アクセル・ワールド 君の隣にいるために   作:フラっぴー

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こんにちはこんばんは!

フラっぴーです!

ようやく2周年記念の特別話ができました……。
本当は2周年ちょうどに更新したかったんですけど思った以上に長くなってしまいました。
さて、察しのいい人はタイトルでわかるかもしれませんが、『すのはら荘の管理人さん』をもとにしました。

それではどうぞ!


2周年記念 倉崎荘の管理人さん

 

 

レミ「えっと……地図だとたしかこの辺のような……」

 

立花伶弥は一人暮らしのため、下宿先を探していた。地図を見ながら歩いていると、それと思われる大きな建物があった。

 

レミ「倉崎荘……。ここみたいね」

 

レミは扉を開けて中へ入ろうとすると、タイミングが悪かったのかとんでもない場面に遭遇する。その場面とは若い男女が玄関でキスをしていたのだ。

 

レミは反射的に扉を閉める。目をこすり、見間違いと自分に言い聞かせもう一度扉を開く。だが見間違いではなく、玄関では本当に若い男女がキスをしていた。

 

???「もう……こんなところ誰かに見られたらどうするの?」

 

???「その時はその時だ」

 

レミ「なななな…………何やってるんですか!?」

 

???「あら?あなたはレミね。いらっしゃい♪」

 

???「もしかして……見たのか?」

 

レミ「見ましたよ!!玄関でガッツリやられたら嫌でも目に入ります!!」

 

とりあえず突っ込むレミ。その時にふと気付いたのが、何故向こうは自分の名前を知ってるだろうということだ。

 

レミ「あの、なんで私の名前」

 

楓子「親御さんから聞いたわ。私は倉崎楓子。ここの管理人よ」

 

奨真「俺は橘奨真。同じく管理人だ」

 

レミ「ご丁寧にどうも……。立花伶弥です。よろしくお願いします」

 

レミは中に入り、楓子と奨真に部屋を案内してもらう。103号室と書かれた部屋の中に入るとベッドと机、棚が置かれていた。

 

レミ「凄い……一通り揃ってる」

 

奨真「クローゼットに着替えとかを自由に入れたらいいからな。後飯は決まった時間にリビングで食べることになってるぞ」

 

レミ「わかりました」

 

楓子と奨真はリビングに向かい、レミはキャリーバッグの中身を整理する。整理が終わり、リビングに向かう。

 

扉を開くと、そこにはソファに座ってテレビを見てる奨真とキッチンで何か作業をしてる楓子がいた。

 

レミ「リビング広いですね〜」

 

楓子「この建物自体大きいから、リビングも広めなのよ」

 

レミ「へえ〜」

 

奨真「楓子。課題は終わったのか?」

 

楓子「あっ!?忘れてたわ……」

 

レミ「課題?」

 

奨真「学校のだ」

 

レミ「えっ!?お二人って学生なんですか!?」

 

奨真「そうだぞ?何だと思ったんだ?」

 

レミ「いやいやいや!?たしかに管理人さんにしては若すぎると思ってましたけど、それでも20前半だと……。というか学生が管理人っていいんですか?」

 

楓子「元々は私の母が管理人だったのよ。でも父の都合で遠くに行かなきゃいけないことになって、代わりに私が管理人をしてるのよ」

 

奨真「俺はここの住人だったからその流れで俺も管理人になった」

 

レミは驚きながらもそれを受け入れる。誰だって驚くだろう。高校生が管理人なのだから。その時、玄関の扉が開いて誰かが帰ってきた。その人物はそのまま玄関に入ってくる。黒い服を着て、顔色が普通の人よりも悪く見えるような人物。

 

オルタ「ただいま。ってあんた誰?」

 

レミ「は、初めまして!今日からお世話になります、立花伶弥です!」

 

オルタ「ふーん」

 

楓子「オルタ。ちゃんと自己紹介しなさい」

 

オルタ「うっ……、ジャンヌ・ダルク・オルタ。オルタって呼びなさい」

 

オルタは自己紹介すると冷蔵庫から牛乳パックを取り出す。椅子に座るとパックに口をつけて飲み始める。

 

奨真「オルタは俺と楓子の一つ下だ。ツンツンしてるがいいやつだから仲良くしてやってくれ」

 

オルタ「ツンツンは余計よ」

 

レミも椅子に座ってゆっくりしてると、また誰かが帰ってきた。レミよりも小柄で、見た目はまさに小動物といってもいいくらいだった。

 

綸「た、ただいま……」

 

楓子「おかえり、早かったわね」

 

綸「目当ての本が……すぐに見つかったので……。あの……こちらの人は……?」

 

レミはオルタにした時と同じように自己紹介した。すると綸は緊張しながら自己紹介する。

 

綸「く、日下部綸……です。よ、よろしく……お願いします」

 

奨真「綸はレミの一つ下になるな。小動物みたいで可愛いだろ?」

 

綸「は、はうぅ……」

 

レミ「すみません、出会って全然経ってませんけどあなたのこと天然タラシって呼んでもいいですか?」

 

奨真「何でだよ……」

 

