アクセル・ワールド 君の隣にいるために   作:フラっぴー

159 / 168
こんにちはこんばんは!

フラっぴーです!

1ヶ月ぶりですね、そしてお盆も終わりです。
課題とか色々やることが多かったりゲームしたりばっかですが、こっちも頑張っていきます!


第29話 休息

 

 

各エリアに移動していた全員は空都ラインにあるエギルの店に戻ってきた。全員かなり体力を消耗して、そのまま次のエリアに移動するのは困難な状態だった。

 

青の王を倒したアスナたちは何人かは気を失ったりしたが、今はもう回復している。緑の王を倒したキリトたちは直死の魔眼の反動を受けた式がまだ回復していない。

 

ハルユキ「みんなかなり疲れてますね」

 

リズ「そりゃあどこも激闘だったからね。疲れもするわ」

 

アリス「改めて自己紹介しますね。私はアリス・シンセシス・サーティ。アリスで構いません」

 

ロニエ 「ロニエ ・アラベルです!まだまだ未熟者ですがよろしくお願いします!!」

 

ティーゼ「ティーゼ・シュトリーネンです!ロニエ共々よろしくお願いします!!」

 

3人は自己紹介して、奨真は白の王との戦いでの出来事を話した。何故か白の王が蓮に凄い執着心を持っていたこととユージオという男を復活させたことを。

 

キリト「ユージオが!?」

 

アリス「白雪姫、あなたはユージオを知ってますか?」

 

白雪姫「い、いえ……。その人の名前も初めて聞きました」

 

アリス「もう一つ聞きます。あなたは死んだものを生き返らせることができるのですか?」

 

白雪姫「それは……」

 

奨真「白雪、教えてやってくれ」

 

白雪姫「……わかりました。私はこのようなVR世界で命を落としたものの魂を呼び戻し、生き返らせることができます」

 

楓子「私たちの世界、ブレインバーストもその内の一つよ」

 

白雪姫はメイン・ビジュアライザーから全損に際して回収されたバーストリンカーのデータをサルベージして別のアバターに憑依させる《反魂》と呼ばれる能力を持っている。だから知っているデータなら死人を呼び戻すことができる。

 

白雪姫「ですが、たとえアリスさんがそのユージオさんに会いたくても、私は決して生き返らせません」

 

アリス「っ!?それ何故です?」

 

白雪姫「凄く酷い言い方になりますが、そのユージオさんはもう死んだ人。死んだ人がいつまでもこの世にい続けることはいけないこと。だから、たとえどんな理由があっても死人を生き返らせるなんてダメなんです」

 

キリト「確かに白雪姫の言う通りかもな」

 

アリス「キリト……」

 

キリト「人の命っていうのは軽いものじゃない、物凄く重いものなんだ。だから、そう簡単に生き返らせたりしたらダメなんだ」

 

白雪姫「そういうことです」

 

アリス「お二人の言う通りですね」

 

 

 

 

 

 

 

違うところでは眼が見えなくなった式のそばに何人か寄り添っていた。

 

あきら「式、大丈夫なの?」

 

式「大丈夫だ。眼は見えないがな」

 

白夜「ダミーアバターにも影響がでるなんて」

 

シリカ「もしかして一生見えなくなるとか……」

 

クライン「そりゃないと思うが……だってゲームだぜ?治らない状態異常とか聞いたことねえよ」

 

式は今ダミーアバターの状態で目隠しをしている。そのため周りを見ることができず、歩き出すとフラフラとする。

 

リーファ「無理に動いちゃダメです!眼が見えるようになるまで安静にしてください!」

 

リーファは式をソファに座らせる。その隣に自分も座って式に無理をさせないように見張る。

 

そして買い出しに行っていたアスナとチユリ、フィリアとマシュが帰ってきた。回復アイテムを全員に配り、4人は椅子に座る。

 

ストレア「もーう!!折角休憩してるんだから暗い話はナーシ!!」

 

レイン「そうだね。何か楽しい話とか?」

 

ストレア「はいはーい!じゃあ奨真と楓子のラブラブな話をお願いしたいと思いまーす!」

 

ストレアは奨真と楓子のもとに向かいマイクを持つような構えをして2人に手を向ける。2人は最初は驚くが、話くらいなら構わないだろうと思い、何を話そうか悩みだす。

 

