アクセル・ワールド 君の隣にいるために   作:フラっぴー

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第36話 神獣級エネミー

 

しばらく休憩してるとアルゴが下の方から飛んでやってきた。目的地にたどり着くと、息を整え始める。

 

 

アルゴ「ふぅ……やっと見つけたゾ。キー坊、頼まれてた物ダ。苦労したんだからお代はキッチリ払ってもらうからナ」

 

 

キリト「わかってるよ。いくらだ?」

 

 

アルゴ「30万ユルド」

 

 

キリト「ま、待ってくれ!!それだと俺破産する……」

 

 

アルゴ「言っとくが値切ったりはしねえゾ。まあ流石に今すぐには可哀想だからつけておいてやル」

 

 

情報料で20万、そして今回で30万ユルド。キリトは今お題を払えば間違いなく破産してしまう。アルゴもそれはわかってて後払いでも構わないと提案したのだろう。

 

 

キリト「た、助かった……」

 

 

カムイ「よし、装備も完了した。いつでもいけるよ!」

 

 

奨真「待ってくれ。その前にキリトたちに渡したいものがある」

 

 

キリト「ん?渡したいもの?」

 

 

そう言うと奨真は災禍の鎧と戦ったときになったオルタナティブモードになる。そして複数の武器を投影した。その武器は全部似たようなものだった。

 

 

アスナ「これは?」

 

 

奨真「指輪の力で強化された武器です」

 

 

リズ「こ、これって全部『英雄の遺産』じゃない!?」

 

 

シノン「英雄の遺産?」

 

 

リーファ「アップデートで追加されたレジェンド武器です。入手方法は不明。持ってる人はほとんどいないと言われてる武器なんです」

 

 

奨真が投影した英雄の遺産は『天帝の剣』『アイムール』『アラドヴァル』『フェイルノート』『破裂の槍』『ルーン』『アイギスの盾』『ラファイルの宝珠』『打ち砕くもの』『テュルソスの杖』『雷霆』『フライクーゲル』『ブルトガング』と全て揃っていた。

 

 

リズ「これって全部本物?」

 

 

奨真「いや、全部贋作だ。あくまでイメージしたものを投影しただけだからな。でも、ステータスは保証するよ。だから数は限られてるけど、好きな武器を選んでくれ」

 

 

各々英雄の遺産をジッと見てどれにするか考える。槍と斧は多いが、その武器を得意とする者は少ないせいか自分がうまく扱えるのかと不安に思う者もいた。

 

 

シノン「私はフェイルノートにするわ」

 

 

リズ「あたしはアイムール」

 

 

フィリア「私はこのブルトガングにするよ」

 

 

ストレア「アタシは打ち砕くもの!」

 

 

アスナ「私はテュルソスの杖」

 

 

ティア「私はこのフライクーゲルを」

 

 

セブン「私はルーンよ」

 

 

エギル「俺はこのアイギスの盾にするぜ」

 

 

スメラギ「なら俺は雷霆だ」

 

 

シリカ「あたしはこのラファイルの宝珠にします」

 

 

リーファ「私槍に自信はないけど、このアラドヴァルにします」

 

 

クライン「俺もねぇけど、破裂の槍を使わせてもらうぜ」

 

 

キリト「じゃあ俺は……この天帝の剣を」

 

 

各々早速装備し、試しに使ってみる。一度しか使ってないのにキリトたちは驚きを隠せなかった。何故ならこんなに手に馴染む武器は今までなかったからだ。

 

 

リーファ「私槍なんて初めて使ったのに……なんでこんなに手に馴染むの?」

 

 

クライン「お、俺もだぜ……」

 

 

奨真「先に言っておくが、その武器の耐久値はあのエネミーと戦い終わるまでと思っておいた方がいい」

 

 

あくまで奨真が投影したものだから本物ではない。だから武器の耐久値は本物よりもかなり脆くなっている。

 

 

シリカ「あたしがつけてるこのラファイルの宝珠にも耐久値はあるんですか?」

 

 

奨真「ああ」

 

 