奨真はイケメンだけじゃなく、平気でこういうことを言うため一部の人からは『天然タラシ』と呼ばれている。こういうことを言われた女の子はすぐに落ちてしまうらしい。

 

楓子「もうすぐ晩御飯の時間だけど、他のみんなはご飯いるのかしら?」

 

奨真「サッチとニコはいるってメール来たぞ」

 

楓子「じゃあ全員分ね。奨真君、手伝って?」

 

奨真「はいよ」

 

奨真は楓子に頼まれた通り、キッチンに入って晩御飯を作る手伝いをする。晩御飯ができるまでの間、レミは綸と話していた。

 

レミ「そういえば奨真さんと楓子さんってどういう関係ですか?実は玄関でキスしてるのを見てしまったんですけど」

 

綸「あ……見てしまったん……ですね。私も……ここでの暮らし初日に……玄関で……見たんです……」

 

オルタ「あれはもう偶然じゃない気がするわ。私も見たからね」

 

レミ「オルタさんも見たんですね〜。それで2人の関係は?」

 

オルタ「夫婦という名のバカップル」

 

レミ「恋人関係ですね」

 

オルタ「いや何かツッコミなさいよ」

 

少し拗ねてるオルタをスルーしてまた話し始める。しばらくしてから誰かが帰って来て、リビングに入ってきた。入ってきたのは全身黒の服で覆われた少女と赤髪の少女だった。

 

ニコ「黒いの!次こそは勝つからな!」

 

黒雪姫「フッ……いつでもかかってこい」

 

この2人は先ほどまでゲームセンターでゲーム対決をしていたらしい。戦績は5対4で黒雪姫の勝利。

 

2人は新入りのレミを見ると自己紹介する。レミも自己紹介をしてソファに座る。5人がくつろいで暫くすると、晩御飯が出来上がり、テーブルにおかずが並べられる。

 

レミ「うわあ!美味しそう!!」

 

奨真「楓子の料理はそこらの飲食店には負けないからな」

 

レミ「ちなみに奨真さんはどれを作ったんですか?」

 

奨真「…………野菜を切っただけ」

 

オルタ「奨真はここまで手の込んだ料理はできないからね〜」

 

ニコ「料理音痴ではないんだがな」

 

机に並べられたのは野菜炒めと唐揚げ、そして一人一人に卵焼きと味噌汁が置かれていた。レミは野菜炒めを口に含む。

 

レミ「っ!?美味しい!!」

 

楓子「口にあってよかったわ。いっぱいあるからどんどん食べてね!」

 

みんな野菜とお肉をバランスよく食べる。そんなに時間は経っていないのに、おかずとご飯は空になってしまった。それほど楓子の手料理は美味しいのだろう。

 

レミ「はぁ〜美味しかった〜」

 

オルタ「さて、食べ終わったし恒例の『アレ』でもやりますか」

 

奨真「はいはい。準備するからちょっと待て」

 

奨真は立ち上がり、テレビのところに向かってケーブルのようなものを繋げる。テレビに繋がれたのは大人気ゲーム機だった。

 

レミ「あの〜今から何を?」

 

黒雪姫「新しい子が入居してきた時は決まってこれをやるのさ」

 

レミはその『アレ』や『これ』が何かわかっていなかった。頭の中をハテナにしていると、綸が何なのか教えてくれた。

 

綸「スマブラです」

 

レミ「スマブラ!?」

 

楓子「親睦会を兼ねてね。1on1のトーナメントよ」

 

オルタ「言っておくけど、全員強いわよ」

 

倉崎荘の住人は全員スマブラ経験者のため実力もかなりある。初心者の人はまず勝てないだろう。だがレミは違う。レミは以前からスマブラを経験している。

 

レミ「私も強いですから!」

 

奨真「よし。繋いだし、早速くじ引きでトーナメントを決めるぞ」

 

手作りのくじ引きの箱に新しくレミの名前が書かれた紙を入れてくじを引く。一回戦はニコVS奨真、オルタVSレミ、楓子VS黒雪姫、そしてシード枠に綸となった。

 

ルールはシンプルだ。ストック3でステージは終点。時間は無制限でアイテムなしだ。

 

ニコ「勝たせてもらうぜ!」

 

奨真「一回でも勝ってから言いな!」

 

ニコはサムス、奨真はロイを選択する。カウントが0になって大乱闘が始まった。ニコは遠距離で攻めるが、奨真はそれをガードしたり避けたりして距離を詰めた。

 

ニコ「かかった!」

 

ニコはあらかじめチャージショットを溜めていて、接近されたと同時に撃つ。だが奨真はニコのその癖を知ってるためカウンターを使う。

 

奨真「後は空中戦をするだけ」

 

吹っ飛んだサムスをロイが空中で何度も追い打ちをかける。やがてサムスは画面外に吹っ飛ぶ。

 

そこからニコも攻めるが、やっぱり奨真には敵わず3対0で奨真が勝つ。

 

ニコ「だあああくそ!!何で奨真には勝てねえんだよ!!」

 

奨真「ニコはわかりやすいんだよ……」

 