奨真「俺と楓子が普段してることかぁ……」

 

楓子「あら?いっぱいあるでしょ?キスとか『ピー』とか」

 

奨真「ちょっと待て!!今明らかにこの場で言っちゃダメなこと言わなかったか!!」

 

アスナ「キスは聞き取れたけど、その後はなんか変な音が入って聞き取れなかったけど?」

 

奨真「セーフ!!」

 

レミ「私は何言ったかわかりましたけどね。奨真さん後でブッ飛ばす」

 

ストレア「まあラブラブなのは知ってるけど、それより奨真。楓子のおっぱいって柔らかいの?」

 

奨真「んなこと答えてたまるか!!」

 

レミ「触ったことがあるのは否定しないんですね」

 

ストレア「あ、じゃあ私のを触る?」

 

奨真「だからなんでそうなる!?」

 

ういうい「しょ、しょーにぃにそんなことを答えさせません!私が答えるのです!」

 

ういういは楓子のところに向かい、そして楓子の胸に手を当てた。いつもは抱きしめられて顔で感触を確かめているが実際に触るのは初めてのういうい。触っていくうちにみるみると顔が赤くなり、奨真のところへと戻った。

 

ういうい「柔らかいのです。大きなマシュマロを手に取ってるような感じなのです……」

 

楓子「改めて言われると恥ずかしいわね」

 

黒雪姫「くっ……まだだ……私だっていつかは……」

 

アルトリア「黒雪、牛乳を飲みましょう。そして世界中の巨乳という巨乳を排除するのです」

 

貧乳の黒雪姫とアルトリアは楓子をみて悔しがり、アルトリアに関しては最後に物凄く物騒なことを言う。

 

奨真「お、俺と楓子の話はここまでにして、次行こう!」

 

ストレア「じゃあ次はジャンヌ!!」

 

ジャンヌ「へっ!?わ、私ですか!?」

 

突然話を振られるジャンヌ。まさか自分のところに来るとは思わなかったのだろう。それもそのはずジャンヌは誰にも自分の恋愛話などを話したことがないからだ。

 

白夜「ジャンヌに振っても話とかないんじゃないか?」

 

あきら「好きな人がいるとかもわからないの」

 

オルタ「なに?あんたたち誰も知らないの?姉さん彼氏いるわよ?」

 

ジャンヌ「お、オルタ!!」

 

オルタ「いいじゃない別に。減るもんじゃないでしょ?」

 

アスナ「私も興味あるかなぁ〜」

 

リズ「言っちゃいなさいよ〜」

 

ジャンヌ「わ、わかりました……」

 

顔を真っ赤にしながら覚悟を決める。ジャンヌは自分の恋人の名前を言い、どんな風に過ごしていたのかも話した。

 

ジャンヌ「私の故郷、フランスに恋人はいます。その人は『ジーク』君。一言で言うと人を誰よりも大切にする人です。その人と知り合ったのは村で買い物をしてた時です。買い物の途中で柄の悪い男の人に絡まれてるところを助けてくれました。私は彼にお礼をしたくて連絡先を交換して、それ以来よく会うようになりました」

 

フィリア「なんか漫画みたいだね」

 

レイン「それでそれで?」

 

ジャンヌ「最初は本当に仲のいい友人としか思ってませんでした。でも私の心のどこかでは何かモヤのようなものがありました」

 

イリヤ「モヤ?」

 

クロエ「イリヤってば本当に鈍いね〜」

 

美遊「私でもわかるかも」

 

ジャンヌ「そして私とジーク君の2人で旅行に行った時でした。まだ奴隷制度がある国に訪れ、奴隷を乗せた馬車を見つけた時に事件は起こりました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜数年前〜

 

 

ジャンヌside

 

 

 

遠くから様子を見てると、何か騒がしかった。なんだろうと思い、私とジーク君はリュックから双眼鏡を取り出して何が起きてるのか見た。私たちの目に見えたのはハイエナの群れが馬車一台を襲ってました。

 

その馬車には勿論人が乗ってます。その中にはまだ幼い子供まで。私は助けたかった。でも恐怖で動けなかった。他の馬車は犠牲になってるうちに逃げる準備をしてました。

 

それを見たジーク君は一目散に逃げようとしてる馬車に向かい、責任者を呼び止めた。

 

