アクセル・ワールド 君の隣にいるために   作:フラっぴー

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こんにちはこんばんは!

フラっぴーです!

だいぶ遅れましたが、新年あけましておめでとうございます!
もうすぐ2周年ですが、これからも頑張っていきたいと思います!!


第24話 呪いの力

エクスの構え方はリーファがよく使う剣道の構えだった。リーファはリアルで剣道をしているため、一般の構えはもちろん使える。だが、それとは別で自分のオリジナルの構えも作り出していた。

 

そのリーファオリジナルの構えをエクスはしているため、リーファ本人はどうしても驚きを隠せない。

 

リーファ「あの人……何者なの」

 

エギル「それはあの2人の戦いを見ればわかるんじゃないか」

 

全員視線を奨真とエクスに向ける。勝負はほぼ互角だが、少しだけ奨真が押している。それに対してエクスは刀を自在に操って対抗する。

 

それでも徐々に押されていくエクス。やばいと思ったのか、後ろに思い切り飛んで距離をとる。刀を持ち直すと、覇気のようなものを纏う。

 

奨真(なんだ……。この覇気は……?)

 

エクス「呪いよ……その力を刀に纏え」

 

やがてその覇気のようなものは刀に纏う。いや、これはもうオーラに近い。刀には禍々しいオーラが宿り、確実にパワーアップしたに違いない。

 

エクス「まだ……終わらない。解放……『妖刀八咫烏』!!」

 

さらに刀から禍々しいオーラが放たれ、よりオーラは濃くなる。エクスのオーラと刀のオーラは一つとなり、辺りの空気も変わっていく。

 

エクス「はああ!!」

 

奨真「何っ!?」

 

エクスは奨真に斬りかかる。接近する速さと刀を振る速さはさっきとは比べものにならなかった。防御できなかった奨真は肩を思い切り斬られる。

 

奨真「これはまずいな……っ!?」

 

突然奨真の肩の傷からとてつもない痛みが走る。それも無制限フィールドで味わう痛覚2倍よりも激しい痛み。

 

奨真「あ……熱い。痛みと同時に傷口からとんでもない熱さが……」

 

エクス「燃えるような痛み。それが呪い」

 

痛みで立てなくなってる奨真の元へ歩み寄るエクス。とどめを刺すために刀を上にあげ、思い切り振り下ろそうとする。

 

リーファ「ダメええええ!!!!」

 

フィリア「リーファ!!」

 

リーファは飛び出し、刀が奨真に当たる前に彼を救出する。突然のことでエクスは驚き、リーファを見る。その時、エクスは動きを止めた。

 

エクス「そんな……あなたは……」

 

リーファ「大丈夫!?」

 

奨真「あ、ああ……助かったよリーファ」

 

エクス「リーファ……やっぱり……。あなたは……直葉さん?」

 

リーファ「ど、どうしてあたしの名前を……?」

 

エクス「こんな剣技……あなたにだけは見られたくなかった!!あなたが教えてくれた剣を私はこの手で汚した!!!こんな呪われた剣をあなたにだけは見られたくなかったし知られたくなかった!!!」

 

エクスは頭を抱えて暴走し始める。それに対してリーファは混乱して何を言えばいいのかわからずにいた。

 

リーファ「お、落ち着いて!ね!」

 

エクス「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

 

ずっと同じことを連呼して、エクスは刀を持って自分の首に近づける。嫌な予感がしたリーファはそれを止めようとする。けど遅かった。エクスは自身の首を斬り落とした。HPはゼロになってダミーの彼女は消滅した。

 

目の前で自殺した彼女を見てしまったリーファはどういうことかわからないまま呆然としていた。

 

リーファ「どういうこと?アタシあの子のこと知らないし、それに剣も教えた覚えないよ!?」

 

蓮「もしかしたら俺たちの時代で知り合ってるかもな」

 

アルトリア「その可能性は十分あります。もし彼女の剣がリーファと同じならですが」

 

リーファ「未来……か」

 

寿也「そんなことより、奨真さんは大丈夫なんですか?」

 

全員が奨真の元へ駆け寄る。本人は斬られた肩を抑えて立ち上がった。まだ痛みがあるのか苦い顔をしている。

 

奨真「まだ痛むけど、少しマシになった」

 

スメラギ「やつは呪いとか言ってたな」

 

エギル「こりゃ戦闘は無理だな。しばらく休め」

 

アルトリア「なら奨真の護衛は私が」

 

さっきの戦闘で肩を痛め、しばらく戦えなくなった奨真。そんな彼の護衛にアルトリアが名乗り出た。探索を再開すると、オルタは上を見上げて隣にいるフィリアに聞く。

 