リズ「ラファイルの宝珠はちょっと特殊なアクセサリーなのよ。装備すれば大ダメージの攻撃も激減してくれるアクセサリーだから攻撃を食らえば食らうほど耐久値はどんどん減っていくの。アスナのテュルソスの杖も魔法の力を強化するもので、魔法を使えば使うほど耐久値は減っていくわ。あとは英雄の遺産を装備すれば専用のソードスキルも使えるようになるけど、投影したものはいけるのかしら?」

 

 

リズはステータス画面を開いて武器のステータスを見てみる。するとステータス画面には専用ソードスキルという文字が書かれていた。

 

 

リズ「あ、あったわ……。あんたのその投影ってどんだけ凄いのよ……」

 

 

奨真「んなこと言われてもなぁ……」

 

 

キリト「よし、じゃあさっき分けたグループに分かれて、あのエネミーを倒すぞ!!」

 

 

全員「「「「おお!!!」」」」

 

 

気合を入れて各々エネミーの元へ向かい始めた。キリトたちのグループは青い鳥『ルヒエル』。奨真たちのグループは緑の鳥『ラシエル』。カムイたちのグループは黒の亀『サテツ』を討伐することになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリトside

 

 

 

 

 

 

目的地に着いた俺たちは遠くからやつを観察する。外見は巨大な鳥のモンスターか。飛んでるだけで何もしてないということは、こちらから仕掛けない限りあのままということか。

 

 

キリト「シノン、当てなくていいから矢を放って見てくれないか」

 

 

シノン「任せて」

 

 

シノンはフェイルノートを構えて、矢を放つ。矢はルヒエルのギリギリ横を通り過ぎていく。ルヒエルは驚いたのか、叫び始めた。叫び終えると俺たちに向かって突進し始めてきた。

 

 

キリト「当たらなくても攻撃すれば襲ってくるか」

 

 

ぶつかる前にバラバラに散らばり、俺はさっき考えた作戦を実行するために指示を出す。

 

 

キリト「アスナは魔法で援護!ニコは強化外装でバンバン撃ちまくってくれ!!それ以外はとにかく攻撃だ!!」

 

 

全員「「「「了解!!」」」」

 

 

俺も天帝の剣を持ってルヒエルに攻撃する。初めてこの剣を使うが、近接にも遠距離にもなるのか。俺は早速専用ソードスキル『覇天』を発動する。すると剣先が伸び縮みできるように分離し、蛇のように動き始めてやつに襲い掛かった。

 

 

ルヒエルに絡みつくと思ったが、鞭を打つような感じで攻撃していた。指輪の加護もあるせいかかなりのダメージを与えられた。

 

 

ロニエ「私だって!やあ!!」

 

 

ロニエは夜空の剣でエネミーの翼を攻撃する。すると今度はティーゼが後ろからロニエと攻守交代をする。

 

 

ティーゼ「スイッチ!!はあ!!」

 

 

ダメージを与えるが、ルヒエルが反撃し始めた。翼を仰ぐように動かすと、羽を飛ばしてきた。当然エネミーの目の前にいた2人は攻撃をくらってしまう。

 

 

ロニエ・ティーゼ「「きゃあああ!!!」」

 

 

ハルユキ「ロニエさん!ティーゼさん!」

 

 

アッシュ「オオウウ!!ヘーキか!?」

 

 

ハルユキは飛んでロニエを受け止め、アッシュはバイクを走らせてティーゼが地面に落ちる前に受け止めた。

 

 

オルタ「リズ!!あんたのその武器であいつを怯ませるのよ!!」

 

 

リズ「任せなさい!!」

 

 

リズは奨真が使ってたようにアイムールに思い切り力を込め始める。ルヒエルの頭付近に近づき、アイムールを振り下ろした。ドゴッという鈍い音がなり、エネミーは地面に叩きつけられて動きが鈍くなった。

 

 

キリト「チャンスだ!!一気に畳み掛けろ!!」

 

 

各々最強の技を使って総攻撃を仕掛ける。それでもルヒエルのHPはなかなか半分にはならない。けど、この調子なら最速で倒せる!!