次はオルタとレミの番。オルタはアイク、レミはシークを選んだ。

 

オルタ「吹っ飛ばしてあげるわ!」

 

レミ「もともとそういうゲームですよ!!」

 

レミは速さで攻め、オルタは力で攻める。攻撃回数はレミの方が多いが、一発一発のダメージが小さい。それに対するオルタは連続技じゃないが一撃が重い。だから一発くらうだけで大ダメージになる。

 

オルタの方が有利に近いが、そんなオルタにも欠点がある。それは追い打ちと掴み技に弱い。レミは近づいて攻撃される前に掴み技で攻撃する。吹っ飛んだ後に追い打ちをかけにいくが、オルタも反撃する。

 

かなりの接戦になったが、結果は1対0でレミの勝ち。オルタはかなり悔しそうにしていた。

 

オルタ「まさかこの私が……」

 

レミ「あ……危なかった〜」

 

楓子「なかなかやるわね。次は私とサッちゃんね」

 

次は楓子と黒雪姫。どちらかが勝てば、シード枠の綸と戦うことができる。楓子はルカリオ、黒雪姫はマルスを選んだ。

 

ルカリオはダメージが蓄積されればされるほど強くなる。楓子はそれを頭に入れ、少しずつダメージを稼ぐ。マルスは剣先が一番威力が高いため、黒雪姫は剣先を頭に入れながら攻撃する。

 

それからは本当にどっちが勝ってもおかしくないくらいの接戦だった。マルスが強攻撃すればルカリオのカウンターをくらう。それで倒しても復帰したマルスに一撃をくらって、た振り出しに戻る。

 

それの繰り返しで残りストック1になった。互いのダメージは100を超えていて、少しでも強い一撃をくらえば終わりだった。最後の一撃はほぼ同時に放たれたが、ほんの少しだけルカリオの方が早かった。

 

結果は楓子の勝利。シード枠の綸と戦うことができるのだ。

 

レミ「キャラの特性を活かしてましたね〜」

 

奨真「ピンチになったルカリオは化け物みたいに強いな……」

 

次は2回戦、奨真とレミ。キャラは変わらずにそのまま始まる。奨真はカウンターと強攻撃。レミはとにかく速さとトリッキーな動き。

 

それから……以下略。

 

 

 

 

結果はレミのギリギリ勝利。

 

奨真「お前相当やり込んでるだろ」

 

レミ「さあ?どうでしょうね〜」

 

そして次は楓子と綸。綸はピカチュウを選ぶ。綸のピカチュウは掴み技からのかみなりを当てるのがものすごくうまい。それだけじゃなく、とにかく掴み技がうまいのだ。避けたと思っても掴みの方が早かったりする。

 

楓子「やるわね綸」

 

綸「楓子師匠には……負けません……から」

 

今は綸が押している。けど楓子のルカリオはダメージを蓄積している。そしてピカチュウは軽量級。タメ技をくらえば無事では済まないだろう。

 

もちろん綸はそれを頭に入れ、早く倒そうとする。だが焦ったのか楓子に行動を読まれてしまい、見事にカウンターをくらってしまった。ピカチュウは吹っ飛び、ストックが2になる。

 

最終的には楓子がストック2残して勝利。決勝はレミと楓子となる。

 

レミ「綸ちゃんのピカチュウ強いですね!」

 

ニコ「アタシのサムス相手だと近づけないがな!」

 

楓子「さて、レミ。手は抜かないわよ」

 

レミ「望むところです!」

 

レミは速さで、楓子はダメージを受けながら徐々に攻撃する。ダメージが蓄積されたルカリオは掴み技を仕掛けるが、シークは緊急回避で避ける。そして掴み技で攻撃して上に投げる。チャンスと思いジャンプして攻撃するが、ルカリオはカウンターをする。シークは吹っ飛んでストックが減ったが、カウンターの勢いがありすぎたのか、そのまま画面外にいってしまった。

 

制限時間があれば間違いなくサドンデスになるだろうが、ルールは無制限。決着がつくまで終わらない。約10分の激闘が終わり、決着がついた。

 

結果はギリギリで楓子の勝ち。レミはルカリオの横必殺技を掴まれた状態でくらったため、画面外に吹っ飛んでしまったのだ。

 

レミ「あー悔しいです!!」

 

楓子「惜しかったけど、まだまだね♪」

 

奨真「それでレミ。楽しかったか?」

 

レミ「はい!すごく楽しかったです!」

 

楓子「これからよろしくね」

 

レミ「こ、こちらこそよろしくお願いします!」

 

その後ゲームは片付けて、もう夜も遅いため各自の部屋で寝ることとなった。だがレミは隣の管理人室から何か聞こえてため、いろんな意味で寝れなかったらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後……

 

 

 

 

日付は6月の後半。期末テストの時期だ。レミは休日も机の上でテスト勉強。早速始めようとした時、携帯が鳴る。

 

レミ「誰だろう?」

 

電話の相手は有田春雪と書かれていた。レミは画面を横にスライドして電話に出る。

 

レミ「もしもーし?」

 

ハルユキ「あ、レミさん!今時間ありますか?」

 