ジーク「おい!なんで助けようとしない!!」

 

「あのハイエナの群れは餌に食いつけば周りは見えなくなる!その隙に逃げるのは当然だ!!」

 

ジーク「俺が聞いてるのは逃げる逃げないじゃない!!なんで助けないんだと聞いてるんだ!!」

 

「たかが数人の奴隷だ!1人や2人死んだところでなんの支障もない!さあ退け退け!それか手伝え!こっちは高い酒や食料も乗せてあるんだ!手伝えば金は払ってやらんこともない!」

 

責任者の一つ一つの言葉は最低でした。私は怒りが爆発しそうになった時、ジーク君は私よりも先に爆発して、彼の頰を思い切り殴りました。

 

勢いよく転がる責任者。彼は殴られた頰を抑えてジーク君を見る。

 

ジーク「お前の汚い酒や食料で人の命が買えてたまるかクソ野郎!!!!」

 

ジーク君は馬車から木の棒を取り出してハイエナの群れに向かう。

 

私も何かやらなきゃ。でも何ができる?彼と同じように行っても足手まといにしかならない。ならどうすれば……。

 

悩んでる間にもジーク君はハイエナの群れを追い返そうとします。でも数が多いためジーク君もかなり体力を消耗する。その時、私は気づいた。ジーク君はハイエナの群れを馬車から離してることに。私にできることは被害にあった馬車を安全なところに連れて行くこと。

 

私は急いで馬車に向かい、馬車から落ちてる人たちを乗せて、手綱を持つ。他の馬車のところに連れて行き、私はもう一度ジーク君の元へ戻る。戻った時にはハイエナの群れは逃げていて、ジーク君の周りには数匹のハイエナの死体が転がっていた。

 

ジャンヌ「ジーク君……」

 

ジーク「ジャンヌ?」

 

ジャンヌ「早く戻りましょう。手当が必要です」

 

ジーク「俺は平気だ。それよりも彼らが」

 

ジャンヌ「いいから早く戻りますよ!!!」

 

私はジーク君の手を引き、馬車のところに向かう。鞄から救急箱を取り出し、彼の傷を消毒する。幸いにも転んだりした時についた傷だけだったから病気の心配はなかった。

 

ジャンヌ「全く……ジーク君はいつもそうです。人の気持ちも知らないで自分を犠牲にしようとする」

 

ジーク「すまない」

 

ジャンヌ「今回ばかりは本当に死ぬかもしれなかったんですよ……」

 

私は静かに涙を流す。彼はいつもそうだ。彼のいいところは困ってる人を助けること。彼以外にもそれをする人は勿論たくさんいます。でも彼はそのことに関してはずば抜けてる。何故なら自分の命も犠牲にしようとしてしまう。例えるなら火事で逃げ遅れた人がいたら一目散に火の中に飛び込んで助けに行くとか。今までも何度かそういうことがあった。

 

ジーク「君を心配させてしまったのは本当にすまないと思ってる。でも俺が犠牲になろうとしたから彼らは生きてる。俺は誰かが救われればそれでいい」

 

彼は笑顔で私に言った。その時に私の心の中のモヤがなんなのかわかってしまった。私は彼の誰にでも優しいところに惹かれていた。そして自分の身を犠牲にする彼をそばで支えていきたいとも思った。

 

あぁ……そっか。

これが恋なんだ。

 

ジーク「さて、長く居るわけにもいかないし、そろそろ行こう」

 

ジャンヌ「そうですね」

 

「お兄ちゃんたちもう行くの?」

 

小さい子供が私たちのところに走ってくる。その子は私たちにまだ居て欲しいのか、そんな目をしていた。

 

ジーク「すまない。俺は他所の国の人間なのに、ここの国の責任者を殴ってしまった。ここにいたら下手したら命を狙われるかもしれないんだ」

 

「もう会えないの?」

 

ジャンヌ「ごめんね。それもわからないの」

 

私たちは馬車から離れる。しばらく歩くと、さっきの子供が大きい声で私たちに叫んだ。

 

「絶対!!!いつか!!!会おうね!!!」

 

私は微笑んで手を振り、ジーク君は『またな』と言って手を振った。そして私たちは振り返ることなくその場を後にした。

 

 

 

 

ジャンヌside out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジャンヌ「それからはまぁ色々あって、私が思い切って告白したらOKしてくれたってことです」

