイ「あの人凄いですね」

 

タクム「式さんはいつも落ち着いててクールな人ですから、自然とそう感じるんですよね」

 

クライン「俺もあんな女性に出会ってみたいぜ……」

 

色々と会話してると、他のエリアに向かっていた全員が戻ってきた。見慣れないメンバーはいなくて、その時マシュを見た寿也は目を輝かせて飛び込んだ。

 

寿也「マシュお姉ちゃーん!!」

 

マシュ「きゃん!?ちょ、ちょっと!?」

 

マシュに飛び込んだ寿也は顔を胸に擦り付けるように抱きつく。そのまま谷間に顔を挟むとマシュの胸を堪能し始める。

 

フィリア「なんだろう……。この光景凄くエッチなんだけど」

 

楓子「あらあら♪」

 

アルトリア「また胸ですか……。やはり胸の大きい人は悪です」

 

アルトリアの目から光が消えてブツブツと呟く。それを聞いた黒雪姫とシリカはアルトリアのそばに行き慰める。

 

とりあえず一息つくためにエギルは全員に飲み物を渡す。雑談してると客が来たのか扉が開いた。入ってきたのは白いふわふわとした長髪の女の子だった。

 

???「こんにちは。席空いてますか?」

 

リーファ「あっ!?ルクスさん!?」

 

リズ「ルクスじゃん!?」

 

シリカ「お久しぶりです!」

 

ルクス「リーファ!リズ!シリカ!久しぶりだね!」

 

奨真「新しい仲間か?」

 

入ってきたのはルクス。時々リーファとリズ、シリカと共にクエストに行くらしい。キリトたちの中でルクスのことを知ってるのもほんの一部らしい。

 

あきら「ふわふわとしたイメージなの」

 

アルトリア「たしかにふわふわなイメージがありますね」

 

ハルユキ「えっと…アルトリアさん?どこ見て言ってるんです?」

 

アルトリアの目線はルクスの胸へと行っていた。ルクスもリーファには劣るが、それなりに大きな胸を持っている。だからこそ目が行ったのだろう。

 

キリト「よし!奨真たちの仲間も俺たちの仲間も揃ったし、まずは改めて自己紹介だな!」

 

セブン「あ、ちょっと待ってキリト君。もうすぐ来ると思うから」

 

キリト「誰がだ?」

 

???「俺だ」

 

声がする方を見ると、アスナと同じ髪の色をした男性が扉から入ってきた。その男性はキリトのライバル、スメラギだった。

 

蓮「凄い圧を感じる…」

 

奨真「ああ。ただのプレイヤーじゃないのはわかる」

 

キリト「セブンが呼んだのか?」

 

セブン「ええ!フレンド欄でログイン中になってたから呼び出したの。彼の力もあった方が心強いでしょ?」

 

スメラギ「ふん。せいぜい足を引っ張らないようにな」

 

オルタ「何よ偉そうに」

 

全員が席に座ると、キリトは立ち上がる。今度こそ全員揃ったことを確かめると、改めて自己紹介を提案する。全員がその提案に乗り、順番に自己紹介を始めることになった。

 

 


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