レミ「これからテスト勉強しようと思ってたんだけど、めんどくさいんだよね〜」

 

ハルユキ「あ、あの!お願いがありまして……」

 

レミ「なになに〜?お姉さんが叶えてあげよ〜」

 

ハルユキ「ぼ、僕とタク、チユに勉強を教えてください!!」

 

レミ「それくらい全然いいよ〜。私がそっちにいった方がいい?」

 

ハルユキ「僕たちがそっちに行きますよ!お菓子とかも持っていきます!」

 

レミ「じゃあ待ってるね〜」

 

そう言ってレミは電話を切る。いつ来てもいいように部屋を片付ける。もともと部屋は綺麗なほうなのでどこを片付けるのかはわからないが。

 

来客用の小さい机を出してると、楓子が部屋に入って来た。

 

楓子「あら?誰か来るの?」

 

レミ「ハルユキ君たちが勉強教えて欲しいって言ってきたので部屋で勉強会です」

 

楓子「そうなのね。なら後でお茶とか持ってくるわ」

 

楓子はニコリと笑って部屋から退出する。レミは準備を終えてベッドでくつろぐ。しばらくしてから玄関のベルが鳴る。レミは玄関に向かうと、もう楓子が出迎えていた。

 

楓子「こんにちは、鴉さん。タクム君とチユリちゃんも」

 

3人「こんにちは!」

 

レミ「いらっしゃい!部屋に案内するよ!」

 

レミは3人を部屋に入れて、クッションも用意する。3人はクッションの上に座り、教材を取り出す。

 

タクム「今日はよろしくお願いします」

 

レミ「タクム君が勉強を教えてほしいって意外だね」

 

タクム「英語が少しだけ不安なので……」

 

チユリ「私なんて国語と社会以外全くだもん……」

 

ハルユキ「タクとチユはまだいいじゃん……。俺なんか全部わかんねえよ」

 

レミ「うーん……私1人で教えきれるかなぁ……」

 

レミの学力は良いか悪いかで言われると良いほうだ。けど人に教えるとなるとそれなりに限界はある。どうしようか考えてると、ちょうど楓子がお茶とコップを持って部屋に入ってきた。

 

楓子「お茶ここに置いておくわね」

 

レミ「あっ!楓子さん!3人に勉強教えるの手伝ってください!」

 

楓子「えっ?いいけど……。あ、そうねぇ。さっきまでジャンヌとお茶してたからジャンヌにも手伝ってもらおうかしら」

 

楓子はリビングにいるジャンヌを呼びに行く。部屋を出てそんなに立ってないのに、楓子はジャンヌを連れて戻ってきた。

 

ジャンヌ「楓子ちゃんから聞きました。数学以外は教えることができるので、わからないところがあれば言ってください」

 

レミはチユリに、ジャンヌはタクムに、楓子はハルユキに勉強を教えることとなった。ここまではよかったのだが、6人で勉強会をやるため、レミの部屋にあった小さい机1つでは狭すぎる。だから楓子は自分の部屋から小さい机をもう1つ持ってきて、それをくっつけた。

 

チユリ「レミさん、ここの問題ってどうやって解くんですか?」

 

レミ「これは2ページ前に使った公式を使って……」

 

ジャンヌ「あ、タクム君。ここのスペル間違ってるよ」

 

タクム「え、本当だ……」

 

楓子「鴉さん、国語はまず文章をよく理解するんですよ」

 

ハルユキ「うぅ……頭が痛くなる……」

 

幼馴染3人はそれぞれ勉強を教えてもらってしばらく経った。ハルユキはふと顔を上げると窓に何かが上から降ってくるのが見えた。ガシャッと音がして、全員が反応した。レミとジャンヌ、楓子はこの音が何なのかよく知っているが、3人は何なのか知らない。3人は窓から顔を出して下を見ると、そこには人の腕が落ちていた。

 

ハルユキ「ひい!?う、腕!?」

 

チユリ「で、ででででもガシャッて言ったよ!?」

 

タクム「どう見ても人の腕だよ!?」

 

3人は驚いていると、上から人の声が聞こえてきた。釣られて上を見上げると、そこには屋根の上にいる奨真がいた。

 

奨真「そこに俺の腕落ちてないか?」

 

ハルユキ「こここれって奨真さんの腕ですか!?」

 

チユリ「奨真さんってロボットですか!?」

 

奨真「誰がロボットだ!」

 

レミ「とりあえず、何で腕が落ちてくるんですか!!今日は屋根で何やってたんですか!!」

 

奨真「屋根の修理だよ!!それで腕はネジが取れて外れたんだよ!!」

 

レミ「とにかく投げますよ!!」

 

レミはいつのまにか外に出ていて、上にいる奨真めがけて思い切り投げる。奨真は片手でキャッチして修理にもどった。

 

タクム「そ、それより奨真さんのあの腕は?」

 

楓子「あれは義手よ。奨真君は昔事故で片腕をなくしちゃってね……」

 

ハルユキ「そ、そうだったんですね……」

 

ジャンヌ「平気で屋根の修理に戻ったみたいだけど、大丈夫なの?」

 

