アスナside
あの青の王って言われてる人、すごい気迫。少しでも気を抜けば押されそうになる。楓子ちゃんたちはこんな凄い人と同じ世界でいるなんて……。
ちょっとだけ気の差を感じちゃうな。ううん、弱気になったらダメ、今は目の前の敵に勝つことだけを考えなきゃ!
ナイト「どうした?来ないのか?」
アスナ「言われなくてもいくわ!!プレミアちゃん、一緒にお願い!!」
プレミア「了解!」
私はプレミアちゃんと一緒にレイピアを構えて青の王に接近する。同時に『リニアー』を放つが、見切られて剣で捌かれてしまった。少し隙が出てしまい、私は思い切り蹴飛ばされてしまった。
アスナ「がはっ……」
レイン「アスナちゃん!」
レインちゃんが私の元へ駆け寄ってくる。手を出してくれて、私はその手を掴んで立ち上がる。
速さだけじゃあいつには勝てない。だからといって力だけでもダメ。一体どうすれば……。
黒雪姫「はあああああ!!!!!」
黒雪ちゃんが両腕で攻撃すると、青の王は剣で受け止める。跳ね返そうとしているが、黒雪ちゃんがそのまま押していた。
ナイト「少し腕が上がったんじゃないかロータス」
黒雪姫「ふん、こう見えて私は負けず嫌いでな」
青の王の動きが止まってる。なら仕掛けるなら今!!
私はレイピアを持ち直して、みんなに一斉に攻撃するように指示する。すると、みんなも同じことを考えてたようで、指示をしたと同時に走り出す。
レイン「ロータスちゃん避けて!!サウザンドレイン!!」
黒雪姫「っ!?」
ナイト「なにっ!?」
レインちゃんはOSS『サウザンドレイン』で遠距離からナイトに攻撃をする。黒雪ちゃんはうまく避けてナイトだけがダメージを負う。
一瞬怯んだのを見逃さず、ストレアがソードスキル『アバランシュ』を、プレミアちゃんが『カドラプルペイン』で追い討ちをかける。さらにあきらちゃんと楓子ちゃんの2人はレーザーのような必殺技を放つ。
あきら「メイルストロム!」
楓子「スワールスウェイ!」
2つの技に挟まれた青の王は身動きが取れてなかった。その隙を狙ってさらに追い討ちをかけようとする。私は『カドラプルペイン』を放とうとした時、青の王の異変に気付いた。
様子がおかしいと感じて、私は後ろに下がる。
ナイト「な……なめるな!!!」
青の王は気合だけで2人の技を跳ね返した。風圧で飛ばされた2人は建物に激突した。
楓子「ま……まさか、気合だけで跳ね返すなんて……」
あきら「これは予想外なの」
ナイト「手を抜きすぎたか。だがもう手加減しない」
2人が建物に激突した衝撃で、建物が少し崩壊する。瓦礫が落ちてきて2人は身動きが取れない状態になってしまう。
シリカ「今助けます!!」
シリカちゃんは2人を助けるために走り出す。一番近かったあきらちゃんのほうに走っていくと、突然2人の前に青の王が姿を現わす。
アスナ「さっきまでここにいたはずなのに!?」
セブン「なんてスピードなの!?」
白雪姫「シリカちゃん!!逃げて!!」
ナイト「くたばれ!!」
シリカ「きゃあああああ!!!!」
青の王の大剣をまともに喰らったシリカちゃんは物凄いスピードで飛んでいった。スピードは落ちることなく飛ばされ続けるシリカちゃんをリサちゃんが回り込んで受け止める。それでも止まることはなく、2人同時に地面を転がる。
イリヤ「大丈夫ですか!?」
イリヤちゃんは2人に声をかけるが、2人は反応しない。2人は気を失ってしまった。
まずいわ……。今の青の王はさっきとは違う。力だけじゃなく、スピードが恐ろしいくらい上がってるわ。
ナイト「全員同時に倒すとは厳しいな。一匹ずつ確実に始末してやる」
黒雪姫「やれるものならやってみろ!!」
黒雪ちゃんは両腕で青の王に斬りかかる。青の王は大剣で防いで押し返そうとする。
…………!?今のあいつは防御のために剣を使ってる。攻撃するなら今しかないわ!!