オルタ「ねえ、あの空に浮かんでる球体ってなんなの?」

 

フィリア「あれは……私にもわかんないかな。いっぱいある球体の近くに浮島もあるみたいだけど」

 

タクム「かなり高いですね」

 

全員空を見上げて、浮島と球体を見る。リーファは魔法で視力を良くして何があるのか探す。

 

リーファ「んんー…………。ゲートみたいなのは見つけたけど、エネミーがいるよ」

 

オルタ「ふん、なら倒せばいいだけよ」

 

蓮「リーファ、どんなエネミーだ?」

 

リーファ「えっと……あれは犬……かな?」

 

ユウキ「犬のエネミーってなんかかわいいね」

 

アッシュ「ならさっさと終わらせようぜ!!」

 

ALO組は羽根で飛び、バーストリンカーはジャンプで上に上がる。地上からはかなり距離があるため少し時間がかかる。数分後、全員浮島に着陸すると、目の前にさっきの犬のエネミーが座っていた。

 

ユウキ「お手とかしてくれるかな?」

 

カムイ「危ないからやめなよ!」

 

ユウキが近づくと、犬はいきなり吠えて、姿を変える。その姿は巨大な狼、フェンリルだった。突然のことでユウキは驚き、猛スピードで離れる。離れる時に何かにつまづいたのか、転んでしまい、下に落ちそうになる。

 

けど、浮島の周りは少しだけ透明の床があって落ちることはなかった。

 

ユウキ「あ、危なかったぁ……」

 

カムイ「だから言ったのに……」

 

リーファ「みんな!戦闘態勢!!」

 

リーファは全員に伝えると、瞬時に戦闘態勢に入る。奨真とアルトリアはみんなから離れたところで見守る感じになる。

 

アタッカーはリーファ、スメラギ、ユウキ、カムイ、オルタ。タンクはエギル、タクム。サポートはフィリア、寿也、蓮、アッシュ、クロエ。このフォーメーションでフェンリルに対抗する。

 

フェンリルは主にアタッカーの5人を狙う。5人はうまく攻撃を避けながら反撃をする。アタッカーが危なくなれば、蓮が糸でフェンリルの動きを止めたりして、その間に回避する。フィリアは補助魔法、寿也とアッシュは遠距離で攻撃する形になる。

 

アタッカーはユウキとカムイが両サイドから同時攻撃、リーファとオルタが隙のあるところを集中攻撃。そして一番攻撃力のあるスメラギが重い一撃を叩く。

 

ユウキ・カムイ「「やあああ!!」」

 

オルタ「死になさい!!!」

 

リーファ「てや!!」

 

スメラギ「お前らどけ!!『テュールの隻腕』!!」

 

スメラギは『テュールの隻腕』を放ち、フェンリルのHPを一気に削る。だがフェンリルのHPは僅かに残っていた。そこへオルタが追い打ちをかけるようにフェンリルの頭に剣を突き刺した。

 

オルタ「これで終わりよ!!」

 

頭に刺した剣を抉るように回すと、フェンリルは力尽きてポリゴン状となる。エネミーがいなくなり、ゲートにも楽々と近づけるようになった。

 

ユウキ「可愛いワンちゃんがフェンリルなんて……」

 

カムイ「そもそもこの世界に普通のイヌ自体珍しいから」

 

ユウキ「ねえカムイ!ボク犬飼いたい!!」

 

カムイ「急にそんなこと言われても……」

 

奨真「先生。先生とカムイってどんな関係なんですか?」

 

奨真はユウキとカムイがあまりにも仲がいいため、どういう関係なのかを聞き出す。リーファたちも知らないみたいで興味津々だった。

 

ユウキ「カムイとは幼馴染だよ。昔よく遊んだなぁ」

 

カムイ「家も近かったからね」

 

ユウキ「カムイはボクが病気になっても週に2回は必ずお見舞いに来てくれたし、ずっとそばにいてくれたよね」

 

カムイ「君を1人にしたくなかったから」

 

ユウキ「ありがとう、カムイ!」

 

ユウキはカムイにお礼を言うと、カムイは顔を赤くしてユウキから目を逸らす。よっぽど恥ずかしいのだろう。そしてそれを聞いた奨真は少し考え事をしていた。

 

奨真(確か先生は既婚者。もしかして旦那さんってカムイなのか?)

 

スメラギ「さっさといくぞ」

 

スメラギは先へと進み、奨真たちも続いてゲートをくぐる。その先は燃えるような景色の煉獄ステージだった。

 

 

 


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