アクセル・ワールド 君の隣にいるために   作:フラっぴー

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第19話 手がかりなし

再びオーブを探すために奨真達は雪原に来ていた。だがなんの手がかりも掴めてないため途方にくれることになる。

 

ストレア「もー!!全然先に進めないよー!!」

 

レミ「まさか手がかり一つも掴めないなんて……」

 

アッシュ「ヘイヘーイ!落ち込んでたらラッキーがどこかにフライしちゃうぜ!!」

 

フィリア「たしかにそうかもしれないけど……これは流石に落ち込んじゃうね」

 

その時、アルトリアは何か見つけたらしくみんなに知らせる。その見つけたものというのが変な形した石が壁に刺さってるという物凄くどうでもいいものだった。

オルタは『馬鹿なの?』という感じの目で見ていた。他のみんなはしっかり者のアルトリアが何故そんなものをわざわざ知らせたのかが不思議でたまらなかった。

 

奨真「それがどうかしたのか?」

 

アルトリア「いいですか?これをよく見ていてください」

 

楓子「何か変わったものなのかな?」

 

アルトリア「さっきこの石が動いたんですよ」

 

クライン「石が動く?新種のモンスターか?」

 

クラインは近づいてジッと見つめる。ジロジロと見るが全く動く気配がない。おかしいと思ったアルトリアはエクスカリバーで思い切り叩く。するといきなり地震が起きて全員ふらつく。さっきの石を見るとアルトリアが言った通り動き出し、その中から巨大なゴーレム型エネミーが出てきた。

 

アスナ「ううう埋まってたの!?」

 

レイン「あわわ!」

 

白夜「ゴーレム型かよ!?」

 

エギル「いや、よく見てみろ!」

 

そのエネミーはただのゴーレム型ではなく、獣のような形をしたゴーレム型エネミーだった。基本動きがトロいゴーレム型だが、獣の形となれば話は変わってくる。そして早速エネミーは腕を振りかざし、そのまま下ろしてきた。盾を持つ白夜とマシュは前に出て盾を構える。攻撃を受けるがなんとか踏ん張る2人。それでも少しHPは削れてしまう。

 

マシュ「くっ!重いです…。何度も受け切れるどうか……」

 

白夜「流石に何度も受けるとなると厳しいな」

 

キリト「なら、速攻で倒すまでだ!」

 

キリトとアルトリアは背後をとり、一撃を喰らわす。だがゴーレム型エネミーの防御力は高いため、攻撃はあまり通らない。

 

アルトリア「なら!これで!」

 

斬るのではなく刺すことにしたアルトリア。そして剣からは風が発生し、徐々に集まっていく。その風を一気にエネミーに放出する。

 

アルトリア「風よ、荒れ狂え!!『風王鉄槌(ストライクエア)』!!」

 

剣を刺したまま風を放出したから、エネミーの内部を攻撃したことになる。外が硬いエネミーだが、内部は普通のエネミーと同じだからかなりのダメージを与えただろう。

 

アルトリア「流石に一撃では倒せないか。また風を集めるには時間がかかる」

 

スメラギ「下がってろ。今度は俺がやる」

 

今度はスメラギが前に出て、刀を構える。刀に力を貯めると巨大な刀に変化する。これこそスメラギの最強のOSS『テュールの隻腕』だ。スメラギは思い切り腕を振る。

 

スメラギ「テュールの隻腕!!」

 

一撃を喰らったエネミーは二つに割れて、動きが鈍くなる。普通のエネミーなら二つに分かれた時点で消滅するはずだが、どうやらしぶといみたいだった。

 

ストレア「てや!!」

 

白夜「うおおお!!」

 

ストレアと白夜がエネミーの上半身を武器で叩く。頭部を中心に攻撃してHPを削る。2人に続いて他のみんなも攻撃をする。だがなかなかHPはなくならない。それにイラついたのかオルタの怒りが溢れる。

 

オルタ「ああもう!!鬱陶しいわね!!あんたらどきなさい!!」

 

ユウキ「えっとぉ……オルタ?」

 

オルタ「ラ・グロントメント・デュヘイン!!」

 

奨真「ま、待て!やるなら全員逃げてからやれ!!」

 

全員猛スピードでオルタの必殺技から逃げ始める。誰も巻き込まれずに済んだが、一歩間違えればHPはゼロになっていた。それくらいオルタの必殺技の威力は高い。エネミーのHPはゼロになってポリゴン状になる。それと同じように下半身もポリゴン状になった。