アスナ「はあああああ!!!」
私は全力のソードスキル『スタースプラッシュ』を放つ。プレミアちゃんも私に続いてソードスキルを放ち、青の王を追い込む。
けど、青の王は怯むことなく黒雪ちゃんを押し返した。それと同時に大剣を後ろに振り、私達を斬る。青の王はプレミアちゃんの腹を殴り、上にあげる。宙に浮いたプレミアちゃんはまともに動けず、青の王は飛んでプレミアちゃんを叩き落とす。地面に激突したプレミアちゃんのHPは0になり、リメインライトとなる。
ナイト「3匹目だ。次はお前だ」
ダメだわ……勝てない……。こんな化け物みたいな人をどうやって相手したらいいの?
青の王は私の前に立ち、大剣を掲げる。私はもうダメだと思い、目を瞑った。けどいつまで経ってもダメージは入らない。私は目を開けると、目の前に青の王の剣を受け止めてるストレアがいた。
ストレア「お、重っ……」
アスナ「ストレア!!」
ストレア「アスナ、諦めるなんてアスナらしくないよ?」
楓子「そうですよ。あなたは簡単に諦めたりなんかしない」
後ろから私の肩を叩き、声をかけてきたのは、さっきまで瓦礫に埋もれていた楓子ちゃんだった。
楓子「ストレアが防いでる隙に離れますよ」
ストレア「長くは持たないからすぐに助けてね!」
ストレアが防いでる隙に私は青の王から離れる。息を整えてると、チユリちゃんが回復アビリティで回復してくれた。
チユリ「すみません、今ので必殺ゲージがなくなってしまって……」
アスナ「大丈夫。チユリちゃんはもしもの為に備えてて」
私はチユリちゃんにそう言うと、彼女は少し離れたところでオブジェクトを破壊し始める。
目線を青の王に戻すと、白雪ちゃんが青の王と一騎打ちをやっていた。でも、見る限りでは白雪ちゃんの方が押されてる。
ナイト「おいコスモス。お前弱くなったんじゃねえか?」
白雪姫「っ!?」
突然白雪ちゃんの様子がおかしくなる。青の王に何か言われたのかわからないけど、力が緩くなってしまってる。それを見逃さなかった青の王は白雪ちゃんに斬りかかる。
確かブレインバーストはレベル9同士が戦えばサドンデスルールになってしまう。もし白雪ちゃんが負ければブレインバーストをアンインストールされる!?
藤乃「させません!」
大剣が白雪ちゃんに当たりそうになった時、藤乃ちゃんが彼女の前に現れて代わりに斬られてしまう。傷が深かったのか、HPはとんでもない速さで減っていく。
藤乃「最後の悪あがきです。凶れ」
ナイト「っ!?しまっ!?」
藤乃ちゃんはアビリティを使って青の王の片腕をへし折った。最後の力を使ったせいなのか、藤乃ちゃんはHPが0になってしまった。
また仲間がやられてしまったけど、彼女のおかげで青の王の片腕を奪うことができたわ。
ナイト「油断したぜ。あいつはそういう力を持ってたな」
あきら「隙ありなの!!」
美早「ファーストブラッド!!」
瓦礫から脱出したあきらちゃんが美早ちゃんと一緒に背後から攻める。少し反応が遅れた青の王はそれに対抗する。けど、青の王は片腕を失っているから、2人の攻撃に押されていく。
ナイト「ぐわっ!?」
2人の重い一撃が入り、青の王は吹っ飛ぶ。でも青の王はすぐに体制を立て直して地面を滑る。
ナイト「畜生……。やばいな」
黒雪姫「諦めろ。いくらお前でもこの人数を相手にするのは無理だ」
ナイト「誰が諦めるか。言っておくが俺はまだ心意も必殺技も使ってねえぞ」
その言葉を聞いた瞬間、私たちは体を震わせる。何故ならあれだけの力を見せられたのにまだ必殺技を使ってないから。
化け物みたいな強さなのに、必殺技とかを一度も使ってないなんて……。
ナイト「
楓子「わざわざ諸刃の剣まで使うなんて。本当にケリをつける気ね」
ナイト「ああ。これ以上の長期戦は無理だからな。一気にいかせてもらう」