 

 

黒雪姫「ジ・イクリプス!!」

 

 

クロエ「鶴翼三連!!」

 

 

リサ「ブリザードワルツ!!」

 

 

美早「ファーストブラッド!」

 

 

オルタ「ラ・グロントメント・デュヘイン!」

 

 

プレミア「カドラプルペイン!」

 

 

黒雪は高速でルヒエルを斬り刻み、クロエは奨真が愛用してる剣を4本投げてさらに自分が持ってる2本でルヒエルを攻撃、リサは手足に冷気を纏い、踊るように攻撃する。

 

 

スメラギ「どけ!!テュールの隻腕!!」

 

 

スメラギの『テュールの隻腕』はもともと強力なソードスキルだが、あいつが装備してる『雷霆』の力も加わってさらに強力になる。

 

 

総攻撃してるうちにルヒエルは態勢を立て直し、今度は辺りを飛び回り始め、そして俺たちに突進してきた。

 

 

ニコ「クッソ!!速えからミサイルの追尾も出来ねえ!!」

 

 

シノン「私に任せて!!フェイルノート、力を貸して!!」

 

 

シノンはフェイルノートを構えて狙いをルヒエルではなく、空に定める。何をするのかと思っていると、そのまま矢を放った。

 

 

ハルユキ「シノンさん?いったい何を?」

 

 

シノン「大丈夫。私は狙った獲物は逃さないの。あの矢は確実にあいつを撃ち抜く」

 

 

ロニエ「ど、どういうことですか?」

 

 

ティーゼ「あっ!?矢が落ち……て……?」

 

 

クロエ「放ったのって矢よね?」

 

 

リズ「でもあれはどう見ても……」

 

 

美早「流れ星」

 

 

たしかにシノンが放ったのはただの矢だったが、あれはどう見ても流れ星。いや、でもあの勢いやデカさはもはや隕石が落ちてくるのと同じ!?

 

 

シノン「これがフェイルノートの専用ソードスキル『落星』!!」

 

 

そしてその矢はまるでルヒエルの軌道がわかってるかのように落ちていき、直撃する。いや、矢が貫通した。撃ち抜かれたルヒエルは地面にたたけつけられた。

 

 

アスナ「私もこのテュルソスの杖で強化された魔法を!!」

 

 

アスナは魔法の詠唱を始める。アスナの杖から電気が集まり始めて、やがてそのエネルギーは巨大になり始めた。

 

 

アスナ「みんな避けて!!『トロン』!!」

 

 

エネルギーの球体からは一直線に伸びるようなビームが放たれた。俺たちは必死に避けて、当たることはなかった。そのビームはルヒエルに当たると、エネミーに麻痺の状態異常がかかる。

 

 

キリト「よし!!これでトドメだあ!!!」

 

 

俺は片手剣ソードスキル『ヴォーパルストライク』でエネミーに突進した。倒したと思ったがあと少しだけ残ってしまった。もう一度ソードスキルを使おうとするが、肝心な時に天帝の剣が壊れてしまった。

 

 

キリト「クソッ!剣のダメージが大きかったか……」

 

 

ロニエ「キリト先輩!!これを!!」

 

 

ティーゼ「私からも!!」

 

 

ロニエは夜空の剣を、ティーゼは青薔薇の剣を俺に向かって思い切り放り投げる。だが、距離がかなり空いているせいか、このままだと俺のところに届かない。俺は急いでキャッチしに行こうとするが、俺とロニエたちの間にハルユキと黒雪が入ってきた。

 

 

黒雪は剣先を手に変えて夜空の剣を掴み、ハルユキは青薔薇の剣を掴む。そして俺の方へ投げてきた。

 

 

ハルユキ「キリトさん!!お願いします!!」

 

 

黒雪姫「思いきりやれ!!」

 

 

キリト「ああ!!」

 

 

俺は2つの剣をキャッチし、剣に力を込める。

 

 

キリト「スターバーストストリーム!!!!」

 

 

二刀流上級ソードスキル『スターバーストストリーム』で一気に決めにいく。HPは勢いよく減り、最後の一撃を放つと0になった。そして倒した時に何かアイテムがドロップしたみたいだった。確認は……街に戻ってからにしよう。

 

 

リズ「やったわね!キリト!」

 

 

黒雪姫「見事な剣技だ」

 

 

ハルユキ「僕たち神獣級エネミーに勝ちましたよ!!」

 