 

ジャンヌ「オルタ!危ないじゃないですか!」

 

オルタ「だ、だってイライラしたんだもん!!」

 

式「まあまあ。誰1人怪我してないんだし、許してやれ」

 

式は妹のオルタを叱るジャンヌを落ち着かせる。ジャンヌも式がそう言うならといって叱るのをやめる。オルタは嫌悪してる式に借りを作ったのが気に入らないのか、不満な顔をする。

 

オルタ「まさかあんたに借りを作ることになるなんて……」

 

式「別にんなもん作らなくていいよ」

 

オルタ「いい!この借りは必ず返すわ!!」

 

式「話聞いてる?」

 

ルクス「彼女はかなり式さんのことを嫌ってるみたいだね」

 

プレミア「ですが、喧嘩するほど仲がいい」

 

楓子「ふふ、それもあるわね」

 

オルタ「仲良くない!!」

 

式「はあ……」

 

オルタは必死に否定して、式は溜息をつく。他のメンバーは急に現れた敵を倒して一休みしていた。

 

シノン「その辺のエネミーを倒しても、やっぱりオーブの手がかりは掴めないわね」

 

あきら「そもそもオーブは七王が持ってるの。七王の居場所なんて手がかりだけでも掴むのが不可能に近いの」

 

セブン「どういうことよ?」

 

あきら「もともとこの世界には七王なんて存在しないの。それなのにいきなり七王が現れたって言われてもどんな人物なのかもわからないに決まってるの」

 

スメラギ「なるほどな。だからどいつが七王かもわからないから手がかりも掴めないというわけか」

 

あきら「そういうことなの」

 

ユウキ「でも、それならどうするの?これってもう詰んだってこと?」

 

白雪姫「あっ!なら三手に分かれるっていうのはどうですか?」

 

白雪はそう提案してみる。手がかりが掴めない以上、その方法が1番効率がいい。もちろん全員その案に賛成して、あとはグループに分けるだけだ。

 

エギル「1番決めやすいとしたらクジ引きだが……。そんなものこの場にないしな」

 

チユリ「じゃあ戻ります?」

 

レイン「クジがないなら仕方ないかなぁ」

 

クジがないため一度街へ戻ろうとする一行。その時、不気味なオーラを感じる。

 

奨真「っ!?」

 

楓子「この感じ……まさか!?」

 

キリト「嫌な感じがするが……一体何なんだ……」

 

アスナ「なんていうか……怖いよね」

 

黒雪姫「っ!?みんな気をつけろ!!これは只者ではないぞ!!」

 

黒雪姫がキリトたちにそう伝えると、上から巨大な黒い何かが降ってくる。大きな音を立てて着地すると大きな声を上げる。

 

???「グオオオオ!!!」

 

ハルユキ「そ、そんな!」

 

白雪姫「な、なんで!?」

 

楓子「あれは……あれはまだ奨真君の中に!」

 

奨真「一体どういうことだ!!」

 

奨真達の目の前に現れた黒い何かはまだ奨真の中に眠ってるはずの災禍の鎧だった。もちろん奨真達バーストリンカーは動揺を隠せず、キリト達にALOプレイヤーは災禍の鎧が何かもわからなかった。ただわかるのはとんでもない邪悪な感じがするということだった。

 

レミ「災禍の鎧、クロムディザスター!!」

 

アッシュ「アニキを苦しめたクソ野郎め!!」

 

黒雪姫「皆!!すぐに戦闘態勢に入れ!!」

 

リズ「ちょ、ちょっと待って!!どういうことよ!!」

 

式「悪いが説明は後だ。お前らは下がってな」

 

藤乃「ここからは私たちの戦いですので」

 

キリト「奨真……後で聞かせてもらうぞ」

 

奨真「ああ。どんな質問でも答える覚悟しとくよ」

 

バーストリンカー全員本気で戦闘態勢に入り、いつでも戦えるようにする。その中でも奨真と楓子は人一倍気合いを入れる。

 

奨真(確かに俺の中にはまだ災禍の鎧がある。なんで目の前にあいつがいるかはわからないが、俺の中の災禍の鎧があいつと共鳴して暴走しないように気をつけねーと)

 

楓子(クロムディザスター。何度も奨真君を苦しめる鎧。あれも七王と同じ偽物だとしても、ここで確実に仕留める!!)

 

キリト達はいつもと違う奨真達の雰囲気についていけず、ただ見守ることしかできなかった。

 


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