楓子「白夜君に連絡するわ……。紺野先生は今日休みだし……」

 

楓子は携帯で白夜に電話をかける。電話してからしばらくすると、白夜とあきらがやってきた。あきらは楓子が白夜に電話をかけた時、その場にいたらしい。

 

楓子「ごめんね白夜君。奨真君の手伝いお願いできる?」

 

白夜「任せとけ!」

 

楓子「あきらも暇になると思うし、よかったら勉強会に参加する?」

 

あきら「私でよければ」

 

あきらは3人の誰かに着くんじゃなく、教えてるレミたちのサポートに回った。数時間後、あたりは夕陽で赤くなってきていた。

 

ハルユキ「つ、疲れたぁ……。もう頭が爆発しそう……」

 

チユリ「これで今回のテストも大丈夫そうです!」

 

タクム「今日はありがとうございました!」

 

3人は倉崎荘を出て、それぞれの家に帰っていった。4人はリビングに移動すると、そこには屋根の修理が終わった奨真と白夜がいた。机の上には奨真の義手が置かれていた。

 

奨真「今日の飯どうやって食べるか……」

 

楓子「私が食べさせてあげるよ!」

 

奨真「嬉しいけど、またあの目で見られるのか……」

 

レミは知らないが、以前もこういうことがあり、その時は楓子が奨真に食べさせてあげていた。だが他の4人がジッと奨真を見ていたため、奨真はその目線に耐えられなかったらしい。綸は羨ましそうに見ていたという。

 

レミ「へえ〜」

 

奨真「おい待てレミ。俺はまだ何もしてもらってない。だからそんな目で見るな」

 

レミは奨真をジト目で見る。やはり奨真はその目線には耐えれないみたいだ。白夜とあきらも苦笑いをしていた。

 

奨真「一応紺野先生のところにいくよ」

 

楓子「義手落とさないように気をつけてね!」

 

奨真「わかってるよ!」

 

奨真は靴を履いて紺野先生のいる病院へ向かった。そしてちょうど入れ違いで美早がやってきた。その手には自分の店のケーキが入った袋があった。

 

美早「楓子、今日いっぱいケーキが売れ残ったから持ってきた」

 

楓子「あらあら、わざわざありがとう!」

 

美早「賞味期限はもちろん今日まで。早めに食べることをお勧めする」

 

ジャンヌ「私たちも食べていいんですか?」

 

美早「もちろん」

 

白夜「ありがたくいただくぜ!」

 

あきら「いただきますなの」

 

ジャンヌと白夜はチーズケーキ、あきらは苺のショートケーキを取る。レミもケーキに手を伸ばしてチョコケーキを手に取る。楓子はモンブランを取り、奨真の分はミルフィーユを取る。早速一口食べると、口の中はケーキの甘さがいっぱいに広がる。

 

あきら「やっぱりミャアのケーキが一番なの」

 

レミ「おいひい!いくらでも食べれそう!」

 

それからは皆ケーキを食べるのに夢中になる。数分後、自分達が取ったケーキを食べ終えて、美早も家に帰っていった。ジャンヌも家で晩御飯を作らなきゃいけないため先に帰った。白夜とあきらは奨真が戻ってきたら帰るらしい。

 

レミ「そういえばお二人ってどういう関係ですか?」

 

あきら「恋人同士なの」

 

レミ「へえ〜…………えっ!?」

 

レミは一瞬驚いたが、すぐに落ち着きを取り戻す。なんとなくそんな風に見えていたようだったらしい。そんな会話をしてると奨真が誰か連れて帰ってきた。

 

奨真「お前も暇なのか?」

 

???「暇じゃないよ?生徒会の仕事もあるし剣道もあるし」

 

奨真「放ったらかしでいいのかよ……」

 

そのままリビングに入ると、楓子とジャンヌ、白夜がもう1人の人物に気づいた。他の2人は誰なのかさっぱりの様子だった。

 

奨真「2人は初めてだな。俺の学校の生徒会に所属してる紺野悠花だ。俺が普段世話になってる紺野先生の娘なんだ」

 

悠花「紺野悠花です。よろしくお願いします」

 

レミ「ご、ご丁寧にどうも……」

 

この時レミは思った。悠花の容姿がスマブラに出てくるカムイ(女)にそっくりなのだと。

 

楓子「帰りに会ったの?」

 

悠花「ええ。せっかくですしこちらに遊びに行こうと思って」

 

楓子「そうなのね!なら晩御飯も食べてく?」

 

悠花「迷惑にならないなら!」

 

楓子は台所に行き、悠花も楓子の手伝いをしに行った。

 

白夜「さてと、俺らも帰るわ」

 

奨真「おう!お疲れ」

 

白夜とあきらは一緒に帰った。入れ違いで黒雪姫たちが帰ってきた。

 

オルタ「げっ!生徒会じゃない」

 

悠花「うふふ、オルタちゃん。何が『げっ!』なのかな?」

 

悠花はニコニコと笑っているが、雰囲気はまるで笑っていなかった。それも楓子と同じくらいの寒気がするほど。そしてオルタは逃げるように部屋に向かった。

 