 

アスナ「みんなのおかげよ!!」

 

 

シノン「それとこの子たちもね」

 

 

シノンは自分の手に持ってるフェイルノートを見せる。武器は奨真が言ってたように、この戦いが終わったと同時に壊れ始めていた。

 

 

シノン「よく頑張ったわ。ゆっくり休んで」

 

 

リズ「あんたもお疲れ、アイムール」

 

 

アスナ「ありがとう、テュルソスの杖」

 

 

スメラギ「ふん、案外使いやすかったぞ、雷霆」

 

 

完全に壊れた英雄の遺産のレプリカの破片は地面に落ちて、やがて土に還っていった。俺も心の中で天帝の剣に感謝した。あの剣がなかったら危うかったかもしれないな。そうだ、ロニエとティーゼに剣を返さないとな。

 

 

キリト「ロニエ、ティーゼ。ありがとう。2人が咄嗟に渡してくれたおかげでとどめをさせたよ」

 

 

俺はそう言って2人に剣を返す。2人は顔を赤くしながら受け取った。

 

 

ロニエ「えへへ、お役に立ててよかったです!」

 

 

ティーゼ「私もです!」

 

 

黒雪姫「皆、かなり疲れたと思うがまだ終わってないぞ。早くみんなと合流するんだ」

 

 

キリト「そうだな」

 

 

俺たちは事前に決めていた合流地点に向けて走り出した。俺たちはエネミーをなんとか倒したが、皆も無事でいてくれよ。

 

 

 

 

キリトside out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

奨真side

 

 

 

キリトやカムイたちのグループとは別れて、俺たちは緑の鳥型神獣級エネミー『ラシエル』がいる所までやってきた。ラシエルはまだ俺たちに気づいてないのか。飛び続けてるだけだった。

 

 

マシュ「まだ私たちには気づいてませんね」

 

 

クライン「そうだけどよぉ……あいつ何も動かねえから調べようにも調べられねえぜ」

 

 

ユージオ「誰かが囮になって、その間に調べるしかないとか」

 

 

奨真「なら素早い人の方がいいだろう。寿也、式。頼めるか?」

 

 

式「了解だ」

 

 

寿也「任せてください!」

 

 

イリヤ「私もいきます。遠距離攻撃もあるかもしれません」

 

 

式と寿也、イリヤの3人が囮となり、ラシエルの攻撃パターンや動きを分析する。まずはこの作戦でいき、パターンがわかってきたらすぐに加勢する感じでいくことにした。

 

 

式「寿也、アサシンらしく素早く動けよ」

 

 

寿也「式さんよりも早く動きますよ!」

 

 

イリヤ「援護するので、思い切りいってください!」

 

 

式と寿也が同時に走り出し、ラシエルの行動範囲内に入った。2人を探知したラシエルは雄叫びを上げ、2人に突進する。2人は別れるように左右に飛んで突進を回避する。ラシエルはそのままイリヤの方へ突進していく。

 

 

一方イリヤは杖を構えてエネルギーを貯めているようだった。そして杖を水平に振ると、エネルギーは刃へと変わって杖から放たれる。

 

 

イリヤ「シュナイデン!!」

 

 

ラシエルに当たるが、ダメージが少ないせいか全く怯まなかった。イリヤも予想外だったのか、反応に遅れてしまう。このままじゃ激突すると思ったが、ティアが大剣の上にマシュを乗せて大剣を振り、マシュをイリヤの目の前に移動させた。

 

 

マシュ「イリヤさん!3秒だけ持ち堪えるのでその間に逃げてください!!」

 

 

イリヤ「は、はい!!」

 

 

盾で耐えるが、空中にいるせいか踏ん張ることができない。だから完全に防ぐことができないのだろう。でもその一瞬でなんとかイリヤは逃げれたみたいだ。

 

 

マシュ「きゃあ!!」

 

 

式「寿也!一気にいくぞ!!」

 

 

寿也「はい!」

 

 

ティア「私もやるわ!」

 

 

式はナイフで攻撃し、寿也は2本のクナイで攻撃、ティアは英雄の遺産『フライクーゲル』で攻撃した。だが、両方ともダメージはあまりないみたいだ。

 

 

アリス「やはり並みの攻撃じゃダメージがない」

 

 

奨真「分析は終わりだ!一気に叩くぞ!!」

 

 

クソッ!いつもならこんなに慎重にいかないのに、俺らしくねぇ!相手は神獣級エネミーだ。分析なんかしてもほとんど意味ないのに!