そう言うと、剣を持ち直す。すると突然青の王は叫びだした。その声からは怒りのようなものを感じる。白雪ちゃんは何かに気づいたのか、私たちに逃げるように言う。
白雪姫「皆さん逃げてください!!これはブルーナイトの最強技『
青の王は叫び終えると、一番近くにいたレインちゃんを狙い始めた。私は咄嗟にレインちゃんの元へ走る。けど間に合わなかった。
ナイト「おおおおおお!!!!!!」
レイン「くぅ…!だ、だめ!!」
レインちゃんは両手の剣で対抗するけど、一撃が重すぎるのかすぐに押され始める。レインちゃんは耐えることができず、青の王に斬り刻まれる。間に合わない私はその光景を見ることしかできなかった。
レインちゃんのHPは0になってリメインライトになる。でも青の王は止まらない。周りのオブジェクトを破壊し続ける。そしてその矛先は私に向けられた。青の王は剣を大きく振り、私を薙ぎ払う。剣は私の体を深く斬り、重傷を負ってしまった。
楓子「アスナさん!!」
セブン「アスナちゃん!!」
チユリ「急いで回復させないと!!でも今回復させたらあいつまで!」
イリヤ「とにかくアスナさんを助けないと!!」
私のHPは徐々に減っていき、0に近づいていく。それと同時に意識も遠のいていく。
私はここで終わるの?ユイちゃんを助けられずに終わるの?何もできないまま終わるの?そんなの嫌……。私は……こいつを倒してユイちゃんを助ける!!
アスナ「ぐっ……まだよ。まだおわってないわ!!」
私のHPは0になる寸前で止まる。消えかけた意識もなんとか覚醒する。
チユリ「アスナさん!!今回復させます!!」
イリヤ「その間に時間を稼ぎます!!『
イリヤちゃんはカードを取り出し、杖にかざす。するとイリヤちゃんの格好は白百合の騎士のようになる。両手にはアルトリアちゃんが持ってる剣のようなものがあった。
イリヤ「えええいいい!!!」
イリヤちゃんは青の王に斬りかかる。暴走している青の王の剣と互角に戦えてる。でもどこか苦しそう。体格の差もあるのか少し押されてる。
イリヤ「アスナさんがどれほどユイちゃんのことを思ってるのかはわかりません。でも本当にその子のことが大事だってことだけはわかります!!だから私は……何も諦めない!!!」
イリヤちゃんが剣を上にかざすと、剣の周りに光が集まる。その光が剣を覆うとイリヤちゃんは一気に光を放つ。
イリヤ「エクスカリバー!!!!!」
ナイト「っ!?」
その光は一気に青の王を飲み込んだ。青の王を飲み込むと、光は柱のように空に上がった。一気に力を使ったせいなのか、イリヤちゃんの姿は元に戻った。
光は晴れると、空から青の王が降ってきた。理性は元に戻り、暴走はしてなかった。
ナイト「はは……こりゃ一本取られたぜ」
アスナ「まだよ」
私は青の王に近づき、そう言う。私も青の王もHPは少ない。だから私は彼にあることを提案する。
アスナ「青の王、最後に私と一騎打ちしましょう」
ナイト「…………正気か?」
アスナ「ええ。お互いのHPも残り少ない。もうこれで終わらせましょう」
ナイト「……ふっ。いいぜ。あんたのそういうところ気に入った」
アスナ「始まりはこの石が地面についたと同時よ」
私は足元にあった石ころを拾い、青の王に見せる。彼も了承し、お互い武器を構える。私は石を上に投げ、その石は地面に当たる。それと同時に私と青の王はお互い接近する。ボロボロなのに彼の剣は速い。それでも私は負けない!!
ナイト「防いでばかりじゃ勝てないぜ!!」
アスナ「わかってるわよそんなこと!!!」
私は防御を捨てて、攻撃に入る。レイピアを腕や足、肩などいろいろな部位の神経を突く。青の王は体制を崩し、隙ができた。私はOSSで決めにいく。
アスナ「はあああ!!!」
そのOSSの名は『スターリィティアー』星を描くような突進技で青の王のHPを0にした。
ナイト「見事だ……」
その一言だけ言うと、彼は消えていった。こうして青の王との長い戦いが終わった。