奨真「あいつを弄るのも程々にしろよ」

 

悠花「だってぇ〜。あの子の反応可愛いから♪」

 

ニコ「ツンデレの反応が可愛いっていう理由でかよ……」

 

悠花は引き続き楓子の手伝いをする。日頃のから紺野先生の手伝いをしてるからなのか、手際がいい。楓子もかなり楽に準備できたらしく、おかずが全て出来上がった。

 

オルタも戻ってきて、全員席について晩御飯を食べた。悠花の手伝いもあったせいか、いつもよりも美味しく感じた。あっという間におかずは無くなり、食器を片付け始めた。

 

悠花「オルタちゃん。前も言ったけど制服はちゃんと着なきゃダメだよ。校則違反だからね」

 

レミ「どんな風に着てるんです?」

 

悠花「胸元を開いてスカートの丈も短いのよ。女の子なんだから視線とか気にしないと」

 

オルタ「あの制服キツイのよ」

 

レミ「なんかもう男子からの視線を集めてるようにしか思えないんですけど」

 

オルタ「んなわけないでしょ、燃やすわよ」

 

3人がそんなやりとりをしてると、ソファでくつろいでる奨真と楓子は、奨真の義手を触っていた。

 

楓子「ネジもしっかりと締まってるし、当分は大丈夫じゃない?」

 

奨真「その辺は心配ないんだけど……」

 

レミ「何が心配なんです?」

 

奨真「変な機能がついてるかどうか……」

 

悠花「お母さんそういうの好きだからね〜」

 

紺野先生はよく奨真の義手を調整したりしている。元々この辺りの病院には義手などの調整ができる医者は紺野先生しかいないが。その紺野先生はいたずら好きでよく奨真の義手に変な機能をつけようとする。

 

奨真「前は手から味噌汁が出てきたからな……。何もないことを願う」

 

レミ「それはそれで面白いです」

 

オルタ「その味噌汁は私が美味しくいただいたわ。次も出てきたら食べてあげるから感謝しなさい」

 

黒雪姫「手がトランスフォームしたらいいな」

 

ニコ「おお!お前もそう思うか!」

 

綸「私は……ロケットパンチ……」

 

奨真「なんで機能がついてる前提なんだよ……」

 

悠花「うふふ♪楓子ちゃん♪」

 

楓子「ええ♪」

 

悠花と楓子はそれだけ言うと、楓子は前から、悠花は後ろから奨真を抑える。奨真は抵抗しようとするが、前後から楓子と悠花の胸が当たってるためうまく力が入らない。楓子はもちろん学校で一番大きい方に入るが、悠花もそれなりにある。

 

奨真(2人の胸が……あ、当たって……)

 

そしてレミに奨真の義手についてる不思議なボタンを押すように言う。

 

レミ「これですね」ポチッ

 

奨真「ば、馬鹿!!」

 

奨真の義手はガタガタと変な音を出し始める。奨真は2人の高速から抜け出しすぐに庭に出て義手を古い物置に向ける。その時、義手は物凄い勢いのロケットパンチを放って古い物置に激突する。当然物置は壊れた。

 

綸「凄い……本当に……ロケットパンチ」

 

悠花「ねえ楓子ちゃん。さっきの奨真君の反応って」

 

楓子「そうね。興奮してたね」

 

オルタ「うわっ」

 

奨真「してるか!!」

 

レミは義手を取りに行くと、その義手の中から一枚の紙が出てきた。それと義手を持って奨真に渡す。紙に書かれていたのは。

 

『どお?楽しめた!楽しめたようね〜。だってロケットパンチだよ!男の子なら誰もが憧れるロケットパンチだもんね〜!あ、義手は簡単につけれる仕組みになってるから安心してね!紺野先生より』

 

という紺野先生がいかにも言いそうな感じが書かれていた。

 

奨真「楽しめてねえ!!!」

 

楓子「じゃあこの後私と楽しむ?」

 

奨真「それも今言うことじゃねえ!!」

 

ニコ「おいおい近所迷惑だぞ?」

 

レミ「それなんですけどエキサイトするなら音量落としてくださいね」

 

悠花「それくらい激しいのね♪」

 

オルタ「不純異性行為は許していいの!?」

 

悠花「それは特に気にしないので」

 

オルタ「それなら私の制服も許しなさいよ!!」

 

悠花「それはダメ」

 

そんな感じで適当に会話してると、綸が大きなあくびをした。時間はもう遅くなっていてそろそろ寝る時間だった。

 

綸「私……そろそろ……寝ます」

 

ニコ「あたしも寝るわ」

 

黒雪姫「私は学校の課題を終わらせてから寝るとしよう」

 

オルタ「私はまだ寝ないわ」

 

奨真「悠花はどうするんだ?帰るなら送るけど」

 

悠花「ここに泊まるよ。お母さんにも言ってあるから」

 

楓子「部屋はいっぱい空いてるから好きなところ使ってね」

 

悠花「ありがとう!あ、奨真君。楓子ちゃんを襲うのは全然構わないけど、間違っても私を襲いには来ないでね?」

 