 

 

楓子「奨真君はまだいっちゃダメ」

 

 

奨真「な、なんでだよ!相手は神獣級エネミーだぞ!全員で一気にいかなきゃダメだ!」

 

 

楓子「だからこそよ!今のあなたはいつものあなたじゃないわ!そのまま戦闘に入ればあなたはやられるわ!」

 

 

楓子の言ってることがわからない。今のままじゃやられる?そんなわけない、今の俺にはオルタナティブモードもある。だがそのオルタナティブモードにも時間制限があるからすぐに倒さなきゃいけない。早く倒さないと逆にみんなが危ない。

 

 

いろいろ考えてる時、楓子が両手で俺の両頬をパチンと叩いて手をそのまま添える。

 

 

楓子「奨真君、一回落ち着くの。いろいろ考えてることは見ててわかるわ。でもそのせいでまともな判断ができなくなってしまってる。そんな状態じゃ逆に危険よ」

 

 

奨真「…………ごめん。目が覚めたよ。もう大丈夫だ!」

 

 

楓子「じゃあ気をとりなしていきましょう!」

 

 

俺たちはもう合流して戦ってるみんなのところに向かい、戦闘態勢をとる。リーファと白雪には後方で回復役を頼み、援護してもらうことにした。

 

 

謡「フレイムトーレンツ!」

 

 

イリヤ「フォイヤ!!」

 

 

ういういとイリヤも援護射撃をしてもらっているが、やっぱりダメージは少ないか。やっぱり重い一撃を叩くしかないか。

 

 

リーファ「白雪さん!少しだけ回復役1人でお願いします!」

 

 

白雪姫「えっ!?リーファさん!?」

 

 

リーファ「クラインさん!あの槍を装備してください!」

 

 

クライン「お、おう!」

 

 

リーファとクラインは俺が渡した武器を装備し、ラシエルの翼まで一気に飛んで近づく。2人は槍を構えて翼に刺し、刺激を与える。元々武器の攻撃力も高いせいか、もがき苦しみ始める。

 

 

クライン「き、効いてる?」

 

 

リーファ「皆さん今です!」

 

 

ユージオ「僕がさらに動きを止める!咲け!青薔薇!!」

 

 

蓮「俺もやってやる!いけ、人形!」

 

 

ユージオは青薔薇の剣を地面に刺し、ラシエルを凍らせ、蓮は三体の人形でラシエルの翼と頭を拘束する。さらにシリカがピナにバブルブレスを命令し、ラシエルは少しずつ眠り始めた。

 

 

楓子「スワールスウェイ!!」

 

 

謡「フレイムボルテクス!!」

 

 

2人の技でラジエルにダメージを与える。ラシエルのHPゲージは残り一本になるが、今の衝撃で目を覚ましてしまい、ユージオと蓮の拘束から逃れてしまった。でも残り一本なら全員で畳み掛ければ!

 

 

奨真「みんな!あと少しだ!!」

 

 

寿也「こうなったら僕のとっておきを使ってやる!」

 

 

寿也は両手に持ってたクナイをラシエルに向けて投げる。投げたクナイは光を浴びていて、寿也は何か印のようなものを結ぶ。

 

 

寿也「クナイ影分身!!」

 

 

寿也が投げたクナイは何十個にも増えてラシエルに襲いかかる。寿也の戦いはあまりしっかりと見たことがなかったが、こんな技を持ってるのか。

 

 

寿也「連続心意技!影分身!!」

 

 

今度は寿也が3人に増えてラシエルの方へ走り出した。いや、ラシエルに向かってるんじゃなくてラシエルに投げたクナイに向かってる。何をするのかと思っていると、そのクナイを手に取ってはまた投げたり、斬ったりの繰り返しを3人でやり始めた。

 

 

式「凄えな」

 

 

レミ「私も速さには自信あるんですが……」

 