 

リズ「その色々ってのは気になるけどね」

 

たしかにジャンヌが説明したのは『ジーク』と出会い、どのように過ごしたのかだけだから。告白の内容については特に話してない。

 

マシュ「あっ!私フランスで料理の勉強をしていた頃、ジークさんを見たことがあります!」

 

シリカ「どんな方だったんですか?」

 

マシュ「見かけただけなので詳しくはわかりませんが、見た目は凛々しい感じでした」

 

ジャンヌ「そうです!見た目は凛々しいですけど、実はたまに甘えてくる感じがギャップ萌えというか!!」

 

オルタ「あ、やばいわこれ」

 

完全にキャラ崩壊して暴走し始めたジャンヌの脇を持ったオルタはそのまま外へと出て行った。

 

奨真「あんな感じのジャンヌは初めてだ」

 

キリト「完全にキャラ崩壊だったな」

 

ユウキ「ねえカムイ。カムイもたまには甘えてもいいんだよ?」

 

カムイ「えっ?いや、それは………………たまには……ね」

 

ユウキとカムイはまだ友達以上恋人未満という関係だ。だが、このやり取りはもう恋人がやるような感じ。なのになぜ付き合ってないのかが不思議でたまらない。

 

余談だが、ユウキがカムイに甘えて、カムイがそれを受け止めることが多いが、その逆は全くと言っていいくらいない。

 

アスナ「き、き、キリト君も……私にいっぱい……あ、甘えて……い、いいから……ね?」

 

キリト「アスナ、無理するな」

 

ストレア「じゃあキリト!あたしにいっぱい甘えていいよ!」

 

キリト「お前はもう少し恥じらいというものを持て」

 

リズ「キリトー!!この前見た鍛冶用ハンマー買ってー!!」

 

キリト「どさくさに紛れて強請るな!しかもお前それ本気で欲しがってためちゃくちゃ高いやつだろ!!」

 

リズ「ちぇ……バレたか」

 

白夜「キリトはモテモテだなぁ」

 

あきら「びゃーくんには私がいるから」

 

白夜「だな!」

 

リズ「はいはいごちそうさまでーす」

 

皆の恋愛話を繰り広げてると、店の扉が開いた。ジャンヌとオルタが戻って来たのかと思ったが、入って来たのはケットシーの女性だった。

 

???「ようキー坊。楽しそうにしてるナ」

 

キリト「アルゴ!?」

 

そのケットシーの女性とは情報屋のアルゴだった。ついでにアルゴの後ろにはジャンヌとオルタもいた。実はキリトはアルゴにメッセージで今のALOの情報を提供してほしいと言っていたから、アルゴはあちこちで情報を探っていたのだ。

 

キリト「俺のところに来たってことは、色々とわかったんだな」

 

アルゴ「骨が折れたよまったく。地形は変わってるし見たことないものもあるしで大変だったんだヨ」

 

キリト「悪いな。俺たちもオーブ探しとかで忙しかったからさ」

 

アルゴ「別にいいヨ。さて、情報を渡すから、代金をくれ」

 

アルゴはウィンドウを表示し、キリトに見せた。そこに書かれていた金額は現実世界では大金レベルの金額だった。

 

キリト「に、20万!?」

 

アルゴ「キー坊金には困ってないだろ?それにこの情報はこれくらいで取引しなきゃオレっちが損するんだ」

 

キリト「わ、わかったよ……」

 

キリトは代金を払い、アルゴは受け取ると、情報をキリトに渡した。

 

アルゴ「じゃ、また情報が欲しくなったらいつでも言ってくれよ」

 

アルゴはそう言うと、手を振って店から出て行った。

 

式「情報とやらが手に入ったんなら、さっさと行こうぜ?」

 

リーファ「ま、まだ眼が視えないんですよね!?」

 

式「時間が経てば治る。それにあんたらは急がなきゃならないんだろ?」

 

アスナ「っ…………」

 

アルトリア「式なら私に任せてください。回復するまで私がサポートしますので」

 

ハルユキ「キリトさん、行きましょう!!」

 

キリト「みんな……ありがとう!よし、攻略再開だ!!」

 

皆それぞれ武器を持ち、立ち上がって店を出て、転移門で砂漠エリアへと転移した。

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。