奨真「行くかアホ!!お前俺で楽しんでるだろ!!」

 

楓子「奨真君?もし悠花を襲いに行ったり襲ったりしたら……どうなるかわかってるよね?」

 

奨真「襲わねえって!!襲うんだったら俺は楓子しか襲わねえ!!」

 

この一言で場は一気に静かになる。それもそうだ。いきなり奨真が爆弾発言をしたからだ。黒雪姫、オルタ、悠花、レミは『なんで平気でこんなこと言えるんだろう』という感じで見て、楓子はまさかそんなことを言われるとは思ってなかったみたいで顔を赤くしていた。しばらくして奨真はようやく自分が何を言ったのか理解した。

 

奨真「あ、いや、これは……」

 

奨真が何を言えばいいか困ってると、楓子は奨真の手を引っ張って管理人室に入っていった。

 

悠花「これからエキサイトするのかな?」

 

レミ「満面の笑みで言っちゃいますそれ」

 

オルタ「レミ、私の部屋ベッド1つしかないけど今夜だけ私の部屋で寝る?」

 

レミ「えっ?」

 

オルタ「あんたの部屋管理人室の隣でしょ?もしエキサイトしてるなら聞こえると思うし。あ、寝てる時変なところ触ったら燃やすから」

 

レミ「嬉しいですけどそれはなんか酷いような……。あと燃やしたら火事ですからね」

 

それからしばらくして、リビングでくつろいでたレミとオルタ、悠花の3人は部屋に戻る。レミは枕を取りに部屋に向かうと管理人室から声が聞こえた。

 

※中で何言ってるのかは言えないので想像でお楽しみください

 

レミ「エキサイトしてる……。早く枕とってオルタさんの部屋に行こ」

 

そしてレミは枕を手に取り、オルタの部屋に向かったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数ヶ月後……。

 

 

12月の末、そして年末でもある。どこの学校ももう冬休みに入っていて倉崎荘の住人はもちろん住人の友人もみんな家の中にいる。

 

レミ「こたついいですね〜」

 

綸「はい……あったかいです」

 

白雪姫「2人ともダラけすぎですよ〜」

 

レミ「白雪さんも人のこと言えないですよ〜」

 

白雪姫もこたつの力に負けてかなりダラけてしまっている。リビングのこたつは大きめのものなんで大人数で入ることもできる。

 

マシュ「今日は一段と寒いですね」

 

アルトリア「そうですね。雪が降ってもおかしくないですよ」

 

謡「雪が降ったら雪だるま作るのです」

 

レミ「そういえば大晦日ってこんなに人が集まるんですか?」

 

楓子「そうよ。大晦日は集まって年越しそばを食べるのよ」

 

奨真「今式と藤乃と蓮とリサが材料買いに行ってるからな」

 

この4人は倉崎荘に来る途中で材料を買ってから来るとの連絡があった。その間は机などの準備をする。準備が終わって今はくつろいでいるのだ。

 

アルトリア「ところでマシュ、どうすればあなたのように胸が大きくなるのですか」

 

マシュ「えっ?ええっ!?」

 

黒雪姫「ほほう、それは私も気になる」

 

アルトリアと黒雪姫はマシュに少しずつ近づいていく。その2人が近づくたびにマシュは距離をとる。背中が壁についた時、逃げ場がなくなった。そしてアルトリアはマシュの胸を鷲掴みした。

 

マシュ「ひゃあ!?」

 

アルトリア「揉んだんですか!!それとも揉まれたんですか!!」

 

マシュ「な、なんで揉むこと前提なんですか!!そ、それより離してください!!」

 

アルトリア「それとも迷信と言われている牛乳ですか!!」

 

マシュ「わ、私は……特に何もして……ないです!」

 

黒雪姫もアルトリアに続こうとするが、こたつから出た白雪姫に止められる。

 

白雪姫「サッちゃん落ち着いて!!」

 

黒雪姫「なら姉さん!!どうすれば胸が大きくなるんだ!!」

 

白雪姫「わ、私も知りたいよ!!私も……小さいし」

 

黒雪姫「ほう?それは妹の私に喧嘩を売ってるのか?」

 

白雪姫の胸は黒雪姫よりも普通に大きい。というか平均サイズである。貧乳の部類に入るのは黒雪姫とアルトリア、そして今この場にいない式だけである。

 

リサ「こんにちは〜」

 

藤乃「お邪魔します」

 

蓮「失礼する」

 

式「邪魔するぜ」

 

騒いでると4人がリビングにやってきた。アルトリアと黒雪姫は式を見つけると一目散に駆けつけた。式はなんなのか全くわからなくて混乱していた。

 

式「な、なんだよ」

 

黒雪姫「式、君は胸を大きくしたいか?」

 

式「はっ?」

 

アルトリア「私たちはマシュにどうすれば胸が大きくなるのか聞いていたのだ」

 

式「そ、そうか。それでなんでマシュなんだ?胸なら楓子が一番デカイだろ」

 

アルトリア「あれは次元が違います。それよりも知りたくないんですか?」

 

式「別に。俺はそんなこと気にしないし気にしたこともない」

 