 

このままなら倒せると思っていたが、ラシエルが翼を大きく羽ばたかせて寿也を吹き飛ばした。その衝撃で寿也の分身が消えてしまった。

 

 

寿也「いたた……あともう少しなのに」

 

 

奨真「いや、よくやったぞ!」

 

 

俺は背中からガンブレードを引き抜き、ラシエルの方へ走る。途中でラシエルは竜巻を起こすが、俺はそれを全部避けてラシエルの真下にたどり着く。ガンブレードを逆手に持ってラシエルの翼を下から斬り裂く。両翼を失ったラシエルは地面に落ちて、空中にいる俺は左に持ってるガンブレードをラシエルの胴体に向けて投げる。

 

 

奨真「これでもう動けない。トドメだ!」

 

 

右手のガンブレードに心意を溜める。その心意をラビエルに向けてX字に斬るように放つ。

 

 

奨真「Xブレイド!!」

 

 

残り少なかったHPはゼロになって、ラシエルの体は砕け散った。俺が最後にトドメをさしたからか、何かドロップしたみたいだが、確認は後でいいや。

 

 

あ、やばい空中でバランス崩した!?いつもこんなことないのになんで今回はなるんだよぉ!?

 

 

そして俺は地面に激突してしまい、余計なダメージを負ってしまった。

 

 

レミ「あはははは!!奨真さんダサすぎですよ!!」

 

 

ティア「何してるのよ……」

 

 

アリス「大丈夫ですか?」

 

 

仰向けに倒れてる俺にアリスが手を差し伸べてくれた。その手を掴んで立ち上がり、強く打った背中をさする。

 

 

奨真「いてて……」

 

 

楓子「いつもならそんなことにならないのにね」

 

 

奨真「俺もわかってるけど……って楓子笑うなよ」

 

 

楓子「ごめんなさい、面白くて」

 

 

ユージオ「それにしても奨真って本当に凄いね。底が知れないというか、なんかキリトみたい」

 

 

アリス「ユージオもそう思いますか?私も何故かキリトと似てると思ってました」

 

 

シリカ「キリトさんに似てるのはわかりますけど、私はカムイさんにも似てると思います!えっとオルタナティブモードでしたか?なんか変身するところはカムイさんと同じですし」

 

 

クライン「あーアンダーワールドのときに竜に変身してたもんな!じゃあさ、奨真はキリトとカムイを足して2で割ったってことでいいんじゃねえか?」

 

 

奨真「その言い方じゃまるで俺がキリトとカムイの息子みたいじゃないか……」

 

 

ていうかキリトもカムイも男だし……。どっちが俺を産むんだって話だよ。いや、俺まで何変なこと考えてるんだよ……。

 

 

イリヤ「えっ?まさかキリトさんもカムイさんもそういう関係ですか!?」

 

 

 

今度はイリヤが変な勘違いをし始めた。ていうか本人がいないところで何変なこと話してるんだよ俺たちは。

 

 

 

ティア「んなわけないでしょ」

 

 

 

ツッコミ役がいて助かる。俺と蓮だけじゃ辛い。

 

 

 

蓮「とりあえず一度合流しよう」

 

 

式「だな。っとそうだ。寿也、後でお前のクナイ捌きを見せてくれよ」

 

 

寿也「いいですよ。そのかわりおっぱい揉ませてくださいね」

 

 

式「さらっとセクハラ発言してるが、まあいいや。好きにしろ」

 

 

楓子「奨真君は触らなくていいの?」

 

 

奨真「はっ?何を?」

 

 

楓子が突然何か言ってきたが、何のことだかさっぱりな俺は聞き返す。すると楓子はいつものようにとんでもないことを小声で言ってくる。

 

 

楓子「私のおっぱい」

 

 

奨真「なっ!?ななななな何言ってんだよ!?」

 

 

楓子「えっ?だから私の」

 

 

奨真「言わなくていい!!その話はまた後で!!」

 

 

アリス「ユージオも触りますか?」

 

 

ユージオ「なんとなく話が見えてきた……とりあえず遠慮します」

 

 

そんな感じでぐだぐだしながら、俺たちは合流地点に向かい始めた。

 

 

 


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