アルトリア「そうですか……。よし、黒雪。再開しますよ」

 

黒雪姫「ああ」

 

式「何さりげなくマシュのところに行こうとしてる。マシュのやつ怖がってるだろ」

 

アルトリア「それなら藤乃」

 

式「藤乃にも行くな。お前らは大人しくしてろ」

 

式はアルトリアと黒雪姫を椅子に座らせた。そして2人の前に座って楓子が入れたコーヒーを飲みながら監視する。

 

リサ「あはは……なんか大変だったみたいだね」

 

マシュ「全くです……」

 

蓮「楓子、いつから作り始めるんだ?」

 

楓子「そうねぇ……。6時半ごろが丁度いいかしらね」

 

蓮「わかった」

 

場所は変わってハルユキたちのところ。ハルユキとタクム、チユリとあきら、白夜と美早の6人はトランプをしていた。トランプゲームは大富豪。

 

あきら「あがりなの」

 

美早「私もあがり」

 

白夜「2人連続あがりかよ」

 

タクム「どうしよう……。僕の手札全然減らない」

 

ハルユキ「あ、あがれた!」

 

チユリ「えっ!?ちょっとハル!ズルしたんじゃないでしょうね!」

 

ハルユキ「んなことするかよ!!チユじゃあるまいし!」

 

チユリ「なんですって!!」

 

白夜「お、落ち着けって……」

 

それからは3人の白熱した勝負が繰り広げられる。結果はチユリ、白夜、タクムの順番であがった。

 

タクム「ま、負けた……」

 

チユリ「タッくん罰ゲーム!最下位は一位に年越しそばの天ぷらを1つあげる!」

 

あきら「タクム君いただきますなの」

 

タクム「それくらい全然構わないですよ」

 

それぞれが時間を潰していると、6時半になる。楓子と蓮は年越しそばを作る準備をする。2人が作ってる間に他のみんなは風呂に入りにいく。女性陣が最初に入って男性陣が後から入ることとなっている。

 

蓮「楓子、下準備は俺がやるから入ってくるんだ」

 

楓子「わかったわ」

 

女性陣は着替えとタオルを持って大浴場へと向かう。脱衣場で服を脱ぎ終えると大浴場に入る。まずは順番に体を洗い、最後に湯船に浸かる。

 

レミ「気持ちいいですね〜」

 

楓子「そうね〜」

 

レミと楓子は隣同士で座る。レミはふと楓子の体をジッと見る。やっぱり自分とは全然違くて大人っぽかった。特に胸に関しては。

 

レミ「本当に大きいですよね?」

 

レミは思わず楓子の胸を突いてしまう。楓子は苦笑いしながらレミにデコピンをした。

 

楓子「こーら。突いたらダメでしょ?」

 

レミ「ご、ごめんなさい」

 

突くのをやめてゆっくりとくつろぐ。その時レミは楓子の胸について思い出した。

 

レミ(柔らかかった。それだけじゃなくて弾力もある。もしかして奨真さんはエキサイトする時いつもあれを……)

 

楓子「さて、早くでて蓮君の手伝いしなきゃ」

 

レミ「あ、私も出ます」

 

楓子とレミは誰よりも早く出て、脱衣場で体を拭く。寝巻きに着替えてリビングに向かった。

 

楓子は台所に入り、レミはソファに座る。ゆっくりしてると女性陣みんな戻ってきて、入れ違いで男性陣も大浴場に向かった。

 

男性の入浴は女性よりも早く、10分程度で戻ってきた。蓮が戻る頃には半分以上の年越しそばが出来上がっていて、蓮も加入するとあっという間に出来上がった。みんなじゅうたんの上に座って手を合わせた。

 

奨真「いただきます」

 

全員「いただきます」

 

皆そばを食べてる間はほぼ無言で、お腹が空いていたのもあったのかあっという間に食べ終わる。食べ終わるとテレビの特番を観て、それを観ながらみんなで笑いあった。

 

特番が終わった頃にはもう0時を過ぎていて、レミは周りを見ると、もうほとんどその場で寝てしまっていた。レミは隣で寝てる綸を起こさないように立ち上がり、奨真と楓子が座ってる椅子の向かいに座る。

 

奨真「みんな寝たな」

 

レミ「そうですね」

 

楓子「もう新年なのね」

 

奨真「レミ、ここでの暮らしはどうだ?」

 

レミ「とても楽しいです。毎日がお祭りみたいで」

 

奨真「そうか」

 

楓子「レミ、今年もよろしくね」

 

レミ「っ!?はい!!今年もよろしくお願いします!!」

 

レミが倉崎荘にきて半年以上が経った。そして新年に変わったその時、外は雪が降っていた。その景色はとても綺麗だった。

 

 





いかがだったでしょうか?
過去最多の文字数です。

そして本文にも入ってました『エキサイト』という言葉は『僕の彼女がマジメすぎる処女ビッチな件』に出てくる言葉を使わせてもらいました。
理由はこのアニメを見たときは笑いが止まらなかったので(そんな理由)

AWvsSAO編はまだまだ続きますが応援よろしくお願いします!

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